一度決めた養育費の増額が認められやすい4つのケース
養育費は法的拘束力があるため、正当な理由なく増減することはできません。しかし、離婚時の養育費の取り決めの際に予測不可能な事情の変化があった際は、変更できる可能性があります。
ここでは一度決めた養育費の増額が認められやすい4つのケースを紹介します。具体的には以下の通りです。
- 義務者(支払う側)の収入が増加した場合
- 権利者(受け取る側)の収入が減少した場合
- 子どもの教育費が増加した場合
- 子どもの病気などで医療費が増えた場合
それぞれ詳しく解説します。
義務者(支払う側)の収入が増加した場合
支払う側である義務者の収入が増えた場合、養育費が増額される可能性が高くなります。
養育費は双方の経済力に応じて負担するため、相手の収入が上昇すれば、それに伴い負担できる能力も高まると考えられるためです。
ただし、養育費の変更が認められるためには、予測困難な事情の変化があることが基本条件である点に注意が必要です。単純に勤務年数が増えたことで得られる収入の増加は、離婚時に想定可能と判断されるため、その点のみでは養育費の増額が認められにくいです。
養育費の増額が適当とされる、予想外の理由としては、以下のようなケースが考えられます。
- 昇進や昇格により年収が大幅にアップした場合
- 大手企業に転職して収入が大きく増加した場合
- 独立や起業が成功した場合
しかし、相手の収入が増加したかを確認するためには、そもそも定期的に支払う側の収入を確認する必要があります。すでに離婚している場合には、相手の収入を正確に把握することは容易ではありません。
このような状況を避けるためにも、離婚時に養育費を決定する際、数年ごとに年収の情報を共有し、養育費を見直すといった条件を加えておくことをおすすめします。
権利者(受け取る側)の収入が減少した場合
養育費を受け取る側の権利者の収入が大きく減少した際も、予測不可能な事情として増額が認められやすいです。具体的には以下のようなケースがあげられます。
- 会社が倒産した
- リストラにあってしまった
- 病気やケガにより働けなくなってしまった
しかし、実際の増額設定は家庭裁判所が個別に判断するため、たとえ上記のケースでも必ず増額が認められるわけではありません。
裁判所の具体的な判断には個別の事情や証拠が大きく影響するので、ケースごとに慎重な判断が必要です。
より増額を認めてもらえる可能性を高めるには、過去の給与明細や家計簿などを準備しておくのがおすすめです。
離婚時の収入や支出に対してどれくらいの変化があったのか証明できれば、減収の証拠として養育費の増額が認められやすくなります。
ただし、受け取る側が働けるにも関わらず働かず収入が減少した場合は、予測不可能な事情の変化には該当しないため認められません。
養育費の増額は正しく働いた際に受け取れる金額を元に判断されるので、働きたくないからという理由で養育費を増額することは不可能です。
子どもの教育費が増加した場合
私立学校や大学進学、塾通いなど、子どもの教育費の増加は養育費増額の理由として認められます。
しかし、上記は必ずしもすべてのケースで認められるわけではなく、養育費決定の際に支払い義務者が子どもの私立学校や大学への進学に同意していたかにより判断が異なることが多いです。
養育費は基本的に公立学校の進学を想定した標準的な教育費を考慮して決められているため、私立進学のような特別な教育を行う場合は、それに伴った同意が必要とされることが一般的です。
したがって支払い義務者が同意していない場合、標準的な教育費を超える負担を求めていると考えられ、養育費増額は認められない可能性が高いでしょう。
一方、養育費を決める段階で将来的に子どもが私立や大学に進学する可能性があることを理解して同意していた場合は、事前に双方の合意があるため増額が認められると考えられます。
また、たとえ双方の合意が取れていなくても、支払い義務者の年収が高く、教育費の支払い能力がある場合は認められるケースもあります。
さらに両親とも高学歴の場合は、一般的に子供には親と同じレベルの教育を受けさせるべきとの考え方があるうえ、現在は4年生大学に進学するケースも増えているため、同意がなくても増額となる可能性もあるでしょう。
子どもの病気などで医療費が増えた場合
