【アンケート調査】旦那の浮気で離婚した女性の経験談を調査!
旦那の浮気で離婚した人にアンケートをとって、離婚後の経験談を調査しました。
アンケート結果を次の3パターンに分けて紹介します。
- 離婚に満足している体験談
- 離婚をして後悔している体験談
- 離婚せずに再構築した体験談
ひとつずつ見ていきましょう。
離婚に満足している経験談
独自のアンケート調査の結果、約91%の人が「離婚に満足している」という非常に満足度が高い結果になりました。
具体的には次のような理由があります。
- 旦那と離婚したことで、自分も新しい女性と再婚できた
- 離婚して別々に暮らすようになったからこそ、旦那のことを許すことができた
- 子供の親権を自分が獲得できた
- 子供の親権は旦那に渡ったが、子供と定期的に会うことができている
- 離婚してから3年経つが、再婚することができ再婚した相手が前の旦那よりも良い人であるだけでなく経済能力も倍近かった
- 相手を見るたびに嫌な気持ちになるので、離れたほうが精神衛生的にとても良かった
- つらい日々が続き、自分自身の健康面も悪くなった。一緒にいても幸せと感じれないため
- 自分の時間が増えた。縛られない。子育てに専念できる
- 子供がのびのび生活できるようになった
- 子供にとっていつもいがみ合ってケンカしている親よりも、片親だけど笑っている母親の方が幸せかと思ったし、自分の苦労なら、頑張って乗り越えられるけど、二人分の苦労は大きすぎたから
- 精神的に無理しなくて良くなった。本当に合う人とあらためて出会えたので良かった
- 経済的に自立できて、以前よりキレイで広い家に住めた
離婚に満足している理由として、新しい人との出会いやストレスのある生活からの解放を挙げる人が多い結果となりました。
離婚をして後悔している経験談
旦那の浮気が発覚して離婚したものの、離婚して後悔している割合は約5%でした。
理由をいくつか紹介します。
- 子供の親権を旦那が獲得することになった
- 子供になかなか会えなくなった
- 旦那が浮気したのに自分が子供の養育費を払っている
- 財産分与で旦那に相当な額の財産を渡すことになった
- 浮気相手から受け取った慰謝料よりも財産分与の額の方が圧倒的に大きい
- 自分に家事の能力がなく仕事のパフォーマンスが落ちた
- 離婚したことで会社からの目が冷たくなった
- 浮気したこと自体は確実なのに確証がなく、慰謝料を請求できなかった
- 離婚した後も、旦那のことを愛している自分に気づいた
- 旦那以上の男性には今後も出会えないだろうと感じている
- 旦那が出ていったことで寂しさを感じている
- 生活が安定しない
- 医療費や慰謝料をもらっていない
- 子供に申し訳ないと常に思っている
- 子供のためなのかわからない
- 子供のことを考えると後悔しているが、離婚するしかなかった
離婚後に後悔する理由としては、経済的な面や子供への罪悪感が多い結果となりました。
離婚せずに再構築した経験談
離婚せずに再構築した方で、「離婚しなくてよかった」と感じている人は58%でした。
具体的な理由は次のとおりです。
- 旦那のことはまだ愛していたので許すことにした。悪かったという気持ちがあったのか、その後は以前よりも優しくなった。
- 和解して以前よりも仲が深まった
- 旦那も落ち着いて、今は遊ばなくなった
- 子供ができて経済的不安があった。旦那も反省して今は家族サービスに時間を使ってくれている
旦那の浮気で離婚を切り出す前に絶対にやっておくべき2つのこと
「離婚をする」と決めたら、その気持ちを旦那に切り出す前に、必ず以下の2つのことをやっておきましょう。
- 旦那が浮気をしたという客観的な証拠を集める
- 離婚後の生活環境・養育環境について準備しておく
それぞれのやっておくべきことについて、詳しく解説します。
旦那が浮気をしたという客観的な証拠を集める
離婚を切り出す前に、旦那が浮気したという客観的な証拠を集めるようにしましょう。
離婚を客観的に証明できるものとしては、次のようなものが考えられます。
