クレジットカードのリボ払いを利用している場合、リボ払いが払えない状況にある人もいることでしょう。
リボ払いが払えないからといって、その状態を放置するのは絶対に避けてください。リボ払いの支払いに遅れることにはさまざまなリスクがあり、滞納の期間が長期化すればするほどリスクも大きくなるためです。
リボ払いが払えないと気づいた場合、まずはカード会社に連絡することを優先的に考えてみてください。担当者に支払いの意思があることを伝えることで、滞納のリスクを最小限に抑えられる可能性があります。
また、担当者に交渉をすることで、支払期日や支払方法を例外的に変更してもらえる可能性もあります。リボ払いが払えないときには、まず利用しているカード会社に連絡をしたうえで、支払いに関する猶予が認められないかの交渉をすることを検討してみてください。
当記事では、リボ払いが払えない時の対処法をテーマに、滞納のリスクや払えない状況に陥らないための対策について解説していきます。
リボ払いが払えない時にはすぐにカード会社へ連絡をする
リボ払いが払えないことが発覚した場合、すぐにでもカード会社に連絡するようにしてください。
詳しくは「リボ払いが払えないとどうなる?滞納を放置した場合の流れ」の見出しで解説しますが、リボ払いの支払いが遅れることにはさまざまなリスクがあります。すべてのリスクを回避できるわけではありませんが、多少なりともリスクを軽減できるため、事前にカード会社に連絡することが大切です。
なお、リボ払いが払えない場合、銀行振込などで後日支払いが必要なケースがあります。そのため、リボ払いが払えないことを連絡する際には、滞納分の金額をどのように支払うのかも尋ねておくとよいでしょう。
リボ払いが払えないとどうなる?滞納を放置した場合の流れ
リボ払いが払えなくなったら、今すぐに対応策を考えなければいけません。リボ払いを払えないまま滞納を続けてしまうと、以下のようなリスクが生まれるからです。
- カードが利用停止になる
- 遅延損害金が発生する
- カード会社からの督促がくる
- 残額が一括請求される
- いわゆる「ブラックリスト入り」になる
- 訴訟を提起される
- 給与や財産が差し押さえられる
ここからは、リボ払いが払えない時のリスクについて、それぞれ詳しく解説していきます。
①カードが利用停止になる
リボ払いが払えずに支払が遅れると、そのカードが利用停止になります。利用停止になった場合、リボ払いだけでなく、ショッピング機能やキャッシング機能も利用できません。
カード会社の判断にもよりますが、利用停止になるまでの期間は3日〜1週間程度が目安と言われています。
なお、カードの利用停止は一時的なものであり、支払い遅延が解消されれば、その後は通常通りクレジットカードを使用できます。
②遅延損害金が発生する
リボ払いの支払い期日に払えないと、翌日から日ごとに遅延損害金が発生します。
カード会社によって遅延損害金の利率は異なりますが、一般的には年利14%~20%の範囲内の利率で定められています。
例えば、利用残高が100万円、遅延損害金20%の借金を10日、30日それぞれ延滞した場合、下記のように遅延損害金が発生します。
- 10日滞納・・・100万円✕20%✕10日÷365日=5,479円
- 30日滞納・・・100万円✕20%✕30日÷365日=16,438円
遅延損害金は「クレジットカードの利用残高✕遅延損害金利率✕延滞日数÷365」で計算されます。
ここで注意しなければいけないのが、遅延損害金を計算するときの基準になる金額は、滞納した1ヶ月分のリボ払い分ではなく、元本を基準に計算されるという点です。
したがって、対策をとらない間は毎日遅延損害金が発生してしまうので、放置していると最終的に支払わなければいけない金額が想像以上に増えてしまうでしょう。
日割り計算で遅延損害金が加算されることを甘く見てはいけません。元本額や遅延損害金の年利率にもよりますが、わずか10日の滞納でもかなりの負担になることが分かります。
③カード会社からの督促がはじまる
リボ払いが払えずに支払遅延が起きると、カード会社から督促が行われます。督促が始まるまでの期間は断言できませんが、数日〜1週間程度が目安となります。
督促は電話や郵便、メールといった方法で行われるのが一般的です。これらの支払い督促によって家族にリボ払いの滞納の事実を知られるリスクもあるでしょう。