子どもの病気などで高額な治療費がかかる場合や、障害が見つかって継続的な支援や監護が必要な場合も養育費の増額が認められる可能性が高いです。
これらの理由は予測不可能な事情の変化に該当する可能性が高く、発覚した際は養育費の増額請求をすることがおすすめです。
しかし、一時的な病気やケガの場合は、養育費の増額ではなく治療費を支援してもらう方法もあります。
養育費の増額を請求する手順
養育費の増額を請求する際は、以下の手順に沿って行います。
- まずは義務者に直接交渉する
- 交渉に応じない場合は養育費増額請求調停を提起する
- 調停が不成立になったら審判手続きに移行する
それぞれ詳しく解説します。
まずは義務者に直接交渉する
養育費の増額を請求する場合は、相手側と気軽に連絡が取れる場合は義務者と直接交渉して請求すると良いでしょう。直接交渉によって双方の合意が得られれば、手早く増額が認められ、養育費増額請求調整や審判手続きも不要となり、費用や手間が大幅に削減できます。
しかし、離婚理由などによって心理的に相手と顔を合わせたくない場合は無理に直接交渉する必要はなく、次の養育費増額請求調停を提起することから始められます。
直接交渉は精神的に無理がなく、相手も協力的な態度であった際に推奨される手段です。
直接交渉の際に相手に増額の依頼を認めてもらうには、たとえ気軽に相談できる間柄であっても相手が増額に納得できるよう、経済的に困窮している状態や子どもの教育費などを証明できる資料を準備することが大切です。
具体的には以下のような資料を提示することで、説得力を持って交渉に臨めます。
- 相手の年収増加がわかる資料
- 経済的な困窮がわかる家計簿や給与明細
- 医療費や教育費の明細書
相手と増額について合意ができたあとは、後々のトラブルを避けるためにも書面を取り交わすのがおすすめです。強制執行認諾文言付きの公正証書を作成すると、法的な拘束力が高まります。
ただし、直接交渉の場合は双方の合意によって増額が決まるため、場合によっては相場よりも増額分が低くなる可能性がある点は注意が必要です。
養育費は裁判所が公表している養育費算定表を用いて決められることが一般的ですが、双方の直接交渉では専門家が間に入っていないため適正額と異なった増額分となる可能性があります。
増額分を適正に請求するためには、たとえ直接交渉を行う場合でも弁護士に相談することがおすすめです。
また、交渉は対面だけでなく、メールや電話などでも行えますが、相手が協力的でない場合は請求を無視されるケースもあります。相手が増額請求交渉を無視し続ける場合は、内容証明郵便を利用するのが最適です。
内容証明郵便とは、差出人と宛先、日時と内容を公的に証明できる郵便です。
内容証明郵便で連絡することで相手は「そんな連絡は来ていない」との言い訳ができなくなり、交渉の場につかせられる可能性が高まります。
こちら側が増額請求を正しく行っているという証拠にもなるので、今後、法的な手続きに進む際に相手から増額を拒否されている旨を証明する際にも便利です。
万が一、内容証明郵便を送付しても増額請求に応じてもらえない場合は、次の養育費増額請求調停に進みます。
交渉に応じない場合は養育費増額請求調停を提起する
相手が話し合いに応じない場合は養育費増額請求調停を申し立て、家庭裁判所で調停員を交えて話し合いを行います。
基本的には支払い義務側の地域にある家庭裁判所に、以下の書類を提出して手続きします。
申立書原本及び写し各1通
送達場所の届出書1通
事情説明書1通
進行に関する照会回答書1通
未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
申立人の収入関係の資料(源泉徴収票、給料明細、確定申告書等の写し)
収入印紙1200円(子供一人につき)
郵便切手180円1枚、110円10枚、50円2枚、10円10枚
非開示の希望に関する申出書(必要に応じて提出)
引用元 養育費(請求・増額・減額等)調停の申立て|裁判所
また、養育費増額請求調停は、離婚調停と同様の流れで次のように進むので確認しておきましょう。
- 権利者と義務者の双方が指定日に裁判所に出向く
- 双方が対面しないように配慮しながら調停委員に事情を説明
- それぞれの主張を元に調停委員とともに増額の可否や金額を検討
