この借金の取り立ては違法!見分けるポイントを徹底解説

毎日何十回も消費者金融から督促の電話がかかってくるのですが、こんな取り立ては違法ではないのですか?


貸金業法の取り立て規制ルールに違反する督促行為は違法です。例えば、取り立ての電話が早朝・深夜行われるのなら違法です。しかし、督促の電話の回数制限は定められていないので、時間内にかけられているなら違法性は問いにくいでしょう。
では、貸金業者からの取り立てを止めるにはどうすれば良いですか?今後違法な取り立てをされるかもしれなくて不安です。


違法な取り立て行為は警察に通報して差支えありません。また、弁護士に相談すれば違法・合法いずれの取り立て行為にも対応したうえで、借金問題を根本的に改善できるでしょう。まずは弁護士にご相談ください。
借金を滞納しているからと言ってどのような取り立ても我慢しなければいけないわけではなく、貸金業法違反・刑法違反の違法な取り立て行為に対しては警察や弁護士に相談すれば止めることができます。
ただし、実際に貸金業者などの債権者から行われる取り立て行為の違法性を判断するのは簡単なことではありません。
なぜなら、貸金業者側は取り立て行為に関する法的規制が及ぶことを知っているので、合法・違法の判断が難しいような行為態様で取り立て行為をすることがあるからです。
したがって、取り立て行為の違法性を疑う場合にはすぐに専門家に相談するのがおすすめです。
特に、弁護士に相談すれば、取り立て行為の合法・違法を判断したうえで、債務者が今後とるべき方策を提示してくれます。どうぞお気軽にご相談ください。

- 貸金業法・刑法に違反する違法な取り立て行為を受けたら警察に通報しよう。ただし、現行犯や立件できるだけの客観的な証拠が必要。
- 債権者の取り立て行為の中には合法・違法の判断がつきにくいものがある。弁護士に相談すれば適法性を判断したうえで当該取り立て行為を止めることができる。
- 債権者の取り立て行為が合法の場合には、滞納状況を改善するのがポイント。滞納分を返済できないのなら、弁護士に債務整理を検討してもらおう。
違法な取り立てと合法な取り立てのボーダーラインとは?
貸金業者などから行われる取り立て行為に困っている場合には、当該取り立て行為が合法なのか違法なものなのかを判断するのが重要です。
なぜなら、取り立て行為が合法か違法かによって、その後債務者側がとるべき対策が異なるからです。
そこで、まずは以下の3つのポイントを押さえることからはじめましょう。
- 違法な取り立てのルールは法律で決められている
- 合法な取り立ての流れは決まっている
- 違法・合法の判断が難しい取り立ては専門機関などに相談しよう
債権者側から行われる取り立て行為の中には、明らかに違法・合法が判断できる取り立て行為、適法性の判断が微妙な行為があるので、それぞれの項目について見ていきましょう。
違法な取り立てのルールは法律で決められている
債権者側から行われる借金の取り立ては法律を守る必要があります。
具体的に、取り立て行為の違法性が問題になるのは、以下の2項目です。
- 貸金業法違反の違法な取り立て行為
- 刑法違反の違法な取り立て行為
それでは、各法律違反の違法な取り立てについて、それぞれ見ていきましょう。
貸金業法違反の違法な取り立て行為
貸金業法では、貸金業者の取り立て行為について厳しいルールを定めています。
貸金業法における取り立て規制に違反する行為については、”2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方”が刑事罰として、また、”貸金業者の登録取り消しや業務停止処分など”が行政罰として科されます。
他方、貸金業者以外の債権者については貸金業法の取り立て規制は及ばない点にご注意ください。
貸金業法違反の違法な取り立て行為としては、以下のものがあります。
- 早朝・深夜の取り立ては違法
- 自宅以外の場所での取り立ては違法
- 退去の要求に応じない取り立ては違法
- 取り立て時に看板・はり紙をするのは違法
- 第三者に肩代わりを要求する取り立ては違法
- 別の借金で弁済を求める取り立ては違法
- 債務整理手続き開始後の取り立ては違法
