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離婚で財産分与しない方法とは?より多く財産を得るためのポイント

離婚 財産分与しない方法
南陽輔 弁護士
監修者
南 陽輔
大阪市出身。大阪大学法学部、関西大学法科大学院卒業。2008年に弁護士登録(大阪弁護士会所属)。大阪市の法律事務所に勤務し、離婚問題や債務整理などの一般民事事件のほか、刑事事件など幅広い法律業務を担当。2021年に一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成の支援、起業時の法的なアドバイスなどの予防法務を中心に業務提供をしております。皆さんが利用しやすく、かつ自由で発展的なビジネスが可能となるサービスを提供いたします。

財産分与は、婚姻中に築き上げた財産を夫婦で分け合うことです。

財産分与の割合は原則として夫婦で2分の1ずつと決められていますが、離婚の際に財産を分け合うことに納得できず、財産分与しない方法を探している方も多いのではないでしょうか。

最も簡単な方法は、配偶者にお願いして財産分与を放棄してもらうことです。配偶者が合意さえすれば、財産分与をしないで離婚できます。

また、婚姻前に財産の管理方法などについて取り決める「夫婦財産契約」で財産分与しない契約を締結していれば、財産分与の必要はありません。

すでに離婚しているのであれば、財産分与請求権が消失する2年が過ぎるのを待つという方法もあります。

ほかに、会社の財産や特有財産は財産分与の対象外です。会社の帳簿や個人の預金通帳などを提示し、会社の財産または特有財産であることを証明すれば、財産分与を避けられます。

本記事では、離婚で財産分与しない方法やより多くの財産を得るための方法などについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

離婚で財産分与しない方法

離婚の際に財産分与をしないためには、以下の5つの方法が考えられます。

  • 相手に財産分与の放棄をお願いする
  • 夫婦財産契約で財産分与しないことを定めておく
  • 財産分与請求権の除斥期間が過ぎるまで待つ
  • 会社の財産を入れるのであれば会社の財産であることを主張する
  • 特有財産は財産分与の対象にならない