- 合意ができたら裁判所が調停調書を作成
上記の流れで双方の合意ができた場合は、裁判所が調停調書を作成します。この調停調書は増額に関する確定判決と同じ効力があります。法的拘束力があるので調停調書の内容が守られない場合は、強制執行が可能です。
しかし、養育費増額請求調停を行えば、必ずしも増額の合意が得られるとは限りません。調停委員は中立の立場から、増額が適切かを判断します。
そのため、調停委員から見て客観的に増額が相当と認められることが必要です。義務者との直接交渉のときのように、相手の年収増加がわかる資料や自分の経済的困窮が証明できる資料を準備しておくと、交渉がスムーズに進みます。
なお、養育費増額請求調停を有利に進めるためには、弁護士に相談するのがおすすめです。養育費増額請求調停は双方の合意を得るために、長い期間の交渉や周到な準備が必要になります。
日常生活を送りながら準備を進める必要があるので、専門家による支援を頼れば調停を有利に進めるアドバイスや支援が受けられるだけでなく、複雑な手続きの代行も可能です。
調停が不成立になったら審判手続きに移行する
調停で合意が得られずに不成立になった場合は、審判手続きに移行します。
審判手続きは「養育費の算定表」に則って、裁判所側が増額の妥当性や金額を判断することです。
裁判官は予測不可能な事情の変化があったかを検討し、増額の可否や具体的な金額を決定し、双方に言い渡します。
なお、審判手続きの結果が不服の場合は、高等裁判所で裁判手続きを進めることも可能です。ただし、裁判は長い年月を要するため、弁護士費用などの経済的コストがかかることを覚悟しなければなりません。
一度決めた養育費を増額請求する際の4つの注意点
次に一度決めた養育費を増額請求する際の注意点を以下4つ紹介します。
- 養育費はいくらでも増額できるわけではない
- 算定表よりも養育費が高い場合は認められにくい
- これまでの支払い状況などが考慮される可能性がある
- 2019年から用いられる新算定表を理由に増額はできない
それぞれ詳しく解説します。
養育費はいくらでも増額できるわけではない
養育費の増額は権利者側の求めに応じていくらでも増額できるわけではありません。養育費の増額の可否や具体的な金額は、裁判所の公式ホームページに記載されている養育費算定表に基づいて算出されます。
養育費算定表は義務者と権利者の年収や雇用形態、養育する子どもの年齢や人数によって基礎となる養育費が定められています。
標準的な養育費相場が簡単にわかるようになっているので、養育費の増額を請求する際は請求額の妥当性を判断するためにも事前に確認が大切です。
ただし、養育費算定表はあくまで養育費の相場であるため、私立学校への進学や高額な医療費の発生といった特別な事情は含まれていません。
特別な事情を考慮したうえで正確な見込み額を知るためには、弁護士に相談するのがおすすめです。
参照:裁判所|平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について
算定表よりも養育費が高い場合は認められにくい
増額を希望する養育費が、算定表よりも高い場合は認められにくい点も注意しましょう。特に審判手続きによって増額の決定がなされた場合は、基本的に算定表に基づいて増額分が決定されます。
したがって、特別に考慮が必要な不測の事態に陥っていない限りは、算定表を超えての養育費の請求は審査に通らないと考えておくべきでしょう。
また、離婚協議の際に決めた養育費がすでに算定表以上である場合は、そもそも増額を認める理由がないため増額請求が却下される可能性が高いです。
これまでの支払い状況などが考慮される可能性がある
養育費の増額が認められるかは、これまでの支払い状況などが考慮される可能性もあります。養育費の増額は支払い実績や履行状況などを踏まえて、支払側に経済的負担が負えるかを判断する必要があるからです。
過去に養育費の支払いが滞っている場合は、追加の経済的負担に耐えられるか懸念があるため、慎重に審議が行われます。
場合によっては、支払い側の経済状況が改善したことなどを証明する追加の証拠を求められる可能性があるでしょう。
また、これまで相場以上に支払い義務者側が養育費を負担していた場合は、支払い義務者側に不公平感があるとして増額請求が却下されることがあります。