- 「正当な理由」があると違法な取り立てが合法になる
以下では貸金業法に規定されている取立て規制の代表的な行為についてそれぞれ解説しますが、貸金業法21条1項ではさらに詳細にルール化されているので、あわせてご確認ください。
早朝・深夜の取り立ては違法
午後9時から午前8時の取り立て行為はすべて違法、午前8時から午後9時の間でも債務者が指定した時間以外の取り立て行為は例外的に違法、です。
具体的には、以下のような取り立て行為が違法とされます。
- 午後9時から午前8時の間に自宅を訪問する
- 午後9時から午前8時の間に債務者に電話をかける
- 午後9時から午前8時の間に債務者の自宅にFAXを送信する
- 債務者が午前中を指定したのに夕方ごろに取り立てをする
以上のように、貸金業者の取り立て行為には厳しい時間制限が科されているので、滞納時に無作為な取り立てを受けたくないのなら貸金業者側に対して時間指定を行うようにしましょう。
自宅以外の場所での取り立ては違法
債務者の自宅以外の場所で行われる取り立て行為はすべて違法です。
具体的には、以下のような取り立て行為が違法と考えられます。
- 債務者の勤務先に電話をかける
- 債務者が親族・知人・恋人宅に居るときを狙って訪問する
取り立て行為が行われるのは、契約書に記載した債務者の自宅・電話番号に対してです。
債権者側に伝えている場所以外への取り立てはすべて違法なので、速やかに専門家にご相談ください。
退去の要求に応じない取り立ては違法
債務者の自宅に訪問した債権者に対して退去するように意思表示したにもかかわらず、これを無視して居座られた場合には、取り立て行為は違法になります。
したがって、債権者の訪問をやめさせたい場合には退去の旨を伝えるだけ帰ってもらえるのが一般的ですし、貸金業者が帰らない場合にはすぐに警察に通報すれば対応してくれます。
取り立て時に看板・はり紙をするのは違法
看板やはり紙などを設置して債権者のプライベートに関する事実を周囲に知らしめる取り立て行為は違法です。
具体的には、以下のような行為が考えられます。
- 債務者を誹謗中傷するような内容のはり紙を自宅扉に貼りつける
- 滞納の事実を記載したビラを近隣に配る
- 債務者の連帯保証人の個人情報を記載した立て看板を設置する
ここでは、借金を抱えていること、滞納していることはもちろんのこと、債務者・連帯保証人の個人情報や誰にも知られたくないようなプライバシーに関する事情がすべて対象です。
ビラやはり紙などは警察に立件を促すための客観的証拠になるので、廃棄はせずに保管をしたうえで専門機関に提出しましょう。
第三者に肩代わりを要求する取り立ては違法
債務者の借金について返済義務を負うのは債務者本人と連帯保証人だけなので、それ以外の第三者に借金の肩代わりを求める取り立ては違法です。
具体的には、以下のようなケースが違法と判断されます。
- 債務者の親に支払いを求める電話をかける
- 債務者の妻・旦那に支払いを求めるために自宅に訪問する
- 親の土地等を売却して返済するように要求する
- 債務者の家族に借金の取り立てに協力させる
債務者と同一生計で生活しているか否かにかかわらず、債権者と直接の法的関係にはない人物は借金とは無関係です。
別の借金で弁済を求める取り立ては違法
借金返済のために新たな借金を迫る取り立て行為は違法です。
具体的には、以下のような取り立てが考えられます。
- 親・親族などから資金を調達してくるように迫る
- 系列の貸金業者からの借り入れを求める
- 給料ファクタリングなどの方法で融資を強要する
滞納している以上何かしらの方法で資金を調達する必要があるとは言え、どのような方法で債務者がお金を集めるかは債務者本人の自由です。
場合によっては、系列の貸金業者からさらに厳しい金利条件などでの借り入れを強要されかねないので、このような求めには応じないようにしてください。
債務整理手続き開始後の取り立ては違法
債務者が債務整理を開始した後は、債権者は一切の取り立て行為を禁止されます。
具体的に債権者からの取り立てが禁止されるのは以下のタイミングです。
- 弁護士からの受任通知が届いた
- 裁判所から債務整理手続きの開始決定に関する通知が送付された
