夫婦の約7割がセックスレスだと感じている
セックスレスとは、一般的にどのような状態を指すのでしょうか。
日本性科学会によると、セックスレスとは、特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意のもとに性交やセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ない状態が続き、今後も継続すると見込まれる場合と定義されています。
一方で、法律上はセックスレスに関する明確な定義はありません。
実際の裁判では、長期間性交渉がない状態をセックスレスと認めた例もありますが、「どのくらいの期間が空けばセックスレスとされるのか」という明確な基準は設けられていないのが実情です。
こうした法的な曖昧さがある中でも、現実には多くの夫婦がセックスレスを問題として感じています。
弊社が実施したアンケート調査では、同居中の既婚者1,000人のうち、「セックスレスだと感じている」と回答した人は411人で、約4割に上りました。
さらに「やや感じている」と回答した人も含めると、その割合は約7割にのぼり、セックスレスが決して珍しい問題ではないことがわかります。
性別 |
セックスレスだと感じている |
セックスレスだとやや感じている |
セックスレスだと感じていない |
男性 |
180 |
117 |
93 |
女性 |
231 |
166 |
213 |
合計 |
411 |
283 |
306 |
今回のアンケートでは、女性よりも男性のほうがセックスレスだと感じている・やや感じているの割合が約76.1%と、女性の約65%よりも高くなっています。
セックスレスは不倫の原因になり得る
セックスレスは、夫婦の心のすれ違いや不満の温床となり、不倫に発展する原因になることがあります。
たとえば、「セックスを求めてくれなくて寂しい」「性的な欲求が満たされずストレスを感じる」といった思いから、配偶者以外の相手と関係を持ってしまうケースも少なくありません。
弊社が実施したアンケート調査では、「セックスは愛情表現だと感じている」と答えた人が600人以上にのぼりました。また、セックスが「好き」「やや好き」と回答した人も全体の6割以上に達しており、夫婦関係におけるセックスの重要性がうかがえます。
このように、性的なつながりを重視する人にとって、セックスレスは精神的な孤独感や欲求不満を引き起こし、不倫の引き金となるリスクがあるといえるでしょう。
ただし、お互いが合意のうえでセックスを持たず、それに不満がないのであれば、セックスレス自体がすぐに問題になるとは限りません。大切なのは、夫婦間での価値観や感情の共有です。
セックスレスで離婚したいと思う人は1割弱
弊社のアンケート結果によると、セックスレスといった性の問題で離婚したいと思っている男女は、男性6.7%、女性4.7%と1割弱となっていました(全体実数115/2,229)。
また、セックスレス夫婦限定で行ったアンケートでは、セックスレスが原因で不倫・離婚した(された)人は1,000人中91人と約9%です。
アンケート結果ではセックスレスが原因で離婚したいと思う人はそこまで多くありませんでしたが、セックスレスが原因で離婚したいと思う人は実際に存在しています。
実際にあったセックスレスが原因の不倫の体験談
セックスレスが原因によって不倫を行ってしまった男女の体験談をご紹介します。
不倫は夫婦の関係性を破綻させる行為であり、決して法的にも倫理的に許される行為ではありません。しかし各々の背景や心情を探っていくことで、今後の夫婦生活が円満へと向かうヒントを見つけられることでしょう。
妻の妊娠と出産をきっかけにセックスレスから不倫へ…(体験談①)
妻の妊娠と出産をきっかけに、セックスレスの状態に陥ってしまいました。私は性欲が強いほうなので、積極的に妻を誘っているのですが、なかなか応じてもらえません。話し合いによるコミュニケーションを試みたものの、途中から面倒に感じるようになってしまいました。