領収書 |
領収書の日付、利用した人数、支払い内容 |
カードの利用明細書 |
カードを利用した日付、サービスを利用した人数、支払い内容 |
携帯電話・スマートフォン |
利用履歴、通話先の電話番号や名前、写真や動画、メールなど |
交通機関のICカード |
利用履歴、取引内容、買い物履歴、サービスの利用歴など |
SNSの履歴 |
Facebook、X、LINEなどの文面、写真データ |
写真や動画 |
浮気相手と二人で会っている様子、(ラブホテルに出入りしている様子は不貞行為となる) |
手紙 |
浮気や不貞行為を連想させる文面 |
このような客観的な証拠があると、夫婦間の話し合いや裁判で、有利に話を進められます。
証拠がない場合は、離婚することになっても旦那に責任があることを証明できず、十分な慰謝料をもらえなくなる可能性があるので、できるだけ多くの客観的証拠を集めましょう。
なお、離婚を切り出した後に証拠を集めるのはおすすめできません。
離婚を切り出されたことで、相手が警戒して、証拠を隠滅してしまう可能性があるためです。
そのため、旦那の浮気を知っても感情的になって問い詰めるようなことはせず、相手が言い逃れをできないよう、冷静に証拠を集めて準備するようにしましょう。
浮気調査は探偵などの専門家に任せるのが安心
浮気の証拠集めなどの調査は専門家に任せることをおすすめします。
浮気調査を探偵などの専門家に任せるメリット・デメリットは次のとおりです。
探偵などの専門家に任せるメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
浮気しているかどうかがはっきりわかる |
費用がかかる |
裁判で使える証拠を手にすることができる |
確実に結果が出るとは限らない |
相手に発覚されるリスクを抑えられる |
調査日が指定できない |
専門家に浮気調査を依頼すると、本当に浮気していた場合、浮気調査を専門家に任せることで、経験と知識に基づいた有利になる証拠を押さえてくれるので安心です。
浮気調査を自分でするメリット・デメリット
メリット |
デメリット |
費用がかからない |
浮気調査が相手に発覚されるリスクがある |
調査日を自分で調整できる |
違法行為になる可能性がある |
すぐに浮気調査を始められる |
証拠を掴めないまま終わってしまう可能性がある |
自分で証拠を集めようとすると、旦那のスマホを見たり書類を探したり、場合によっては浮気相手を探ったりするケースがありますが、その際に旦那や浮気相手に見つかってしまうリスクがあります。証拠集めしていることが発覚してしまうと警戒心が強くなり、その後の調査が困難になってしまいます。
また自分で証拠集めをすると違法行為になってしまう可能性があります。例えば、SNSやメールを勝手に見た場合は不正アクセス禁止法に当たる可能性があります。
その他には、GPSやボイスレコーダーを旦那のかばんや衣服に付けるのは、プライバシーの侵害となる可能性があります。
さらに自分で証拠を集めると、証拠が出てくるほど浮気の事実を突きつけられていき、精神的にもストレスがかかってしまいます。
専門家に任せることで、自分で調べるときのデメリットを抑えられ、リスクを負わずに確実な証拠を集められるでしょう。
浮気調査にかかる費用相場は、約30万〜120万です。この中には探偵の人件費や車両代、資料作成費、その他雑費が含まれています。費用は調査内容によって異なり、浮気をしているかどうかを確認するための調査は、約10〜20万円ですが、裁判でも使える証拠を抑える調査であれば、約30万以上かかります。
期間としては1週間~1カ月ほどかかると考えたほうがよいでしょう。調査の目的や旦那が浮気しているペースによって浮気調査にかかる期間は異なります。
浮気をしているかどうかを確認するだけであれば、数日で終わりますが、裁判で使える証拠を抑えるとなると、1カ月近くかかります。
浮気調査を開始するおすすめのタイミングは「旦那の浮気を疑ったとき」です。浮気を疑ったまま一緒に生活していると、モヤモヤが溜まる一方なので、早めに白黒つけるほうが精神的にも良いでしょう。