債務整理は債務者本人だけで行うことも可能ですが、これでは各種手続きがスタートするまでは取り立てが続いてしまいます。
弁護士に依頼すれば債務整理手続きの準備段階から取り立てが止まるので、早期に債権者からの取り立てから解放されたいのなら弁護士に依頼するのがおすすめです。
21条1項 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするにあたって、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
1号 正当な理由がないのに、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯として内閣府令で定める時間帯に、債務者等に電話をかけ、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の居宅を訪問すること。
2号 債務者等が弁済し、又は連絡し、若しくは連絡を受ける時期を申し出た場合において、その申出が社会通念に照らし相当であると認められないことその他の正当な理由がないのに、前号に規定する内閣府令で定める時間帯以外の時間帯に、債務者等に電話をかけ、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の居宅を訪問すること。
3号 正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問すること。
4号 債務者等の居宅又は勤務先その他の債務者等を訪問した場所において、債務者等から当該場所から退去すべき旨の意思を示されたにもかかわらず、当該場所から退去しないこと。
5号 はり紙、立て看板その他何らの方法をもってするを問わず、債務者の借入れに関する事実その他債務者等の私生活に関する事実を債務者等以外の者に明らかにすること。
6号 債務者等に対し、債務者等以外の者からの金銭の借入れその他これに類する方法により貸付けの契約に基づく債務の弁済資金を調達することを要求すること。
7号 債務者等以外の者に対し、債務者等に代わって債務を弁済することを要求すること。
8号 債務者等以外の者が債務者等の居所又は連絡先を知らせることその他の債権の取立てに協力することを拒否している場合において、更に債権の取立てに協力することを要求すること。
9号 ~債務整理開始に係る取立て規制について~(省略)
10号 債務者等に対し、前各号(第6号を除く。)のいずれかに掲げる言動をすることを告げること。
「正当な理由」があると違法な取り立てが合法になる
債務者が注意しなければいけないのは、正当な理由があると本来違法なはずの取り立て行為が合法になるということです。
例えば、午後9時から午前8時の間の取り立て行為は本来違法ですが、債務者が債権者側から行われる合法の取り立て行為を無視し続ける場合には、例外的に午後9時から午前8時の間の取り立ても合法になる可能性があります。
なぜなら、こうでもしなければ債務者と連絡が取れないからです。
同様に、何度自宅に訪問しても居留守を使う債務者と連絡をとるために、債務者の職場に連絡をとる場合にも「正当な理由」があると考えられるので、職場への取り立て電話は合法と扱われる可能性があります。
したがって、債権者側からの違法な取り立てには応じる必要はありませんが、合法に行われる適正な取り立てを無視し続けると債権者側から厳しい取り立てを受けるおそれがあるので、できるだけ誠実な対応を心がけましょう。
刑法違反の違法な取り立て行為
刑法で定められている犯罪に該当する取り立て行為は違法です。
貸金業法の取り立て規制は貸金業者にしか適用されませんでしたが、刑法違反の取り立て行為はすべての債権者が対象とされています。
したがって、以下の行為類型に該当するような取り立てを受けた場合には、どの債権者かにかかわらずすぐに警察に通報して身を守ってください。
犯罪名 | 該当しうる取り立て行為 |
---|---|
暴行罪 | ・暴力をふるわれる ・物を投げつけられる |
傷害罪 | ・怪我をさせられる ・自転車やバイクで追突される |