督促状には、遅延損害金を加算した請求額と新たに設定された支払い期日が指定されています。また、電話での督促でも、滞納分の支払い条件について告知されます。
督促状や電話を無視してしまうとさらにデメリットが生じるだけなので、この段階でカード会社の担当者としっかりと話をするようにしてください。遅延損害金を含めた滞納金額を約束通りに支払うことができれば、再びカードを利用できるようになります。
④残額が一括請求される
リボ払いが払えずに滞納が長期化すると、カードを強制解約される可能性があります。カードの契約が切れた段階で、リボ払いに関する契約もなかったことになるので、支払いが終わっていない元本全額を一括で支払うように請求されてしまいます。
リボ払いの返済が長期化している人は、未払い元本額が思っているよりも多いということが少なくはありません。したがって、残額の一括請求は、かなりのデメリットと言えるでしょう。
カードが強制解約されるタイミングはカード会社の判断によります。一般的には2か月以上の滞納が目安とされていますが、場合によっては1か月程度でも強制解約をされることも考えられます。
⑤いわゆる「ブラックリスト入り」になる
リボ払いが払えずに支払い遅延が続いてしまうと、いわゆる「ブラックリスト入り」になる可能性があります。
前提として、「ブラックリスト」というのは一般的に使用されている表現であって、カード会社が存在を公表しているわけではありません。そのため、ブラック状態になる基準は明確に言えませんが、あくまで一般的には2か月〜3か月程度の滞納が目安とされています。
なお、ブラックリスト入りになると返済能力を疑われやすくなり、最長5年の間は下記のような契約が難しくなります。
- クレジットカードの新規契約
- カードローンの新規契約
- 自動車ローンや住宅ローンなどの目的別ローンの契約
- 携帯電話本体やパソコンなどの割賦払い契約
- 保証会社を通した賃貸契約
⑥訴訟を提起される
カードを強制解約されて残額の一括請求がなされても無視し続けると、やがては民事訴訟を提起されてしまう可能性があります。
もちろん、リボ払いを払えない人にも、払えないだけのいろいろな事情や理由はあるでしょう。
しかし、残額の支払い請求に関する訴訟が提起されてしまうと、カード利用者に勝ち目はないと言えます。判決が確定すると、遅延損害金と未払い元本総額を支払わなければいけないことが法的に確定します。
⑦給与や財産が差し押さえられる
すべての督促・法的手続きを無視し続けると、最終的には債務者の給与・財産などが強制執行によって差し押さえられ、未払いの元本総額・遅延損害金が回収されることになります。
どの財産が差し押さえられるかは債権者側が決めることなので、債務者側はどの財産が処分されるかは分かりません。
差し押さえられる財産によって、債務者には次のようなデメリットが生まれます。
差し押さえられる財産など | 債務者に生じるデメリット |
---|---|
給与 | ・会社にバレる ・家族に借金がバレる |
財産 | ・マイホーム、マイカーなどが差し押さえられる可能性がある ・家族の生活にも支障が出る ・家族に借金がバレる |
銀行口座 | ・他の引き落としのためのお金が不足する ・住宅ローンなどを組んでいると口座が凍結される可能性あり |
このように、強制執行によって財産などが差し押さえられると、家族や会社に借金を滞納していることが知られてしまいます。さらに、債務者だけではなく家族までが今まで通りの日常生活が送れなくなるリスクも生じます。
したがって、差し押さえによるデメリットを回避したいのなら、速やかに弁護士に相談をして滞納ペナルティが軽い段階で債務整理などの法的措置をとってもらうことも検討するべきです。
リボ払いが払えない時にとるべき対策
現状はリボ払いが払えない場合でも、いずれその金額を支払わなければなりません。その場合、下記のような対策を講じてみてください。
- 支払期日に猶予があれば払えるならカード会社に交渉をする
- 請求額が一括で払える金額でなければ分割などの交渉をする
- 請求額が少し足りない場合には費用を用意するための対策を講じる
ここからは、リボ払いが払えない時にとるべき対策についてそれぞれ解説していきます。
支払期日に猶予があれば払えるならカード会社に交渉をする
