法律上の夫婦が離婚するためには、役所に必ず離婚届を提出しなければなりません。
離婚届には、届出日や夫婦の氏名、住所、本籍、未成年の子の親権などの項目を漏れなく正確に記入する必要があります。所定のルールを守らなかったり、記載内容や書類に不備があったりすると訂正や再提出の手間がかかるので注意が必要です。
本記事では、離婚届の書き方や記入見本、もらい方や出し方、離婚届以外に必要な書類について解説していきます。
法律上の夫婦が離婚するためには、役所に必ず離婚届を提出しなければなりません。
離婚届には、届出日や夫婦の氏名、住所、本籍、未成年の子の親権などの項目を漏れなく正確に記入する必要があります。所定のルールを守らなかったり、記載内容や書類に不備があったりすると訂正や再提出の手間がかかるので注意が必要です。
本記事では、離婚届の書き方や記入見本、もらい方や出し方、離婚届以外に必要な書類について解説していきます。
離婚届は、各市区町村の役所の戸籍に関する部署(戸籍課・市民課など)の窓口で入手可能です。どの窓口でもらえるか分からない場合は、入り口の近くにある案内で「離婚届が欲しい」と伝えて教えてもらいましょう。
役所が開いていない場合は、休日・夜間専用の窓口や宿直室で離婚届を受け取れます。なお、市区町村によっては公式ホームページから離婚届をダウンロードできる場合もあります。離婚届をダウンロードする場合は、下記の書式に従ってプリントアウトしてください。
窓口でもらえる離婚届は白の用紙に緑ですが、プリントアウトする場合は白黒印刷でも問題ありません。
離婚届を書く前には、下記の準備が必要になります。
ここからは、上記の項目についてそれぞれ詳しく解説していきます。
協議離婚の場合は、離婚の事実を証明してくれる証人が2人必要になります。離婚届には証人2人の署名欄がありますが、協議離婚の場合は証人2人の署名がないと、役所に離婚届を提出しても受理してもらえません。署名は届出人の署名と同様、証人本人の自筆でなければならないので代筆はNGです。
証人になるための特別な資格はなく、18歳以上の成人で当事者以外に離婚の事実を知っている人なら誰でもなれます。当事者との関係性は問われないので、親や兄弟、友人、職場の上司や同僚、近所の人など、事前に離婚の事実を伝えられる関係の人に証人をお願いしましょう。
なお、証人は夫婦双方がそれぞれ1人ずつ用意するという決まりはないため、夫婦のいずれか一方が証人を2人用意しても問題ありません。もし、証人を頼める人がいない場合や頼みづらい場合は、弁護士に依頼するか「証人代行サービス」に依頼する方法があります。
証人代行を依頼した場合の料金は、証人1人あたり5,000~7,000円程度が相場です。
調停離婚・裁判離婚の場合は、離婚届以外にも用意しなければならない書類があります。ここからは、離婚した方法それぞれでの必要書類を解説するので参考にしてみてください。
調停離婚とは、家庭裁判所で調停委員を挟んで話し合いを行う離婚方法です。夫婦別々でほとんど顔を合わせることなく調停委員からの聞き取りが行われるため、主に夫婦のみでは話し合いがまとまらない場合に採用される傾向にあります。
調停離婚をした場合は、離婚届以外に調停調書の謄本の提出が必要です。調停調書の謄本は、調停を行った家庭裁判所に申請すれば交付してもらえます。
申請方法は、直接裁判所に行って申請する方法と郵送で申請する方法の2通りあります。郵送だと申請してから手元に届くまでに1週間程度かかるため、急ぎの場合は直接裁判所に行って申請しましょう。申請の際には、下記のものを持参・郵送する必要があります。
なお、調停調書謄本の枚数が5枚以上なら94円切手が必要です。謄本の枚数は人によって異なるため、分からない場合は調停を行った家庭裁判所に問い合わせましょう。
裁判離婚(審判・和解・認諾・判決)とは、調停離婚と同様に裁判所を通して行う離婚です。調停離婚でお互いの合意が得られず、調停不成立となった場合に裁判離婚へと発展します。裁判離婚には審判・和解・認諾・判決の4種類があり、それぞれの違いは以下の通りです。
裁判離婚の種類 | 特徴 |
---|---|
審判 | 調停離婚の際に細かい点で同意が得られなかった場合、家庭裁判所が離婚の判断を下す方法 |
和解 | 調停不成立となり裁判離婚に移行後、双方が譲歩し合って納得する形で離婚条件を決めて離婚する方法 |