養育費の増額請求をする際には、事前に以下のような支払い履歴や義務者側の経済状況を把握して、増額に相当する証拠を確保しておきましょう。
- 支払い義務者が継続的に養育費を支払っている
- 支払い義務者の年収が大幅に上昇している(あるいは権利者の収入が大きく下落している)
支払い状況に問題がなく、不測の事由がある場合は、増額が認められる可能性が高いです。
2019年から用いられる新算定表を理由に増額はできない
2019年から用いられている新算定表を理由に増額ができない点も注意が必要です。新算定表は養育費算定の基準が改定されたもので、より現代の経済状況に即した基準として若干養育費が高く設定されています。
しかし、これはあくまでも今後の基準を示したものであるため、旧算定表で決められた養育費を基準の変更だけを理由に増額請求することはできません。
例えば、2018年に旧算定表を元に養育費が決定されたケースでは、新算定表で再計算して増額が見込まれる場合でも予測不可能な事情の変化がなければ増額は認められない可能性が高いです。
養育費の増額を検討するなら弁護士に依頼がおすすめな3つの理由
養育費の増額を検討する場合は、以下3つの理由から弁護士への依頼がおすすめです。
- 相手との交渉を任せられる
- 調停の手続きも任せられる
- 養育費の未払いに関しても対策できる
それぞれ詳しく解説します。
相手との交渉を任せられる
養育費の増額を弁護士に任せることで、相手方とのやり取りのほとんどを弁護士に代行してもらえます。
養育費の増額は相手の収入なども踏まえてじっくりと進めていく必要があるので、意見の食い違いなども起こりやすくやり取りが長期化するケースも多いです。当事者間同士で言い合いに発展してしまうと、精神的に疲弊してしまうでしょう。
また、両社の関係性によっては相手に強く自分の意思を伝えられなかったり、対面で交渉すること自体がはばかられたりすることもあります。
弁護士が介入することによって時間的コストや精神的負荷が軽減されるだけでなく、法的根拠に則って話し合いを行うので交渉もスムーズに進められます。
調停の手続きも任せられる
弁護士に依頼しておけば、複雑な調停の手続きも任せられます。
養育費の増額交渉は話し合いで合意できず、調停や審判手続きに進むケースも少なくないため、弁護士が代行してくれるのは大変心強いです。
また、調停や審判手続きの際に、法律のスペシャリストからどのような資料が増額に値する証拠になるかなどアドバイスがもらえます。
調停中も弁護士が同席して専門的な観点からあなたの主張の裏付けなどを説明してくれるので、有利な結果を得られる可能性が高まります。
養育費の未払いに関しても対策できる
養育費の交渉を弁護士に依頼することで、養育費の未払いに関しても対策可能です。養育費はたとえ当事者間の話し合いで決着がついても、義務側が養育費を支払わなくなるケースが多くあります。
事実、厚生労働省が令和3年に行った調査によると、「過去に養育費を受けたことがある」と答えた割合は母子家庭で14.2%、父子家庭で4.2%となっています。
そもそも厚生労働省が発表しているデータでは「過去に養育費を受けたことがない」と答えた割合が母子家庭で56%、父子家庭で90%と非常に多い問題はあるものの、養育費を受けていたが途中で振り込みがなくなったケースも十分あるのです。
弁護士に相談すれば相手と養育費の増額が合意された際に、公正証書を残してくれます。公正証書は法的な拘束力があるため、万が一相手からの支払いがなくなった際は相手の財産を取り押さえることが可能です。
相手にも心理的に支払いが必要なことを理解してもらえ、支払いが滞っているが強制執行できないなどの泣き寝入り状態を防ぐことに繋がります。
参照:厚生労働省|令和3年度全国ひとり親世帯等調査の結果を公表します
【支払う側】養育費の増額を拒否する際の2つのポイント
最後に支払う側の場合に養育費の増額を拒否する際の2つのポイントを、以下の内容で解説します。
- 相手が納得してくれれば拒否も可能
- 調停や審判の申立てがあれば無視できない
相手が納得してくれれば拒否も可能
養育費の増額は基本的に双方の合意の元に行われるので、受け取る側が納得してくれれば拒否が可能です。しかし、養育費の増額を依頼してくるということは、相手が経済的に困窮している可能性も否定できません。
