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2024年10月現在

楽天カードは強制解約される!会員資格取り消しの理由やデメリット・対処法

楽天カード 強制解約
監修者
南 陽輔(弁護士)
一歩法律事務所

楽天カードは、支払いの滞納や利用規約違反などが原因で強制解約になる可能性があります。一度でも強制解約になると再び楽天カードを発行するハードルは非常に高くなり、人によっては実質的に再発行が難しくなるでしょう。

楽天カードが強制解約になると、これまで未払いのショッピング料金・滞納中のキャッシング残額などを全額一括請求されます。もし指定期日までにお金を用意できなければ、最終的に強制執行がおこなわれて、債務者名義の財産・給与などが差押えられてしまいます。

さらに、「信用情報にキズがついてカードローンや賃貸の審査に通らなくなる」「延滞を解消しないと遅延損害金が発生しづつける」といったデメリットにも注意が必要です。

楽天カードの強制解約を避けるには、「分割払いを利用する」「滞納する前に楽天カードへ相談する」といった事前対策が重要になります。もし強制解約となってしまったときは、法的措置をされないために一括請求に応じるようにしましょう。

もし生活状況的に楽天カードの支払いがどうしても難しいときは、債務整理による状況整理や支払い計画策定を検討しましょう。弁護士や司法書士へ相談して債務整理を進めることで、返済義務の免責・減額や支払いスケジュールの明確化による債務支払いへの対応ができます。

ただし債務整理をすると、楽天カードは強制解約になるので注意しましょう。また、裁判所での手続きや信用情報への影響などがある点も、事前に確認しておいてください。

本記事では、楽天カードの強制解約の概要、楽天カードが強制解約になる理由、強制解約になるデメリット、強制解約されないための対処法および強制解約になったときの対処法などを解説します。

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この記事でわかること
  • 楽天カードを強制解約されるのは、長期延滞などのカード会員約款に違反する事実が存在するから。楽天e-NAVIのログイン画面に「エラーコード:2」と表示されているなら、すでに強制解約されてしまっている状態。
  • 長期延滞が理由で楽天カードを強制解約されると、未払い分の残債を一括請求される。遅延損害金の負担が日々発生するだけではなく、最終的には強制執行を実行されるリスクも。
  • 楽天カードの一括請求に応じられない場合には債務整理を検討すべき。クレジットカードを払えない場合も借金問題と同列に考えることができるので、債務整理を積極的に扱う弁護士や司法書士に相談しよう。
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楽天カードは強制解約されることがある

楽天カードは、支払いの滞納や重大な規約違反などを起こした会員について、強制解約の措置を取ることがあります。強制解約の措置を受けると再発行は難しく、強制解約となった楽天カードに付帯したETCカードや家族カードも使用不可になります。

楽天カードの強制解約は利用規約第19条第3項に記載がある

強制解約(会員資格の取り消しの措置)については、楽天カードのカード会員規約第19条第3項にて定められています。

当社は、会員が次の各号のいずれかの事由に該当した又は当社が該当したと判断した場合、会員資格を取消すことができ、加盟店等に当該カードの無効を通知又は登録することがあります。
楽天カード カード会員規約

第3項には「支払債務の履行を怠った場合」「規約違反をした場合」など、強制解約になる条件が記載されています。

楽天カードの強制解約後の再発行は不可能に近いが再入会できた例もある

楽天カードを強制解約されて会員資格が取り消しになると、楽天カードの即座の再発行は非常に難しくなっています。楽天カードを強制解約された後の再発行が難しい理由は、次の通りです。

  • 強制解約から半年まで:審査自体拒否される
  • 強制解約から半年以降:入会審査は受けられる。ただし、楽天カード独自の内部データベースに記録は残っているので通りにくい

つまり、強制解約後に再び楽天カード会員になるためには、「過去の強制解約歴」を挽回できるだけの信用を身に付けておかなければいけません。

具体的には、楽天のデビットカードを利用する、楽天会員ランクをアップさせる、楽天提供サービスの利用実績を作るなどが考えられます。

強制解約されるだけの事情を抱えているユーザーが再入会するのはかなりハードルが高いですが、どうしても楽天カードにこだわるのなら、これらの方法も検討してください。

強制解約から一定の時間が経過したうえで、ほかのクレジットカードの利用実績や楽天会員の実績を積んでいけば、数年後に楽天カードへ再加入できる可能性があります。また、信用情報機関に登録された情報がなくなれば、もう一度楽天カードへ再入会できるケースがあります。