「給料日が支払期日より後にある」のように、支払い期日が問題でリボ払いが払えないケースもあることでしょう。このケースであれば、リボ払いが払える日まで支払期日に猶予を認めてもらえないかを交渉してみてください。
前提として、カードの請求額が確定している場合、原則的には支払期日を変更することはできません。しかし、カード会社に交渉をすることで、例外的に支払期日の変更を認めてもらえる可能性も0とは言えないのです。
請求額が一括で払える金額でなければ分割などの交渉をする
リボ払いが払えない場合、利用金額が一括では支払える金額ではないケースもあることでしょう。この場合、分割などの方法で支払いを認めてもらえないかを交渉してみてください。
支払期日と同様に、請求額が確定している場合、原則支払方法は変更できません。しかし、カード会社と交渉をすることで、例外的に支払方法を変更してもらえる可能性は0とは言えないのです。
なお、クレジットカードの請求額が確定していなければ、支払方法を変更できる場合もあります。公式サイトの契約者専用ページやアプリから支払方法の変更手続きができるのが一般的で、その際には「分割払い」「リボ払い」「スキップ払い」のような支払方法に変更できます。
請求額が少し足りない場合には費用を用意するための対策を講じる
リボ払いが払えない場合、「あと◯万円あれば払えるのに」というケースもあることでしょう。この場合であれば、リボ払いの請求額に対して不足する金額を用意するための対策を検討してみてください。
不足額を用意するための対策としては、下記のような方法が挙げられます。
方法 | 概要 |
---|---|
不要品を売却する | フリマアプリやリサイクルショップの店頭で不要品を売却する方法。使っていないスマホやパソコン、ブランド品などは売却に期待できる。 |
スキマ時間を活用してアルバイトをする | バイトアプリを利用して、スキマ時間だけアルバイトをする方法。「平日の夜間だけ」「土日祝日の夕方まで」のように自身の状況に合わせて働ける。 |
借り換えをする | 銀行や消費者金融などの金融機関にクレジットカードの利用金額を借入して乗り換える方法。利用しているカードよりも利率が低いローンであれば、支払総額を抑えられるメリットもある。 |
生命保険の契約者貸付制度で不足額を借入する | 解約時に受け取れる解約返戻金を担保にして、保険会社からお金を借りられる制度のこと。比較的低金利で借入できるのがメリット。 |
なお、「借り換え」「生命保険の契約者貸付制度」のように、借入をして不足額を用意する方法は、さらに負債を増やしてしまう可能性があるため、どのような人にもおすすめできる方法とは言えません。
特に、返済できる見込みがない状態で不足分を借入するのは避けるべきです。返済の見込みがない状態で借入をすると、いわゆる「借金地獄」に陥ってしまう可能性があります。
カードの不足額を借入する場合、「毎月必ず◯円を返済して、いつまでに完済する」のような返済計画を立てたうえで利用を検討するようにしてください。
どうしてもリボ払いが苦しい時には債務整理を検討してみる
リボ払いの支払いは、元本総額を完済するまでは毎月続くものです。今後もリボ払いの返済を続けなければいけない場合、計画通りの完済が難しいと感じるのなら、弁護士などの専門家に相談して債務整理を検討してみてください。
債務整理とは、借金やクレジットカードなどの問題を解決するための手続きのことです。インターネットなどでは、「国が認めた救済措置」などと呼ばれることもあり、一般的には弁護士や司法書士に依頼して手続きを進めます。
債務整理には、自己破産・個人再生・任意整理の3つの手続きがあります。
概要 | |
---|---|
任意整理 | 債権者と交渉をして、カードの支払条件を見直してもらうための手続き。一般的には、利息や手数料をカットしたうえで、3年〜5年程度で完済できるような条件になる。 |
個人再生 | 裁判所を通して、借金やカードの残債を1/5〜1/10程度に減額する方法。 |
自己破産 | 裁判所を通して、借金やカードの残債を帳消しにする方法。 |
将来的に完済の目途が立たないのにカード会社に言われるがまま毎月リボ払いを続けていては、いつまでもリボ地獄の苦しさから抜け出すことができません。どうしても支払いが苦しい場合には、債務整理を視野に入れつつ弁護士や司法書士に相談してみてください。