また浮気の疑いがあったにも関わらず、調査をせずにしばらく放置した場合、その後離婚が決まったとしても、浮気を長い間放置していたのであれば、「離婚の直接的な原因は浮気ではない」と判断される可能性があります。
その結果、慰謝料がもらえなかったり、減額されてしまう可能性があります。
離婚後の生活環境・養育環境について考える
離婚する前に、離婚後の住まいや仕事などの環境について考えましょう。
離婚後の生活や養育環境を事前に考えておくことで、新しい生活を準備するための費用を見積れます。
また、事前にシミュレーションしておけば、離婚後もスムーズに次の生活に移れます。
離婚する前に考えておくべき生活・養育環境は次のとおりです。
感情に任せて離婚して家を出てしまうと、「お金がない」「住むところがない」といったことになる可能性があります。
離婚を切り出す前に、離婚後の住居や生活費、養育環境について考えておきましょう。
旦那の浮気が原因で離婚するか迷った時のおすすめ相談先
子供がまだ小さかったり、旦那にまだ気持ちがあったりすると、「旦那の浮気が原因で離婚をするかどうか迷ってしまう」という場合もあるでしょう。
そんな時は、以下のようなところや、人に相談して、自分の気持ちや考えを整理するのがおすすめです。
- 円満調停
- 離婚カウンセラー
- 信頼できる友人・家族
- インターネットの掲示板・SNS
それぞれの相談場所、相談相手について詳しく解説します。
円満調停
円満調停とは、「夫婦関係調整調停(円満)」というもので、夫婦関係を円満に回復させるために話し合いを行うことです。
基本的には夫婦関係を回復させるために行う調停なのですが、離婚をするか迷っている場合にも利用することができます。
旦那に離婚をするか迷っているということがバレてしまいますが、調停委員を挟むことで冷静に話し合うことができるので、「できることなら夫婦関係を修復したい気持ちがある」という人は、円満調停を利用して旦那と向き合ってみるのもおすすめです。
離婚カウンセラー
離婚カウンセラーは、「旦那に浮気をされたけど離婚を迷っている・離婚を迷う理由がある」という人の相談先としておすすめです。
具体的には離婚を迷っている気持ちを親身になって聞いてくれ、心のケアをしてくれた上で、具体的な解決に向けて離婚をすべきなのか、関係修復をするべきなのかということについて、最適なアドバイスをくれます。
旦那の浮気を知って、精神的に不安定になっているときに利用すると、「今後どうするべきなのか」の方針が見えてくるでしょう。
なお、離婚カウンセラーは民間資格なので、誰でも簡単に名乗ることができます。
中には、悪質な詐欺師が混ざっていることもあるので、離婚カウンセラーを選ぶときは、カウンセラーの経歴や実績などをしっかり確認するようにしましょう。
信頼できる友人・家族
旦那の浮気によって精神的に不安定になっているときは、信頼できる友人や家族に相談してみるのもおすすめです。
相談できる友人や家族に離婚歴がある場合は、離婚についての経験談や離婚後の生活などについて話を聞いてみるのも良いでしょう。
ただし、友人や家族は専門家ではないので、具体的な解決は望めません。
そのため、心理的な負担を軽くしたい場合に、友人や家族に相談するようにするのがおすすめです。
インターネットの掲示板・SNS
最近では、インターネットの掲示板やSNSで旦那に浮気された体験談を投稿している人がいます。
そのような投稿の中で、自分の状況に似ているものを探して、参考にしてみると、今後、どのように動くべきなのか…ということが見えてくるかもしれません。
あまり頼りにしすぎるのは考えものですが、匿名で書き込むことで、ストレス発散ができるという側面もあります。
ときには、厳しい言葉が送られてくることもありますが、第三者的な目線も得られるので、心の整理をしながら、離婚や修復に向けての動きを考える助けになるでしょう。
旦那の浮気で適切な慰謝料を取りたいなら弁護士に相談するのがおすすめ