ETCカードや貯めたポイントの取扱いについて

楽天カードを強制解約されると、楽天カードに付帯して発行したETCカードや家族カードも一緒に使えなくなります。任意で楽天カードを解約したときと同じ扱いです。当然ながら、楽天カードに付帯していた海外旅行保険などの特典・サービスも使えなくなります。

一方で、楽天カードで貯めたポイントは「楽天会員として貯まったポイント」という扱いになるため、原則としてポイントは引き続き利用できます。楽天カードの会員と楽天会員は別々の登録であり、楽天カードの会員が強制解約になっても楽天会員の資格はなくならないからです。

楽天カードの利用停止・強制解約の理由は教えてもらえない

楽天e-NAVI(楽天カードの利用状況や会員状況などを確認できるオンラインサービス)で表示されるエラーコード画面には「恐れ入りますが、カード裏面に記載のお電話番号へ営業時間内にお問い合わせください。」と表示されます。

しかし、実際に窓口に電話をかけても利用停止・強制解約の具体的な原因を教えてくれることはありません。

なぜなら、楽天カード側が設けている審査基準・内容は非公開のものだからです。したがって、エラーコードが表示された場合には、自分自身で心当たりを探って対策を取るしかありません。

楽天カードのエラーコードのついては、記事内「楽天e-NAVIでのエラーコード1・エラーコード2の意味」をご覧ください。

楽天カードが強制解約になる理由

楽天カードが強制解約になる理由は、主に次の通りです。

  • 支払いを滞納する
  • 楽天カードの会員再審査に落ちる
  • 会員情報を更新せずに放っておく
  • 途上与信に問題があった
  • 換金目的でカード利用するなどカードの利用状況が適当でない
  • 不法行為や不法な要求をおこなった
  • そのほか楽天カードの利用規約に違反する
  • 債務整理をおこなった

支払いを滞納する

楽天カードの利用料金の支払いを一定期間以上滞納すると、楽天カード会員は強制解約されます。一度でも滞納したらすぐに強制解約になるというわけでなく、利用規約にも「会員が支払債務の履行を怠った場合。」とあるのみで、具体的な期間が定められているわけではありません。

平均だと、滞納期間2~3か月程度になると強制解約の措置になると言われています。債務者の利用状況や滞納歴などによっては、早めに強制解約される可能性も否定できません。

強制解約されるか否かは、楽天カード側が「自社にとってリスクのあるユーザーと判断するかどうか」次第です。短期の滞納だけでも、強制解約されるリスクがあるという点にご注意ください。

なお、楽天カードではキャッシング枠・ショッピング枠のいずれを長期延滞しても強制解約されてしまいます。

楽天カードの会員再審査(途上与信など)に落ちる

楽天カードは利用規約第18条に基づき、会員の適格性やカード利用可能枠について、入会後も定期・不定期に再審査がおこなわれます。

楽天カードの会員再審査にてカード利用の継続が不適切だと判断されると、楽天カードは強制解約となります。ほかのクレジットカードにおける途上与信のことです。途上与信時点の返済能力、信用情報に問題があると、強制解約になる可能性が高くなります。

会員情報を更新せずに放っておく

楽天カードの会員は、原則として自動的に更新されます。ただし、楽天カードの入会後に名前、住所、勤務先などの情報に変更があったときは、会員情報の更新が必要です。

もしも会員情報を変更せずに放っておくと、現在の会員情報と異なる状態で使用していることになり、「楽天カードに対して虚偽の申告をしている」と判断される可能性があります。

楽天カードの強制解約の条件として、「会員がカードの申込若しくはその他の当社への申込等で虚偽の申告をした場合。」が定められていることから、会員情報の更新をしないと強制解約の対象になるリスクがあります。

会員情報を変更したいときは、「楽天e-NAVI」のページにて、変更手続きが可能です。

換金目的でカード利用するなどカードの利用状況が適当でない

楽天カードを始めとするクレジットカードは、原則として換金(現金化)目的でのカード利用は認められていません。クレジットカードの換金とは、クレジットカードのショッピング枠を本来の用途とは異なる使い方をして、不当に現金を得ることです。

クレジットカードの換金には、主に「買取方式」と「キャッシュバック方式」が存在します。

買取方式とは、クレジットカードのショッピング枠を利用して商品を購入しておき、そのクレジットカードを買取業者やクレジットカード現金化業者に売却する方法です。ブランド品、新幹線の切符、金券などの換金性の高いものを購入し、すぐに買取業者に買い取ってもらうことで現金化できます。

たとえば「30万円分のブランド品をショッピング枠で購入し、買取業者に25万円で売る」という方法で、即時に25万円の現金を受け取れます。しかし30万円分の支払いは後から必要になるうえに、商品の買取価格よりも購入価格のほうが高額になり損するのが一般的です。

