借金を抱えている場合、家族にバレることをおそれている人もいるかもしれません。その場合、「どのような場合に借金が家族にバレるのだろう」と考えることでしょう。
借金が家族にバレる原因は様々あります。特に多いのは、「金融機関からの郵送物を見られた」「返済遅れによる督促に家族が対応した」といったケースが挙げられます。
とはいえ、金融機関が第三者に借金があることを伝えることはないため、期日通りに返済を行いつつ、郵送物を見られないための対策を講じておくことで、家族に借金がバレるリスクを下げられます。
当記事では、借金が家族にバレる原因や対策、バレた時の対処法について解説していきます。借金が家族にバレたくない場合には参考にしてみてください。
借金が家族にバレる原因
前提として、ローンを扱う金融機関は契約者本人の許可を得ずに、第三者に個人情報を提供することはありません。そのため、原則的には借入先が家族へ借金について伝えることはありません。
とはいえ、間接的に借金が家族にバレる可能性はあります。借金が家族にバレる原因には下記が挙げられます。
- ローンカードを見られたとき
- 借入先からの郵便物を見られたとき
- 借入先からの督促があったとき
- 通帳やATM明細書を見られたとき
- ローンなどの審査に通らなかったとき
- 自宅に取り立てが行われたとき
- 返済遅延などによって法的措置がとられたとき
ここからは、借金が家族にバレる原因について解説していきます。
ローンカードを見られたとき
家族に借金がバレる原因には、借入先のローンカードが見られたときが挙げられます。
金融機関によっては、見た目ではローンカードであるとわかりづらいカードを提供していることもあります。しかし、ローンカードを見られた場合、「何のカードだろう」と不思議に思われて調べられてしまえば、借金が家族に知られてしまう可能性があるのです。
借入先からの郵便物を見られたとき
家族に借金がバレる原因には、借入先からの郵便物を見られたときが挙げられます。
消費者金融や銀行といった金融機関から借入をすると、契約書や利用明細、キャンペーン案内といった郵便物が届くことがあります。いずれも契約者向けの内容であるため、郵便物を見られれば、家族に借金がバレてしまうことでしょう。
借入先からの督促があったとき
借金の返済に遅れてしまった際には、債権者からの電話や督促状が来ます。督促の内容は「支払いの期日が過ぎている」「後日〇〇円を支払うように」のようなものであるため、家族が督促に気づいてしまうと、借金がバレてしまうことでしょう。
督促を避けるためには、滞納せず、支払日にきっちり返済しましょう。予定通りに返済していれば、債権者からの督促はありません。
支払いを忘れてしまった場合は、なるべく早く連絡を取り、いつまでに返済できるか伝えましょう。滞納を放置せず、返済意思を伝えることが大切です。
通帳やATM明細書を見られたとき
通帳の入出金履歴や、ATM利用時の明細書を見られることで、借金が家族にバレてしまうケースもあります。
通帳の入出金履歴については、借入金の受け取りに口座振替を使わないことや、通帳の不要なネットバンクを利用することで対策できます。
ATM明細書については、明細書を発行しないようにするか、外で処分して家に持ち帰らないようにしましょう。
ローンなどの審査に通らなかったとき
借金が家族に知られる原因には、ローンなどの審査に通らなかったときが挙げられます。
前提として、ローンやクレジットカードなどの審査では、信用情報が確認されます。
信用情報とは、ローンやクレジットカードなどの利用履歴のことです。銀行や消費者金融などからの借金がある場合、「いくら借りているのか」「返済は問題なく行われているのか」といった情報が信用情報として登録されており、申込者の返済能力を調査する目的で確認されます。
そして、信用情報として登録された履歴から返済能力を疑われた場合、ローンやクレジットカードなどの審査に落ちてしまう可能性があります。「多額の借金がある」「返済に遅れた経験がある」といったケースも審査に落ちる原因になり得ます。
ローンやクレジットカードなどの審査に落ちた場合、それを家族が不審に思って、借金があることを話さずを得ない状況になる可能性もあるのです。
自宅に取り立てが行われたとき
前提として借金の返済が遅れていたとしても、基本的に金融機関は電話や郵送といった方法で督促を行うため、自宅に取り立てを行うことは原則ありません。
しかし、下記のようなケースでは、例外的に借金の取り立てとして自宅にくる可能性があります。
- 自宅への取り立てに同意をした
- 電話や郵送物の督促を無視している
- 督促に応じず放置している
自宅に取り立てが行われた場合、それを家族が対応すれば、借金があることを隠すのは難しいでしょう。
返済遅延などによって法的措置がとられたとき
借金の返済に遅れており、それが長期化すれば最終的には法的措置をとられてしまいます。