そして最近は学生時代に付き合っていた元カノとの再会をきっかけに、不倫に発展しています。身体の相性が合っているため、関係を解消する気にもなれません。妻に打ち明けるわけにもいかず、日々罪悪感を抱えながら過ごしています。
妻の妊娠と出産をきっかけにセックスレスに至る夫婦は数多く存在するのが実情でしょう。特に夫の性欲が強い場合は、自慰行為だけで満足できずに不倫や性風俗店に通ってしまうパターンも珍しくありません。
不倫に関しては妻に対する裏切りの行為だと後悔しながらも、ついつい他の女性を求めてしまうというジレンマ。女性の立場からすると許せない話ですが、共感できる男性もいるのではないでしょうか。
マッチングアプリを使って不特定多数の男性と関係を持っていた妻(体験談②)
3年ほどセックスレスが続いていたのですが、妻がスキンシップを要求してこないことから、あまり深く考えずに夫婦生活を送っていました。
しかし偶然にも職場からの帰り道で、妻が他の男性と手を繋いで笑顔で歩いている姿を目撃してしまいました。後で問い詰めてみたところ、マッチングアプリにて不特定多数の男性と関係を持っていたようです。
夫の立場としては大変ショックを受けたものの、私も妻に対して積極的に愛情表現を示すべきだったという反省もあります。
夫婦間でセックスレスの状態を問題視していなかった結果、妻が不倫を行ってしまったケースです。表面上は夫婦生活が上手くいっていると感じていても、実際は第三者との性生活を楽しむことで、夫婦生活が円滑化していたという皮肉のような形だといえます。
何も問題が起こっていないから夫婦の関係性が良好だと捉えるのではなく、時折改まって話し合いを行ってみるなど、些細なコミュニケーションから新鮮さや刺激を求め合うことも大切なのかもしれません。
職場の同僚と不倫に走った夫(体験談③)
結婚生活が長くなるにつれて、セックスレスが深刻になっていきました。最初はお互い忙しくて仕方ないと思っていましたが、時間が経つにつれてその状態が続き、心の中で不安や不満が募っていきました。
そんな時、職場の同僚と仲良くなる機会が増え、少しずつ心の隙間を埋めてもらっているような感覚になりました。最初はただの友人関係だと思っていたのですが、ある日、仕事の後に食事を共にしたことで、気づけば身体的な関係が始まりました。
セックスレスの虚しさを感じていた私は、つい不倫に走ってしまいました。
職場での人間関係が深まることはよくありますが、それがセックスレスという夫婦間の問題に影響を与え、不倫に発展することもあります。特に感情的に支え合う関係ができると、心の隙間が埋まるように感じ、不倫に走るリスクが高まります。しかし、不倫は一時的な解決策に過ぎないことを理解することが大切です。問題を根本的に解決するためには、夫婦間でのコミュニケーションが不可欠です。
夫が風俗に通いはじめ、その後不倫もされた妻(体験談④)
私と夫の間で長期間セックスレスが続いていたある日、夫が風俗に通うようになったことに気づきました。最初は性欲の解消だけだと言い訳していた夫ですが、次第にそれでは足りなくなり、マッチングアプリを通じて他の女性と不倫を始めました。夫は「単に性欲を解消したかっただけだ」と言いましたが、私はその言葉に納得できませんでした。セックスレスであったことは認めますが、それを理由に他の女性と関係を持ったことに対しては、許すことができませんでした。すぐに離婚を決意しましたが、子供がいるため、離婚条件については慎重に話し合いを行う必要があり、弁護士を介して調停を経て、ようやく離婚が成立しました。
セックスレスが原因で、パートナーが風俗や不倫に走ることは決して珍しいことではありません。多くのケースで、性欲の解消が一時的な理由であっても、それが心のすれ違いや夫婦間の問題を深刻化させることがあります。しかし、セックスレスを理由にして不倫を正当化することはできません。特に、子供がいる場合は、離婚に関する条件や親権などの問題が絡むため、弁護士を通じた適切な対応が重要です。
【独自アンケート】セックスレスが原因の不倫…仕方ない?許せない?