建造物等侵入罪 | ・自宅や敷地内に勝手に入ってくる ・職場などに無理矢理入ってくる |
不退去罪 | ・退去の旨を指摘しても居座る |
強要罪 | ・土下座をさせる ・家族に返済を迫る ・他社からの借金を迫る |
脅迫罪 | ・乱暴な言葉を投げかける ・大声などで威圧する |
器物損壊罪 | ・債務者の財産を壊す ・鍵穴に接着剤をねじこむ ・落書きをする |
業務妨害罪 | ・勤務先で仕事の邪魔をする |
刑法違反の違法な取り立て行為が継続している間であれば、警察に通報すれば現行犯逮捕で対応してくれます。
ただし、後から通報する場合には、犯罪を証明するだけの客観的な証拠が必要です。
債権者を特定する情報警察に通報する際には加害者を特定するだけの情報が重要です。特に、貸金業法違反を問う場合には、被害者である債務者との間に金銭消費貸借契約があることが前提となります。業者名・住所・電話番号・銀行口座情報・契約書など、特定に必要な情報はしっかりと残しておきましょう。とともに、着信履歴・留守電の内容・防犯カメラ・会話の録音・診断書・壊された物やその写真などを準備して、被害届を提出しましょう。また、警察に通報すれば当該取り立て行為の違法性を問題視することは可能ですが、警察には民事不介入の原則民事不介入の原則とは、警察が扱える業務は刑事事件に関するものだけで、民事紛争には立ち入ることができないというルールのことです。借金問題は私人間の契約に関する民事法の領域の問題なので、警察は介入できません。が働くので、取り立てを受ける原因になった借金問題を改善することはできません。
したがって、将来的に取り立てを防ぐためには、弁護士に相談をして、借金問題を根本から解決してもらいましょう。
合法な取り立ての流れは決まっている
債務者が借金を滞納している場合、債権者は貸金業法・刑法に違反しない形での取り立て行為を行うことができます。
つまり、以下の流れに含まれる取り立て行為は合法なものなので、取り立て行為が違法だとして通報することはできません。
【一般的に行われる合法な取り立ての流れ】
- 1日3回程度の電話による取り立ては合法
- 普通郵便で送付される督促状による取り立ては合法
- 内容証明郵便で送付される催告書による取り立ては合法
- 裁判所を利用した法的措置は合法
これらの一般的な取り立て行為は合法なものなので、債務者は無視をせずに誠意をもって対応しなければいけません。
他方、これらの一般的な取り立ての流れに反する行為は違法の可能性が高いので、警察などの専門機関に相談しましょう。
それでは、合法な取り立ての流れについて、それぞれ説明します。
1日3回程度の電話による取り立ては合法
督促の電話は、一般的には1日3回程度が目安です。
もちろん、債務者が電話に出て担当者と今後について話し合う姿勢を見せればそれ以上電話がかかってくることはありません。
普通郵便で送付される督促状による取り立ては合法
返済期日を落とした場合には、遅延損害金を加算した新しい振込依頼書が普通郵便で送付されます。
もちろん、債務者を脅すような文言は記載されていません。
内容証明郵便で送付される催告書による取り立ては合法
延滞日数が増えると、一括返済を求める旨の内容証明郵便が送付されます。
残債の一括請求に応じれば借金はなくなりますが、一括請求さえ無視してしまうと、法的措置をとられる可能性が高まります。
裁判所を利用した法的措置は合法
債務者がいつまでも滞納状態を改善せずに取り立てにも応じなければ、裁判所を利用した法的措置をとられます。
貸金返還請求訴訟・支払督促のいずれかの裁判手続きに進むことになりますが、約束通りに借金を返済していない以上、債権者側に有利な裁判結果が出るのは明らかです。
判決書・仮執行宣言付支払督促が確定すると、やがては債務者の財産・給料が差し押さえられてしまいます。
違法・合法の判断が難しい取り立ては専門機関などに相談しよう
貸金業者などの債権者による取り立て行為の中には、合法なのか違法なのかを判断するのが難しい場合が少なくありません。
しかし、取り立て行為が違法か合法かによって、その後債務者側がとるべき方針が大きく変わるので、できるだけ早急かつ適切に取り立て行為の適法性を判断する必要があります。
