掲載件数
433
2024年11月現在

不倫誓約書の例文|手書きでも効力はある?作成のメリットや注意点、違反時の対処法

不倫誓約書の例文|手書きでも効力はある?作成のメリットや注意点、違反時の対処法

不倫誓約書には、不貞行為の詳細や慰謝料の支払い方法、違反時のペナルティなどを当事者同士で話し合い記載します。不倫誓約書は手書きでも効力がありますが、書面の体裁を整え、シャチハタ印は避けて実印か認印で捺印をしましょう。当事者全員の直筆署名も必須です。

また誓約書作成時の注意点としては、公序良俗に則った内容にすることや、相手に作成を強制しないことなどが挙げられます。

不倫誓約書は不倫再発の抑止力になり、調停や裁判になったときの証拠書類にもなります。慰謝料の未払い時に強制執行するには、公正証書にしておくのがおすすめです。もし記載内容に違反された場合は、相手と直接交渉するか内容証明郵便の送付を行い、それでも解決しなければ弁護士に依頼することを検討してみてください。

本記事では、不倫誓約書の書き方や注意点、違反された際の対処法などについて解説します。

無料相談・電話相談OK!
一人で悩まずに弁護士にご相談を

ツナグ離婚弁護士で離婚に強い
弁護士を探す

不倫誓約書に記載すべき内容(例文あり)

一般的に、不倫誓約書には以下のような内容を記載します。

  • 書き始め
  • 不貞行為の詳細や謝罪
  • 慰謝料の金額や支払い方法
  • 不倫関係を解消する誓約
  • 誓約書に違反した場合のペナルティ
  • その他の必要事項

決められた様式があるわけではなく、あくまでも当事者間で話し合い取り決めた内容を記載する形です。
それぞれの内容について、順を追って解説していきます。

書き始め

冒頭には、当事者(不倫された配偶者と、不倫した配偶者や不倫相手)の名前と、当事者たちが合意した旨や結論を記載します。

(例)
〇〇〇〇(以下「甲」という)、〇〇〇〇(以下「乙」という)及び〇〇〇〇(以下「丙」という)は、乙と丙が不貞行為を行った件(以下「本件」という)について、以下のとおり合意し、誓約する。

まず結論を述べてから、取り決めた条項を一つずつ記載していく形になります。なお、不倫誓約書の場合は「不貞行為」と書くことがポイントです。

不倫や浮気も同様の意味を持ちますが、法律用語として定められているのは不貞のみです。不貞行為があったことを記すことで、離婚請求の根拠になったり、慰謝料請求が可能になったりします。

不貞行為の詳細や謝罪

不貞行為の内容を、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)でできる限り詳細に記載します。回数や頻度はもちろん、不倫相手については名前だけでなく住所や生年月日、勤務先などもわかる範囲ですべて記載しましょう。

また、不貞行為を行った事実を認めて謝罪する旨も加えます。謝罪に関しては、条項を分けて記載してもよいでしょう。

(例)
第〇条(謝罪)
乙は2022年4月から2023年5月までの期間継続して、丙と複数回の不貞行為を行った事実を認め、甲に謝罪する。
(例)
第〇条(不貞行為の事実)
乙は2022年4月から2023年5月までの期間継続して、丙と複数回の不貞行為を行った事実を認める。

第〇条(謝罪)
乙は、前条の事実を認め反省し、甲に対して謝罪する。

慰謝料の金額や支払い方法

慰謝料の金額や支払い方法がすでに決まっているなら記載します。慰謝料とは、配偶者の不貞により受けた精神的苦痛に対する補償のことです。

不貞は、夫婦間における貞操義務違反として不法行為に該当するため、慰謝料請求が可能です。たとえ離婚しなくても請求することができ、不貞行為を働いたことによる慰謝料を請求したい場合は「不貞慰謝料」、離婚に至る場合は「離婚慰謝料」として請求することになります。

ただし、不倫をされるよりも前に夫婦関係が破綻していたことが明らかである場合は、不倫されたとしても慰謝料の請求はできません。夫婦関係が破綻していなかったことを証明するには、不倫誓約書に謝罪や反省の言葉を記載させるのが効果的です。