できる限り増額ができないかを模索しつつ、それでも難しい場合は以下のような客観的な事実を元に増額が厳しい点を丁寧に説明することが大切です。
- 収入に変化がない・または収入が下がった
- 相手側にも一定の収入があり、経済的困窮が見られない
増額について建設的に話し合うためにも、相手側から増額が必要だとわかる証拠を提出してもらいましょう。
例えば、給与明細や教育費・生活費の明細などから本当に生活が困窮していることなどが分かる場合は、増額の拒否が難しいケースもあります。
また、増額の依頼に対して不誠実な対応や感情的な対立を仕向けるような態度での拒否は避けるべきです。
不誠実な対応を続けると、調停や審判手続きになることもあり、長期的な対応が必要なケースに発展する可能性もあります。
調停や審判の申立てがあれば無視できない
話し合いで合意に至らず養育費増額調停や審判の申立てがあった場合は、無視できません。
調停日への出席は家事事件手続法の第五十一条二項に以下のように記載されており、申立人と相手方双方あるいはその代理人に出席の義務が生じます。
2呼出しを受けた事件の関係人は、家事審判の手続の期日に出頭しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させることができる。
引用元 家事事件手続法|e-GOV法令検索
上記は法的拘束力があるため、正当な理由なく出頭しない場合は5万円以下の過料となることが同条第3項に規定されているので絶対に出席が必要です。
3前項の事件の関係人が正当な理由なく出頭しないときは、家庭裁判所は、五万円以下の過料に処する。
引用元 家事事件手続法|e-GOV法令検索
また、調停への欠席が2回続いた場合は不成立とするケースが多く、同272条1項に規定のとおり、調停委員会が成立の見込みがないと判断した場合は不成立となる可能性はあります。
第二百七十二条調停委員会は、当事者間に合意(第二百七十七条第一項第一号の合意を含む。)が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合には、調停が成立しないものとして、家事調停事件を終了させることができる。ただし、家庭裁判所が第二百八十四条第一項の規定による調停に代わる審判をしたときは、この限りでない。
引用元 家事事件手続法|e-GOV法令検索
調停不成立の場合は自動的に審判手続きに移行して、裁判官が養育費増額について判断を下します。
審判手続きに出席せず増額を拒否する正当な理由を述べない場合、自分にとって不利な判断を受ける可能性が高いです。
審判手続きで決定した内容は法的拘束力があるため、それ自体も無視し続けると、財産が差し押さえられる恐れがあるので従わなければなりません。
もし、増額をどうしても拒否したい場合は、無視し続けるようなことはせずに期日に出頭して増額が不要または難しいことを主張しましょう。
具体的には以下のような事由がある場合は、増額が認められない可能性が高いです。
- 収入増加や相手の収入減少、医療費の必要性など増額を認める事情がない
- 離婚調停の際に増額が必要なことがあらかじめわかっている
- 支払う側の年収が下がる、再婚に伴う扶養拡大など経済負担が拡大している
上記のように予測不可能な事情の変化がない場合は増額が認められません。逆に支払う側の年収が下がっている場合や再婚で扶養家族が増えるなど経済的負担が大きくなっている場合は、かえって減額となるケースもあります。
養育費増額を拒否する場合は、自分の正当な経済的負担を伝えるためにも、養育費増額調停や審判には必ず出席しましょう。
まとめ
一度決められた養育費は、決定時には予測不可能な事情の変化があった際は増額ができます。
特に相手や自分の年収増減や、子どもの病気やケガ、教育費の増加などは増額事由として認められる可能性が高いです。ただし、増額を実現するには、基本的に双方で増額に同意しなければならず相手との関係性によっては交渉がまとまらないケースもあるでしょう。
増額の交渉をよりスムーズにするためにも、早めに弁護士に相談することが大切です。
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