セックスレスが原因とはいえ、不倫は法的にも倫理的にも許されるような行為ではありません。
ただし実際の夫婦生活においては、不倫した配偶者に対する反応は様々です。「不倫するなんてあり得ない!絶対に離婚する!」という怒りの反応もあれば、「セックスレスだった状態を考慮すれば、夫婦生活をこのまま継続させよう…」と思い直すような反応もあります。
どのような決断が正解となるかは分かりませんが、実際にセックスレスが原因で不倫を受けた人の意見を見ていきましょう。
「セックスレスなら仕方ない…許してやり直す」という人の意見
「セックスレスであれば、配偶者が不倫してしまうのは仕方がない…。相手を許して関係性を修復させよう。」と考える人の意見を確認していきましょう。
結婚5年目にしてセックスレスの状況が続いており、私は夫からのセックスの誘いを一貫して拒否していました。そして先日、夫の不倫が発覚し、マッチングアプリで知り合った女性と肉体関係を持っていたのです。
友人や知人に相談し、不倫をした夫が悪いという意見を聞いて、最初の方は安堵していました。しかし「夫が不倫に走ったのは私のせいではないか」と思いを巡らせるようになり、最終的には夫の不倫を許すことに決めました。
正直、夫とセックスしたいとは感じられません。しかし家族としての絆や一緒にいて落ち着ける関係性を考慮すると、今後も夫婦として共に暮らしていこうという気持ちになりました。
長年寄り添っていた妻の不倫が発覚しました。同窓会で再会した男性と意気投合し、そのまま複数回にわたって密会を繰り返していたとのこと。
不倫の事実を知ってしまったとき、相当狼狽しました。離婚しようかという怒りも湧いてきましたが、中学生の息子と小学生の娘の教育に悪影響が出ることを考え、結局は今まで通りに夫婦生活を送ろうと決断をしました。
あまり気持ちの良い心境ではないですが、長い結婚生活は山あり谷ありだと言い聞かせるようにしています。
不倫をされた側は当然ながら、怒りや苦しみといった感情を抱えていることが伺えます。決して円満な解決とはいえないものの、結婚生活を改めて振り返ってみた時に「相手を許してあげよう」という情が湧いてくるのでしょう。
(アンケート)
【男性】
blank |
セックスをしたいと思う |
セックスをしたいと思わない |
平均 |
79.9% |
20.1% |
20代 |
83.1% |
16.9% |
30代 |
81.6% |
18.4% |
40代 |
82.1% |
17.9% |
50代 |
75.8% |
24.2% |
60代 |
70.6% |
29.4% |
【女性】
blank |
セックスをしたいと思う |
セックスをしたいと思わない |
平均 |
37.6% |
62.4% |
20代 |
60.7% |
39.3% |
30代 |
50.3% |
49.7% |
40代 |
41.1% |
58.9% |
50代 |
25.6% |
74.4% |
60代 |
14.6% |
85.4% |
本当はもっとセックスしたいと考えている人は、男性は70%以上、女性は20~30代において半数以上存在するようです。性欲は誰しもが持ちうる感情なので、配偶者以外で性欲を発散しようとする行動に走ってしまうのは、仕方がないという意見も一理あるのかもしれません。
「不倫はありえない!離婚する」という人の意見
「配偶者が不倫しているなんてあり得ない!すぐにでも離婚したい!」という意見も確認してみましょう。
結婚2年目にして、夫の浮気が発覚。ふとスマホのメッセージを覗いてみると、見知らぬ女の子とやり取りしている様子を目にしてしまいました。あまりの無神経さに呆れてしまい、その時は何も言えませんでした。
夫に対する気持ちは完全に途切れてしまい、不倫が発覚した2ヶ月後には離婚を決意。お互いの話し合いによる離婚が成立したので、法的な争いなどを行わずに済んだのは、せめてもの救いでした。
結婚生活に特に不満はなく、安定した日々を過ごしていたつもりでした。ところが、妻が職場の取引先の男性と不倫関係を持っていることを知ってしまったのです。
まさか自分が不倫されるなんて思いもしませんでした。しかし思い返してみれば、数年にわたってセックスレスの状態が続いており、私の男性としての魅力が年々薄れている事実も否定できません。
