キーワード:妊娠 借金 返せない
タイトル:妊娠して借金が返せない時の対策!仕事復帰までを乗り切る方法
借金がある状態で妊娠をした人のなかには、借金が返せずに不安な人もいるかもしれません。その場合、まずは「本当に借金返済ができない状況にあるのか」を明確にすることが大切です。
家庭の収入や支出の状況、出産や産後にかかる費用を明確にすることで「不安になっていただけで問題なく返済できそう」「苦しいかもしれないが返済はなんとか行えそう」などと、実は借金を返せる状態である可能性もあります。
また「やはり返済できる状況ではない」という場合であっても、実際にいくらほど足りないのかを考える材料になり、そのうえでお金を用意するための対処が取れます。
当記事では、妊娠して借金が返せない時の対策をテーマに、借金返済中に妊娠した際のやるべきことをリストで紹介します。また、お金が足りない時の対策や、借金が返せない時の対処法も解説していくため、参考にしてください。
なお、借金返済ができない時には、最終手段として「債務整理」という方法もあります。債務整理をすれば、現在よりも借金の返済負担を減らせるため、妊娠中や産後の生活においての借金問題の解決につながります。
記事では債務整理についても解説するため「どうしても借金が返せない」という場合は参考にしてください。
借金返済中に妊娠をした場合にやるべきリスト
借金返済中に妊娠をした場合、お金の問題を考えると漠然とした不安にかられることもあるでしょう。そのような場合は、問題を明確にすることから始めてみてください。
「出産が近づけば働けなくなる」「働けない期間の返済はどうしよう」と考えていても、問題が明確にならず漠然とした不安を拭えません。
問題を明確にすることで「妊娠中に返済をするには〇〇円が足りないから、この金額を用意するための対策を取ろう」といった対処ができます。また、公的制度などの活用によって、妊娠中でも問題なく返済を行えるケースもあるかもしれません。
そのため、借金返済中に妊娠をした場合、下記のリストを参考に行動をしてみてください。
- 借金の総額や毎月の返済額を明確にしておく
- 妊娠・出産・産後にかかる出費を調べる
- 妊娠・出産・産後に利用できる公的支援を調べる
- 収入状況から妊娠中・出産後も返済できるかどうかを確かめる
このリストを簡単に言えば「収入と支出を明確にして、今後も問題なく返済額を用意できるのか」確認するためのものです。
「思っていたよりもなんとかなる問題だった」「必要な金額がわかれば対策が取れそう」など、前向きに考えられる可能性もあるため、まずは今後返済を問題なく行えるのか確かめてみてください。
借金の総額や毎月の返済額を明確にしておく
まずは、借金の総額や毎月の返済額を明確にしておきましょう。これらを明確にしなければ、妊娠中に返済ができる状況なのかが判断できません。
たとえば、借入先が2社ある場合「それぞれからいくら借りているのか」「毎月それぞれにいくら返済する必要があるのか」を明確にしてみましょう。
なお、借入状況や毎月の返済額は、金融機関の公式サイトやアプリから確認できます。まずは借入先の公式サイトやアプリを活用してみてください。
妊娠・出産・産後にかかる出費を調べる
仮に借金返済がなくても、妊娠・出産・産後には何かとお金が必要です。そのうえで返済のためのお金を用意しなければなりません。
返済も含めて今後かかるお金の総額を把握するために、妊娠・出産・産後にかかる出費を調べておきましょう。妊娠・出産・産後にかかる主な出費は、以下のとおりです。
- 妊婦健診費用
- 妊娠中の検査費用
- 分娩・入院の費用
- マタニティ用品・ベビー用品の購入費用
- おむつ代やミルク代
- 内祝い
出産費用は病院や入院する部屋の種類、分娩方法などによって異なり、一般的には50万円程度かかるといわれています。また、出産費用以外にもマタニティ用品やベビー用品に12万〜20万円程度のお金がかかると予想されます。
妊娠・出産・産後に利用できる公的支援を調べる
妊娠・出産・産後は、公的支援の対象になります。妊娠や育児によって働けない時期の生活資金を受給できるため、利用できそうな公的支援をリストアップしておきましょう。
妊婦健康診査費用助成 | 妊婦健診を受ける際に、費用を助成する制度。 |