認諾 | 被告が原告の意見を全て受け入れて裁判を終わらせる方法。ただし、双方が納得していても財産分与や親権などの離婚条件に関する認諾はできないため、条件付きで離婚する場合は和解・判決・審判の方法で行う必要がある |
判決 | 双方が提出した証拠や意見を元に裁判所が離婚の判決を下す方法。調停離婚や協議離婚とは異なり、相手の合意がなくても強制的に離婚できる |
裁判離婚で判決が出たら、離婚届以外に下記の書類が必要になります。
判決書の謄本や確定証明書は、裁判を行った家庭裁判所に申請すれば交付してもらえます。裁判所に直接行くのが難しい場合は、郵送でも申請が可能です。申請の際には、調停謄本と同様に下記のものを持参・郵送する必要があります。
画像引用:法務省
上記の画像は、離婚届の記入見本です。離婚届は全国共通のフォーマットになっているため、住所地以外の市区町村で入手した離婚届でも使用できます。
離婚届の書き方や注意点については、後ほど詳しく解説していきます。
離婚届は、所定のルールに従って必要な項目を正確に記入する必要があります。ここからは、離婚届の書き方やルール、注意点について詳しく解説していきます。
離婚届を記入する際には、黒のボールペンまたはインクペンを使います。なお、鉛筆や消せるボールペン、消えやすい筆記用具で記入した離婚届は使用できません。
以前の離婚届は、届出人の署名欄に押印しなければなりませんでした。しかし、戸籍法の改正によって2021年(令和3年)9月1日から押印が任意になったため、署名のみでの提出が可能になっています。
また、届出人の意向による押印も可能です。使用する印鑑は認印でも構いませんが、シャチハタなどのスタンプ印は使用できないため注意が必要です。なお、夫婦で一緒の印鑑は使用できないため、必ず別々の印鑑を用意してください。
記載に誤りがあった場合は、訂正箇所に二重線を引いて余白に正しい記載内容を記入し、署名または訂正印として印鑑を押印します。
しかし、捨て署名・捨印欄に署名するか訂正印を押印しておけば、基本的には訂正箇所ごとに署名・訂正印を押印する必要はありません。捨て署名や捨て印欄がない場合は枠外に「捨て署名」と記入し、その下に署名をしておきましょう。
ただし、親権者や本籍地などの重要事項に関しては捨て署名・捨印の使用はできません。二重線と押印による訂正を行いましょう。なお、修正ペンや修正テープでの訂正は認められていないので注意が必要です。
また、裁判所を通して離婚した場合、離婚届の記入や捨て署名を含むすべての署名は原告のみが行います。そのため、夫婦双方の捨て署名は必要ありません。一方で、裁判所を通さず夫婦で話し合って離婚する「協議離婚」の場合は、夫婦双方の署名または訂正印が必要なため注意が必要です。
ここからは、離婚届の記入方法や注意点を記入項目ごとにそれぞれ詳しく解説していきます。離婚届は不備があると受理されない可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
離婚届の左上にある「令和〇年〇月〇日届出」の部分には、離婚届を窓口で提出する日付を記入します。離婚届を郵送する場合は、ポストに投函する日付を記入しましょう。「協議離婚」ではなく、調停・審判・和解・認諾・判決離婚のように裁判所を通して離婚した場合は、成立日・確定日を含めて10日以内に申立人(原告)が離婚届を提出する必要があります。
期限内に提出しないと、届出義務違反で5万円以下の過料(行政上の罰金)に処される可能性があるのでご注意ください。届出の日付の下にある「〇〇長殿」の部分には、離婚届の提出する県名・市区町村名を記入します。なお、離婚届の提出先は夫または妻の本籍地または住所地の役所になります。
「氏名」の欄には、婚姻中の夫妻双方の氏名とひらがなで読み方を記入します。氏名は戸籍謄本に記載されている通りに記入しましょう。「生年月日」には夫妻双方の生年月日を記入します。生年月日は西暦・和暦のどちらでも問題ありません。和暦で記入する場合は「S60年」「平3年」などと省略せず、「昭和60年」「平成3年」のようにしっかりと記入しましょう。
「住所」の欄には、夫妻それぞれの住民票上の住所と世帯主の氏名を記入します。「都道府県」「丁目」「番地」「アパート・マンション名」などは省略せず、住民票に記載されている通りに記入しましょう。離婚届と同時に転入・転居届を提出する場合は、新住所と新世帯主を記入してください。
