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2024年10月現在

借金の利息しか払ってないときの対処マニュアル!利息負担を軽減する方法

借金 利息しか払ってない
監修者
南 陽輔(弁護士)
一歩法律事務所

「借金を返済しなければならないのに、利息しか払っていない」という人もいることでしょう。この場合、どうにか状況を改善したくても、それが難しいケースがほとんどだと思います。

しかし、利息しか払ってない状態は今すぐ見直すべきです。

利息しか払っていないと元金はまったく減らないため、完済できるまでの期間が長期化してしまいます。その結果「金融機関への支払総額が増える」「滞納しやすくなる」といったリスクも高まります。

まずは利息しか払っていないことのリスクを把握したうえで、対策を講じることが大切です。具体的には「繰上返済をする」「おまとめローンを利用する」といった対策をとることで、利息しか払えない状態の改善が見込めます。

当記事では、利息しか払っていないことのリスクや、利息しか払えない状態を改善する効果的な方法について解説します。

なお、すでに自力解決が難しい場合、弁護士や司法書士に相談するのも大切です。弁護士や司法書士に依頼するメリットについても解説するため、借金の利息しか払ってない場合には参考にしてみてください。

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利息しか払ってない状態は今すぐ見直すべき!その理由は?

借金があるのに利息しか払っていないなら、早期に返済方法を見直してください。利息分だけ支払っても元金は減らず、翌月また元金に同じ額の利息を支払うだけであるため、返済はまったく進みません。

利息しか払っていない状況を改善すべき理由は、以下の通りです。

  • 元金が減らない(返済期間が長期化する)から
  • 支払い利息が増えるから
  • 他の借り入れ審査が通りにくくなる可能性があるから
  • 滞納しやすくなるから

借金の利息しか払っていない場合、元金が減らずに返済期間が長期化し、滞納を繰り返すようになってしまうおそれもあります。

元金が減らない(返済期間が長期化する)から

利息分だけ払っているうちは元金が減りません。民法で定められているように、返済額は費用、利息、元金の順に充当されるからです。

債務者が一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合(債務者が数個の債務を負担する場合にあっては、同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担するときに限る。)において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。
引用元 e-Gov「民法」

金融機関からの貸付の場合は費用が発生しないため、毎月の返済額はまず利息に充当され、余剰分が元金に充当される仕組みになっています。

利息分しか払えない場合、元金に充当される金額はないため、元金は減りません。元金を減らすためには、毎月利息分以上の金額を支払わなければなりません。

支払い利息が増えるから

利息分しか返済できない状態が続くと、その分返済期間が長期化します。そして、返済している間は常に利息は発生し続けます。

そのため、長期化した分だけ利息を支払わなければならず、返済総額が増えていきます。

また、返済が長期化すると、ときには返済が厳しい月もあるでしょう。返済を埋めるために借入を重ねると、さらに元金が増えるため、その分利息も増えてしまいます。

他の借入審査が通りにくくなる可能性があるから

毎月利息分しか返済できないと、新たな借入をする際の審査がとおりにくくなるというデメリットもあります。

前提として、金融機関は申込者の借入状況や収入などの情報から返済能力を調査します。返済能力がないと判断されれば、金融機関から借入することはできません。

借金の有無以外は同条件の人が2人いた場合、当然ですが借金のない人のほうが返済能力は高いです。利息しか払っていない状況だと、借金自体は一向に減らないため、新たに借入が必要であっても審査に通らない可能性があるのです。

長期間の借入で滞納しやすくなるから

返済期間が長期化すると、急な出費で返済できない月も発生する可能性があります。今後ずっと同じ額を返済できるとは限りません。

滞納が発生すると、遅延が解消されるまで遅延損害金が加算されます。遅延損害金には滞納に対するペナルティの意味があるため、通常の利率よりも高利で設定されているのが一般的です。

消費者金融なら残高にかかわらず年20%程度で、滞納が解消されるまで遅延損害金が加算され続けます。遅延損害金が発生した場合、金融機関に支払う総額はさらに増えてしまいます。