慰謝料額は夫婦間協議や離婚調停により決定されますが、一般的な相場は以下のとおりです。

離婚する場合 100~300万円
離婚しない場合 数十万~100万円

上記を参考に、現実的に支払いが可能な額を記載しましょう。たとえば億を超えるようなあまりにも高額な請求は、公序良俗違反として無効になる可能性が高いです。

公序良俗とは、社会的な妥当性が認められる常識的な観念のことです。

また、慰謝料請求をする場合は支払い条件も明記する必要があります。記載すべき内容は以下のとおりです。

  • 支払い方法(分割か一括か)
  • 支払い期限
  • 支払い先口座情報
  • 振込手数料の負担

分割払いの場合、支払いのタイミングや各回の支払い金額も忘れずに明記しましょう。

なお、不貞慰謝料は不倫をした配偶者だけでなく、不倫相手にも請求可能です。離婚はせず不倫相手にのみ慰謝料を支払わせたい場合は、不倫をした配偶者に対する求償権を放棄する旨を記載する必要があります。

不貞慰謝料における求償権とは、一方が自分の責任部分以上の額の慰謝料を支払った場合、もう一方に超えた分を請求できる権利のことです。

不貞慰謝料は不倫をした二人が連帯して支払い義務を負っており、たとえば慰謝料額が100万円なら、折半して一人50万円ずつ支払うのが本来の形です。しかし求償権を放棄させれば、この100万円を不倫相手一人にすべて支払わせることができるようになります。

(例:配偶者と不倫相手に請求する場合)
第〇条(慰謝料)
乙及び丙は甲に対し、本件の慰謝料として金100万円を支払うことを約束する。

第〇条(支払い方法)
乙及び丙は第〇条の慰謝料を、以下の口座に〇〇年〇月〇日までに分割して支払う。
振込手数料は、乙及び丙の負担とする。

〇〇年〇月~〇〇年〇月 毎月末日
各回 金〇万円

【振込先口座】
〇〇銀行 〇〇支店
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
口座種別 普通預金
口座名義 〇〇〇〇

(例:不倫相手に請求する場合)
第〇条(慰謝料)
乙は甲に対し、本件の慰謝料として金100万円を支払うことを約束する。

第〇条(支払い方法)
乙は第〇条の慰謝料を、以下の口座に〇〇年〇月〇日までに振り込んで支払う。
振込手数料は、乙の負担とする。

【振込先口座】
〇〇銀行 〇〇支店
口座番号 〇〇〇〇〇〇〇
口座種別 普通預金
口座名義 〇〇〇〇

第〇条(求償権の放棄)
乙は、丙に対する本件不貞行為の慰謝料支払い債務に基づく求償権を放棄する。

不倫関係を解消する誓約

離婚しない場合は、配偶者と不倫相手が不倫関係を解消する旨を記載します。また再発防止のため、今後の接触禁止やお互いの連絡先を消去することなどを明記しましょう。

もし仕事などで接触せざるを得ない場合は、「職務上必要な範囲を除いて」などの文言を追加し調整します。

不倫した配偶者に対しては、今後二度とほかの相手とも不貞行為を行わない旨を記載しておくと、けん制として効果的です。

(例)
第〇条(清算)
乙は丙との不貞関係を解消し、今後、電話、メールなど方法の如何を問わず、丙と一切接触してはならない。

乙は今後、相手が誰であろうと不貞行為を一切行わないことを約束する。

誓約書に違反した場合のペナルティ

不倫関係が継続していたり、別の相手と不貞行為を行っていたりした場合のペナルティもあわせて定めておきましょう。

再発防止のためには高額の違約金を設定するのが効果的ですが、「慰謝料の金額や支払い方法」の項でも解説したとおり、法外な金額は公序良俗違反として無効になる可能性があります。そのため、一般的な相場内に収めておきましょう。

違約金の相場は、直接会ったり連絡を取ったりした場合は20~50万円、再び不貞行為を働いた場合は100万円以上が設定されているケースもあります。

(例)
第〇条(損害賠償)
乙及び丙は、本誓約書記載の誓約時効に違反した場合、乙に対し、違約金〇万円を支払うことを約束する。

また、もし再び不倫をしたら、不倫をされた側が希望する場合は離婚に応じるという旨を記載しておく場合もあります。

その他の必要事項

不貞行為に関すること以外にも、円満な夫婦関係構築のために取り決めておきたいことがあれば記載しておくとよいでしょう。たとえば、以下のような内容を記しておくケースがあります。