次の項目から、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

相手に財産分与の放棄をお願いする

相手に財産分与の放棄をお願いし、承諾してもらえれば離婚の際に財産分与を避けられます。

ただし、強制的に財産分与の放棄をさせることはできないため、あくまでも話し合いによって相手に合意してもらう必要があります。

相手に財産分与を放棄してもらうためには、何かしらのメリットを提示しながら話し合いを進めることが大切です。

たとえば相手方から離婚を切り出された場合、財産分与を放棄させる代わりに離婚に応じるという条件を出せば、納得してもらえる可能性があります。

反対にこちらから離婚を切り出す場合、財産分与以外の離婚条件を可能な限り譲歩すれば、財産分与の放棄に合意してもらいやすくなるでしょう。

財産分与の放棄に合意してもらった後は、離婚協議書に財産分与請求権を放棄する旨を詳細に記してください。

なお、離婚協議書は公正証書として作成することをおすすめします。

公正証書は、公証役場で公証人が本人の意思を確認しながら作成する契約書です。

離婚協議書は公正証書で作成しなくても法的効力を持ちますが、記載方法にミスがあると無効になる恐れがあります。

一方、公正証書は公証人が作成するためミスをする心配がなく、相手が財産分与の放棄に合意したことを客観的に証明できます。

公正証書として作成した離婚協議書は確実に法的効力が発生するため、後から相手が「やっぱり財産分与をしたい」と言い出しても、基本的には認められません。

夫婦財産契約で財産分与しないことを定めておく

結婚前に夫婦財産契約(プレナップ)を結んでおり、財産分与しないことを決めていたのであれば、離婚時に財産分与をする必要はありません。

夫婦財産契約は、財産の帰属や婚姻費用、日常家事に関してのことを取り決めるための婚前契約です。

夫婦財産契約を婚姻前に結んでおけば、離婚の際は契約で決めた内容のとおりに財産が帰属することになります。

なお、夫婦財産契約は婚姻前に締結する必要があるため、離婚の直前に契約を交わすということはできません。

夫婦財産契約を結んでいなくても、婚姻期間中に財産分与をしないことをお互いが合意のうえで決めていたのであれば、財産分与をせずに済みます。

口頭で「財産分与をしない」という約束をしても有効ではあるものの、録音データや書面などがなければ、相手が財産分与の放棄に合意したことを客観的に証明できません。

そのため、婚姻期間中に財産分与をしないと決めた場合は、公正証書として書面に残すようにしてください。

財産分与請求権の除斥期間が過ぎるまで待つ

少し時間はかかりますが、財産分与請求権の除斥期間が過ぎるまで待つという方法もあります。

財産分与請求権には除斥期間が設けられており、離婚が成立した日から2年が経過すると財産分与請求権を行使できなくなります。

離婚が成立してから2年経っても財産分与の請求がなければ、その後に請求されたとしても拒否することが可能です。

なお、除斥期間のカウントが開始されるタイミングは、以下のように離婚の方法によって異なります。

離婚方法 除斥期間の起算日
協議離婚 役所に離婚届が受理された日
調停離婚 調停が成立した日
審判離婚 調停の不成立後に審判が確定した日
和解離婚 裁判の途中で和解が成立した日
裁判離婚 裁判による判決が確定した日

財産分与をせずに離婚が成立した場合は、財産分与請求権の除斥期間が過ぎるまで待ってみるというのも一つの手です。

会社の財産であることを主張する

経営者の方などで会社名義の財産を所有している場合、原則として会社の財産は法人所有のものとみなされます。

法人が所有している財産は夫婦の財産分与とは無関係であるため、会社の財産であることを主張すれば財産分与の請求を拒否することが可能です。

ただし、法人名義の財産であっても「実質的に個人が所有している」と主張されれば、財産分与の対象になる可能性があります。

一例として、以下のようなケースが当てはまります。

  • 会社の財産と個人の財産が混合状態になっている
  • 本来は個人所有のはずの財産を会社名義に変更していた
  • 会社名義の不動産や車などを個人的な目的で利用していた

会社の財産と個人の財産の境目が不明瞭だったり、個人所有の財産をあえて会社名義に変更したりしていると、財産分与の対象とみなされる可能性が高いです。

また、会社名義の不動産や車などをプライベートで利用していた場合も、実質的に個人が所有していたとみなされる可能性があります。

会社と個人の財産をきっちり分けて管理しているのであれば、原則として会社の財産を分配する必要はありません。

会計帳簿や資産管理表などを提示の上、会社の財産であることを主張しましょう。

特有財産は財産分与の対象にならない

離婚時に財産分与の対象となるのは、あくまでも婚姻中に夫婦で築き上げた共有財産のみです。

夫婦の一方が個人的に所有している財産は特有財産とみなされ、財産分与の対象にはなりません。

共有財産なのか特有財産なのかは、財産を取得したタイミングや取得方法によって決まります。

特有財産になるものの例は以下のとおりです。

  • 独身時代に築いた財産
  • 別居後に貯めた預貯金
  • 生前贈与・遺産相続で得た財産

上記のように、夫婦の協力とは無関係なところで得た財産は特有財産とみなされます。

特有財産であれば財産分与の対象とならないため、配偶者に財産分与請求をされても拒否できます。

反対に、共有財産となるものの例は以下のとおりです。

  • 婚姻期間中に貯めた預貯金
  • お小遣いなどから貯めたへそくり
  • 婚姻期間中に形成された分の退職金
  • 婚姻期間中に取得した有価証券
  • 婚姻期間中に取得した土地などの不動産
  • その他、婚姻期間中に購入したもの全般(車・美術品・家具家電など)