夫婦としての関係性を修復できないか試みたものの、妻が離婚したいと申し出てきたので、私は応じるしかありませんでした。慰謝料だけでも請求しようと試みましたが、妻が応じなかったため、現在は弁護士を通して調停にて話し合いを進めている状況です。
やはり不倫されたとなれば精神的なショックも大きく、離婚を決意するのは自然な成り行きともいえます。夫婦の話し合いのみで離婚する方もいれば、離婚調停に発展する夫婦など、離婚の形も様々といえます。
セックスレスになる5つの代表的な原因
夫婦がセックスレスになる5つの代表的な原因を挙げていきます。具体的には以下の通りです。
- なかなか夫婦の時間が合わない
- 仕事・家事・育児などによる強い疲労がある
- 子供の妊娠・出産で身体的・時間的余裕がない
- 性癖等が夫婦で一致していない
- 愛情が冷めてしまっている
それぞれ解説していきます。
なかなか夫婦の時間が合わない
夫婦間での生活リズムが合わないことから、一緒に過ごす時間を確保できずにセックスレスになってしまうパターンです。出勤時間が異なると帰宅時間も異なるため、帰宅したら夫・妻が既に就寝していることも度々発生するでしょう。
直接会話をする機会が減少することからコミュニケーション不足に陥り、強い愛情を求め合うセックスという行為からも遠ざかってしまうことが考えられます。
仕事・家事・育児などによる強い疲労がある
仕事・家事・育児など、日々のタスクに追われていく中で、強い疲労が溜まっていく方も多いです。結果として性交渉に対する優先順位が下がってしまい、セックスレスになるというパターンに陥ってしまいます。
「日々の仕事が忙しすぎる」、「夫はいつも自分より遅く帰宅するので、私は疲れてすぐに寝てしまう」など、朝早くから夜遅くまで働きすぎていることで、性生活に悪影響を及ぼしているといえます。実際に配偶者が疲労を感じていて睡眠を欲しているとなれば、積極的にセックスを誘ってみようという気持ちも薄れてしまうでしょう。
子供の妊娠・出産で身体的・時間的余裕がない
結婚直後や出産前までは愛情深くセックスをしていた夫婦が、妻の出産をきっかけにセックスレスになってしまうパターンも見受けられます。特に女性は身体的な疲労や子育てによって時間を取られてしまい、結果として優先順位が下がってしまうのです。
夫から自分の体を触られることに抵抗を感じてしまう女性も珍しくありません。母性本能が芽生えたことで、妻から母へと気持ちが切り替わっているとも考えられます。
夫の側としては、妻の気分が乗らないときは無理に誘おうとしないなど、妻の出産直後はしばらく様子を見るのも有効でしょう。また言葉を通してコミュニケーションを取ることで、性欲に対する心境の変化などを話し合うことも望ましいです。
性癖等が夫婦で一致していない
いわゆる性生活の不一致が原因でセックスレスに陥ってしまうケースも見受けられます。お互いに性的な快感を覚えるポイントが異なることで、体の相性が悪いと感じてしまうといえます。
心地良いセックスを行う上で、身体的な特徴やリズムといった相性は見逃すことはできません。お互いが気持ち良いと感じるポイントを探り合う努力をしても、お互いが満足できないという結果に終わってしまうこともあり得るのです。
また女性の立場としては、相手の顔や性格や経済状況に好感を抱いて結婚したために、身体的な相性や性癖を軽視していたという背景も考えられるでしょう。共に過ごす日常生活の中で、性癖等の不一致が顕在化してしまったといえます。
愛情が冷めてしまっている
夫婦間での愛情が冷めてしまったことで、必然的にセックスレスになってしまうというパターンです。セックスレスになったことで、愛情が薄れてしまったという悪循環に陥っているともいえるでしょう。
愛情が冷めてしまう原因は様々ですが、不倫の発覚やモラハラ、日々の積み重ねによる価値観のすれ違いなどが挙げられます。相手の嫌な部分が目についてしまうと、相手の些細な行動や言動にイライラしやすくなり、更に相手を嫌いになってしまうものです。
また倦怠期やマンネリなど明確な原因は無いものの、漠然と愛情を感じなくなってしまうケースもあるでしょう。お互いの存在が当たり前だと感じられるからこそ、一緒にいてドキドキしないことで新鮮さや刺激を感じられなくなってしまっているといえます。
セックスレスが原因の不倫・離婚を防ぐには?