  • 毎月の給与明細を必ず見せる
  • 飲酒を控える
  • ギャンブルをしない
  • 家事を積極的に行う

ただし、「常に居場所や行動を把握できるようにする」のような行き過ぎた内容は、一方的であるとして無効になる可能性があるため、実現可能な内容を記載するようにしましょう。

(例)
第〇条(誓約事項)
1. 毎月の給与明細を必ず見せること
2. 飲酒を控えること
3. ギャンブルをしないこと
4. 家事を積極的に行うこと

不倫誓約書は手書きでも効力はある

不倫誓約書は決められた様式に沿って記載しなければならないと思っている方もいるかもしれませんが、そうではありません。書き方はとくに決められておらず、パソコンでも手書きでも効力はあるとされています。

ただ、内容が公序良俗に違反していないことが前提です。第三者にも合理的であると納得させられるような条項を記載することを心がけましょう。

また、パソコンで作成したとしても、署名は必ず手書きで行うことが重要です。直筆署名と捺印、それから作成日付もきちんと記載すると、誓約書の効力を高めることができます。

不倫誓約書を手書きで作成する際のポイント

不倫誓約書を手書きで作成する場合、改ざんや読み違い防止のため体裁を整えて記載しましょう。また誓約書の法的効力を失わせないため、シャチハタ印は避け、実印か認印を使用して捺印するのがポイントです。

以下で詳しく解説していきます。

体裁を整える

不倫の誓約書を手書きで作成する場合は、改ざんや読み違いを防ぐため、以下のような点に注意して体裁を整えましょう。

  • 読みやすい字で書く
  • 文字間隔をあまり空けない
  • 固有名詞は正式名称で記載する
  • 会社名記載時は住所も明記する
  • 漢数字は大字で記載する(一→壱)

また前項でも解説したとおり、誓約書の効力を高めるためには、自筆による署名と捺印、作成日の記入が必須です。これらが抜けている誓約書は無効になってしまう可能性があるため、必ず記載しましょう。

シャチハタ印は避ける

誓約書に法的効力を持たせるためには捺印する必要がありますが、シャチハタ印は避けるべきです。誓約書に限らず、公的な書類では以下のような理由からシャチハタ印は不可とされているケースが多くあります。

  • 力加減や経年によって印影が変わる可能性がある
  • 大量生産品のため悪用されるリスクがある

より誓約書としての価値を高めるには、実印を使用するのが望ましいです。ただ、印鑑登録をした実印を持っていなければ認印でも問題ないとされています。

不倫の誓約書作成のメリット

不倫の誓約書を作成すれば、不倫再発の抑止力になることと、調停や裁判になったときの証拠書類になることがメリットです。つまり離婚するにせよしないにせよ、誓約書は作成しておくのが賢明と言えます。

以下で詳しく解説していきます。

不倫再発の抑止力になる

誓約書には記載内容を守らなかった際のペナルティについて書かれていることから、不倫再発の抑止力になることが期待できます。

また、不倫した事実を誓約書として書面に残すことで、被害者の受けた精神的ダメージをより理解してもらいやすくなることが考えられます。

不倫した側は少しの火遊びのつもりだったとしても、不倫された側のダメージは計り知れません。しかし不倫をした本人が重大な問題ではないという認識であれば、また不貞行為を働く可能性があります。

その点、誓約を破れば今度こそ離婚になるかもしれない、違約金を支払わなければならなくなるかもしれないといったプレッシャーを与えれば、己の過ちに気づき考えを改めさせられる可能性があります。

慰謝料請求の証拠書類になる

不貞行為があったことや慰謝料の金額、支払い方法などを誓約書に明記しておけば、調停や裁判になった際の有力な証拠となります。

口約束しかしていなければ、言った・言わないで後々トラブルになる可能性もあるでしょう。その点、誓約書に上記の内容を記載していれば、不倫をした相手が後日「不倫はしていない」と主張したとしても、言い逃れができなくなります。

調停や裁判で相手を有責配偶者とするには証拠が必要ですが、不倫誓約書を作っていればその証拠がすでに手元にある状態ということになります。

将来的に調停や裁判になった際に慰謝料請求などを有利に進めるためには、きちんと法的効力を持った誓約書をあらかじめ作成しておくのがよいでしょう。

不倫の誓約書と示談書の効力は同程度

不倫発覚後に当事者で話し合ったうえで作成する書類には、誓約書と示談書があります。誓約書は作成者のみが、示談書は当事者の双方が記載内容に拘束されるのが特徴です。

効力は同程度ですが対象となる人が異なるため、自身のケースに適した方を選ぶ必要があります。

誓約書と示談書の違いについて、以下で詳しく解説します。

誓約書は作成者が記載内容に拘束される

誓約書は不倫した配偶者や不倫相手が不倫をされた被害者に提出するものであり、作成者のみが記載内容に拘束されることになります。つまり不貞を働いた人が、被害者に向けての約束事を記載している形です。