任意整理なら返済条件を見直すための交渉ができる
任意整理とは、返済条件を見直してもらうために債権者と交渉をする方法のことです。交渉次第ですが、任意整理をした場合は利息・手数料・遅延損害金をカットしたうえで、3年〜5年程度で完済できるように分割払いとなるのが一般的です。
リボ払いのデメリットの1つには、手数料がかさみやすく、支払総額が膨大になる可能性がある点が挙げられます。
任意整理によって手数料のカットが認められれば、これ以上手数料がかさむことなく、利用した金額だけを返済することになるため、支払総額をこれ以上増やさないようにできるメリットがあります。
たとえば、リボ払いで50万円を利用しており、3年(36回)で返済した場合、任意整理をすることで支払総額を下記のように抑えられます。
返済方法 | 毎月の返済額 | 支払総額 | (うち利息分) |
---|---|---|---|
リボ払い(15%) | 17,332 円 | 623,952 円 | (123,952 円) |
任意整理 | 13,888 円 | 50万円 | (0円) |
ただし、任意整理にはデメリットもあるため注意が必要です。特にいわゆる「ブラックリスト入り」になるデメリットは今後の生活に悪影響を及ぼす可能性もあります。
任意整理を検討している場合、弁護士や司法書士にデメリットを十分に説明したもらったうえで、「本当に手続きをするべきか」を検討するようにしましょう。
個人再生ならリボ払いの残高などの負債を1/5〜1/10程度に減らせる
個人再生は、裁判所を利用して今後の返済計画を見直す制度です。
借金総額を約1/5まで減額できるという強力な減額効果があるほか、「住宅ローン特則」という制度を使えば、ローン返済中の自宅を残しながら債務整理手続きを進められます。
また、自己破産のように職業制限を受けないので、どうしても自己破産のデメリットを許容できない場合は個人再生手続きをとる方も多いです。
ただし、自己破産と同様に裁判所を利用する手続きである以上、どうしても手続きに手間がかかるというデメリットが生じます。同じく高額な費用がかかることもネックで、こちらも最低20万円程度の費用はかかるでしょう。
個人再生は借金をゼロにすることはできませんが、大きな減額が可能です。それでいて、自己破産のように自宅を失ったり、職業制限を受けるリスクを回避できる点も大きな魅力です。
減額後の借金であれば返済の目処が立ちそうであれば、個人再生を選ぶのもひとつの選択肢でしょう。
自己破産ならリボ払いの残高を含めたすべての負債を帳消しにできる
自己破産は、現在の借金を帳消しにする制度です。クレジットカードの利用金額だけでなく、金融機関や個人間の借金、奨学金なども免除の対象となります。
自己破産が認められれば、今後一切返済を続ける必要がなくなり、新生活をスタートすることができます。リボ地獄から抜け出して、自分に見合った家計収支に沿った生活をするチャンスとなるでしょう。
ただし、自己破産には借金帳消しという大きなメリットがある反面、いくつものデメリットがあることにも注意が必要です。
たとえば、自己破産が認められた後の最長5〜7年間は、ブラックリストになるというデメリットがあります。また、収入を超えた過剰な買い物を繰り返したことが借金の原因なら、そもそも自己破産が認められないというリスクもあります。
さらに、自己破産を弁護士などの専門家に依頼する場合には、最低でも30万円程度の費用がかかることもご理解ください。
借金を帳消しにできる効果は大きく、生活再建を図るには強力な効果を発揮します。また、財産を失うデメリットがあると言っても、99万円までの現金は残せたり、テレビや冷蔵庫など、生活に必要な家具は没収されません。
リボ払いの支払いが苦しくどうしようもないのであれば、弁護士に相談して、具体的な手続きの見通しを説明してもらうことも検討してみてください。
リボ払いが払えないからといって手を出すべきではない行為
リボ払いが払えない場合、不足額をどうにか工面しようと考える人もいることしょう。その場合には、基本的に前述した方法を検討するべきと言えますが、下記のような危険な方法には手を出さないようにしてください。
- 返済の見込みがないうえでの借入
- クレジットカードの現金化
- 闇バイト