離婚を決心し、証拠や環境の準備が整ったら弁護士に相談するのがおすすめです。
離婚を進めようとすると、双方の話し合いだけでは解決できないケースもあります。もしも調停や訴訟になった際には、自分だけで進めるのは困難でしょう。
離婚をするだけなら離婚届を役所に提出するだけで済みますが、慰謝料請求や財産分与などが関わってくると、書類の作成や複数の手続きが必要になります。ただでさえ浮気されて精神的にストレスがかかっている状態なので、ひとりで進めるには大きな負担となるでしょう。
また、ひとりで手続きを進めると、慰謝料を請求する際に希望の額から大幅に減額されてしまうケースもあります。しかし弁護士に相談すれば、適切な額の慰謝料を獲得できる可能性があります。
あなたに知識がなくても、弁護士に依頼すれば法律に従った適切な対処をしてくれます。手間のかかる手続きもすべて任せられるので、精神的な負担も軽くなるでしょう。
離婚までの流れ
離婚の進め方は大きく3段階あり、「1.協議離婚」「2.調停離婚」「3.裁判離婚」に分けられます。
1.協議離婚
夫婦ふたりで話し合い、お互いが離婚届に判を押して役所に提出する
協議離婚は、慰謝料、財産分与、親権、養育費など、離婚条件なども含め、すべてふたりの話し合いで決めます。
2.調停離婚
裁判所を介して第三者に間に入ってもらい、話し合いをして離婚を成立させる
協議離婚で話がまとまらない場合、調停離婚を行います。
裁判を行うわけではなく、あくまで話し合い、離婚条件などを決めます。
3.裁判離婚
裁判においてお互いが自分の言い分を主張し、離婚を成立させる
調停離婚でも決まらなかった場合、裁判離婚を行います。
裁判では離婚することや離婚条件を判決により決めてもらいます。
【アンケート調査】実際に旦那の浮気で取れる慰謝料はどれくらい?
本記事でアンケートを行った結果、浮気が理由の離婚で取れる慰謝料は、100〜300万程度でした。
慰謝料に関して抑えてほしい要点は次のとおりです。
- 浮気の慰謝料の決め方
- 旦那の浮気で慰謝料をもらった経験談
- 旦那の浮気相手に慰謝料を請求することも可能
- 旦那が浮気しても慰謝料をもらえない場合もある
ひとつずつ見ていきましょう。
浮気の慰謝料の決め方
浮気の慰謝料はさまざまな事情を考慮して、相場の100~300万円のうちで決まることがほとんどです。
金額を左右するポイントは以下です。
- 夫婦の婚姻期間
- 浮気が始まった経緯・期間・不貞行為の回数
- 浮気相手に金銭等の援助をしていたか
- 浮気が与えた夫婦生活への影響
- 子供の有無
- 浮気相手との子供の有無
- 反省・謝罪等の有無
- 浮気された側の落ち度の有無
旦那の浮気相手に慰謝料を請求することも可能
要件を満たし、証拠があれば浮気相手に対して慰謝料を請求することも可能です。
具体的には、「不貞関係(肉体関係)」「既婚者と知っていた、知ることができた」「浮気によって夫婦関係が悪くなった」などが要件です。
ただし次のような場合には浮気相手に慰謝料を請求できない可能性があります。
- 既婚者であることを隠して旦那が浮気していた
- 肉体関係がなかった、または肉体関係の証拠がない
要件と証拠がそろっていれば、旦那に慰謝料を請求せず、浮気相手にだけ請求することも可能です。
要件を満たしているか不安な場合は、弁護士に相談してみると良いでしょう。
旦那が浮気しても慰謝料をもらえない場合もある
旦那が浮気してもそれを認めず、浮気の証拠がない場合は慰謝料をもらえないことがあります。
仮に裁判を起こしても、証拠がなければ浮気を認められず慰謝料をもらえません。慰謝料をもらえる浮気は基本的に不貞行為(肉体関係)があった場合です。
また証拠があったとしても、もともと夫婦関係が破綻していた場合は、慰謝料がもらえないことがあります。浮気が原因で夫婦関係が壊れたのではなく、もともと壊れていたと認められる場合は慰謝料がもらえません。
旦那の浮気が原因で離婚する時に考えるべき5つの条件について
旦那の浮気が原因で離婚を決めた時に考えるべき条件は大きく分けて5つあります。