借金の利息しか返せない状態が続くと滞納してしまうリスクが増える

前述したように、借金の利息しか返せない状態が続けば滞納するリスクが増えます。滞納のペナルティは遅延損害金の発生だけではなく、下記などもあります。

  • 追加借入の停止
  • いわゆる「ブラックリスト入り」になる
  • ローンの強制解約・一括請求
  • 強制執行による財産の差し押さえ

滞納が続いてしまうと、最終的には強制執行となり、財産が差し押さえられてしまいます。このリスクを回避するためにも、借金の利息しか払っていない状況はすぐにでも改善が必要です。

利息しか払えない状態を今すぐ改善する効果的な方法

利息しか払えないのは危険な状態ともいえるため、今すぐにでも改善が必要です。利息しか払えない状態を今すぐ改善する効果的な方法には、下記が挙げられます。

  • ①ボーナス払いなどを活用して繰上返済を行う
  • ②おまとめローンで利息を下げる
  • ③より金利の低い金融機関に借り換えをする

①ボーナス払いなどを活用して繰上返済を行う

利息しか支払えない状態がまだ短く、家計の改善によってなんとか返済額を増やせるならば、繰上返済を行いましょう。

繰上返済とは、毎月の返済とは別のタイミングに、任意の金額を支払うことです。繰り上げ返済をすればするほど、最終的な返済期間がどんどん短縮されます。

たとえば、繰上返済をした場合と月々の返済だけを続けた場合、利息総額と完済までの期間は下記のように差が出ます。

◯シミュレーションの条件

  • 借入金額:100万円
  • 毎月の返済額:3万円
  • 繰上返済の金額:月々1万円(返済1回目から支払った場合を想定)
  • 適用されている金利:年15%
繰上返済をした場合 月々の返済だけの場合
返済総額 206,514円 301,674円
完済までの期間 31か月(2年7か月) 44か月(3年8か月)

※あくまでシミュレーションであるため、実際の金額や期間とは異なる場合があります。

繰上返済は自身の好きなタイミングで行えます。そのため、ボーナスや臨時収入によってお金に余裕があるときだけでも、繰上返済することを検討してみてください。

②おまとめローンで利息を下げる

おまとめローンで借金を1つにまとめて、利息を下げる方法も検討しましょう。

おまとめローンとは、複数ある債権者からの債務総額を一括して他のローン会社から借り入れて返済し、今後は新しいローン会社1社にのみ返済していく方法です。

たとえば、A社30万円、B社20万円、合計50万円をC社のおまとめローンで一本化したとします。C社から借入した50万円でまずはA社・B社の残債を完済し、今後はC社に借金50万円を返済します。

現在消費者金融やリボ払いなどの高利率で取引をしている場合なら、おまとめローンにすることで、利息を今より下げられる可能性があります。

以下は、代表的なおまとめローンの利率です。
A社とB社の利息よりもC社の利息が低ければ、返済元金は同じでも、利息負担を減らすことができます。

おまとめローンの例 利率
ろうきん(中央労働金庫の場合) 5.825%〜7.500%
イオン銀行 イオンアシストプラン 3.8%~13.5%
東京スター銀行 9.8%・12.5%・14.6%
auじぶん銀行 0.98%~12.5%
レイクALSA 6.0%~17.5%
プロミス 6.3~17.8%
SMBCモビット 3.0%~18%

おまとめローンは審査が厳しい傾向にあるため注意

おまとめローンには、審査が通常よりも厳しいというデメリットがあります。

おまとめローンを検討する場合は、現在も複数社から借入があり、返済に窮していると考えられます。返済不能状態になりかけている人に対して、比較的大きな額を低利息で貸し付けるため、当然審査は厳しくなるでしょう。

既に利息しか払えない状況が長期化している場合や何度か滞納がある場合には、審査が通らない可能性もあります。

<おまとめローンに通るポイント>
  • 1社でも完済して、債権者数を少なくしておく
  • 滞納しないよう気をつける。しているなら早期に改善する
  • いくつものローンに同時に申し込まない