したがって、以下のような合法・違法の判断が難しい取り立てを受けた場合には、速やかに弁護士・警察等の専門機関に相談をして判断を仰ぐようにしましょう。
- 毎日何十回も電話がかかってくる
- 出勤前に自宅前で待ち伏せされる
それでは、適法性の判断が難しい取り立てについて、それぞれ見ていきましょう。
毎日何十回も電話がかかってくる
悪質な債権者の中には、毎日何十回も取り立ての電話をかけることがありますが、それだけで貸金業法違反・刑法違反を問うのは難しいです。
なぜなら、取り立ての電話の回数については法的規制がないからです。
もちろん、午後9時から午前8時の早朝・深夜帯に電話がかかってきた場合や、電話口で脅迫めいた言葉を投げかけられるような場合には、違法な取り立て行為として警察に通報できます。
他方、毎日何十回も電話がかかってくるのに、留守電の口調は丁寧で、電話に出たとしても厳しいことを言われるわけでもないのなら、何十回も繰り返される督促の電話だけをもって刑事事件として立件するのは難しいでしょう。
したがって、異常な回数の電話をかけられる場合には、以下のポイントを押さえてください。
- ①刑事事件として立件する可能性があるので警察に相談
- ②明らかに異質な電話の回数なので弁護士に闇金対応を相談
- ③借金問題改善に向けて弁護士に債務整理を相談
- ④架電禁止の仮処分
当該取り立て行為が合法・違法のいずれと判断されるか難しい以上、それぞれの場合に備えて①②③の対応をとるのは必須です。
加えて、どうしてもすぐに電話を止めさせたいという場合には、④架電禁止の仮処分を求める申し立てを裁判所にしましょう。
裁判所に申立てが認められると債権者側からの電話を止めることができるので、あわせて弁護士までご相談ください。
出勤前に自宅前で待ち伏せされる
出勤前に自宅前で待ち伏せされているケースについても合法・違法の判断が分かれるところです。
まず、勝手に自宅の敷地内に入ってくる場合には住居侵入罪に該当、退去申し出に応じてもらえなければ不退去罪に該当、待ち伏せの時間が午前8時より前であれば貸金業法違反になるので違法です。
他方、自宅から数十メートル離れた公道上で待ち伏せをされている場合、脅されるわけでもなくただ後を付いてくるだけの場合などは、いずれの犯罪類型にも該当しないので警察では扱いにくいでしょう。
したがって、債権者側からの待ち伏せ行為に悩まされている場合には、以下のポイントを押さえてください。
- ①待ち伏せ行為が違法なケースに備えて警察に相談
- ②待ち伏せ行為が合法なケースに備えて弁護士に相談
- ③面会強要禁止の仮処分
もちろん、債権者側の迷惑行為を刑事訴追したい一心で警察に相談(①)するのは間違いではありませんが、貸金業者などの債権者側も法律には詳しいのであからさまに立件されるような行為をとってこない可能性も高いです。
したがって、債権者側からの取り立てで困っているのなら、合法・違法のいずれの取り立て行為にも対応できる弁護士に相談(②)するのがおすすめです。
弁護士に相談すればどのような取り立て行為にも対応してくれますし、すぐに待ち伏せを止めたい場合には面会強要禁止の仮処分(③)も申し立ててくれます。
最終的に借金問題を適切に解決するためにも、できるだけ早期にご相談ください。
違法・合法な取り立てを今すぐ止める方法を解説
債権者側から行われる取り立て行為の適法性判断は難しい以上、合法・違法それぞれの場合に備えた対処法を押さえておくことが重要となります。
したがって、借金の取り立てをすぐに止めたいという場合には、以下2項目の方法を検討しましょう。
- 違法な取り立ては警察などの専門機関に相談しよう
- 合法な取り立ては弁護士に相談しよう
それでは、取り立てを止める方法について、それぞれ見ていきましょう。
違法な取り立ては警察などの専門機関に相談しよう
違法な借金の取り立て行為を受けた場合には、刑事事件として立件するだけではなく、貸金業界としての処分や行政処分を期待することができます。
具体的には、以下3点の方法をご検討ください。
- 警察に相談すれば刑事事件として対応してくれる
- 公的機関に相談すれば無料で対応方法を教えてくれる
- 弁護士に相談すれば違法な取り立てにも厳しく対応してくれる