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高額療養費 | 所得に応じて医療費が一定の金額を超えた場合に、超過分が返金される制度。 |
失業保険 | 妊娠や出産のために退職した時もらえる制度。 |
出産育児一時金 | 健康保険の被保険者やその被扶養者が出産した時、子ども1人につき42万円が支給される制度。 |
傷病手当金 | つわりや切迫流早産で働けなくなり、仕事に復帰できない時に手当がもらえる制度。 |
出産手当金 | 産休中に会社から給料を受け取れない場合、会社で加入する健康保険から支給される手当金。 |
育児休業給付金 | 雇用保険加入者を対象に、原則育児休業中に子どもが1歳になるまでもらえる給付金。 |
児童手当 | 出産後、子どもが高校を卒業するまでもらえる手当。 |
児童扶養手当 | ひとり親家庭を対象に、子どもが高校を卒業するまで(障がいがある場合は20歳未満まで)もらえる手当。 |
乳幼児医療費助成 | 乳幼児の医療費を助成し、窓口負担を不要にする制度。 |
医療費控除 | 1世帯の医療費が1年間で10万円(年間総所得額が200万円未満の場合は、所得の5%)を超えた場合、その超えた部分を所得から控除する制度。 |
上記の妊娠・出産・産後に利用できる公的支援のほかに、母子家庭が受けられる公的支援も用意されています。また、住んでいる地域によっては、その自治体独自の支援制度を設けているところもあります。
早いうちに自分が住んでいる地域の自治体窓口で相談し、利用できる制度について情報収集しておくとよいでしょう。
収入状況から妊娠中・出産後も返済できるかどうかを確かめる
体調が安定している間はパートなどで働けても、産前産後はそうはいきません。そのため、公的制度を利用した場合でも、働けないために収入が減ってしまう可能性もあります。
この1番苦しい時期を乗り切れるかどうかで、産後に仕事復帰するまで返済を続けられるか判断できます。その判断のために、夫の収入や公的制度の給付金などの収入状況から今後も返済が可能かどうかを判断しておきましょう。
手順 | 概要 |
---|---|
1.ひと月の収入を算出する | 夫の収入や公的制度の給付金など、ひと月に得られる金額を全て算出しておく |
2.返済額以外のひと月の支出を算出する | 自分と家族の生活費用、妊娠・出産・産後にかかる出費など、ひと月の出費を算出しておく |
3.収入から支出を差し引き、その金額が必要な返済額を超えているかを確認する |
ひと月の収入から支出を差し引いて、毎月の返済額が用意できる収支状況であるかを確認する。 なお、返済額の捻出が難しいのであれば、後述する対策を検討する。 |
収入から支出を差し引いた金額が毎月の返済額を超えていれば、仕事復帰するまでの期間も返済を行える状態と言えます。しかし、月々の返済額を用意できる状態でなければ、後述する対処法などを検討しておく必要があります。
妊娠中に借金が返せない時の対処法
公的制度などを利用したとしても、妊娠中では借金の返済が難しい場合もあるでしょう。その場合、下記のような対処法をとることを検討してみてください。
- 借入先の金融機関に連絡をして返済の猶予を相談する
- 夫や親族に相談できるなら借金の肩代わりをお願いする
ここからは、妊娠中に借金が返せない時の対処法について解説していきます。
借入先の金融機関に連絡をして返済の猶予を相談する
妊娠中に借金返済ができないと気づいた際には、まず借入先の金融機関に連絡をしてください。連絡をして「返済の意思があるが支払える状況にない」ということを伝えることで、借金の返済が遅れた場合のリスクを回避できる可能性があります。
返済遅延にはさまざまなリスクがあり、滞納の期間が長ければ長いほどリスクも大きくなります。リスクをすべて回避することはできませんが、事前に借入先へ連絡をすることで、一括請求や差し押さえなどを未然に防げる可能性があるのです。
また、あくまで交渉次第ですが、妊娠中が原因で返済ができない場合、借入先から返済の猶予を認めてもらえるケースも考えられます。支払いが厳しくなったらできるだけ早く相談することが大切です。
夫や親族に相談できるなら借金の肩代わりをお願いする
夫や親族に借金のことを打ち明けられるなら、借金の一時肩代わりをお願いすることも考えてみましょう。肩代わりしてもらうことができれば、産後に仕事復帰した後、無理のないペースで返済していくことも可能です。