婚姻期間中に得た財産は夫婦の協力によって築いたとみなされるため、基本的にはすべて共有財産になります。共有財産は、夫婦どちらの名義であっても財産分与の対象です。

まずは自分が保有している財産が共有財産なのか特有財産なのかどうかを確認し、特有財産であれば財産分与の対象にならないことを主張しましょう。

財産分与における割合の決め方

財産分与の割合は、原則として夫婦それぞれで2分の1ずつと定められています。

しかし、夫婦の話し合いでお互いが合意すれば、財産分与の割合や配分を変更することが可能です。

もしも夫婦間の話し合いで財産分与の割合が決まらなかった場合は、財産分与調停の申し立てを行い、家庭裁判所を通して話し合いを進めることになります。

ここからは、財産分与における割合の決め方について具体的に解説します。

財産分与は原則2分の1ずつ分ける

婚姻中に築いた財産は夫婦の双方に同等の権利があるとされていることから、原則として2分の1の割合で分配することになります。

もしも夫婦の一方が専業主婦(主夫)で定期的な収入を得ていなかったとしても、財産分与の割合は変わりません。

仕事に専念して収入を得ることができたのは、配偶者が家事育児などで家庭を支えていたからとみなされるためです。

自分が財産分与をしたくないと考えていても、相手が財産分与を希望すれば、原則として夫婦2分の1ずつの割合で財産を分配する必要があります。

話し合いで割合や配分を変更する

財産分与の割合は原則として2分の1ずつですが、夫婦間で財産形成の貢献度に著しく差があるときは割合が変更されることがあります。

たとえば配偶者の一方が特殊技能によって巨額の財産を築いた場合、財産分与の割合が多くなる可能性が高いです。

特殊技能に当たる職業として、大企業の経営者や医療法人の開業医、弁護士、プロスポーツ選手、芸能人、漫画家などがあります。

反対に、一方の浪費が激しいことによって共有財産が大きく減ってしまったケースでも、財産分与の割合が考慮される可能性が高いです。

また、相互扶助義務の分担状況が大きく異なる場合も財産分与の割合に影響を与えます。

たとえば夫婦の一方が仕事と家事育児の両方を負担しており、もう一方は仕事や家事育児をほとんどしていないケースなどです。

上記のケースのいずれにも当てはまらない場合は、配偶者の合意を得ることで財産分与をなしにしたり、割合を変更したりできます。

財産分与の割合を変更したいときは、相手と話し合いをして合意を得ましょう。

話し合いでまとまらなければ調停に移行する

財産分与に関する話し合いが夫婦間でまとまらなければ、調停に移行して話し合いを進めることになります。

調停は家庭裁判所の調停員が夫婦双方の主張を聞き取りながら、問題の解決を目指すための手続きです。離婚前であれば離婚調停、離婚後であれば財産分与請求調停の申し立てを行います。

調停委員が夫婦の仲介をするため、2人だけで話すよりも冷静な話し合いが可能です。

もしも調停でも話がまとまらず不成立になった場合、離婚前であれば裁判に移行して決着をつけることになります。

裁判になると弁護士費用が高額になる上に時間や労力もかかるため、譲歩できる部分は譲歩し、可能な限り調停で解決した方が良いでしょう。

なお、離婚後の財産分与請求調停の場合、裁判官が事情を考慮の上で審判をします。審判で決まった財産分与の内容に不満がある場合、2週間以内に不服申し立てをすれば再審理をしてもらえます。

財産を隠しておくことは難しい

財産分与したくないがために、お小遣いから貯めたへそくりや配偶者の知らない口座に貯めた預金などを隠しておきたいと考えている方もいるでしょう。

配偶者に財産の存在を知られていなかったとしても、最後まで隠し通すことは難しいです。

財産分与の際に相手から開示請求をされた場合、すべての共有財産が開示されることになるからです。

また、共有財産の存在を開示せず隠していると、損害賠償請求をされる恐れがあります。

次の項目から、財産隠しの危険性・リスクについて詳しく解説します。

開示請求をされれば隠し通せなくなる

配偶者に知られていない財産を隠したとしても、相手から開示請求をされれば隠し通せなくなります。

財産の開示方法は「調査嘱託制度」「弁護士会照会制度」の主に2種類があります。それぞれの概要は以下のとおりです。

制度 概要
調査嘱託制度 ・調停や裁判に際して、裁判所を通して相手方の財産状況を照会するための制度
・郵便切手代以外の費用は発生しない
弁護士会照会制度 ・弁護士会を通して相手方の財産状況を照会するための制度
・1件につき1万円程度の費用が発生する