それでは、それぞれの相談機関について見ていきましょう。
警察に相談すれば刑事事件として対応してくれる
貸金業違反・刑法違反の借金取り立て行為を受けた場合には、警察に相談すれば刑事事件として対応してくれます。
現に違法な取り立てを受けている場合にはすぐに通報して現行犯逮捕を、後日通報する場合には客観的な証拠を提出して通常逮捕を求めましょう。
ただし、後日通報して通常逮捕の流れを求める場合には、捜査に一定の時間を要する以上、すぐに取り立てが止まるわけではありません。
警察が立件した後逮捕手続きに進むまでの間にもふたたび違法な取り立てを受ける可能性があるので、すぐに通報できる体制を整えておくべきでしょう。
公的機関に相談すれば無料で対応方法を教えてくれる
違法な取り立てに対しては、行政などの公的機関に相談すれば無料で対応方法を教えてくれますし、行政処分や貸金業界としての処分を期待できます。
具体的な公的機関としては、以下のものが挙げられます。
これらの公的機関は直接的に取り立て行為を止める権力はもっていませんが、現に違法性に疑いのある取り立て行為を受けて困っている債務者に無料相談の機会を用意しているので、取り立て行為の適法性を判断したうえで今後の対応策を紹介してくれます。
「警察には通報しにくい」「とりあえずどうすれば良いのか知りたい」などの場合に簡単に相談できるので、どうぞお気軽にお問合せください。
弁護士に相談すれば違法な取り立てにも厳しく対応してくれる
警察は刑事事件しか扱えませんが、弁護士はすべての法律問題を扱うことができます。
したがって、違法な取り立てを困っている債務者を救うために、以下のような対応策を実践してくれます。
- ①債権者との間で取り立て行為を止めるための交渉をする
- ②違法な取り立てを刑事訴追するためのサポートをしてくれる
- ③闇金に対して「返済義務がない旨」の通知をしてくれる
- ④闇金に対して「支払った金銭の返還を求める旨」の通知をしてくれる
違法な取り立て行為を行う債権者の中には闇金もいるので、③④は特に重要です。
闇金との間の金銭消費貸借契約は無効なので、これ以上お金を返済する必要がないだけではなく、今まで支払ったお金を取り戻すことができます。
違法な取り立てをする債権者が闇金の場合には法律の素人が直接関わるのはリスクが高いので、弁護士に相談して厳粛な対応をとってもらいましょう。
合法な取り立ては弁護士に相談しよう
債権者側から行われている取り立て行為が合法な場合には、刑事訴追をしたり闇金対応をしたりすることはできません。
つまり、”電話・郵便物による取り立て”、”一括請求による取り立て”、”裁判手続きによる差し押さえ”という流れによって行われる取り立て行為は合法である以上、取り立てを無視し続けると財産・給料が差し押さえられるという大きなデメリットを受けてしまうので、早期の対応が重要です。
もちろん、滞納分を返済して完済を目指すのであれば、取り立ては止まりますし、滞納デメリットが深刻になることはありません。
しかし、家計状況を鑑みて滞納している借金を支払うことができないのであれば、できるだけ早期に弁護士に債務整理を進めてもらうのが適切と考えられます。
弁護士に債務整理を依頼すれば、以下のメリットが得られます。
- 弁護士に債務整理を依頼すれば取り立てがストップする
- 弁護士に依頼すれば借金問題を根本的に解決してくれる
- 弁護士に依頼すれば個人間の借金も円松に解決できる
それでは、弁護士に債務整理を依頼するメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
弁護士に債務整理を依頼すれば取り立てがストップする
債務整理の依頼を受けた弁護士は貸金業者に対して受任通知を送付するので、その時点で取り立てが止まります。
なぜなら、貸金業者は債務整理開始後の返済督促を禁止されているからです。
債務整理を依頼するだけで取り立てによる嫌がらせが止まるので、早期にストレスから解放されて生活再建を目指すことができます。
※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。
弁護士に依頼すれば借金問題を根本的に解決してくれる
