借金は金利の高い借入先から優先的に返済
借金は金利の高い借入先から優先的に返済していきましょう。
金利は返済が長期化すればするほど、増えていくものです。
例えば、借金の元金が200万円だった場合、15.0%と18.0%の金利では利息に大きな違いが出ます。
金利が15.0%なら利息は30万円。
金利が18.0%なら利息は36万円です。
たった3%の違いに思えても、6万円もの差があります。
これは簡易的な計算ですが、返済が長期化するほど利息による総返済額の差は大きくなります。
つまり、金利の高い方を優先的に、なおかつ、それぞれの借金をできるだけ短期間で完済し終えることが重要ということです。
返済できる借金は早く返済し、借入先の数を少なくしておいた方が後の借り換えにも有利になります。
【事例①】借金返済の優先順位の付け方
例えば、2社からの借り入れがあるとします。
借入先 |
借入金額 |
金利 |
A社 |
30万円 |
18.0% |
B社 |
100万円 |
15.0% |
この場合、優先して返済すべき借入先はA社です。
A社の方が、金利が高いため、優先的に返済した方が総返済額を抑えられます。
また、A社は元金が少ないため、B社に比べて短期間での返済ができます。
ですので、このような場合は、A社から優先して返済していきましょう。
【事例②】借金返済の優先順位の付け方
例えば、3社からの借り入れがあるとします。
借入先 |
借入金額 |
金利 |
A社 |
30万円 |
18.0% |
B社 |
100万円 |
15.0% |
C社 |
15万円 |
17.5% |
この場合はA社、C社、B社と優先順位を付けましょう。
C社からの借金はA社の半分しかないため、先に返済してしまいたいと思うかも知れませんが、金利が最も高いのはA社です。
そのため、A社を優先的に完済してからC社、そしてB社の順に返済をしていくのが得策です。
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借金返済の優先順位をつける上での注意点
1.不動産担保ローンのある借金と住宅ローンは例外として考える
金利の高い方から返済を進めるといっても、一概にそのやり方がベストとは限りません。
特に「不動産担保ローン」と「住宅ローン」は、例外として考える必要があります。
不動産担保ローンはできるだけ支払いを滞納しない
不動産担保ローンとは、不動産を担保に設定しているローンのことです。
こうしたローンは支払いが滞ると、担保に設定した不動産が自動的に競売にかけられてしまう可能性があります。
そのため、金利が低くてもできるだけ支払いを滞納するのは避けた方がいいでしょう。
もちろん不動産を手放しても問題なければ、あえて担保でローンを払うという手もありますが、自分が住んでいる家を担保にしている場合は、住居を失うことになります。
自分の組んだローンが不動産担保ローンかどうかを確認するためには、ローン契約書を確認しましょう。
住宅ローンは金利が高くても返済の優先順位は低い
住宅ローンは元金が大きいため、完済に時間がかかってしまいます。
そのため、仮に他の借金より住宅ローンの金利が高かったとしても、住宅ローンを返済している間に他の借金の金利がどんどん増えていってしまいます。
つまり、住宅ローンよりも先に他の借金を返済しておいた方が、合計返済額が少なくて済むケースが多いのです。
2.優先順位をつけつつも、滞納しないように注意する
2か月以上借金を滞納すると、分割ではなく一括請求されます。
一括での支払いや、この後の交渉によって決まったスケジュールで支払いができないと、強制執行という手続きに移ります。
優先順位をつけて1社のみの返済を続けていると、他の貸金業者から一括請求や遅延損害金の請求等がくるリスクもあることを把握しておきましょう。
つまり、優先順位はつけつつも、どの貸金業者にも返済を続ける必要があるということです。
本来、一括請求が来る前に連絡を入れて支払いを待ってもらうよう交渉するのが一番ですが、万が一、一括請求されたら債権者へ連絡し、事情を説明しましょう。
話し合いによっては、支払いを待ってくれる場合や、分割支払いに応じてくれる場合もあります。
借入先からの連絡は絶対に放置しないようにしまょう。
もし全く支払いの目途が立たない借入先があるなら、債務整理を検討した方がよいでしょう。
債務整理をすれば、返済金を大幅に減らす(またはゼロにできる)ことができます。
債務整理をする場合は、経験豊かな弁護士に相談することをお勧めします。
3.闇金への返済を優先しない
闇金から借り入れをしている人の多くは督促の恐怖から、まず闇金へ返済しようと考えるかもしれません。
しかし、そもそも闇金との契約は法律上無効であり、闇金からの借金に返済義務はありません。
そのため、闇金からの借金は、優先順位を考える必要すらないのです。
とはいえ、闇金からの借金を借り逃げすることは難しいため、早めに弁護士や警察に相談して縁を切りましょう。
弁護士や警察が介入すればしつこく督促をされることもなく、スムーズに闇金と縁が切れます。
効率的に借金を返済するコツは?
