支払督促が届いたら危険!弁護士に相談して2週間以内に対応すべき理由とは?

借金を滞納していたら、裁判所から支払督促という郵便物が届きました。今後どうなるのでしょうか?


支払督促が来てしまったということは、債権者はかなり怒っているということです。放っておくと財産を差押えられる可能性もあるので、早急に督促異議申立書を提出することが大切です。
督促異議申立書とはなんですか?


督促異議申立書とは、支払督促の内容に異議を申し立てるために裁判所に提出する書類のことです。督促異議申立書の提出によって、差押えを止めることができます。
差押えを止められるんですね! でも、書き方でミスがないか不安です・・・。


もし書き方に困るようなら、弁護士に相談し、アドバイスをもらいましょう。弁護士なら、条件次第で借金を帳消しにする方法も提案できます!
借金を滞納してしまうと、裁判所から支払督促が届くことがあります。
支払督促に対して異議を申立てず放置してしまうと、大切な財産を差押えられてしまう恐れがあります。
裁判所からの郵便物は必ず内容を確認し、異議申立書を提出しましょう。
さらに、状況によっては借金の返済義務をなくせる可能性もあります。
まずは弁護士に相談して、支払異議申立書の適切な書き方や、借金をなくせる方法についてアドバイスをもらいましょう。