次にキャッシュバック方式とは、現金化業者が販売するキャッシュバック付きの商品をクレジットカードで購入後、商品とキャッシュバック分の現金を受け取る方法です。

しかし、こちらも結局は購入金額は後日カード会社から請求されるうえに、キャッシュバックの金額も購入価格より大きく下回ります。さらに、購入商品は売却できるほどの価値がないものがほとんどです。実際にキャッシュバックを受けられる保証も一切ありません。

楽天カードのカード規約では、「換金目的でカードを利用する等カードの利用状況が適当でないと当社が認めた場合。」と明記されています。換金サービスを利用する者、換金サービスを提供する者のいずれであっても、発覚時点で強制解約になるでしょう。

参考:一般社団法人日本クレジットカード協会「クレジットカードのショッピング枠の「現金化」の誘いにご注意ください

不法行為や不法な要求をおこなった

楽天カードや楽天カードの委託先に対する不法行為や不法な要求を、会員自らまたは第三者を通じておこなったときは、強制解約の措置が取られる可能性が非常に高いです。利用規約では、以下の行為が強制解約の対象として定められています。

  • 暴力的な要求行為
  • 法的な責任を超えた不当な要求行為
  • 取引に関して、脅迫的な言動をし、または暴力を用いる行為
  • 風説を流布し、偽計を用いまたは威力を用いて楽天カードの信用を毀損、楽天カードの業務を妨害する行為
  • 暴力、威嚇、脅迫、強要など
  • 暴言、性的な言動、誹謗中傷そのほか人格を攻撃する言動
  • 人種、民族、門地、職業そのほかの事項に関する差別的言動
  • 長期間にわたる拘束、執拗な問い合わせ
  • 金品の要求、特別対応の要求、実現不可能な要求、そのほか内容もしくは態様が社会通念に照らして著しく不相当と認められる要求など
  • そのほか上記に準ずる行為

上記の行為は、楽天カードの強制解約に留まらず損害賠償請求や刑事罰の対象になります。楽天カードへの問い合わせや債務整理時の交渉は、必ず合法の範囲かつ言論・事実ベースで進めましょう。

そのほか楽天カードの利用規約に違反する

楽天カードの強制解約の条件には、以下のような利用規約の違反も定められています。

  • 会員が本会員として楽天カードから複数枚のカードが貸与され、ほかのカードについて本項の各号に記載したいずれかに該当する事由が生じた
  • 法令で定める本人確認ができない
  • 第25条の反社会的勢力等の排除に該当する(暴力団だった、5年位内に暴力団員だった、反射とのつながりがあるなど)
  • そのほか会員が楽天カードの利用規約のいずれかに違反したとき

強制解約となる利用規約違反は、社会通念上に照らして問題のないカード利用なら、違反しないと考えられます。念の為に利用規約は一度は確認しつつ、規約違反となる常識から外れた使い方や信用を落とす利用をしないよう注意しましょう。

他社のクレカ・ローン支払いの滞納をする

楽天カードの滞納が一切存在しない場合でも、他社のクレジットカード・ローンの支払いを滞納すると、途上与信にて楽天カードを強制解約されるリスクが生じます。

なぜなら、他社のクレジットカード・ローンを滞納した場合には、信用情報機関に事故情報が登録されることになるからです。

具体的な流れとしては、楽天カード側が実施する途上与信のタイミングでユーザーの信用情報に傷が付いていることが判明すると「楽天にとってリスクがあるユーザー」と判断され、強制解約に至ります。

このように、楽天カードの利用を適切に行っていたとしても楽天カードを強制解約されるケースもあるので、楽天カードの強制解約を避けたい場合は他社のサービスの利用状況にも注意しましょう。

債務整理をおこなった

楽天カードの強制解約の対象になる事項として、「差押・破産・民事再生申立・取引停止処分があった場合等会員の信用状態が著しく悪化した場合。」と定められています。

つまり、任意整理、自己破産、個人再生などの債務整理をおこなった楽天カード会員は、非常に高い確率で強制解約の措置が取られる可能性があります。

そもそも債務整理は、「個人的な借金や事業の融資に対する返済に窮している人」にとって必要な方法です。債務整理をおこなう時点で信用情報に問題ありと判断され、会員資格取り消しの措置が取られてしまいます。