「本籍」の欄には、婚姻中の本籍と筆頭者の氏名を記入します。本籍と筆頭者の氏名は、戸籍謄本に記載されている通りに記入しましょう。本籍が分からない場合は、本籍記載の住民票を取得すれば確認できます。
「父母の氏名」の欄には、実父母の氏名と父母から見た自身の続き柄(長男・二男・長女・二女など)を記入します。次男・次女は離婚届だと二男・二女と記入するので注意しましょう。父母が離婚・死亡している場合でも氏名の記入が必要です。なお、父母が婚姻中であれば、母の氏を記入する必要はありません。
また、普通養子縁組をしている場合は、実父母の氏名と養父母の氏名を両方記入する必要があります。実父母の氏名が分からなければ、戸籍謄本で確認可能です。特別養子縁組をしている場合は養父母が法律上の実父母になるため、養父母欄ではなく父母欄に氏名を記入しましょう。
「離婚届の種別」の欄では、協議離婚や調停、判決などどのような方法で離婚に至ったのか、該当する離婚の種別にチェックを入れます。
調停・和解の場合は成立日、認諾の場合は認諾日、審判・判決の場合は確定日の記入が必要です。なお、審判・判決の確定日は、審判書・判決書謄本を受け取った日の翌日から起算して2週間経過した日になります。
「婚姻前の氏にもどる者の本籍」の欄には、離婚によって旧姓に戻る方(結婚時に氏が変わった方)の離婚後の戸籍について記入します。旧姓に戻る方にチェックを入れたら、「もとの戸籍にもどる」か「新しく戸籍をつくる」のどちらかにチェックを入れます。
「もとの戸籍にもどる」を選択すると、婚姻前の戸籍に入ることになります。この場合は、婚姻前の本籍地と筆頭者の氏名を記入しましょう。
「新しく戸籍をつくる」を選択すると、自分を筆頭者とした新しい戸籍が作られることになります。この場合は、新しく決めた本籍地と筆頭者の氏名(自分の氏名)を記入します。「新しい戸籍をつくる」を選択しなければならないケースは下記の通りです。
離婚後も婚姻時の氏を名乗る場合は、筆頭者の氏名の欄は空白にしてください。離婚した相手に許可を取る必要はないので、子供の氏を変えずに除籍したい場合におすすめです。
なお、離婚日から3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」の届出が必要になります。一方で、離婚後は子供と共に旧姓に戻りたい場合も新しい戸籍を作る必要があります。
理由として、1つの戸籍に親・子・孫の3世代が入ることは戸籍法で認められていないためです。新しい戸籍を作った後は裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、許可が下りてから役所に「入籍届け」を提出して子供の氏の変更が完了します。
裁判所に申し立てる際は、以下の書類を準備しましょう。
基本的には申し立てたその日に許可が下りますが、以下の場合は許可が下りにくくなる可能性があるため注意が必要です。
夫妻の間に未成年(18歳未満)の子がいる場合は、「未成年の子の氏名」の親権者になる方の欄に子の氏名を全員分記入します。離婚後に子供の氏を変更する予定がある場合でも、離婚届には婚姻中の氏を記入しましょう。
もし、未成年の子の氏名を書き間違えてしまった場合は、訂正する箇所に夫婦双方の署名または訂正印が必要になります。なお、親権に訂正がある場合は、枠外に捨て署名・捨印をしたとしても必ず夫婦双方の署名または訂正印が必要です。
「同居の期間」の「同居を始めたとき」には、婚姻した日付と同居を始めた日付のうち、いずれか早い方の日付を記入します。婚姻中に別居していた場合は、「別居したとき」に別居を始めた日付を記入します。届出の時点で別居していなければ、「別居したとき」には何も記入しないでください。婚姻時に一度も同居したことがなければ全て空欄にしておきましょう。
離婚届の記入時にすでに別居している場合は、別居する前の住民票上の住所を記入します。別居していない場合や婚姻中に一度も同居していない場合は記入不要です。
「別居する前の世帯のおもな仕事・夫妻の職業」には、別居する前の世帯で該当する仕事にチェックを入れます。1人が複数の仕事に就いていた場合や夫婦共働きだった場合は、世帯の主な収入源だった仕事にチェックを入れましょう。
また、「夫の職業」「妻の職業」の欄は、国籍調査が行われる年(西暦で5の倍数となる年)に離婚届を提出する場合のみ記入します。夫妻の職業を記入する場合は、「ハローワークインターネットサービス - 厚生労働省編職業分類」で自分の仕事を探し、該当する番号か職業分類名を記入しましょう。