あくまでも契約書の一種であるため、判決書のような強い法的効力は持ちませんが、不倫の事実や慰謝料の支払いがあった証拠になることは間違いありません。

示談書は当事者全員が記載内容に拘束される

示談書の場合は、有責配偶者や不倫相手だけでなく、被害者である配偶者も記載内容に拘束されます。

たとえば「不倫の事実を認め慰謝料として200万円支払う」「記載の金額以上の慰謝料は請求しない」などと書かれていれば、不倫した側は被害者に200万円を支払う義務があり、被害者は200万を超える請求はしてはいけないということになります。

慰謝料額をはじめ、示談書に記載された内容を後から変えるのは難しいため、双方が納得できるまで慎重に話し合いをする必要があるでしょう。

不倫誓約書を作成する流れ

不倫誓約書は、一般的に以下の流れで作成します。

  1. 当事者同士での話し合い
  2. 誓約書の作成・内容の確認
  3. 誓約書作成後の手続き

順を追って解説していきます。

1.当事者同士での話し合い

まずは、誓約書に記載する内容を当事者同士で話し合って取り決めます。不貞行為の内容など、事実確認をしっかり行うことが大切です。離婚をしない場合は示談交渉となりますが、離婚に至る場合は離婚協議として話を進めることになるでしょう。

ただ、配偶者の不倫相手が同席していればもちろんのこと、話し合いをするのが配偶者だったとしても、全く滞りなく進む可能性は低いと言えます。とくに慰謝料の金額についての話し合いでは、お互いが感情的になってしまうことも考えられます。

そのためスムーズに話し合いを進めるには、最初から弁護士などの専門家を間に入れるのがおすすめです。示談を有利に進めるためのアドバイスをくれたり、示談交渉を代わりに行ってくれたりするので、ストレスも軽減できるでしょう。

2.誓約書の作成・内容の確認

誓約書の作成者に決まりはありませんが、主導権を握るには自分で作成するのがおすすめです。作り終えたら、話し合った内容と相違ないかどうかを当事者全員で確認しましょう。

認識のずれが生じている可能性もあるため、必ず全員の認識をすり合わせておくことが大切です。

なお誓約書の作成にあたり、場合によっては不倫相手と何度も会わなければならず、精神的につらくなってしまうこともあるでしょう。そんなときは、弁護士を代理人にして不倫相手とのやりとりをしてもらうという手段もあります。

誓約書に不備があれば後々トラブルに繋がる恐れもあり、不倫相手抜きでの誓約書作成は推奨しかねるため、自身の状況によっては弁護士への依頼を検討してみてください。

3.誓約書作成後の手続き

契約書作成後は、公正証書にするかしないかで手続きが変わります。公正証書とは、法律の専門家である公証人が、民法や公証人法に従って作成する公文書のことです。

誓約書を公正証書にしない場合とする場合のそれぞれの手続きについて、以下で詳しく解説します。

公正証書にしない場合

公正証書にしない場合は、人数分の誓約書を用意し、当事者全員の署名・捺印と日付の記入を行ったうえで、各自1通ずつ保管しましょう。これにより全員の合意があったことの証明となります。書類の効力を上げるためには、全員分の直筆署名と捺印を忘れずに行うことが大切です。

公正証書にする場合

公正証書に「慰謝料の未納・滞納があれば強制執行を行う」といった文言を記載しておけば、慰謝料の支払いが滞っている際に強制執行や差し押さえをすることができます。確実に慰謝料を支払わせるなら、公正証書を作成しておくと安心です。

誓約書を公正証書にするには、以下の書類が必要になります。

  • 示談書・誓約書
  • 当事者それぞれの戸籍謄本
  • 当事者それぞれの印鑑登録証明書、もしくは運転免許証などの身分証明書

必要書類を揃えたら、公証役場へ足を運び公証人との面談を行います。初回の面談では、当事者のうち一方のみで問題ありません。

公正証書の内容について打ち合わせを行うと、後日公証人が公正証書の原案を作成し、連絡をしてくれます。この段階で内容に間違いがないことを十分に確認しましょう。

間違いがなければ当事者全員が出頭できる日時を予約し、当日全員で最終確認を行います。内容に問題がなければ、当事者全員と公証人が署名・捺印をすれば公正証書の完成です。