③より金利の低い金融機関に借り換えをする

借金の利息しか払っていない場合、金利の低い金融機関に借り換えることも1つの手です。

借り換えとは、他の金融機関から融資を受けて、そのお金で現在利用している金融機関からの借金を完済することです。借り換えによって現在よりも金利が低くなれば、今後発生する利息を抑えられます。

たとえば、金利18.0%のA社から金利15.0%のB社に借り換えた場合を想定します。下記の条件で完済した場合、借り換え前後の利息総額と完済までの期間は次のとおりです。

  • 借入残高:50万円
  • 毎月の返済額:1万5千円
借り換えをした場合(年15.0%) 借り換えをしない場合(年18.0%)
利息総額 150,823円 198,327円
完済までの期間 44か月 47か月

※あくまでシミュレーションであるため、実際の金額や期間とは異なる場合があります。

今回のシミュレーションでは、借り換えによって約5万円の利息を抑えられるうえに、完済までの期間を3か月短縮できるとわかります。この結果を踏まえれば、借り換え前であれば払うはずだった5万円を元金の返済に回せます。

借金の利息しか返せないときにやってはいけないこと

利息しか払えていない状態でやってはいけないことがあるため注意してください。

  • このまま利息分だけを払い続ける
  • 新たな借入で借金を返済する
  • 闇金から借入する

このまま利息分だけを払い続ける

今はなるべく滞納しないように利息分だけ払い続け、いつか余裕ができたら返済額を増やせばいい、と考えるのは危険です。利息分だけを払い続ければ返済期間は長期化し、それにより返済総額は増加していくからです。

利息だけ払い続けていても借金はまったく減らず、この状態が続くと仮定すれば永遠に利息を支払うことになります。

なお、返済を進めて借入残高が減れば、利息の発生を抑えられます。節約や収入の増加などの方法で、少しでも元金を減らすように返済を進めてみてください。

新たな借入で返済する

滞納を避けるために新たに借入で返済をしていると、いわゆる「自転車操業」に陥る可能性があります。

借金返済のために新たに借金をする行為は、その場しのぎの行為でしかありません。一時的に支払いを済ませられたとしても、いずれ返済に追われてしまうでしょう。

また、新たな借入をすれば借入残高は増えます。そのため、次の支払いからは利息の支払額がさらにかさんでしまいます。

最終的には返済不能になってしまい、弁護士や司法書士などに頼らざるを得なくなる可能性もあるため、新たな借入で返済するのは避けましょう。

闇金から借入する

闇金業者から借入をすることは非常に危険ですので絶対にやめましょう。

闇金は利息制限法の規制を無視した暴利での貸し付け、返済できないときの熾烈な取り立てなどの違法行為を行います。支払い不可能な金額を請求されるなど、自分の力だけでは問題を解決できなくなる可能性もあるのです。

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借金の利息しか返せないときは弁護士や司法書士に相談する

利息しか払っていない状態が続いているなら、弁護士や司法書士に相談することも検討しましょう。弁護士や司法書士に相談すれば、あなたにあった最善の方法をアドバイスしてくれるため、借金問題の解決につながります。

弁護士や司法書士に相談すれば、以下のようなメリットがあります。

  • 状況によっては債務整理を提案してもらえる
  • 債権者からの取り立てが止まる
  • 違法な借金が無効にするための手続きをとってもらえる

詳しく解説していきます。

状況によっては債務整理を提案してもらえる

債務整理とは、借金問題を解決するための手続きのことです。インターネットでは、「国が認めた借金救済措置」などとも呼ばれます。

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の手続きがあり、それぞれ特徴が異なります。

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手続き 概要
任意整理 債権者と交渉して、返済条件を見直してもらうための手続き。利息がカットされ元金のみを返済していくのが一般的。
個人再生 借金自体が1/5〜1/10程度に減額される手続き。裁判所を通した手続きが必要。
自己破産 借金を帳消しにするための手続き。裁判所を通した手続きが必要。