債務整理によって楽天カードの支払いの目処が立ったとしても、強制解約を取り消すのはほぼ不可能だと言えるでしょう。

楽天e-NAVIでのエラーコード1・エラーコード2の意味

楽天カードを強制解約されると、楽天e-NAVI(楽天カード会員ページ)にログインできません。

ログインできない場合には画面にエラーコードが表示され、表示されるエラーコードによって楽天カードが使えなくなった原因を判別することができます。

そこで、楽天e-NAVIに表示されるエラーコードごとに、その意味を詳しく見ていきましょう。

エラーコード1は利用停止状態

楽天e-NAVIの「エラーコード:1」は、カードが利用停止になっているときに表示されるメッセージのこと。利用停止とは、強制解約の前段階で、カードの会員資格は残されているものの一時的に機能が停止された状態のことです。

「エラーコード:1」が表示された場合、次の事情に該当している可能性があります。

  • ①支払い・返済を滞納している
  • ②楽天カードの利用額・キャッシング総額が適正範囲を超えている
  • ③他社のクレジットカード・カードローンなどの審査に落ちた
  • ④他社サービスの利用額・借入れ頻度が不適切
  • ⑤利用限度額の増額申請に落ちた
  • ⑥他社サービスで延滞状況にある
  • ⑦携帯電話の支払いが滞っている
  • ⑧楽天カード社内の独自スコアリングをクリアしていない
  • ⑨登録情報を更新していない
  • ⑩他者の連帯保証人になっている

楽天カードサービスの延滞が発生している場合(①)には、延滞翌日から楽天カードが利用停止になります。しかし、強制解約されるほどの長期延滞になる前に延滞を解消すれば、利用停止が解除されるので、再び楽天カードを使えるようになるでしょう。

対して、②~⑩の事情は楽天カードの途上与信で判明する事実です。この場合、該当する信用棄損項目を改善して、次の与信のタイミングで「問題が解消されている」という判断を得ることができれば、楽天カードは使用再開できるでしょう。

ただし、延滞(①)が原因の場合以外は、すでに楽天カード側から取引上リスクのあるユーザーであると判断されてしまっています。そのため、ユーザー側でいろいろと改善をおこなったとしても、楽天カード側はカードの復活を認めてくれない、もしくは、復活までに相当時間がかかることも少なくありません

楽天カードの利用復活が見込めない場合は、楽天カードだけにこだわるのではなく、「他社のクレジットカードに乗り換える」という選択肢も視野に入れておきましょう。

ワンポイント解説
楽天カードの利用停止に心当たりがない方は登録情報を確認しよう

延滞もしていない・他社から借り入れの記憶もないという方は、楽天カードに登録している個人情報が最新のものであるかを確認してください。たとえば、引越し後の住所変更を忘れているだけでも、楽天が郵送したDMが自宅に届かず、会員情報と実態にズレがあると楽天カード側が判断し、カードが利用停止になる可能性があります。したがって、電話番号・住所・勤務先などが最新の情報になっているかを確認しましょう。

エラーコード2は強制解約状態

「エラーコード:2」は楽天カードが強制解約されたときに表示されるメッセージのことです。

いきなり「エラーコード:2」が表示されるケースもありますが、実際には、「エラーコード:1」の状態が一定期間継続した後に、再ログインをしようとしたタイミングで「エラーコード:2」になっているというケースが多いです。

エラーコード:1が表示されたら、直ちに原因を調査し、料金を支払うなどの対応をするのがよいでしょう。

その他のエラーコード

「エラーコード:1」「エラーコード:2」以外にも、楽天e-NAVIにログインするときに表示されるエラーコードが4種類あります。

以下のように、エラーコードごとに原因・対策が異なるので、あわせてご確認ください。

種類 内容 対策
エラーコード:A ・料金未納
・キャッシング残枠ゼロの状態でキャッシング申込みした場合
未納料金を支払う
エラーコード:M “年収を理由に増額申請の審査に落ちた場合 年収を増やす
エラーコード:G 年収以外を理由に増額申請の審査に落ちた場合 楽天カードの内部審査に基づく判断のため対策は難しい
エラーコード:C 楽天カード側のシステムエラーが生じた場合  -

以上のように、エラーコードが表示されるのにはいろいろな原因があります。

「エラーコード:C」以外はユーザー側に原因があり、加えて、同時期に実施される与信審査によって「エラーコード:2」に移行するリスクもあるのでご注意ください。

たとえば、楽天カードで公共料金などの支払いをしている場合には、できるだけ早期に別の支払い方法に変更した方が良いでしょう。

支払い滞納で楽天カードが強制解約された場合に生じるデメリット5つ

長期延滞が原因で楽天カードを強制解約された場合には、「再び楽天カード会員になれないこと」以外にも次の5つのデメリットが生じます。

  • ①遅延損害金が発生しつづける
  • ②楽天カードから督促が繰り返される
  • ③楽天カード強制解約のタイミングで信用情報に傷が付く
  • ④楽天カードの滞納分を一括請求される
  • ⑤財産・給与が差し押さえられる