弁護士に債務整理を依頼すれば、債務者の状況に応じて適切な手続きを選択してくれます。
債務整理には自己破産・個人再生・任意整理の3つの手続きが用意されていますが、各手続きには以下のような特徴があることから、債務者が置かれている現状や今後の生活再建のあり方、債務者の希望を総合的に考慮したうえで手続きを選択しなければいけません。
【各債務整理手続きの特徴】
自己破産 | 個人再生 | 任意整理 | |
---|---|---|---|
メリット | ・借金帳消し ・無職でも利用できる |
・借金減額効果が大きい ・ローン返済中の自宅を手元に残せる ・借金の原因を問わない |
・利息や遅延損害金をカット ・裁判所を利用しないので手続きが楽 ・連帯保証人への迷惑を回避できる |
デメリット | ・ほとんどの財産が処分される ・借金の原因次第では免責されない可能性あり ・職業制限などあり |
・手続き、要件が複雑 ・一定の収入が必要 ・返済を継続する必要がある |
・借金減額効果が弱い ・返済を継続する必要がある ・債権者の合意が不可欠 |
債務整理を利用する際に大切なことは、”現在の借金を整理すること”だけではなく、”どのような形で生活再建を進めるか”ということも含まれます。
債務整理手続き利用後に生活再建できないような状況に追いこまれてしまうと意味がないので、将来的な展望を明確にしたうえで手続きを選択しましょう。
そのためには、債務整理手続きに慣れた弁護士への相談が必須と考えられるので、できるだけ早い段階でご相談ください。
弁護士に依頼すれば個人間の借金も円満に解決できる
貸金業者との借金問題は淡々と進めることができますが、債務整理の対象に個人間の借金が含まれている場合には、手続きを慎重に進める必要があります。
なぜなら、債務者と債権者との間には人間関係がある以上、私情を排除して粛々と手続きを進めるのが難しいからです。
例えば、個人間の借金には貸金業法の取り立て規制が及ばないので、債務整理後も債権者側が何度も督促を繰り返してしまうこともあるでしょう。
また、債務者側としても、貸金業者からの借金は債務整理しても良いが、個人の債権者には出来れば返済したいという意思があるかもしれません。
弁護士に相談すれば、このような私的な問題についても丁寧に交渉・対応をしてくれるので、可能な限り穏便な解決を目指すことができます。
まとめ
違法な借金取り立てを受けたのなら警察や公的機関に通報しましょう。
貸金業法違反・刑法違反の違法な取り立て行為に対しては刑事訴追が可能です。
他方、明確に違法とは言えない取り立てや明らかに合法な取り立て行為を受けている場合には、できるだけ早期に弁護士に相談してください。
なぜなら、弁護士なら当該取り立て行為に対してとるべき対応を判断してくれますし、借金問題を根本から解決する必要がある場合には、債務者にとって適切な債務整理手続きを選択してくれるからです。
弁護士に相談するだけで借金取り立てがすぐに止まりうるので、どうぞお気軽にご相談ください。
借金の取立てに関するよくある質問
債務者が滞納した場合の一括請求は違法にはなりません。通知を放置すると財産や給料を差押えられてしまう恐れがあるため、請求に応じるか弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士へ相談することをおすすめします。物損被害などがある場合は警察へも同時に相談するとよいでしょう。
警察・公的機関・弁護士に相談すれば、適法性を判断してくれます。万が一当該取り立て行為が合法だった場合には借金問題の根本的な解決が必要なので、一度に今後の展望を知りたいのなら弁護士に相談するのが適切でしょう。
早朝・深夜の取り立てや、債務者の自宅以外の場所での取り立てなどが挙げられます。ただし、貸金業者とそれ以外の債権者では規制内容に違いがあるので、詳しくは弁護士までご相談ください。
借金の返済が難しい場合は、弁護士へ債務整理も視野に相談することをおすすめします。債務整理を依頼すれば、債権者からの取立てもストップできます。
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