※手続きの名称をタップ・クリックすることで、詳しく解説しているページを確認できます。

たとえば任意整理は、返済条件を見直してもらうために債権者と交渉をする手続きです。交渉次第ですが、利息をカットしたうえで借金の元金を返済していくのが一般的です。

そのため任意整理をすれば、基本的には利息しか払っていない状態を改善できます。

ただし、債務整理には、さまざまなデメリットがあります。とくに、いわゆる「ブラックリスト入り」になるデメリットは今後の生活にも悪影響を及ぼしかねません。

そのため、債務整理は最終手段として考えたうえで、まずは自力で状況を改善できないかを検討するのが大切です。

債権者からの取り立てが止まる

弁護士や司法書士が代理人になると、債権者からあなたに対して直接連絡を取ることが禁止されます。電話だけでなく、手紙での督促も止まります。

今まで債権者からの取り立てに苦しんでいた人にとっては、それだけで精神的に楽になるでしょう。落ち着いた環境で、今後どのように借金を返済していくかを弁護士と話し合うことができます。

違法な借金が無効になる

闇金からの高い利息の借金は、法的に返済義務はありません。そもそも貸金業を営むには国や都道府県知事からの登録が必要ですが、闇金のような違法業者は登録をしていないためです。

貸付自体が違法になるため、契約が無効となり返済義務もありません。

闇金業者は、債務者が弁護士に相談することをとても嫌がります。弁護士が介入すると貸し付けた金額が無効とされてしまうだけでなく、返済用口座を抑えられたり警察に届けられたりするからです。

そのため、弁護士が受任したことを闇金に告げることで、闇金業者からの請求を止められると考えられます。

ただし、「闇金から借りても弁護士に頼めばチャラになる」と考えて安易に借り入れることは大変危険です。闇金業者は反社会的勢力や犯罪集団と繋がっている可能性があることも忘れないでください。

まとめ

借金を返済しなければならないのに利息分しか返せないときにできることは「利息を抑えて元金を減らすこと」です。利息が削減できれば返済は楽になり、そのうえで元金も減れば完済が近づきます。

この場合「おまとめローン」「借り換え」「繰上返済」といった方法は効果的です。

また、すでに返済不能なのであれば、債務整理を視野に入れて弁護士や司法書士に相談することも検討してみてください。自力で解決が難しい借金問題であっても、弁護士や司法書士に相談すれば現状の改善が見込めます。

利息しか払ってないから借金が減らないときに知りたい・聞きたいこと

借金の利息しか払っていませんが、返済が滞らなければブラックリストに載りませんよね?

利息分だけでも払っていれば、ブラックリストに載ることはありません。

利息だけ払っている客は、貸金業者側からしたら、完済せずに毎月一定金額を払い続けてくれる上客ですので、事故として信用情報機関に報告することはありません。

ただし、返済方法は信用情報機関に記録されているため、取引が長期化していることは照会すればわかります。そのため、新たに借り入れをしようとすると、返済能力が低いとみなされて審査が通らなくなることもあります。

利息分だけしか払えなければ、最終的にどうなりますか?

利息分しか払っていなければ、返済が終わりません。

✔返済額を増やして元金を減らしていく
✔長期間のうちに返済できない月が続いて破綻する

どちらかの結論になるでしょう。返済が破綻すれば、最終的には給与などの差し押さえを受けることもあります。

債務整理を相談したくても、弁護士に払うお金がありません。

債務整理の相談を無料で受け付けている事務所はたくさんあります。弁護士によっては、報酬の分割払いも受け付けてくれます。

一度無料相談を受け付けている法律事務所に相談をしてみてください。費用の話もその場で相談に乗ってくれるでしょう。

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どうしても返済が厳しい場合は、債務整理が有効な解決策の一つです。
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更新日 : 2024年10月09日
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