法的措置がとられれば、裁判所から自宅に郵送物が来ます。家族が郵送物を見た場合、借金があることどころか、返済が遅れており法的措置がとられていることも知られてしまうのです。
また、法的措置が取られれば、強制執行として財産が差し押さえられてしまいます。その場合、持ち家や自動車、給料といった財産が差し押さえられるため、この場合には家族に借金問題を抱えていることを隠すのは難しいでしょう。
借金が家族にバレないようにするための対策
借金が家族にバレないためには、対策を講じておくことが大切です。具体的には、下記のような対策が挙げられます。
- カードレスで借入を行う
- 口座引落し以外の方法で返済をする
- 郵便物の送付がないようにしておく
- 返済が遅れそうな時には借入先に連絡をしておく
- 借金がバレないうちに早期完済する
ここからは、借金が家族にバレないようにするための対策について解説していきます。
カードレスで借入を行う
銀行や消費者金融で借入する場合、ローンカードが発行されることがあります。前述したように、ローンカードを家族に見られることで、借金がバレるかもしれません。
借金が家族にバレることを避けるためにも、カードレスで借入をすることが対策になります。ローンカードを持っていなければ、家族に借金がバレる可能性を下げられます。
例を挙げると、次の業者はカードレスで借入が可能です。
- プロミス
- アコム
- アイフル
- レイクALSA
- SMBCモビット
- 三井住友カード カードローン(振込専用)
また、銀行のATM操作に使うキャッシュカードと兼用であれば、仮に見られても借金がバレることはないでしょう。同じ理由で、クレジットカードのキャッシング枠を使うという方法もあります。
口座引落し以外の方法で返済をする
借金が家族にバレる原因として、通帳をみられることが挙げられます。通帳に毎月一定の金額の引き落としが記載されていれば、家族に不審がられてしまい、それが借金返済であると話さずを得ない状況になる可能性があるためです。
口座引落し以外の方法で返済をすれば、通帳に記載されることはありません。そのため、毎月の借金返済は、ATMや銀行振込などの方法で行うことも検討してみてください。
郵便物の送付がないようにしておく
家に送られてきた契約書類や利用明細が家族に見つかり、借金がバレてしまうパターンもあります。これを防ぐためには、郵便物の送付がないようにしておきましょう。
なお、下記のような金融機関であれば、契約後であっても郵送物なしに変更が可能です。
- プロミス
- アコム
- アイフル
- レイクALSA
- SMBCモビット
- 三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」
ただし、利用限度額の増額案内やキャンペーン案内については、自分で送付をストップできない場合があります。コールセンターに直接問い合わせ、案内が届かないようにできないか聞いてみましょう。
返済が遅れそうな時には借入先に連絡をしておく
前述したように、借金の返済に遅れると、借入先から督促が行われます。督促の電話や郵便物を家族が見た場合、借金がバレてしまうことでしょう。
このケースを避けるためにも、借金の返済が遅れそうであれば、すぐに借入先に連絡をしてください。大前提として借金返済は期日通りに行うべきですが、万が一遅れる場合には事前に連絡をしておくことで督促がなくなる、または督促の連絡を減らせる可能性があります。
返済が遅れそうな時の連絡先は、契約者専用の問い合わせ窓口であるのが一般的です。公式サイトに電話番号が公開されているため、返済が遅れそうな時には調べてみてください。
借金がバレないうちに早期完済する
借金がバレたくないのであれば、バレない内に完済してしまうのが最もシンプルな解決策です。
借金を早期完済するためには、月々の返済額を高く設定するか、こまめに繰上返済をしましょう。
繰上返済とは、好きな金額を任意のタイミングで返済することです。多くの金融機関は繰上返済に対応しており、数千円であっても返済が可能です。
「月々の返済額を増やす」「繰上返済をする」という対策を講じれば、借金返済を効率よく進められます。そのため、ボーナスや臨時収入があったときには検討してみてください。
借金は家族だけでなく職場にもバレる可能性がある
家族とは違い、職場に借金がバレる可能性はほとんどありません。債権者からの連絡は携帯電話や自宅が優先されますし、郵便物も自宅に送られるのが基本だからです。
しかし、まったくバレないというわけでもありません。事情によっては、職場に借金がバレてしまう恐れもあります。
具体的には、下記のようなケースで職場に借金がバレる可能性があります。
- 審査時に在籍確認の電話が行われたとき
- 返済遅延によって職場に督促が行われたとき
- 強制執行によって給料が差し押さえられたとき
ここからは、職場に借金がバレる可能性があるケースについて解説していきます。
審査時に在籍確認の電話が行われたとき
金融機関から借金をする場合、審査の際に在籍確認が行われます。