借金の完済を目指すには、優先順位をつける他にも、以下のような方法があります。できそうなものは取り入れ、効率よく借金を返済していきましょう。
- 借り換えを利用する
- おまとめローンを利用する
- 繰上げ返済を利用する
- ボーナスを返済に充てる
- 生活の支出を削減する
- 無利息または低金利の公的融資を利用する
借り換えを利用する
借り換えとは、より金利の低い金融機関に乗り換えることを指します。
A社からB社へ借り換えする場合、A社の借金を一旦B社からの借り入れで完済し、その後は、B社へ返済する形を取ります。
借金が無くなるわけではないものの、利息を抑えられるのが借り換えのメリットです。
なお、借入先は少ない方が審査において有利になります。
複数の借金がある場合は、元金が小さい借金を完済した後で、借り換えをするといいでしょう。
ただし返済状況や信用情報によっては、審査に通らない場合もあります。
おまとめローンを利用する
おまとめローンとは、複数社の借金を1社に一本化することを指します。
例えば、おまとめローンを使うと、以下のように金利が抑えられます。
|
おまとめローン利用前 |
おまとめローン利用後 |
元金 |
30万・10万・60万 |
100万 |
金利 |
18.0%・20.0%・18.0% |
15.0% |
返済額合計 |
18.2万 |
15万 |
上記のとおり、合計100万円の借金を1本化したことでトータルの利息を抑えることができました。
おまとめローンを使うと返済も1本化できるため、優先順位を考える必要がありません。
支出がスッキリするため、精神的にゆとりが持てるでしょう。
おまとめローンを提供している金融機関は、アイフルやプロミス、楽天銀行などが挙げられます。
どれくらいお得になるかどうかが分かるシミュレーターがあるサイトも多いため、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
アイフル
プロミス
楽天銀行
ただし、おまとめローンも借り換えと同様、返済状況や信用情報の内容によっては審査に通らない場合があります。
繰上げ返済を利用する
繰上げ返済を利用するのも、早期に借金を完済するためのポイントです。
繰上げ返済の方法は、借入先によってさまざまです。
例えば、アコムやプロミスは毎月の最低返済額が決まっているため、ATMなどで余剰に返済すれば問題ありません。
一方、銀行ローンはマイページなどから繰上げの別途申請が必要な場合もあります。
自分が利用している借入先の手続き方法に準じて繰上げ返済を行ないましょう。
ただし、繰上げ返済には、返済期間を変えずに月々の返済額を軽減するものと、月々の返済額は固定で返済期間を短縮するものがあります。
前者の場合はかえって利息が多くなる傾向にあるため、必ず返済期間を短縮するようにしましょう。
繰上げ返済で、どのように返済期間が変わるか知りたい方は、金融広告中央委員会のサイト内にあるシミュレーターを使うといいでしょう。
元金や金利、返済済みの期間や繰上げ額を入力することで、簡単に繰上げ返済後の返済計画をシミュレートできます。
しっかりシミュレーション
ボーナスを返済に充てる
ボーナスをはじめとする臨時収入は完済を早めるために重要です。
生活費として使ってしまわず、しっかり返済に充てましょう。
ボーナスが入ったら、使う前にすぐ繰上げ返済の手続きをするのがポイントです。
生活の支出を削減する
生活における支出を減らし、借金返済にあてる金額を増やすのもおすすめです。
携帯料金や通信費、電気代などは契約プランを変えることで、無理なくコンスタントに節約できる項目といえます。
ある程度まとまったお金がある人や、職場の福利厚生を利用できる人は引っ越しして今よりも家賃の安い家に住むのも一つの手段です。
実家に住まわせてもらうことができるなら、数万円単位のお金を毎月浮かせることもできます。
生活の支出を抑えて、借金返済の資金にまわしましょう。
無利息または低金利の公的融資を利用する
政府や自治体などが提供する、無利息の融資を利用するのもおすすめです。
利息がつかないため、元金のみの返済に抑えられるのが特徴です。
全国社会福祉協議会が提供する「生活福祉資金」は他社からの借り入れが難しい場合でも、借りられます。
申し込みたい方は、各自治体の社会福祉協議会に行く必要があります。
この他にも、緊急小口資金など自治体から受けられる融資はいろいろとあります。
まずは自分に合った融資に関して役所に相談してみるといいでしょう。
生活福祉資金
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借金の返済が難しいと感じたら債務整理を検討
借金に優先順位をつけても、明らかに支出が多く返済が厳しい場合は、早急に債務整理を検討しましょう。
債務整理とは借金を減額、または免除される(ゼロにできる)法的な手続きです。
主に任意整理・個人再生・自己破産があり、借金の状況に応じて選べます。
任意整理は、将来利息と遅延損害金をカットしてもらえます。
個人再生は、借金を5分の1から10分の1程度、減らしてもらえます。
自己破産は、借金を全て免除(ゼロ)してもらえます。