ここからは、リボ払いが払えないからといって手を出すべきではない行為について、それぞれ解説していきます。
返済の見込みがないうえでの借入
リボ払いが払えない場合、銀行や消費者金融などからの借入を検討するケースもあることでしょう。
決して借入自体が悪いわけではありませんが、返済の見込みがないうえであれば、借入は検討するべき方法とはいえません。返済の見込みがないうえでの借入をすると、いわゆる「自転車操業状態」に陥る可能性があるためです。
自転車操業とは、返済のために借金をして、それを繰り返すことです。返済のための借入はその場しのぎの行為でしかなく、完済できる見込みがなければ、いずれ返済に追われてしまうことになりかねません。
借入を検討するのであれば、「借入をしても完済できるのか」を最優先に考えて、少しでも不安があるのであれば他の方法でリボ払いの不足額を用意するようにしてみてください。
クレジットカードの現金化
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を得る方法のことです。
インターネットなどでは、クレジットカードの現金化が「合法」「安心」のように宣伝されている広告もみられます。しかし、クレジットカードの現金化は、カード会社が定める利用規約に違反する行為であるため手を出すべきではありません。
現金化の行為が発覚すれば、カードの利用停止や強制解約となる可能性もあり、その場合には利用残高を一括請求されると考えられます。さらに事態を悪化させるリスクがあるため、クレジットカードの現金化を検討するのは避けてください。
闇バイト
闇バイトとは、高額報酬をちらつかせて違法行為を行わせるバイトのことです。近年、「高収入」「即日即金」のような文言でSNSなどを通して募集されている事例が増えています。
しかし、闇バイトに手を出すと、振込詐欺の受け子や、薬物の運び屋など、犯罪行為に加担してしまう可能性があります。そのような事態が発覚すれば、自分が犯罪者として逮捕されてしまうリスクがあるのです。
少しでも怪しいと感じたときには、闇バイトの可能性を考慮して手を出さないように気をつけてください。
今後リボ払いが払えないことにならないための対策
リボ払いが払えない状況を改善できたとして、利用残高を完済しない限り支払いは続きます。一般的に「リボ地獄」と呼ばれることがあるように、リボ払いについて知識をつけておかなければ、再度払えない状況に陥る可能性もあります。
今後はリボ払いが払えない状況にならないためにも、下記のような対策を講じてみてください。
- リボ払いの仕組みから確認しておく
- リボ払いは手数料がかさみやすいことを把握しておく
- リボ払いの返済状況を毎月明細でしっかり把握しておく
- お金に余裕があるときだけでも繰上返済をして早期完済を目指す
ここからは、今後リボ払いが払えないことにならないための対策について解説していきます。
リボ払いの仕組みから確認しておく
リボ払いは利用した金額を複数回に分けて支払う方法であり、「カードを使い過ぎた」という場合には便利なサービスとも言えます。その便利さから、あまり仕組みを理解せずにリボ払いを利用している人もいるかもしれません。
リボ払いの仕組みを理解せずに利用を続けると、「なかなか支払いが終わらない」という状況になりかねないため、まずは仕組みについて確認しておくのがよいでしょう。
リボ払いは、毎月決まった金額を支払って完済を目指す方法です。分割払いとは異なり、完済までの回数が明確に定められていません。
そのため、分割払いよりも返済計画を立てづらく、いつ支払いが終わるのかがわかりづらい方法とも言えます。
リボ払いを上手く利用するためにも、まずは毎月◯円を支払えばいつまでに完済できるのかを明確にするために、カード会社が用意するシミュレーターを利用してみるのがよいでしょう。
シミュレーターでは、利用金額や毎月の支払額などの情報を入力することで、簡易的に返済計画を立てられます。カード会社の公式サイトやアプリに用意されているのが一般的であるため、まずは利用しているカード会社のサービスを確認してみてください。
リボ払いは手数料がかさみやすいことを把握しておく
他の決済手段と比較すると、リボ払いの手数料は高い利率で算出される傾向にあります。