財産分与の問題が調停や裁判などに発展している場合は、調査嘱託制度を利用できます。

配偶者と話し合っている段階の場合、弁護士に財産分与の相談をすれば弁護士会照会制度による情報開示の依頼が可能です。

どちらの制度が利用されたとしても、開示請求を受けた金融機関は原則として情報の開示を行います。

財産の一部を隠したとしても、開示請求をされれば隠し通せなくなる可能性がある点に留意しておきましょう。

共有財産の開示を怠った場合は損害賠償請求をされる恐れもある

共有財産の開示を怠り、後から財産隠しが発覚した場合、財産分与の話し合いを最初からやり直すことになります。

錯誤によって法律行為が実施された場合は取り消しが可能と、民法第95条で定められているためです。

財産隠しを疑われている場合は調査嘱託によって開示請求が行われるのですが、金融機関によっては本人の同意がなければ開示請求に応じないというケースもあります。

しかし、金融機関が開示請求に応じないのを良いことに、調停や審判などで頑なに開示を拒否し続けると裁判所の心証が悪くなる可能性があるため、注意が必要です。

また、悪質な財産隠しを続けていると相手から損害賠償請求をされる恐れもあります。

上記のようなリスクを避けるためにも、財産隠しのような行為は避けるようにしましょう。

財産分与でより多くの財産を得るためには

財産分与でより多くの財産を得るためのポイントは以下のとおりです。

  • 相手の財産を正確に把握しておく
  • 特有財産について主張する
  • 共有財産における貢献度も主張する

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

相手の財産を正確に把握しておく

財産分与の交渉を有利に進めるためには、相手の財産を正確に把握しておくことが大切です。

相手の財産を把握しないまま交渉を進めると、財産を隠されていても気付くことができず、損をする可能性があるためです。

財産調査をする際には、まず共有財産をリストアップしましょう。預貯金のほか、株式や保険、不動産、退職金なども財産分与の対象になります。

財産のリストアップが完了した後は、可能であれば通帳のコピーなどを取り、相手が財産を保有している証拠を入手してください。客観的な証拠があれば、財産分与の話し合いを行うときに有利になります。

通帳の場所などがわからなかったときは、調査嘱託制度や弁護士会照会制度などを利用し、財産の開示請求をする方法がおすすめです。

すでに調停や裁判などが始まっている場合は、費用が安く済む調査嘱託制度を利用してください。まだ配偶者と協議をしている段階なのであれば、弁護士に相談の上で弁護士会照会制度を利用しましょう。

相手名義の共有財産と特有財産がそれぞれどの程度あるのかを把握しておけば、財産分与でより多くの財産を得られる可能性があります。

特有財産について主張する

財産分与の交渉を進めていると、共有財産の中に特有財産が紛れ込んでしまうケースもあります。その場合は特有財産であることをしっかり主張することが大切です。

しかし、保有している財産が共有財産なのか特有財産なのか、判断するのは難しい部分もあるため、主張の際には客観的な証拠が必要になります。

特有財産の証拠となるものの例は以下のとおりです。

  • 婚姻前の預金通帳
  • 贈与契約書
  • 遺産分割協議書・遺言書

預金通帳には日付が印字されているため、婚姻前の通帳があれば特有財産の金額が判明します。親族から贈与を受けた財産は贈与契約書、相続財産は遺産分割協議書や遺言書などがあれば、特有財産である客観的な証拠になります。

共有財産と特有財産が混在してしまったときには、証拠を提示した上で「どの財産が特有財産に当たるのか」を主張しましょう。

共有財産における貢献度も主張する

財産分与の割合は原則として2分の1ずつですが、共有財産を形成するにあたって夫婦間の貢献度に大きな差がある場合、割合が考慮されるケースがあります。

たとえば夫婦一方の特殊能力によって財産の大半が築かれた場合や、特有財産を元手として巨額の財産が築かれた場合などです。

上記のようなケースでは、夫婦のうち一方の貢献度が大きいとみなされ、財産分与の割合が考慮されます。

反対に、配偶者の一方がギャンブルなどで浪費をしており、共有財産が減った場合には、財産分与の割合が減らされる場合があります。

共有財産における貢献度に大きな差がある場合は、どのように差があるのかを主張した上で財産分与の割合の修正を求めましょう。

財産分与の際に気を付けること

財産分与の際に気を付けるべきことは以下のとおりです。

  • 扶養的財産分与に応じなくてはいけないケースもある
  • 財産の使い込みはしない
  • 財産分与で税金がかかることもある

次の項目から、それぞれの注意点について見ていきましょう。

扶養的財産分与に応じなくてはいけないケースもある

財産分与をしたくないと考えていても、配偶者の状況次第では扶養的財産分与に応じなくてはならないケースがあります。

扶養的財産分与とは、離婚によって夫婦のどちらか一方の生活が困窮する場合に、経済的余裕のある側が生活費相当額を財産分与として負担する制度です。

一例として、以下のようなケースに当てはまる場合、扶養的財産分与が認められる可能性が高いです。

  • 専業主婦(主夫)を長年続けており、すぐに就業できない
  • 病気や高齢により働くことが難しい
  • 小さい子供を育てねばならず、フルタイムで働けない

扶養的財産分与の金額や期間は明確に決まっていませんが、 離婚した元配偶者が経済的に自立するまでの間は支払いに応じなくてはならない場合もあります。

基本的に、扶養的財産分与は夫婦間の話し合いで任意で払うかどうかを決めるものです。しかし、裁判に発展して扶養的財産分与が認められた場合、必ず支払わなくてはなりません。