セックスレスが原因による不倫や離婚を未然に防ぐことで、円満な夫婦生活を続けられるようになります。具体的な対策としては以下の通りです。
- 配偶者と日常的に身体的・精神的なスキンシップをとる
- セックスレスを解消した体験談を参考に配偶者にアプローチしてみる
- 夫婦双方の合意の上で性風俗店の利用を許可する
- セックスレスについて夫婦で専門家に相談する
それぞれ解説していきます。
配偶者と日常的に身体的・精神的なスキンシップをとる
日常的に身体的・精神的なスキンシップを取ることで、配偶者との愛情を確かめ合う良い機会となるでしょう。コミュニケーションがあまり取れていないと感じる状況でセックスを誘うのはハードルが高いため、まずは気楽に楽しみながらスキンシップを取ってみることをおすすめします。
例えば、お互い予定が合わないのであれば、スマホのスケジュールアプリなどを活用し、一緒に食事を取るなどの時間を設けてみると良いでしょう。最近起こった出来事を共有し合うことで、少しずつ会話も弾んでいくはずです。
またお互いが休みの日である午前中の時間帯など、起床直後の身体が疲れていない状態で、負荷をかけずにセックスを試してみるのもよいでしょう。
セックスレスを解消した体験談を参考に配偶者にアプローチしてみる
自らのアイデアでセックスレスの解消法が思い浮かばないなら、セックスレスを解消した体験談を参考にしながら、配偶者にアプローチしてみると良いでしょう。
インターネット上の記事や漫画など、自分と境遇が似ているストーリーを読んでいくことで、共感できる部分や具体的に試してみようと思えるコツを得ることができるでしょう。また異性ならではの視点や感情など、日常生活からは汲み取ることができない学びもあるはずです。
LINEのオープンチャットなど、匿名のアカウントで気軽に他者に相談してみるという方法もあります。気負わずに悩みを打ち明けられるので、興味があれば活用してみると良いでしょう。
夫婦双方の合意の上で性風俗店の利用を許可する
お互いにセックスレスである状態を認めた上で、妻が夫に性風俗店の利用を許可するという策も考えられます。夫は性欲を解消できる上に、自分好みの女性と性生活を楽しめるため、満足度は非常に高まるでしょう。
ただしセックスレスの状態が継続してしまうため、夫婦が抱えている問題の解決を放棄しているともいえます。性生活に関して割り切った考え方を共有することも一理ありますが、風俗通いを楽しむ夫の姿を見て、妻が幻滅してしまい離婚に至るケースも十分あり得るでしょう。
セックスレスについて夫婦で専門家に相談する
専門心理療法のようなカウンセリングを受けることで、夫婦が抱える問題について親身に寄り添ってくれることでしょう。セックスレスの問題は男性と女性による性の考え方の違いも影響しているため、性差の知識という観点から、心理相談やカウンセリングを実施してもらえます。
結婚していてもセックスが1度も無い状態の「未完成婚」や、出産をきっかけにセックスが無くなる「産後セックスレス」など、セックスレスに至る原因は人それぞれです。匿名でカウンセラーに相談することも可能で、プロフィールなどを参考にしながら、信頼できそうな人物を選んでみるとよいでしょう
セックスレスが原因の不倫で離婚は慰謝料はどうなる?
たとえ夫婦間にセックスレスの状態が続いていたとしても、不倫は法律上「不貞行為」とみなされ、離婚の理由や慰謝料請求の根拠になり得ます。日本の民法では、配偶者以外との肉体関係を持つことは婚姻関係の信頼を裏切る行為とされており、「セックスレスだったから」という理由だけでは不貞行為の違法性が免除されることは基本的にありません。
ただし、裁判などで争われた場合、セックスレスの経緯や状況が慰謝料の金額や責任の程度に影響する可能性はあります。たとえば、一方が長年にわたり正当な理由なく性交渉を拒否していたような場合、不倫をした側の責任が一定程度軽減されることもありますが、それでも不貞行為自体が正当化されるわけではありません。
つまり、セックスレスが原因であっても、不倫をした場合には離婚請求や慰謝料請求の対象となるのが一般的です。不満や不一致がある場合には、まず話し合いやカウンセリングなど、関係を修復する手段を講じることが望まれます。
セックスレスそのものを離婚の理由とすることは可能なのか、またその際に慰謝料は発生するのか――こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実際の離婚事例や慰謝料の相場、裁判で認められやすいケースなどについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
弊社が実施したアンケートでは、4割程度の夫婦がセックスレスだとはっきり感じているなど、セックスレスは現代社会においても夫婦の問題として珍しくないと言えるでしょう。
しかしセックスレスを理由とした不倫は、慰謝料や離婚請求の事由となります。セックスレスの期間が長い、婚姻期間が長いといった場合、慰謝料の金額が高額になる傾向があります。
もしもセックスレスを理由に不倫してしまったときは、相手側が原因のセックスレスにも要因があると主張し、慰謝料の減額について交渉を行いましょう。逆に相手側がセックスレスを理由とした不倫をしたときは、セックスレスについて否定できるところは否定し、相手の不貞行為などについて主張していくことになります。
セックスレスが原因の不倫についてトラブルが発生しているときは、不倫問題に強い弁護士に依頼するのがおすすめです。専門知識を基にした法的アドバイス、相手側との交渉の代行などを行い、離婚問題について適切に対応してくれます。
セックスレスが原因の不倫に関するよくある質問
セックスレスが原因で配偶者が性風俗店を利用していた場合は不倫になりますか?