- 裁判所から届いた支払督促を放置すると財産を差押えられる恐れがある
- 支払督促が届いたら、裁判所に督促異議申立書を提出し異議を申し立てることが大切
- 支払督促が届いても、すぐに弁護士に相談すれば借金を減額・帳消しできる可能性がある
裁判所の支払督促が届くとどうなる?放置すると差押えの可能性あり
裁判所から送られてくる支払督促は、債権者が裁判所に「お金を返してもらえないので相手方に支払いを命じてください」と申立てたことを意味します。
支払督促の流れは、次のとおりです。
- 債権者が簡易裁判所に支払督促を申立てる
- 支払督促の発行・送付
- 債務者が異議申立てをすれば訴訟へ移行、異議申立てがなければ債権者は強制執行の申立てをおこなう
上記のように、支払督促を放置していると、債権者は強制執行債務を清算するために、債務者の財産を差押える制度の権利を得ることになります。
強制執行がおこなわれると、債務者は自分の意思や事情に関係なく財産を没収されてしまいます。
参照:裁判所「支払督促」
支払督促に対する異議申立てをせず、債権者が強制執行の権利を得てしまうと、次のような財産を差押えられてしまいます。
- 給料や預貯金
- 不動産
- 車
- 株式などの有価証券
- 生命保険の解約返戻金
生活に最低限必要なもの以外は、基本的に差押えの対象です。
大切な財産を守るためには、支払督促を放置せず、すぐに対応することが大切です。
2週間以内の対応が重要
支払督促が届いたら、2週間以内の対応が重要となります。なぜなら、2週間以内に異議申立てをすることで、強制執行を止めることができるからです。
異議申立ては、支払督促の内容について、債務者の言い分を主張するためにおこなう手続きです。
支払いの方法や期間について債権者と交渉するためにも、異議申立てが必要となります。
また、借金をした時期など、条件によっては借金の支払い義務をなくすことも可能です。
ただし、強制執行を確実に回避し、支払い義務をなくすためには、適切な対応が必要です。まずは弁護士に相談し、法律の観点から適切な対応をアドバイスしてもらいましょう。
「支払督促をもらっていない」でごまかすことはできない
支払督促は、特別送達原則として、郵便局員が配達または窓口交付という形で名宛人に直接手渡す郵送方法という郵送方法で送られてきます。
特別送達郵便を受け取る際には、受取人の署名または押印をする必要があります。
送達した郵便局員は、その日のうちに郵便送達報告書を作成し、日本郵便が送達の事実を証明します。
つまり、実際に支払督促を受け取った日は記録されるので、2週間が経過した後に「支払督促をもらっていないので異議申立てができなかった」という言い訳はできないのです。
なお、郵便局員が本人に会えなかった場合、自宅の同居人や職場の同僚に受け渡すケースもあります。同居人や同僚が受け取った場合、その日が異議申立て期間の起算日となるので注意しましょう。
支払督促が届いたときの3つの対応方法
支払督促が届いた場合、取れる対応は下記の3つにわけられます。
- 督促異議申立書を2週間以内に提出する
- 請求額を一括返済する
- 弁護士に相談して借金を減額・解消する
上記いずれかの方法を取ることで、財産の差押えを防ぐことが可能です。
1.督促異議申立書を2週間以内に提出する
支払督促に同封されている「督促異議申立書」を裁判所に提出すれば、強制執行を止めることができます。
支払督促の提出方法には、3つの方法があります。
- 郵送
- 裁判所に直接持参
- FAX
ただし、FAXについては各裁判所の運用により不可の場合もあるので注意してください。詳しくは、発送元の裁判所に問い合わせましょう。
督促異議申立書の提出期限は、支払督促を受け取った日の翌日から2週間以内です。期限に遅れないよう、余裕をもって提出するよう心がけましょう。
なお、督促異議申立書が支払督促に同封されていない場合や、紛失してしまった場合は、裁判所の窓口で取得できます。
2週間を過ぎた後も一度だけ異議申立てのチャンスがある
支払督促が届いてから2週間を過ぎてしまっても、もう一度異議申立てをおこなうチャンスがあります。
支払督促の発送から2週間が経過すると、債権者は強制執行をするために「仮執行宣言の申立て」をおこないます。
裁判所がこれを受理すると、改めて「仮執行宣言付支払督促」が債務者に送付されます。つまり、支払督促は2回送られてくるということです。
1回目の支払督促と、2回目の仮執行宣言付支払督促の違いは下記画像のとおりで、文面に「~仮に執行することができる」という文言があるかどうかです。
仮執行宣言付支払督促が届いたときも、債務者は2週間以内に異議申立てをすることができます。
ただし、1回目の支払督促のときと違い、異議申立てをしただけでは強制執行を止められません。
仮執行宣言付支払督促が届いた後に強制執行を止めるには、別途「強制執行停止の申立て」が必要になります。
参照:東京地方裁判所「強制執行停止事件の流れ(申立てから発令まで)」
督促異議申立書に記載する内容
督促異議申立書には、以下の内容を記入し、印鑑を押印します。
- 記載した日付
- 債権者の名前
- 債務者の名前
- 住所
- 電話番号
使用する印鑑は認印でも差し支えありませんが、シャチハタは不可となります。
次に【送達場所の届け出】の欄には「この件で今後、裁判所から送付する通知を受け取りたい場所」の□にレ点を入れてください。
最後に【自分の言い分】を記載する欄に「分割払いの話し合いを希望する」か「その他の言い分」の□にレ点を入れ、その下に以下の内容を書いてください。
- 分割払いの話し合いを希望する場合・・・あなたが支払いを考えている金額
- それ以外の言い分がある場合・・・その言い分
異議申立ての提出後、通常の訴訟に移行することになります。裁判所から呼び出しがあるので、証拠書類の提出や当事者の答弁をとおして、和解もしくは判決が出されます。
ここまでの異議申立書作成や、訴訟移行後の手続きについては、不安が大きい人がほとんどでしょう。
なるべく自分が有利になるよう手続きを進めるためにも、まずは弁護士に相談しましょう。自分の代わりに、異議申立書の作成代行や訴訟対応を依頼することも可能です。
>>【弁護士の無料相談】支払督促を今すぐ止めたい方はこちらから!
2.請求額を一括返済する
もし支払督促に記載された請求金額の一括返済が可能なら、請求どおり一括返済をして解決することもできます。
支払督促を見ても振込先などが分からない場合は、債権者へ電話で支払方法を確認するとよいでしょう。
また、債権者へ連絡する際、念のため支払いが完了すれば支払督促の申立てを取下げてもらえるかも確認しましょう。