- 【条件1】財産分与
- 【条件2】親権
- 【条件3】養育費
- 【条件4】子どもとの面会交流権
- 【条件5】年金分割
それぞれの条件について詳しく解説します。
【条件1】財産分与|旦那が浮気した場合でも財産分与の権利は奪えない
財産分与は、婚姻中に夫婦が共同で築いた財産を、離婚の際に分配することです。
財産分与には、大きく分けて「生産的財産分与」「扶養的財産分与」「慰謝料的財産分与」の3つの種類がありますが、基本的に「財産分与」と呼ばれているのは「清算的財産分与」のことで、婚姻中に築いた財産の半分が分配されます。
「扶養的財産分与」というのは、妻が専業主婦であった場合や、持病がある場合など、短期間で経済的に自立するのが難しいという理由がある場合に、通常より多く財産分与されることもあります。
「慰謝料的財産分与」は、その名の通り、浮気など、一方に離婚の原因がある場合に行われる財産分与のこと。
清算的財産分与として支払われる1/2の財産に加えて、慰謝料を含めた慰謝料的財産分与が支払われます。
財産分与の対象となる財産
財産分与の対象となる財産は以下のとおりです。
- 現金、預貯金
- 家財道具
- 不動産
- 自動車
- 有価証券
- 価値のある絵画や骨董品
- 保険料の払戻金
- 退職金
- 住宅ローン
財産分与時に気を付けたいのは、預貯金などのプラス財産だけでなく、住宅ローンといった夫婦生活のためにできたマイナス財産も財産分与の対象となる場合があるという点です。
その他のマイナス財産としては、子供の教育ローンや生活費・養育費のための借金などが考えられます。
財産分与をする際には、最初に婚姻期間中に取得した財産をすべて提示しあって、プラス財産とマイナス財産を合計して、残った分が財産分与の対象になります。
財産がプラスになればそれを分け合いますが、マイナスしか残らなかった場合は、残ったマイナス分は財産分与の対象とはなりません。
ローンを組んだ名義人が返済するのが基本になります。
ただし、夫婦間で歩み寄るためにマイナス財産の残りの半分を直接手渡す取り決めを行う場合もあります。
財産分与の対象にならない財産
財産分与の対象にならない財産の例は次のとおりです。
- 婚姻前にそれぞれが貯めていた金銭
- 婚姻前に実家から持ってきた家財
- 自分の親から相続や贈与によって得た財産
- ギャンブルや浪費が原因の借金など、個人的な負債
婚姻前に築いていた財産や、贈与や相続で得た財産は財産分与の対象になりません。
ただし、婚姻前からの財産であることや、贈与・相続での財産であること証明する必要があります。証明する資料として、銀行口座へ振り込まれた取引履歴や贈与契約書、遺産分割協議書を用意するとよいでしょう。
預貯金に関しては特に注意が必要です。婚姻前に貯めた預貯金は、財産分与の対象になりませんが、婚姻前と婚姻後、どちらも同じ口座を使っていれば区別がつかなくなってしまう可能性があります。
婚姻前と婚姻後、完全に口座を分けて使っていれば最もわかりやすいですが、同じ口座を使っている場合、給料が入ったり生活費を引き出したりするので、残高が変動します。
「結婚時の残高=特有財産」または「混然一体とした時点で特有財産はなくなった」と考える2パターンあり、裁判官や事案によってどちらの考えを採用するかが異なります。
結婚生活が長い場合は「混然一体とした時点で特有財産はなくなった」という考えを採用するケースが多いです。
結婚生活が長く、口座を混同して使っていた場合は、婚姻前の預貯金を財産分与から外すことが難しくなることを理解しておきましょう。
【条件2】親権|母親が取得しやすい
親権は、基本的には裁判所の判断によって母親の方が取りやすい傾向にあります。
しかし「どちらのほうが子供の養育にとって適しているか」という視点のもと、いくつかの基準により判断されるので、絶対に母親が取れるものではありません。
また、子供の養育にとって良い環境が揃っていれば、旦那が浮気をしたことが考慮されない場合もあります。