在籍確認とは、申告された会社で本当に働いているのかを審査担当者が確認することです。在籍確認の方法は金融機関によって異なりますが、電話連絡で行われることもあります。
在籍確認の電話では申込者のプライバシーが考慮されるため、「借金があること」「借入審査が行われていること」などが第三者に伝わることはありません。
しかし、在籍確認の電話に会社の人が対応した場合、「何の電話だったのだろう」のように不審に思う可能性はあります。それによって、「借金があるのでは」と察知されることも考えられます。
返済遅延によって職場に督促が行われたとき
借金の返済に遅れた場合、基本的には職場に督促がいくことはありません。しかし、督促を無視し続けた場合、例外的に職場へ連絡がくることもあります。
督促が行われたとしても、第三者に借金があることが伝わることはありませんが、連絡に対応した人から事情を尋ねられる可能性があります。その場合、借金があることを話さなければいけない状態になることも考えられるのです。
強制執行によって給料が差し押さえられたとき
確実に職場の人に借金がバレる状況として、「給与の差し押さえ」が挙げられます。
返済を滞納し続けていると、債権者は法的手続きに移行し、裁判所の審議・決定をもって給与の差し押さえを実行します。差し押さえになった場合、裁判所から勤務先へ直接連絡されるため、借金の存在は確実にバレてしまうのです。
給与が差し押さえられると、借金がバレるどころか日々の生活も苦しくなります。差し押さえが決定するまでには各種通知が送付されるので、それらの通知が来たら一刻もはやく弁護士などへ相談しましょう。
家族や職場にバレずに借金問題を解決したいなら任意整理を検討する
返済が苦しく、家族に借金を隠すことがつらくなってきた場合、債務整理の1つである「任意整理」を検討してみてください。
債務整理とは、借金問題を解決するための手続きのことです。インターネットでは、「国が認めた借金救済措置」などと呼ばれています。任意整理とは、返済条件を見直してもらうために債権者と交渉をする手続きのことです。
交渉次第ではありますが、任意整理をすれば利息や遅延損害金をカットしたうえで、元金のみを3年〜5年程度で返済することになるのが一般的です。利息がカットされれば支払額も抑えられるため、毎月の返済額を抑えられるのも任意整理のメリットと言えます。
また、裁判所を通さない手続きであるため、他の債務整理手続きよりも家族や職場にバレる可能性が低いのも特徴です。
「毎月の返済額が高額で生活が苦しい」「返済は苦しいけど借りた金額だけなら完済できそう」といった場合、任意整理することを視野に入れてみてください。
ただし、任意整理をするといわゆる「ブラックリスト入り」になり、最長5年間はローンやクレジットカードなどの審査に通りづらくなるため注意が必要です。
任意整理は弁護士や司法書士に依頼するのが一般的であるため、まずは自身の状況で任意整理するべきかを相談したうえで、手続きをするべきかを慎重に判断してみてください。
個人再生や自己破産は家族や職場にバレる可能性がある
債務整理には、任意整理以外にも「個人再生」「自己破産」といった手続きがあります。
個人再生は借金自体を1/5〜1/10程度に減額する手続きで、自己破産は借金を帳消しにする手続きです。どちらも任意整理よりも大幅な借金減額効果がありますが、裁判所を通した手続きが必要になります。
前述したように、裁判所を通した手続きをすると、家族や職場に借金がバレるリスクが高まります。そのため、「絶対に家族や職場に借金を知られたくない」という場合には、個人再生や自己破産は向かないとも言えます。
とはいっても、任意整理よりも借金問題を解決できる手続きであるため、借金返済が苦しいのであれば個人再生や自己破産も視野に入れるべきです。
借金返済が苦しい場合、任意整理以外にも個人再生や自己破産も視野に入れつつ、弁護士や司法書士に相談するようにしてみてください。
家族に借金がバレたときの対処法
家族に借金がバレたときには、最初に借金があったことを隠していたことについて謝罪をしつつ反省の態度を示しましょう。
そのうえで、何のためにした借金なのかや、借入残高がどれくらいあり、いつ頃完済できそうなのかなどを説明してください。
また、借金のせいで家族に迷惑をかけないことを約束すれば、家族も安心できるでしょう。
まずは真摯な姿勢で謝ることが大切
家族に怒られるのが嫌だと思う人がほとんどでしょうが、まずは家族の怒りを収めて、話し合いをするためにもきちんと謝罪しましょう。
相手が怒り続けたままだと借金をした理由はおろか、今後の借金の返済についても相談することができません。
お金を借りていることも家族が怒る原因ではあるものの、それよりも内緒にしていたことが許せないというご家族は多いでしょう。
つまり、お金を返せばそれで済むという問題ではないので気を付けてください。
たとえ完済が近い場合でも、絶対に「もう返し終わるから良いだろう」というような言動をしてはいけません。借金の金額が多かろうが少なかろうが、家族に相談もせず勝手にお金を借りたことをしっかり謝るようにしてください。