債務者側が押さえておくべきポイントは、長期延滞を放置するほどデメリットが深刻になること、そして、解決に向けて動き出すのが早いほどこれらのデメリットの深刻化を防ぐことができるということです。

解決に向けた動機付けのために、まずは楽天カードを強制解約された債務者が現在どのような厳しい状況に置かれているのかを確認していきましょう。

①遅延損害金が発生しつづける

楽天カードを強制解約された場合にまず注意しなければいけないのが遅延損害金です。

遅延損害金とは、延滞状態がつづく限り毎日発生するペナルティのことで、延滞を解消するか債務整理を利用しない限りは、債務者に課される返済義務が日々重くなるというデメリットが生じます。

楽天カードのカード会員規約では、遅延損害金年利率を次のように定めています。

  • ショッピング枠の遅延損害金:年利率14.6%(カード会員規約第32条参照)
  • キャッシング枠の遅延損害金:年利率20%(カード会員規約第40条参照)

楽天カードを強制解約されたユーザーには、すでに利用額元本額に加えて、数ヶ月分の遅延損害金の負担が発生しています。

したがって、これ以上の債務を負担しないためにも、債務整理などの現実的な対応で、できるだけすみやかに遅延損害金の発生を防ぐとよいでしょう。

※遅延損害金については、「遅延損害金とは?計算方法や民法改正後の利率などを詳しく解説!」でも解説しています。実際の負担額などについて詳しく知りたい方はご確認ください。

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②楽天カードから督促が繰り返される

長期延滞が理由で楽天カードを強制解約された場合、楽天カード側から残債を一括請求されることになりますが、債務者側が支払いに応じない限りは次の方法で督促が繰り返されます

  • ハガキによる督促
  • センターからの電話督促(092-474-9255・0570-069-102・0120-691-064など)

消費者金融などからの借金を滞納した場合、状況次第では債務者の自宅まで取り立てが行われることもありますが、楽天カードを滞納した場合には自宅へ直接取り立てが行われることはありません。

ただし、自宅に取り立てが行われないからといって安全だというわけではない点に注意が必要です。なぜなら、楽天カード側からの連絡を無視しつづけて残債の一括請求に応じないままでは、法的措置による債権回収が実行されるからです。

楽天カード側からの繰り返される督促は債務者にとってストレスかもしれませんが、決して無視をするのではなく、誠実な対応を心掛けましょう

※債権者側からの問い合わせを無視するリスクについては、「借金の督促を無視したり着信拒否したりする危険性について」で詳しく解説しています。早期解決の必要性を理解するためにもあわせてご一読ください。

③楽天カード強制解約のタイミングで信用情報に傷がつく

楽天カードを強制解約されると、信用情報に傷が付きます。いわゆる「ブラックリストに登録される」状態のことです。

ブラックリストに登録されると、債務者の日常生活には次の6つのデメリットが生じます

  • 楽天以外のクレジットカードも使用不可になる
  • 楽天以外のクレジットカードの新規発行も認められない
  • 新規ローン・借り入れの契約を締結できない
  • 賃貸物件の入居審査に通りにくくなる
  • 子どもの奨学金などの保証人・連帯保証人になれない
  • スマートフォン端末代金の分割払いができない

ただし、ブラックリストの登録期間は生涯つづくものではありません。各債務整理手続きを利用してから5年~10年でブラックリスト情報は抹消され、再びホワイトの状態に戻すことができます。

むしろ、ブラックリストによる弊害を早期に回復したいのであれば、楽天カードからの一括請求に対してできるだけ早いタイミングで債務整理に踏み出し、借金問題を解決するのが適切な方法だと考えられます。

※ブラックリスト情報を早期に消す方法については、「ブラックリストの消し方や個人信用情報をきれいにする方法はあるのか?」で詳しく解説しています。日常への支障を軽減するためにお役立てください。

ワンポイント解説
【注意!】社内ブラック情報は永久に残る

ブラックリスト情報を管理しているのは、KSCJICCCICの3つの信用情報機関です。これらが管理するブラックリスト情報は数年で抹消されます。これに対して、楽天カードを強制解約された場合、楽天カード社内で管理している社内ブラック情報は一生消えることはありません。これが原因で、再び楽天カードに入会できなくなります。