夫婦がセックスレスの状態であったときに、配偶者が性風俗店を利用するケースは十分想定されます。性風俗店に複数回通うことで、夫婦の関係性が破綻した場合、慰謝料を請求できる可能性はあり得るでしょう。
ただし性風俗店での性交渉については、不倫による慰謝料は発生しないと判断された裁判例も存在します。
店舗外での肉体関係につき風俗嬢への慰謝料請求を認めた裁判例(東京地裁判決平成27年7月27日)
性風俗店の利用回数や利用金額を考慮した上で、「不貞な行為」あるいは「その他婚姻を継続し難い重大な事由がるとき。」(民法770条1項5号)に該当する場合は、離婚成立や慰謝料請求が認められるかもしれません。
セックスレスの原因が自分にあった場合、離婚の際に不利になりますか?
協議離婚ではどのような理由でも離婚できるため、セックスレスの原因が自分にあった場合でも離婚を切り出すことは可能です。話し合いの内容次第では、不利になることなく折り合いをつけることもできるでしょう。
調停や裁判に発展した場合、セックスを長期間にわたって拒否した事実によって有責配偶者(離婚の原因を生み出し、婚姻関係を破綻させた配偶者)になるのは珍しいケースです。
仮にセックスレスの原因が自分にある状況で、配偶者が不倫や不貞行為を行っていた場合、セックスレスの原因を生み出した側(自分)の主張が認められやすくなります。
セックスレスによって妻が不倫していた場合、親権は誰のものになるか
セックスレスが原因で、妻が不倫を行っているケースも十分想定されます。妻の不倫が離婚の理由であっても、妻が子育てを中心に行ってきたのであれば、親権は妻の側に有利に働きやすいです。
セックスレスや不倫はあくまで夫婦間の問題であり、親子の関係性である親権とは、法的に別の問題として扱われます。妻が不倫をしたからといって、親権争いでは妻が不利になるとはいえないのです。
裁判において親権を決める際に重視されるのは「子どもの利益(幸せ)」です。妻の不倫が子どもの健全な成長を阻害していると判断された場合は、妻が不利になるケースもあります。
セックスレスが原因の慰謝料が認められた判例はある?
セックスレスが原因の慰謝料が認められた判例は次の通りです。
慰謝料120万円 |
生活が苦しいにもかかわらず、妻との性交渉をせず繰り返しポルノビデオで自慰行為をしていた |
慰謝料200万円 |
性的不能だったにもかかわらず、それを妻へ説明しなかった |
慰謝料500万円 |
交際開始から離婚まで性交渉やキス・ハグが一切なく、妻側の訴えを無視して夫が問題解消の努力を怠った |
セックスレスが原因の離婚は親権や養育費に影響する?
セックスレスで離婚したとしても、その事実をもって親権や養育費に影響が出ることはありません。親権はあくまで「子どもへの愛情や生活環境を見て、どちらの親がふさわしいか」を見て決定されます。養育費も、経済力、生活水準、子どもの人数を基に、「養育費・婚姻費用算定表」を参考にして決められます。
裁判所「平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について」
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