ただし、5年以上滞納していた借金について支払督促が届いた場合は、後の項目で説明する時効援用をすることで借金の返済義務をなくせる可能性もあります。
少しでも時効の可能性があるなら、まずは法律事務所へ相談して時効が成立しているか確認してもらうとよいでしょう。
3.弁護士に相談して借金を減額・解消する
裁判所から支払督促が届いている状況でも、すぐに弁護士に相談すれば債権者へ分割返済などを交渉できます。
裁判所から支払督促が来たらすぐに法律事務所へ相談し、状況に合わせて債務整理などで解決するとよいでしょう。
ここでは、債務整理の主な3つの方法について紹介します。
- 任意整理
- 自己破産
- 個人再生
まずは債務の金額に応じて「任意整理」か「自己破産」を検討し、どちらの方法でも解決が難しい場合は「個人再生」を検討しましょう。
種類 | 概要 |
---|---|
任意整理 | 借金を無理なく払える金額で月々分割して返済できるように、弁護士や司法書士が業者と直接交渉する。 |
自己破産 | 裁判所を通して行う手続きで、20万以上の価値のある資産を全て手放す代わりに借金の支払いを免除してもらう。 |
個人再生 | 裁判所を通して行う手続きで、借金を約1/5に圧縮して3~5年で分割返済する。手元の資産を残すことも可能。 |
状況によって適切な債務整理の方法は異なるので、まずは弁護士に相談し、自分にもっとも合った方法を選択しましょう。
5年以上前の借金なら時効援用で支払い義務をなくせる可能性がある
5年以上前の借金なら、借金を無効にする方法があります。
それが「時効の援用」で、最終返済日から5年経過している借金は支払い義務をなくせる可能性があるのです。
ただし、時効の援用は自動的に成立するのではなく、債務者側から裁判所に申立てる必要があります。
また、債権者と借金について和解するなど、時効の中断事由が発生していると期間はリセットされてしまうので注意が必要です。
些細なことでも中断事由になってしまう恐れがあるので、時効援用をしたいときは自己判断で対応せず、必ず弁護士に相談しましょう。
時効援用の条件
時効援用をおこなうための条件は、次のとおりです。
- 最後の支払期日から5年経過している(貸主が個人や信用金庫等の場合は10年)
- 債権者が訴訟を起こしていない
- 債務者が中断事由に該当する行為をしていない
3つ目の中断事由に該当する行為としては、次のものがあげられます。
- 債権者に対して借金が残っていることを認めるような発言をする
- 債権者に対して支払意思があるような発言をする
- 債権者に対して支払いを猶予してもらうようお願いする
実際には、上記以外の行為でも時効の中断事由に該当するケースもあり、自分自身で判断するのは非常に困難です。
時効援用についてさらに詳しく知りたい人は、こちらの関連記事でも紹介しているので参考にしてください。
古い借金なら過払い金が戻ってくる可能性が高い
借金をした時期が「2010年6月18日以前」である場合、過払い金としてお金が戻ってくる可能性があります。
本来の金利より多く支払ってしてしまった金銭のこと
2010年に貸金業法が改正・施行されるまで、多くの貸金業者が本来の法的基準より高い金利で貸付をおこなっていました。
時効援用を検討するような借金は借入時期の古いものが多いため、過払い金が発生している可能性も高くなります。
過払い金の返還請求は弁護士に依頼できるので、時効援用と一緒に相談してみましょう。
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【その督促は本物?】架空請求に注意しよう
「支払督促が届いたけど内容に全く覚えがない」という人は、架空請求の恐れがあるため注意しましょう。
支払督促の手続きにおいて、裁判所は申立ての内容について詳しい裏付けを取りません。
つまり、債権者の提出された申立書が法律的に「筋の通った内容」であれば、それが事実でなくても支払督促がおこなわれてしまうのです。
債務者側から異議申立てをおこなわないと手続きが進行してしまうので、架空請求によって財産が差押えられてしまう恐れがあります。
架空請求でも督促異議申立書の提出は必要
裁判所の支払督促が届いたら、たとえ身に覚えがなくても、裁判所に督促異議申立書を提出することが必要です。
また、支払督促に限らず、裁判所からの郵便物は必ず内容を確認し、不審な点があれば以下の対応をとりましょう。
- 発送元の裁判所に直接電話で問い合わせる。
- 送られてきた書類を裁判所に持参する。
加えて、届いたものが裁判所の正式な書類か分からない場合も、最寄りの裁判所に問い合わせてください。
とくに、書面に裁判所の連絡先として「携帯電話の番号」や「メールアドレス」などが記載されていたら、本当に裁判所から送られてきたものか確認した方がよいでしょう。
まとめ
支払督促が届いたらすぐに中身を確認し、2週間以内の対応を心がけましょう。
2週間以内に異議申立書を提出することで、財産の差押えを回避できます。
また、債務整理や時効の援用など、弁護士に相談すれば借金の減額・帳消し方法を提案してもらえます。
「借金したのは自分だから相談しづらい」と思う人もいるかもしれませんが、気に病むことはありません。弁護士も親身になって話を聞いてくれます。
無理をして生活が苦しくなる前に、弁護士に相談して借金トラブルを解消しましょう。
支払督促のよくある質問
支払督促が届いた場合、受取ってから2週間以内に裁判所へ異議申立書を提出しなければ、給料や銀行口座などの財産を差押えられる恐れがあります。
支払督促が届いたのに何もせず放置してしまうと、財産の差押えを受ける恐れがあります。また、支払督促が届いた後に債権者へ連絡しても、分割払いなどに応じてもらうのは難しいです。届いた支払督促を持って、早急に法律事務所へ相談するとよいでしょう。
異議申立書が同封されていない場合、裁判所の窓口に備付けてあるものを利用したり、裁判所のサイトからダウンロードすることもできます。もしどちらの方法でも入手が難しい場合は、法律事務所へ相談するとよいでしょう。
全く身に覚えがない場合、支払督促の制度を悪用した架空請求の可能性もあります。しかし架空請求であっても、放置すると財産差押えを受ける恐れがあるので、必ず裁判所へ異議申立書を提出しましょう。
支払督促がなくても相談は受付けてもらえるので、まずは法律事務所へ相談しましょう。支払督促以外でも手元に債権者からの通知が残っていたり、自分で取寄せた信用情報があれば、相談の際に提出するとよいでしょう。

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