たとえば借入理由が持病の治療代や働けなかった時の生活費の補填など、やむを得ない事情の場合は、話せば分かってくれる可能性もあるでしょう。
妊娠中の返済費用や生活費を用意するための対策
たとえ借金がなかったとしても、妊娠中は働けない期間もあるため、お金の問題が出てくることも多いです。そのため、妊娠中・出産後のためにも返済費用や生活費を用意するための対策を講じておくことも大切です。
- 夫婦で協力をして節約する
- 夫に副業を始めてもらう
ここからは、妊娠中の返済費用や生活費を用意するための対策について、それぞれ解説していきます。
夫婦で協力をして節約する
夫婦でお互いの支出を見比べ、節約できるところがないか話し合ってみましょう。
毎月かかる支出の中には「生活のために絶対に必要な支出」と「毎月かけなくても生活できる支出」があります。毎月かけなくても生活できる支出の例として、被服費・美容院代・交際費・タバコ代などが挙げられます。
また、ほとんどの家庭で固定費として大きな割合を占めるのが家賃です。これを機に今より安い物件に引っ越しを検討するのも1つの手です。
さらに、携帯や保険のプランを見直すことで、思った以上に出費を抑えられる場合もあります。余分な支出を見極めて節約するだけでも、余剰金を大幅に増やせる可能性があります。
夫に副業を始めてもらう
妊娠している場合、自身でアルバイトなどで稼ぐのは決して容易ではありません。そのため、短期間だけでも夫に副業をしてもらうことを検討してみてください。
「副業をしてお金を稼ぐ」というのはすでに検討したかもしれませんが、スキマ時間にアルバイトすることを考えてみるのはどうでしょうか。たとえば、バイトアプリを利用すると「休みの日の昼過ぎから夕方だけなら時間がある」といった場合でもアルバイトができる可能性があります。
バイトアプリの例として、「タイミー」では、登録が完了していれば最短1時間から働ける案件も取り扱われており、当日中の入金も可能です。
家庭の状況にあわせてアルバイトができるため、夫に副業を始めてもらう場合、タイミーのようなバイトアプリを提案するのもよいでしょう。
妊娠や借金問題で悩んだ時の相談窓口
妊娠中に借金がある場合、さまざまな不安があるかと思います。身内に相談するのもよいですが、下記のような相談窓口を利用することで問題解決のためのアドバイスがもらえます。
相談窓口 | 概要 |
---|---|
法テラス | 借金問題を相談できる機関。借金問題を解決するためのアドバイスがもらえる。 |
産婦人科のメンタルケア | クリニックによっては、妊婦のためのメンタルケアに対応している場合がある。妊娠で不安なことを相談可能。 |
全国妊娠SOSネットワーク | 思いがけない妊娠をした人のための相談窓口。身内に話せないようなことも相談でき、問題解決のアドバイスがもらえる。 |
住んでいる地域の役所 | 生活に困っている場合に相談できる窓口。借金問題を解決するためのアドバイスや利用できる公的制度の紹介などをしてもらえる。 |
場合によっては、借金や妊娠の件を身内に相談しづらいケースがあるかもしれません。そのような場合も相談窓口であれば第三者に相談でき、問題解決のためのアドバイスがもらえます。
「相談できる人がいない」「相談したけど解決できそうにない」といった場合には、相談窓口を利用してみてください。
どうしても借金返済が難しい時には債務整理を検討する
収入と支出を把握して、公的制度などを利用しても返済が難しいのであれば、債務整理を検討するのもよいでしょう。
債務整理とは、借金問題を解決するための手続きのことです。インターネットなどでは「国が認めた借金救済措置」などと呼ばれることもあります。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の手続きがあり、それぞれで借金の減額効果が異なります。
手続き | 概要 |
---|---|
任意整理 | 返済条件を変更してもらうために債権者と交渉をする手続き。利息や遅延損害金がカットされ、借金の元本のみの返済になるのが一般的。 |
個人再生 | 借金自体を1/5〜1/10程度に減額するための手続き。裁判所を介した手続きが必要。 |
自己破産 | 借金を帳消しにするための手続き。裁判所を介した手続きが必要。 |
※手続きの名称をタップ・クリックすることで、詳しく解説しているページを確認できます。