公正証書の原本は、作成した年の翌年から原則として20年間、公証役場で保管されます。当事者には正本または謄本が渡されるため、不倫問題があった証拠としてしっかり保管しておきましょう。

誓約書を公正証書にするメリット・デメリット

財産の差し押さえができ、証拠としての価値も高い公正証書ですが、費用や時間がかかってしまうことはデメリットと言えるでしょう。

誓約書を公正証書にするメリットとデメリットについて、以下で解説します。

誓約書を公正証書にするメリット

公正証書の作成には印鑑登録証明書や戸籍謄本などが必要なことから、完成した公正証書には真正性があり、私文書に比べて偽造の恐れも小さいです。したがって、証拠としての価値が高く執行力もある書類であると言えます。

また強制執行を認める「強制執行認諾文言」を入れておけば、慰謝料の未払い時などに強制執行手続きをすることも可能です。私文書しかない場合に差し押さえをするとなると裁判を経る必要があるため、スムーズに相手の財産を差し押さえられるのは公正証書のメリットと言えるでしょう。

誓約書を公正証書にするデメリット

誓約書を公正証書にするためには、以下のように慰謝料の金額に応じた費用がかかります。

慰謝料額 費用
100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 1万1,000円
500万円を超え1,000万円以下 17,000円

誓約書で慰謝料の支払いを取り決めていない場合は、「目的価額算定不能」として手数料1万1,000円を支払う必要があります。

また、公正証書の作成は公証人がミスのないようしっかり確認をしながら進めるため、時間がかかることもデメリットです。原案作成までにかかる期間は、一般的に10日程度とされています。

加えて、公正証書作成時は当事者全員が平日9時から17時の間に公証役場に出頭しなければなりません。

不倫誓約書を作成する際の注意点

不倫誓約書を作成する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 自分と相手の分として2部作成しておく
  • 署名は手書きにしてもらう
  • 公序良俗に則った内容にする
  • 不倫誓約書の作成を強制しない
  • 離婚すると無効になる

それぞれ詳しく解説していきます。

自分と相手の分として2部作成しておく

二者の間で取り交わす誓約書は、原則として同じ書面を2部作成し、双方が署名と捺印をすることで効力が生じます。各誓約書の原本にまたがるよう、割印を押しておきましょう。

ちなみに、不倫相手も既婚者であるいわゆるW不倫の場合、不倫相手の配偶者にばれておらず隠しておきたいなどのケースでは、必ずしも原本を手元の置いてもらう必要はありません。無用なトラブルを避けるためスマホで写真を撮って保存しておいてもらうなど、臨機応変に対応しましょう。

署名は手書きにしてもらう

誓約書では、必ず自筆で署名してもらうようにしましょう。必須ではないものの、自筆で署名しておけば誓約書が有効であると認められやすくなります。

のちに不倫した側が偽造だと主張しても、筆跡鑑定により本人を証明することも可能です。したがって、トラブル防止のためには手書きで署名してもらうことが賢明と言えます。

なお、誓約書の本文部分については、パソコンで作成しても全く問題ありません。

公序良俗に則った内容にする

誓約書の内容は、公序良俗に則って記載する必要があります。たとえば以下のような内容は、公序良俗に反するとして誓約書が無効になる可能性があります。

  • 慰謝料額が法外(1億円など)
  • 本人の尊厳を害すると思われる内容(一生配偶者の許可を得て行動する、24時間GPSを持ち歩くなど)

誓約書としての効力を持たせるためにも、社会的な良識の範囲内で定めるようにしましょう。

不倫誓約書の作成を強制しない

誓約書はあくまでも当事者同士の合意によって成立するものであるため、たとえ有責配偶者でも、嫌がっていれば作成を強制することはできません。騙したり強要したりして無理やり書かせた誓約書は、強迫により不適切に作成されたとして、無効や合意の取り消しになる可能性があります。

また、上記のように無理やり誓約書の作成を迫る行為は、脅迫罪や強要罪に該当するケースもあります。さらに強要する際に怪我をさせれば傷害罪にもなりうるため、誓約書の作成はあくまでも任意であることを留意しておきましょう。