一般的なリボ払いの手数料は実質年率約15%に設定されているのがほとんどです。これに対して、クレカの一括払いは手数料無料、分割払いは回数が多くても年利12%程度です。
しかも、消費者金融などのカードローンの返済利率は、借入額にもよりますが年利数%~14.5%程度に設定されているのが一般的です。つまり、リボ払いの実質年利15%は消費者金融のカードローンと同等かそれ以上に設定されていると考えられます。
したがって、リボ払いは借金を背負っている状況よりも厳しい融資条件を強いられているともいえるので、安易な利用は差し控えるべきでしょう。
リボ払いの返済状況を毎月明細でしっかり把握しておく
リボ払いを利用すると毎月支払いが必要ですが、この支払金額はすべてがリボ残高に充てられるわけではありません。発生している手数料の支払いに充てられたうえで、その残りが元金の返済に充てられる仕組みです。
そのため、リボ払いの支払いを長期間続けていても、「思ったより元金が減っていない」という減少に陥りやすいです。
このような事態にならないためにも、リボ払いを利用している場合、返済状況を明細で確認しておくのが大切です。明細には手数料の金額や元金の残債が記載されているため、今回の支払いでどれくらいリボ残高が減ったのかを確認できます。
お金に余裕があるときだけでも繰上返済をして早期完済を目指す
前述したように、リボ払いは毎月の返済負担が抑えられる反面、完済が長引きやすい返済方法です。そのため、今後もリボ払いを利用する場合、可能な限り完済に近づくための対策も講じておくのが大切です。
その場合には、お金に余裕があるときだけでも繰上返済をすることも検討してみてください。
繰上返済とは、好きな金額を任意のタイミングで支払うことです。繰上返済をすれば、毎月返済する金額が増えるため、その分リボ残高が減り完済が近づきます。
たとえば、繰上返済をした場合と月々の返済だけを続けた場合、利息総額と完済までの期間は下記のように差が出ます。
◯シミュレーションの条件
- 借入金額:100万円
- 毎月の返済額:3万円
- 繰上返済の金額:月々1万円(返済1回目から支払った場合を想定)
- 適用されている金利:年15%
繰上返済をした場合 | 月々の返済だけの場合 | |
---|---|---|
返済総額 | 206,514円 | 301,674円 |
完済までの期間 | 31か月(2年7か月) | 44か月(3年8か月) |
※あくまでシミュレーションであるため、実際の金額や期間とは異なる場合があります。
繰上返済は自身の好きなタイミングで行えます。今後もリボ払いの支払いが続く場合、ボーナスや臨時収入によってお金に余裕があるときだけでも繰上返済することを検討してみてください。
まとめ
リボ払いが払えないときには、まずカード会社に連絡することを優先にしましょう。
支払いの意思を伝えることで、滞納によるペナルティを軽減できる可能性があります。リボ払いの支払いに遅れれば遅れるほどリスクは大きくなり、最終的には所有財産が差し押さえられることになりかねません。
そのうえで、カード会社に支払期日や支払方法などを変更してもらえないかの交渉をすることも検討してみてください。
なお、リボ払いの支払いがどうしても難しい場合、最終手段として債務整理をすることも視野に入れましょう。債務整理にはデメリットもありますが、抜本的にリボ払いによる返済地獄から抜け出せるメリットがあります。
弁護士や司法書士に相談することで、リボ払いの返済状況を客観的に分析したうえで、リボ払いを継続するのが良いのか、あるいは債務整理などの手段で生活を立て直すべきかを判断してくれます。
リボ払いをやめて新生活をスタートさせるためにも、ぜひお気軽にご相談ください。
リボ払いに関するよくある質問
リボ払いの残高が分からなくなってしまったときは、どうしたらよいですか?
来月のリボ払い分が支払えません。どうしたらよいですか?
数日程度であれば待ってもらえる可能性が高いです。
継続して今の金額での支払いが難しければ、支払額の引き下げを交渉してみるのもひとつの方法です。
リボ払いを早く終わらせるコツはありますか?
返済期間が短縮されれば、その分の利息分がカットされるので返済総額の圧縮にも繋がります。
毎月ちゃんとリボを払っているのに終わらないのはなぜですか?
そのことを知らずにリボ払いを利用し続けると、リボ払いがいつまでも終わらない状況に陥ってしまいます。