いずれも借金問題の解決につながるため、妊娠中や産後の生活にかかる返済負担を減らせます。
ただし債務整理をすると、手続きをした人はいわゆる「ブラックリスト入り」となり、クレジットカードやローンなどが利用しづらくなります。
債務整理をしても家族には直接的な影響はありませんが、自身でローンなどの契約をするのが難しくなるため、産後の生活を考慮したうえで債務整理するべきかを慎重に判断してください。
多くの法律事務所は、無料相談に対応しているため、自身の状況で債務整理をするべきかを弁護士や司法書士に相談してみるのもよいでしょう。
なお税金は金融機関からの借金のように債務整理の対象にはなりません。そのため、税金の支払いが難しいのであれば、自治体の窓口へ行って自分自身で分納の相談などをする必要があります。
相談の際には他にも払わなければならない借金があることを伝え、できる限り少ない金額で分納させてもらえるよう交渉するとよいでしょう。
妊娠中に夫の借金が発覚した場合の解決法
場合によっては、妊娠中に夫の借金が発覚したケースもあるかもしれません。突然借金があったと分かれば「今後返済をどうすればいいか」と悩むことでしょう。
その場合、下記のような対処をとってみてください。
- 借入理由と借入詳細を明らかにする
- 協力して返済するか自力で返済させるかを考える
借入理由と借入詳細を明らかにする
まずは夫と話し合って、借入理由と借入詳細を明らかにしましょう。不必要な出費だったのか、やむを得ない事情で一時的に借入をしたのかによって、夫が再び借金を繰り返す可能性があるかどうかも判断できるでしょう。
さらに、以下のような項目について調べ、借金の詳細を把握しましょう。
- 借入社数
- 借入業者名
- 業者ごとの借金残債
- 月々の返済額
- 借入期間
- 滞納期間
- 連帯保証人の有無
- 担保の有無
- 裁判所通知の有無
- 裁判所通知の受取日
- 借入理由
- 滞納理由
借入状況を明らかにし、今後の返済計画を立てることで、現状を変えずに無理なく完済を目指せるのか、収入を増やすなどの対策を取る必要があるのかを見極められます。
借金を滞納すると業者から通知や電話で督促を受けたり、最悪財産を差し押さえられたりする可能性もあるため、そういったリスクを回避するためにも滞納前に対策を取ることが大切です。
協力して返済するか自力で返済させるかを考える
借入理由や借入詳細について調べたら、今後どのように借金を返済していくか夫婦で話し合いましょう。
この時、まずはじめに考えるべきは「夫婦で協力して返済するのか?夫に自力で返済させるのか?」ということです。
夫の収入がなくても問題なく返済ができるのであれば、自力で返済させるのも1つの手段です。しかし返済期間が長期化してしまえば、産休や育休によって働けなくなった際に返済が苦しくなる可能性もあります。
返済が長期化すれば、毎月の固定費のように支払いを行わなければなりません。子どもが生まれた後の生活に支障が出てしまう可能性もあるため、すぐにでも完済できるのであれば協力して返済をすることも検討するべきです。
まとめ
「妊娠して借金が返せない」という場合、まずは家庭の収入や支出の状況を明確にすることが大切です。妊娠や出産の際には公的制度による支援を受けられるため、それらを利用しても借金返済ができないのかを確認してみてください。
そのうえで「借金返済が難しい」と判断した場合には、借入先の金融機関に返済猶予を相談したり、夫や親などに借金の肩代わりを相談したりすることを検討してみましょう。
なお、借金問題を解決する手続きとして債務整理があります。いわゆる「ブラックリスト入り」になるデメリットはありますが、現状よりも妊娠中や産後の返済負担を軽くできるため、どうしても返済が難しい場合には債務整理を検討するのもよいでしょう。
妊娠中の借金に関するよくある質問
夫にどうしても言えない借金があるのですが、妊娠により数ヶ月後には産休に入らなければなりません。夫に内緒で返済する方法はないでしょうか。
当サイトでは、任意整理を積極的に扱う弁護士を紹介していますので、一度無料相談してみることをおすすめします。
STEP債務整理「債務整理に力を入れるおすすめの弁護士を紹介」
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