④楽天カードの滞納分を一括請求される

楽天カードを強制解約されると、キャッシング枠・ショッピング枠の未払い分を全額一括請求されます。なぜなら、債務者が長期延滞状態になることによって期限の利益を喪失するからです。

次のように、楽天カードでは、カード会員規約において期限の利益喪失条項を明示しています。そして、当然のことながら、長期延滞はこれに該当します。

第21条(期限の利益喪失)
1.会員は、次のいずれかに該当する場合には、何らの通知、催告を受けることなく当社に対する一切の未払債務について当然に期限の利益を喪失し、その債務全額を直ちに支払うものとします。
(1)会員が1回払のカードショッピング又はカードキャッシングを利用した場合において、当該支払金の支払を1回でも遅滞した場合。(但し、カードキャッシングの利息については、利息制限法第1条第1項に規定する利率を超えない範囲内においてのみ効力を有します。)
(2)商品や指定権利の購入又は役務の受領取引において、会員が支払日に分割払の分割支払金、ボーナス払の支払分又はリボルビング払の弁済金の支払を遅滞し、当社から20日以上の相当な期間を定めてその支払を書面で催告されたにもかかわらず、その期間内に支払わなかった場合。
(3)商品や指定権利の購入又は役務の受領でない取引及び割賦販売法第35条の3の60第1項に該当する取引において、会員が分割払の分割支払金、ボーナス払の支払分又はリボルビング払の弁済金の支払を1回でも遅滞した場合。
(4)会員が自ら振出し若しくは引受けた手形、小切手が不渡りになった場合、又は一般の支払を停止した場合。
(5)会員が差押、仮差押、保全差押、仮処分の申立を受けた場合。(但し、信用に関しないものは除く。)
(6)会員が滞納処分又は銀行取引停止処分を受けた場合。
(7)会員が破産手続開始、民事再生手続開始、特別清算開始、会社更生開始の申立を受けた場合、又は自らこれらの申立をした場合。
(8)会員が債務整理のための和解、調停等の申立を受けた場合、又は自らこれらの申立をした場合。
(9)当社が会員について債務整理のため弁護士等に依頼した旨の通知を受けとった場合。
(10)会員が購入した商品(権利を含む)の質入、譲渡、賃貸その他当社の所有権を侵害する行為をした場合。
(11)当社が会員資格を取消した場合(ただし、第19条第3項第11号の場合を除きます。)。
2.会員は、次のいずれかに該当する場合には、当社の請求により当社に対する一切の未払債務について期限の利益を喪失し、その債務全額を直ちに支払うものとします。
(1)会員が本規約上の義務に違反し、その違反が本規約の重大な違反となる場合。
(2)カードの債務とは異なる会員の債務の保証を当社がしているときに、当社が保証先に保証の中止若しくは解約の申入れをした場合又は保証先から保証債務履行の請求を受けた場合。
(3)相続が開始し、相続人が不存在の場合。
(4)その他会員の信用状態が著しく悪化した場合。
(5)会員が当社の発行するカードを複数所持している場合において、その1枚のカードについて本条に記載した事項のいずれかに該当する事由が生じた場合。

引用元:楽天カード会員規約第21条(期限の利益喪失)

残債を一括請求されると、差し押さえ予告通知書に記載されている期日までにお金を用意できなければ、法的措置によって債権回収が行われることになります。

つまり、残債の一括請求は強制執行目前の切迫した状態であるということです。

一括請求に応じられない場合、なるべく早いタイミングで弁護士や司法書士に相談して、自分にあった債務整理手続きを選択してもらいましょう。

>>【無料相談】おすすめの債務整理手続きを弁護士・司法書士に聞いてみる!

※期限の利益喪失については、「期限の利益喪失通知が届いた!今すぐ取るべき行動は?」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

⑤財産・給与が差し押さえられる

楽天カードを強制解約された後、残債の一括請求にも応じられないままの状態がつづくと、最終的には強制執行が実行され、債務者の財産・給与が差し押さえられます

どの財産などが差し押さえられるかは債権者である楽天カード側の判断次第ですが、次のものに対して強制執行が実行されるのが一般的です。

差し押さえの対象 注意点
給与 ・会社が手続きに巻き込まれるので迷惑がかかる
・全額が差し押さえられるわけではない(原則手取り額の1/4まで)
預金 ・残高20万円までなら手元に残せる
・他のローン次第では口座凍結のリスクあり
財産 ・不動産、動産問わず強制執行の対象になる
・生活に最低限必要な物品は手元に残せる