どの債務整理が適しているかは、個人の状況に応じて異なりますので、債務整理に詳しい弁護士にご相談ください。
多重債務を長引かせるのは危険
複数の借入先から借金をしているということは、いわゆる多重債務の状態です。
多重債務になると首が回らなくなり、徐々に生活が苦しくなります。
放置すると方々から督促状が届き、差し押さえになってしまいますので、注意が必要です。
以下の状態に当てはまる方は、すぐに債務整理を検討しましょう。
- 借金返済に優先順位をつけられない
- まったく完済の目途が立たない
- 新たな借金をしないと返済できそうにない
債務整理は手持ちのお金がなくてもできる
「手持ちのお金がない=債務整理ができない」という考えは誤りです。
今すぐ払えるお金がなくても、自分一人で債務整理を進めなければいけないわけではありません。
後払いや分割支払いという形で、弁護士に債務整理を依頼することもできます。
法テラスなら低コストで債務整理が可能
法テラスを使えば、低コストで債務整理を弁護士に依頼できます。
法テラスとは、経済的に困窮している人に対して法的な支援をする国がつくった制度です。
法テラスは、相談料が無料で、一定の審査(収入など)に通れば相場よりも安い価格で債務整理が行えますので、ぜひご活用ください。
通常は任意整理でも借入先1社あたり5万円以上かかる債務整理ですが、法テラスなら借入先1社あたり4万3000円で依頼できます。
なお分割払いも可能で、月々5000円~1万円で利用できます。
法テラス
初期費用のかからない法律事務所も多数
相談料と初期費用が必要のない法律事務所も多くあります。
また、分割支払いに対応する事務所もありますので、問い合わせてみることをお勧めいたします。
こうした費用体系の法律事務所を選べば、前払いでお金が必要になることはありません。
特に債務整理に強い事務所では依頼者が経済的に困窮していることをよく分かっているため、事前に高額な費用を要求する事務所は少ないです。
債務整理を検討している方は、一度弁護士に相談してみるといいいでしょう。
債務整理で借金を減らせば早く生活を再建できる
債務整理をすれば借金を減額、またはゼロにできるため、無理なく生活ができるようになります。
ただし、債務整理をすると最低5年はブラックリストに登録されてしまいます。
ブラックリストの影響を最小限に抑える方法については、以下の記事をご覧ください。
ブラックリストに載ることはマイナスですが、借金を大幅に減らせる方がメリットなので、怖がらずに債務整理を検討することをお勧めいたします。
債務整理をするメリットとブラックリストに載ることのデメリットに関して、詳細を知りたい方は、ぜひ債務整理に強い弁護士にご相談ください。
弁護士が丁寧に債務整理をするメリット・デメリットについて、ご説明いたします。
債務整理はできるだけ早く開始するのがベスト
債務整理にかかる時間は以下のとおりです。
債務整理の種類 |
かかる期間 |
任意整理 |
3か月~半年 |
個人再生 |
約半年 |
自己破産 |
半年~1年 |
任意整理や個人再生については上記の期間が過ぎて手続きを完了した時点から、返済が始まります。
債務整理後の返済は以前に比べて毎月の負担が少なくなるものの、いち早く完済して生活を立て直すには手続きを早い段階から進めるのがベストです。
できるだけ早く債務整理を開始すれば、それだけブラックリスト解除の期間も早まります。
ちなみに、ブラックリストが解除されるまでの期間は、最短で5年、最長で10年です。
また、借金を滞納して強制執行された後では、その債権者に対して債務整理ができません。
まずは最寄りの法テラスや債務整理に強い弁護士に相談しましょう。
まとめ
この記事のまとめ
- 借金は、基本的に金利の高いものから返済する
- ただし、不動産担保ローンと住宅ローンは例外
- 繰上げ返済やおまとめローンを利用すると返済が進みやすい
- 返済が難しいと感じたら早めに債務整理を検討する
- 多重債務を放置するのは危険
借金の返済を計画的に進めるには、それぞれに優先順位をつけることが重要です。
また、できるだけ早く完済するには、繰り上げ返済やおまとめローンを使うといいでしょう。
返済が難しいと感じたら、滞納せずに債務整理を検討ください。
債務整理は、ブラックリストに載るなどのペナルティはあるものの、スムーズに生活を立て直すには有効な手段です。
債務整理は、国が合法的に借金を減らすことを認めた制度ですので、上手に活用しましょう。
どの債務整理がよいかは個人の状況によって異なりますので、債務整理に詳しい弁護士にご相談ください。
どの金融会社から優先して借金を返していくかも大切ですが、借金そのものを減らすことも考えてみましょう。
借金そのものが減れば、精神的にも楽になり、返済がスムーズになります。
返済先に優先順位をつけるよりも借金自体を減らすことに重点をおいてみると良いかもしれません。
優先順位をつけて返済しているが、どうしても返済がキツいと感じるならば、債務整理をぜひご検討ください。
最短即日取立STOP!
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