離婚をする際の親権について、知っておきたい次の3点について解説します。
- 親権を獲得するために必要な6つのポイント
- 親権が獲得できた場合にもらえる養育費の事例
- 万が一親権が取れなかった場合は「面会交流」や「監護権」を求めてみる
親権を獲得するために必要な6つのポイント
親権を獲得するために重視されるのは、以下の6つのポイントです。
- 客観的な監護実績・養育実績がある
- 旦那が子供に対して悪影響を与えている
- 子供の生活環境を変えずに現状維持が可能である
- 日頃から子供のために行動している実績がある
- 「子供の幸せ」のために面会交流をさせる意思を示している
- 子供が中学生以上の場合は子供自身の意思で同意を得ている
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
客観的な監護実績・養育実績がある
客観的な監護・養育実績があれば親権を獲得できる可能性が高いです。
親権を争った場合、これまでどちらが主に子供を監護・養育してきたかを裁判所は重視する傾向にあります。
実績を証明するものとしては、次のようなものが挙げられます。
- 母子手帳
- 連絡帳(保育園・幼稚園・小学校)
- 監護や養育状況を写した写真
- 父母間のメールやメッセージ
また、日頃から子供のために行動しているかどうかも重要なポイントです。
「子供のための行動」とは、次のような例が挙げられます。
- 子供と一緒に過ごす時間を多くとっている
- 保育園・幼稚園の送迎をしている
- 学校行事へ積極的に参加している
- 子供の食事・弁当を作っている
- 子供と一緒にお風呂に入っている
- 子供の病院に付き添っている
- 子供の勉強を見ている
- 子供を遊びに連れて行っている
- 子供の寝かしつけをしている
- 誕生日、クリスマスなどお祝いごとを主催したり、プレゼントを買っている
監護・養育以外の面でも子供のために行動することが、子供の養育に適していると判断されるためには重要です。
旦那が子供に対して悪影響を与えているか
旦那が子供に対して悪影響を与えていると判断された場合、母親は親権を取りやすいです。
例えば「DVをしている」「アルコール依存症である」等といった場合は、子供に対して悪影響であると判断されます。
離婚が子供に与える影響と、離婚しないことで子供に与える影響を比較しましょう。
子供の生活環境を変えずに現状維持が可能である
経済的に不自由なく、現在の子供の生活環境を変えずに現状維持が可能であれば親権を獲得できる可能性が高いです。
離婚後は母親ひとりで稼がなければいけないため、経済的な負担は大きくなります。妻の両親が育児に協力できる状況であるなど、経済的環境と生活環境を維持できる状態であれば親権を獲得しやすいです。
生活環境を現状維持する具体例としては、離婚して住まいが変わる場合でも、転校しないで済む場所に引っ越したりすることが考えられます。
また、「自分の稼ぎ+元旦那からもらう養育費-生活費」で現状維持の生活ができるかを考えていく必要があります。
「子供の幸せ」のために面会交流をさせる意思を示している
面会交流は法律で定められた権利です。
妻が親権を持ったとしても旦那と面会交流させる意思を持たなければ、相手の権利を認めないことになるので、スムーズに親権を獲得できない可能性があります。
「浮気した旦那と子供を会わせたくない」と思っていても面会交流は旦那と子供の権利。
子供にとっても父親と会うことは養育にとって重要なことと考えられています。
スムーズに親権を獲得するためにも、面会交流を認めた上で親権を主張するのがおすすめです。
子供が中学生以上の場合は子供自身の意思で同意を得ている
子供が中学生以上の場合は、子供自身の意思が最も重要とされています。
15歳以上の子供は物事の分別がついていると判断され、裁判所は子供の意思を確認します。仮に夫婦間で話し合い、妻が親権を持つと決まっても、子供が断れば親権を獲得できません。
15歳以上の子供がいる場合は、子供自身の意思によって同意を得ましょう。