裁判所を通さず夫婦間の話し合いのみで離婚する協議離婚の場合は、夫妻双方がそれぞれ自筆で署名する必要があります。
一方で、裁判を通して離婚した場合は双方の署名は必要ありません。調停・審判離婚の場合は申立人、裁判離婚の場合は訴訟の提起者が自筆で署名しましょう。現在押印は任意になっているため、押印しなくても問題ありません。
「連絡先」の欄には、夫妻それぞれの電話番号を記入します。離婚届の記載内容に不備があった場合は、連絡先の欄に記入した電話番号宛に役所から電話がかかってくるため、必ず昼間に連絡がとれる電話番号を記入してください。
協議離婚の場合は、証人2名の署名・生年月日・住所・本籍を記入してもらう必要があります。証人欄は証人本人に書いてもらわなければならないため、勝手に代筆してはいけません。
証人は18歳以上で離婚の事実を知っている人なら誰でもなれるほか、戸籍法の改正により、2021年(令和3年)9月1日から押印は任意になりました。調停・審判・和解・認諾・判決離婚の場合は、証人欄の記入は必要ありません。
離婚届を出す前には夫婦双方で確認・決定しておくべきことが多数あります。特に重要な確認・決定事項としては、下記の3つが挙げられます。
ここからは、上記のポイントについてそれぞれ詳しく解説していきます。
離婚届を出す前には、本当に夫婦双方に離婚する意思があるのかしっかりと話し合う必要があります。協議離婚や調停離婚の場合は、夫婦双方が合意の上で離婚届を提出しなければ離婚は成立しません。
ただし、裁判離婚では相手の合意に関係なく裁判所の判断で離婚が成立します。不倫の発覚や夫婦喧嘩などをきっかけとした一時的な感情や勢いで離婚してしまうと、離婚して一人になった時に寂しさを感じたり、相手への未練が断ち切れなかったりして離婚に後悔してしまう可能性があるため注意が必要です。
そのため、相手と離婚したいと思っても、まずは冷静になって夫婦で話し合いを行い、可能であれば夫婦関係の修復に向けてお互いに努力してみましょう。
夫婦双方が離婚に合意したら、慰謝料や財産分与などお金に関することについて取り決めを行いましょう。離婚後は配偶者の稼ぎが無くなるので、お金のことについてしっかりと取り決めをせずに離婚してしまうと経済的に困ってしまう可能性があります。
夫婦が婚姻中に築き上げた財産は、「誰が稼いだのか」「誰の名義なのか」に関係なく夫婦の共有財産になるため、離婚の際の財産分与の対象になります。財産分与の割合は2分の1ずつが原則ですが、話し合いでお互いが納得すれば自由に割合を変更可能です。
また、婚姻期間中に暴力やモラハラ、不倫などの不法行為があった場合は、不法行為を受けた方は相手に慰謝料を請求できます。慰謝料の相場は50~300万円で、婚姻期間や悪質性、子供の有無や年収などさまざまな事情によって金額が変わります。
当事者同士で話し合いを進めると、話がまとまらなかったり、夫婦間でも上下関係がある場合は相手に有利な形で話を進められたりするリスクがあります。
そのため、財産分与や慰謝料の取り決めを行う際は弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士は、法的な観点から双方が納得する解決策を導いてくれるほか、不利な条件で離婚する事態になるのを防いでくれます。また、モラハラや暴力行為で離婚する場合も、第三者を挟むことで冷静に話し合いを進めやすくなるのも大きなメリットです。
なお、慰謝料を請求する場合は、相手に不法行為があったことを証明する必要があります。そのため、離婚を切り出す前には被害の内容が分かる写真や動画、医師の診断書、探偵の報告書など、できるだけ多くの証拠を集めておくのが重要なポイントになります。
未成年の子供がいる場合は、以下の事項について取り決める必要があります。
離婚届には未成年の子の親権を夫妻のどちらが持つか記入しなければならないので、親権については離婚届を提出する前に必ず決めなければなりません。
親権以外のことに関しては離婚後に話し合って決めるのも可能ですが、相手が話し合いに応じてくれる保証はありません。離婚前にきちんと話し合っておかないと、「相手が養育費を支払ってくれない」「子供と面会交流をさせてくれない」などのトラブルに発展する可能性が高いので、子供に関することを全て取り決めてから離婚届を記入・提出することをおすすめします。