言い訳をせずに反省している態度を示す
借金がバレたときに言い訳するのはおすすめできません。その理由は、借金を隠したことはどういった理由があっても納得してもらえない可能性が高いからです。また関係によっては言い訳することでさらに揉める可能性があります。
まずは借金があることと隠していたことについて、素直に謝罪することが重要です。謝罪をせずに理由などの説明をはじめてしまうと謝罪しても受け入れてもらえない可能性が高まります。借金を隠していたことについて、真っ先に自分の非を認めることが最適です。
それから借金ができた理由についてなぜ必要だったかを説明しましょう。このときに嘘をつくのもおすすめしません。
「家族のことを考えて隠してしまった」など、嘘をつく内容によっては許してもらえる可能性もあります。しかし嘘がバレると失った信頼を取り戻すことができません。そのため、バレた場合は嘘をつかずに謝罪をして、本当の理由を説明するようにしてください。
どうしても言い訳をしないといけない場合の伝え方
前述した通り、言い訳や嘘はおすすめできません。とはいえ、正直に言うのがはばかられる理由もあると思います。
そのような場合は、以下のように伝え方を工夫しましょう。
- 急な出費が必要で借金をした
- 生活費が足りないから借金をした
ただし、どういった弁明をする場合でも「まず隠していたことを謝る」ことや「とにかく誠実に対応する」ことは重要になります。どのような経緯でも、必ず謝罪することを忘れないようにしましょう。
急な出費が必要で借金をした
急な出費が必要で借金をしたケースは許してもらえる可能性があります。例えば友人の結婚が続いて祝儀が必要だった場合や、会社の経費をたてかえてお金がなくなったケースなどが挙げられます。
ただし、この伝え方は、家計を共にしている夫婦の場合には使用しにくいでしょう。なぜなら同じ財布で生活をしているため、必要な理由を伝えたらお金を渡してもらえる可能性があるからです。
家計を別にしている場合に使える弁明方法です。
生活費が足りないから借金をした
給与や収入が少なくて生活費が足りないから家族に黙って借金をしたというケースも許してもらえる可能性があります。
生活費が足りないことを家族に相談できずに借金で補填するというケースは良くあります。さらに家族のためにやったことでもあるため、責めにくいことも理由です。
心配をかけたくなくて借金をしたことを伝えると、より許されやすくなると考えられます。
ただし、生活費が足りていないために借金をしたと弁明する場合は、生活費の管理をしていることと生活費の内訳が説明できることが重要です。生活費を管理していないと、そもそも嘘であることがすぐに分かりますし、内訳を説明できないと怪しまれます。
現在の借入残高や完済できる目途について説明する
家族にきちんと謝罪をしたら、次はどれだけの金額を借りて、現在いくらの借金が残っているのかを説明しましょう。
家族にとってはお金を借りた理由も気になるところではありますが、それよりもいくら借金が残っていて、いつまで返済しなければならないのかが一番知りたいはずです。借金の残金や月々の支払金額によっては今後の生活に支障が出てしまう危険もあるからです。
お金を借りた事実は覆りませんから、その借金がいつなくなるのかを把握しておきたいと考えるのは当然でしょう。
自分の収入やお小遣いで返済していくことを明確に伝える
借金がバレたあとに家族が恐れるのは、借金の返済によって現状の生活が維持できなくなることです。
たとえば、家計を配偶者が管理していて、生活費から返済をしなければならないとなれば食費や交際費などを削らなくてはいけません。自分がした借金でもないのに、我慢を強いられるとなれば不満に思うはずです。
一方、借金がバレたとしても自分の収入やお小遣いで支払うので、家族には絶対迷惑をかけないと約束すれば安心してもらえる可能性があります。
「そういった気持ちを持ってくれているなら、家族みんなで協力するから生活費を工面して早く返済しよう」と申し出てくれる可能性もあるかもしれません。
まとめ
家族に借金がバレる原因は様々あります。大きくまとめると、「郵送物やローンカードなど、借金していることがわかるものを見られる」「借金返済に遅れてしまった際の督促に対応される」「ローンなどの審査に落ちた時に疑われる」といったケースにバレる可能性があります。
借金が家族にバレるのを避けたい場合、まずは期日どおり返済を行いつつ、借金があることを知られるようなものを見られないための対策をとっておくことが大切です。
なお、借金返済が苦しい時には、無理に返済を続けるのではなく、任意整理などの債務整理を視野に入れることも重要です。返済が苦しい状態を続けると、いずれ家族に借金がバレる可能性があるだけでなく、生活がままならなくなることも考えられます。
多くの法律事務所は無料相談に対応しているため、借金返済が苦しい時には弁護士や司法書士に相談することも検討してみてください。