このように、債務者側の今後の生活への配慮から一定範囲の財産・給与は手元に残すことが許されていますが、ほとんどの財産は処分対象になることが明らかです。

そして、強制執行が実行されてしまうと今まで通りの生活が送れなくなるだけではなく、家族・会社などにも迷惑がかかってしまいます

したがって、楽天カードを強制解約された債務者が最優先に考えなければいけないのは、「強制執行が実行される前に借金問題解決に向けて動き出すこと」です。今すぐに弁護士や司法書士へご相談ください。

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※強制執行される財産の範囲や派生的な問題については、「裁判所から差し押さえ予告通知書が届いた!無視するとどうなる?」で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

楽天カードを強制解約されないための対処法

一般の人が楽天カードを強制解約される原因として多いのは、カード料金を長期間滞納するケースだと思われます。支払い滞納で強制解約されると信用情報へのキズや損害遅延金などのデメリットが大きいため、強制解約になる前の段階で対処することを推奨します。

楽天カードを強制解約されないための対処法は、次の通りです。

  • 楽天カードの分割払いサービスを利用する
  • 支払いが遅れるときは楽天カードに相談する
  • 普段から利用明細をチェックするくせをつける

楽天カードの分割払いサービスを利用する

支払いを滞納して強制解約になる前に、楽天カードの分割払いサービスを利用して滞納を回避する方法があります。

楽天カードの分割払いサービスとは、利用料金の支払いを何回かに分割することで、1か月あたりに支払う利用料金を減額できるシステムです。サービス利用時には実質年利12.25~15%かかるものの、高額の支払いの負担を分散できるメリットがあります。

たとえば「来月に20万円の支払いが必要だけど、口座に10万円しか入っていない」というケースで5回の分割払いにすると、5か月×4万円+分割手数料の支払いにできます。

楽天カードの分割払いサービス 概要
店頭分割払い 分割払い取扱店で買い物する際に、最大36回の分割払いに変更できる
分割2回払い 手数料無料で翌月・翌々月の2回払いに変更できる
あとから分割払い 一度一括払いで確定した料金を、あとから分割払いに変更できる
あとからリボ払い 一度一括払いや分割払いで確定した料金を、リボ払いに変更できる

分割回数や支払料金が増えるほど手数料が高くなるので、利用する際はキャッシュフローに注意しましょう。

支払いが遅れるときは楽天カードに相談する

楽天カードの支払いがどうしても遅れるときは、あらかじめ楽天カード側に連絡しましょう。早めに相談すれば、分割払いといった返済が楽になるサービスの提案や、そのほか返済遅延への対応策についてアドバイスを受けられます。

支払いが遅れること自体は好意的に思われないものの、連絡せずに滞納を続けるよりも寛大な措置を取ってくれるかもしれません。

【楽天カード】
引き落とし日に入金が間に合わないときの問い合わせ窓口
0120-30-6910

普段から利用明細をチェックするくせをつける

楽天カードの強制解約を防ぐには、普段から利用明細や引き落とし口座の残高をチェックするくせを付けるのが効果的です。

常に楽天カードの利用状況を把握しておけば、引き落とし口座への振込忘れ防止、支払不能になる前にカード利用の自主停止などにつながります。引き落とし日までの収入が危ないとわかったときは、日雇いバイト、不用品の売却、親への相談といった緊急的な資金調達へすぐに切り替えられます。

楽天カードの利用状況は、楽天e-NAVIでスマートフォンからいつでもチェック可能です。。

滞納が原因で楽天カードを強制解約されたときに今すぐやるべきこと

長期延滞が原因で楽天カードを強制解約されたときには、強制執行が実行される前に対策を取らなければいけません。

債務者に与えられた選択肢は次の2つだけです。どちらの道を選択するかは、楽天カード以外の返済状況も考慮して考えましょう。

  • 家計に余裕があるなら一括請求に応じる
  • 家計が逼迫しているなら債務整理を依頼する

それでは、各選択肢について具体的に見ていきましょう。

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楽天カードからの一括請求に応じる

楽天カードからの一括請求に応じることができれば、強制執行を回避することが可能となります。

ただし、一括請求に応じるためならどのような方法を選択しても良いというわけではありません。次のように、一括請求に向けて取り入れるべきこと・やってはいけないことは明確なので、正しい方法で残債を一括で返済できるように工夫を凝らしましょう。

まずは、一括返済に役立つ方法についてです。

一括返済に役立つ方法 注意事項
家計収支を改善する ・家計簿をつけて見える化
・支出を減らす、収入を増やす工夫をする
生命保険の解約返戻金を返済に充てる ・契約内容次第では生命保険を解約するとお金が戻ってくる
親族・知人に融資を依頼する ・貸金業者からの借り入れとは異なり、条件面などを融通してもらいやすい