また、養育費や面会交流の条件などを口約束で決めると、後に認識違いが生まれてトラブルに発展する可能性があります。そのため、具体的な内容は書類にまとめて「公正証書」として残しておくことをおすすめします。公正証書とは、公証役場で公務員である公証人に作成してもらう書類のことです。自分で作成するよりも証拠力が高いほか、作成後は原則20年は保存されるため改ざんの心配もありません。
また、万が一公正証書の記載通りに養育費が支払われない場合は、裁判手続きをしなくても差し押さえなどの強制執行ができる点も大きなメリットです。
ただし、公正証書の作成には手数料がかかります。手数料は、公正証書で保証する養育費の金額によって以下のように異なるため、事前に確認しておきましょう。
養育費の金額 | 手数料の金額 |
---|---|
100万円以下 | 5,000円 |
100万円以上200万円以下 | 7,000円 |
200万円以上500万円以下 | 11,000円 |
500万円以上1,000万円以上 | 17,000円 |
1,000万円以上3,000万円以下 | 23,000円 |
3,000万円以上5,000万円以下 | 29,000円 |
5,000万円以上1億円以下 | 43,000円 |
1億円超3億円以下 | 43,000円に超過額5,000万円ごとに13,000円を加算した額 |
3億円超10億円以下 | 95,000円に超過額5,000万円ごとに11,000円を加算した額 |
10億円超 | 249,000円に超過額5,000万円ごとに8,000円を加算した額 |
離婚届の出し方は、役所の窓口へ持参する方法と郵送する方法の2通りあり、提出先は、婚姻中の本籍地か住所地の役所になります。提出の際は、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類の提示を求められる場合があるので忘れずに持参しましょう。
なお、これまで本籍地以外の役所で提出する場合は戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の添付が必要でしたが、戸籍法の改正によって2024年(令和6年)3月1日から原則不要になりました。
また、窓口へ離婚届を提出しに行った際、離婚届に不備があってもその場で訂正できます。現在は押印が任意になったため、訂正印を持参しなくても署名で訂正可能です。ただし、郵送した離婚届に不備があった場合は役所での提出はしてもらえず返送されるので、訂正した後に再度郵送する必要があります。
なお、離婚届は届出人の署名欄に夫婦双方の署名があれば、夫婦以外の人でも提出可能ですが、離婚届に不備があったときに当事者以外の人は訂正ができません。そのため、第三者に提出を依頼する場合は不備がないかよく確認しましょう。
離婚届は、所定のルールに従って記載内容に間違いのないように正確に記入する必要があります。離婚届に不備があると訂正や再提出の手間がかかるため、スムーズに受理してもらうためにも離婚届の書き方や注意点、必要書類などをしっかりと確認した上で慎重に記入しましょう。
なお、相手に無断で勝手に離婚届を代筆・提出すると、法的に離婚が無効になるだけでなく、刑事上の罪に問われる恐れがあります。そのため、しっかりと夫婦で話し合って双方に離婚の意思があることを確認してから提出してください。
離婚届の代筆は軽い気持ちでやってしまいがちですが、立派な犯罪なので絶対にやってはいけません。離婚届はきちんとルールに従って記入し、提出前には相手に離婚の意思があることを確認した上で提出しましょう。
逆に、相手が勝手に離婚届を出しそうな場合は、役所に「離婚届不受理申出」をしておくと安心です。離婚届不受理申出をしておけば、相手に離婚届を勝手に出されたとしても、役所では離婚届が受理されません。離婚届不受理申出は、申出人が役所の窓口で取り下げの手続きを行わない限り有効です。
メリット | デメリット |
---|---|
離婚後も子供の姓を変えずに済む 相手に現在の住所や再婚を知られずに済む |
子供の戸籍謄本を取得する際に手間がかかる 親子が別々の戸籍であることに違和感を覚える |
なお、旧姓に戻る側が親権を持っていて、子供を自分の戸籍に入れたい場合は下記の手続きが必要になります。