配偶者や浮気相手がどうしても話し合いに応じてくれない場合は、弁護士に交渉を依頼することも検討してみてください。

離婚すると無効になる

誓約書は婚姻関係があることを前提に作成するため、接触禁止などの項目については離婚後は無効になります。離婚していわば他人となった元配偶者には、法的に行動を制限することはできません。

ただ例外として、離婚に関係なく慰謝料の支払いを約束している場合などは、直ちに無効となることはなく支払い義務は継続されます。

ダブル不倫で誓約書を作成しても慰謝料請求は難しい

ダブル不倫の場合、双方の不倫された側は不倫相手に対し慰謝料を請求することができますが、慰謝料請求は難しいと言えます。なぜなら、双方が婚姻関係を継続したうえで不倫相手に慰謝料請求する場合、慰謝料額は同程度で、実質相殺となってしまうためです。

また、不倫相手の配偶者がまだ不倫に気づいていない場合、慰謝料請求することにより相手方の配偶者に不倫がバレるリスクがあります。そうなれば、相手方の配偶者からも慰謝料請求される可能性があるでしょう。

万が一、相手方夫婦のみが離婚となった場合は、こちら側よりも多い慰謝料額を請求されるケースもあります。

誓約書の内容に違反されたときの対処法

当事者同士で取り決めた誓約書の内容に違反されたときは、以下の方法で対処しましょう。

  • 相手と直接交渉する
  • 内容証明郵便で連絡する
  • 弁護士に依頼する

誓約書の存在を軽く見られないため、また不倫の再発防止のためにも、見逃さずきちんと対処することが大切です。

それぞれ詳しく解説していきます。

相手と直接交渉する

誓約書の内容に違反されたら、まず相手と直接交渉し、違約金などの支払いを請求しましょう。再発防止のためにも、厳格に対応することが大切です。

なお相手に逃げ場を作らないためにも、誓約書には「本誓約書に違反した場合、金〇円を支払うこと」といった文言を記載しておくことをおすすめします。

内容証明郵便で連絡する

相手が直接交渉に応じない、もしくは交渉が決裂した場合は、内容証明郵便で違約金請求の通知書を送付しましょう。

内容証明郵便とは、郵便物の差出人や宛先、送付日時や内容などを郵便局が証明してくれるサービスのことです。

内容証明を送ることで違約金請求の法的根拠を相手に伝えられ、心理的なプレッシャーも与えることができます。弁護士名義で郵送すれば、より強く相手に働きかけられるでしょう。

法的手続きに移行することがわかれば、事の重大さを理解させられるはずです。

弁護士に依頼する

当事者同士で話し合いをしたり、内容証明郵便を送付したりしても違約金の支払いに応じてもらえない場合は、弁護士に代理交渉を依頼することを検討してみてください。

弁護士が代理で交渉しても問題が解決しなければ、調停や裁判に進むことになるでしょう。

なお、違約金が少額だと弁護士に依頼するとマイナスになってしまうケースもあります。違約金と弁護士費用を考慮し、なるべく被害者が損をしない方法を選ぶことが大切です。

不倫の誓約書で悩んでいるなら弁護士に相談するのがおすすめ

不倫の誓約書の書き方で悩んでいるなら、弁護士に相談すればスムーズに問題を解決できる可能性が高いです。自己流で作成すると、記載漏れや不備により無効になってしまう恐れもあるため、少しでも不安を抱いているなら弁護士に相談することを検討してみてください。

適切なサポートやアドバイスを受けるには、男女問題や離婚問題に強い弁護士を選ぶのがポイントです。

まとめ

不倫誓約書は手書きでも問題ありませんが、きちんと効力を持たせるには書面の体裁を整え、シャチハタ印は避けて実印か認印で捺印をしましょう。また公序良俗に則った内容にすることや、相手に作成を強制しないことも重要です。

誓約書を作成すれば不倫再発の抑止力になり、調停や裁判になったときの証拠書類にもなります。誓約書の内容に違反された場合は、相手と直接交渉するか内容証明郵便の送付を行い、それでも解決しなければ弁護士に依頼するのがおすすめです。

無料相談・電話相談OK!
一人で悩まずに弁護士にご相談を

ツナグ離婚弁護士で離婚に強い
弁護士を探す

不倫に関するコラムはこちら

離婚に強い弁護士を探す

掲載事務所
433
更新日 : 2024年11月18日
検索