なお、借金を自力で返済するためのコツについては、「借金返済の10のコツ!100人に聞いた早く返すため工夫とは?」でも詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

次に、楽天カードから一括請求を受けた後でも決してやってはいけないことです。

絶対にやってはいけないこと 注意事項
闇金から借り入れる ・とても完済できない利息を求められる
・厳しい取り立てを受ける
違法取引に手を出す ・ファクタリングやクレジットカードのショッピング枠の現金化は取引の性質上利用者が損をする
・口座売買などの違法取引に手を出すと検挙されるリスクがある
・将来的に債務整理手続きの選択肢が減るおそれがある

楽天カードを強制解約された債務者は、すでに信用情報に傷が付いています。つまり、合法的に貸金業を営んでいる金融機関からは借金ができません。

だからと言って、闇金や違法取引に手を出して楽天カード側からの一括請求に応じたところで、次は闇金などへの返済で窮地に立たされるだけ。いずれ現在よりも深刻な借金問題を抱えることになるのが明らかです。

したがって、家計を工夫するなどの方法で一括請求に応じられない場合には、無理をしてお金を用意するのではなく、借金問題解決に力を入れる弁護士や司法書士に債務整理を依頼するのが適切だと考えられます。

※闇金から借金をするリスクについては、「闇金からの借金は絶対にやってはいけない理由について」にて詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

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ほかのクレジットカードへの申込を検討する

一度楽天カードの強制解約を受けてしまったときは、楽天カード以外のほかのクレジットカードへの申込を検討するのも手です。楽天カードでのマイナスの利用実績に左右されず、新しく申し込みやすいからです。

ただし支払いの滞納といった信用情報にキズを付ける理由や、そのほか悪質な理由で強制解約となっているときは、ほかのクレジットカードの発行のハードルも高くなるでしょう。申込者自身の信用情報の印象が悪くなっており、どのカード発行会社でも不利に働くからです。

楽天カード独自の基準による強制解約(楽天カードをしばらく使っていなかったなど)なら、ほかのクレジットカードの審査に通過できる可能性があります。

一括返済が無理なら弁護士・司法書士に債務整理を依頼する

楽天カードを強制解約された後、どうしても一括返済が難しいのなら、弁護士や司法書士に相談して自分に合った債務整理を検討してもらいましょう。

債務整理とは、国が認めた合法的な借金救済制度のこと。自己破産・個人再生・任意整理の3つの手続きのなかから、債務者の状況に適した手続きを選択することになります。

借金問題解決に力を入れる弁護士や司法書士に依頼すれば、楽天カードの延滞分だけではなく、債務者が抱える他の借金問題も含めて解決策を提示してくれるので、無料相談を受けてみましょう。

>>【初回相談無料】債務整理を弁護士・司法書士に相談してみる

なお、債務整理は債務者自身だけでも手続きを進めることができますが、自分ひとりだけの判断で利用する債務整理手続きを決めてはいけません。

なぜなら、次のように、各手続きにはメリット・デメリットがあり、素人には「どの手続きが自分に合っているか」を判断するのは簡単ではないからです。

自己破産 個人再生 任意整理
メリット ・原則すべての返済義務が免責される
・無職でも利用できる
・元本自体を減額できる
・任意整理より減額効果が大きい
・住宅ローンのある自宅を残せる
・将来利息が免除される
・連帯保証人に迷惑がかからない
・裁判所を利用しないので手続きが楽
デメリット ・(自由財産以外の)財産が処分される
・税金や養育費は免除されない
・職業制限が生じる場合がある
・ギャンブルが原因だと免責までのハードルが高い
・裁判所の手続きが複雑
・安定的、継続的な収入が不可欠
・比較的減額効果が弱い

各債務整理手続きの詳細については、以下のリンク先の記事をご参照ください。

まとめ

楽天カードを強制解約された場合、まずは強制解約に至る原因をセルフチェックする必要があります。

そして、楽天カードの延滞や他社への返済が滞っているなど、返済状況の悪化に心当たりがあるのなら、すみやかに弁護士や司法書士までご相談ください。すべての借金状況を総合的に考慮して、債務者にとって適切な債務整理手続きを選択してくれるでしょう。

特に、楽天カードを強制解約された場合、強制執行が目の前に迫っている状況です。債務整理に踏み出せば差し押さえを回避することもできるので、時間の猶予が残されているうちに専門家の力を頼ることを強くおすすめします。

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更新日 : 2024年10月09日
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