配偶者の状況によっては、扶養的財産分与が発生する可能性があることを認識しておきましょう。

財産の使い込みはしない

財産分与を避けたいからといって、共有財産を使い込むような行為はやめておきましょう。

夫婦の話し合いの段階では使い込みがバレなかったとしても、調停や裁判になると開示請求によって使い込みが発覚するケースがあります。

使い込みが発覚した場合は、夫婦の共有財産を浪費によって削ったとみなされ、財産分与で不利になってしまう可能性が高いです。

また、使い込みによって共有財産の大半が失われており、証拠も残っている場合、相手から返還請求をされる可能性もあります。

共有財産の使い込みは損をする結果につながるため、注意してください。

財産分与で税金がかかることもある

財産分与は原則として非課税なのですが、財産の額が多すぎる場合には贈与税が発生するケースがあります。

「いくら以上なら財産の額が多いと判断されるのか」という明確な基準は決まっていません。夫婦関係や経済的な事情を考慮の上で決定されます。

財産分与の中に不動産が含まれる場合は、不動産取得税や登録免許税、固定資産税の支払いが必要です。

また、不動産を渡した側には譲渡所得税が発生する可能性があります。

譲渡所得税には3,000万円の特別控除が設けられており、課税譲渡所得金額が3,000万円以下であれば譲渡所得税は発生しません。課税譲渡所得金額の計算方法は以下のとおりです。

不動産の時価-(取得費+譲渡費用)-3,000万円=課税譲渡所得金額

たとえば不動産の時価が6,000万円、取得費と譲渡費用が2,000万円の場合、「6,000万円-2,000万円-3000万円=1,000万円」なので、1,000万円に対して譲渡所得税が課されます。

なお、不動産を財産分与で譲渡する際の税金の計算方法は複雑化することも多いため、不安な場合は税理士に相談しながら手続きを進めてみてください。

まとめ

離婚の際には、原則として夫婦それぞれ2分の1ずつの割合で財産分与をする必要があります。

財産分与しない方法として、夫婦間の話し合いで財産分与をなしにしたり、夫婦財産契約を結んだり、財産分与請求権の除斥期間が過ぎるまで待ったりなどがあります。

また、会社の財産や特有財産であることを主張して認められれば、財産分与を避けることが可能です。

財産分与の話し合いで揉めたときは、離婚問題に強い弁護士に相談し、代理で交渉してもらう方法がおすすめです。法的根拠に基づいた主張で有利に交渉を進めたい場合は、ぜひ弁護士への依頼を検討してみてください。

財産分与に関するよくある質問

相手に離婚事由があっても原則財産分与をしなくてはならない

相手が不倫などの不法行為を行ったことが原因で離婚をするとしても、原則として2分の1ずつの割合で財産分与をしなくてはなりません。不法行為と財産分与の間には、直接的な関係はないためです。

ただし、離婚の原因を作ったのが相手である場合、財産分与とは別で慰謝料を請求できます。慰謝料を勝ち取るためには客観的な証拠が必要となるため、事前に証拠を集めた上で話し合いに臨みましょう。

夫婦共働きで財布が別だった場合も2分の1で分配する

夫婦で共働きをしており、財布が別々で個人的に貯金をしていたとしても、財産分与の割合は原則として2分の1です。

たとえば自分の貯金が500万円で相手の貯金が300万円だった場合、合計800万円を半分ずつ分け合うため、自分の取り分は400万円になります。

財布を別にしていたとしても、婚姻期間中は夫婦の協力のもとで貯金ができたとみなされるためです。

なお、夫婦間の合意のもとで「自分の財布で貯めたお金や買ったものは財産分与の対象外にする」と取り決めれば、財産分与を避けられます。

将来受け取る退職金も財産分与の対象になる可能性がある

すでに退職金を受け取っている場合は、手元に残っている分が財産分与の対象となります。受け取り済みの分だけでなく、将来的に受け取る予定の退職金も、財産分与の対象となる可能性が高いです。

とくに職金が将来的に確実に支払われると認められる場合は、財産分与の対象になりやすいです。たとえば就業規則で退職金についての定めがあり、企業の経営状況が安定しているケースなどが当てはまります。

なお、財産分与の対象となるのは婚姻期間中に形成された退職金のみです。婚姻前や別居中に形成された退職金は、財産分与の対象ではありません。