万が一親権が取れなかった場合は「面会交流」や「監護権」を求めてみる
親権が取れなかった場合は「面会交流」や「監護権」を求めてみましょう。
監護権・・・子供の近くにいて世話や教育をする親の権利
親権とは、未成年の子供が成人になるまで育てるために親が負う権利・義務であり、監護権も親権の中の一部です。
「親権を持っている親が病気やケガをしている」「海外に長期間出張する」といった場合など、親権を持っている親が子供を監護できないケースがあります。そういった場合には、親権と監護権を別々にするケースもあります。
監護権だけでは戸籍上は子供と別々となり、子供がした法律行為に同意できなかったり、子供の財産に関する行為を行う際に親権者の同意を得る必要があったりしますが、子供と一緒に生活できるというメリットがあります。
監護権を得るためにはまずは夫婦で話し合い、それでも決まらない場合は裁判所に申し立て、監護者を決めてもらう必要があります。
母親が親権を取れないケースについて
親権は、基本的に母親が取ることが多いのですが、状況によっては母親が親権を取れないケースもあります。
アンケート結果では、母親が親権を取れなかったのには次のような理由があります。
- 母親が子供に虐待している
- 母親がネグレクト(育児放棄)している
- 母親が病気などで育児ができない
- 子供が父親と暮らすことを希望している
- 母親の収入が極端に低く、子供を養えない
基本的には養育費をもらえるため、収入面が問題で親権を取れないことは少ないです。
離婚するまでの母親の育児に対するプロセスで、親権を取れるかどうかが決まります。
【条件3】養育費|旦那の浮気によって増額することはない
親権が獲得できた場合に得られる養育費は、双方の収入をもとに算定しますが、一般的なの相場は月額2〜4万円程度です。
養育費は子供の権利です。
そのため、旦那が浮気したからといって、増額されることはありません。
また、もし浮気をされて離婚し、親権を旦那に取られてしまった場合でも、養育費を払う義務があるので、注意しましょう。
養育費の額は夫婦間の話し合いで決めることもありますが、話し合いでの合意が難しい場合は、子供の人数や親の収入を参考にして、裁判所が決定する場合もあります。
養育費の相場は月額2〜4万円程度。
「養育費だけでは、子供の生活を安定させられるか不安」という場合は、シングルマザーを対象とした公的扶養もしっかり利用するようにしましょう。
【条件4】子どもとの面会交流権|旦那の浮気が原因で拒否することはできない
面会交流権とは、親と子供が別居している場合に、親子が顔を合わせる機会を得る権利のことです。
子供の利益を最優先に考えるべき権利なので、旦那の浮気が原因で離婚をした場合でも、子供自身が旦那との面会を拒否していない限りは面会を認めなければなりません。
離婚時には、面会の頻度や面会時間・時刻、面会場所、連絡方法、学校行事の参加有無などについて、あらかじめ詳細を決めておきましょう。
もし、子供の成長によって変えるべきことが出てきた場合には、双方同士または弁護士を通して協議して、都度決め直す必要があります。
「子供のための権利」という側面が大きいので、自分の感情だけで決めずに、子供の意思を尊重して決めるようにしましょう。
【条件5】年金分割|旦那が会社員・公務員の場合に可能
年金分割とは、夫婦が結婚している期間に納めた厚生年金の合計を二人の共有財産として扱って、離婚時に「財産分与」として分割して分け合う制度のことです。
年金分割ができるのは厚生年金に限るため、旦那が会社員や公務員の場合にのみ、可能です。
年金分割は離婚をしたら自動的に行われるわけではないので、離婚時に分割の割合を決めたらしっかり請求の手続きをするようにしましょう。
原則、離婚をした日の翌日から2年が経過すると、請求できなくなってしまうので、離婚をしたらできるだけ早く請求するようにするのが安心です。
取り決めたことは必ず「公正証書」で残しておく
取り決めた内容を公正証書で残しておくことで、後々反論された場合でも取り決めを証明できます。
話し合いにより離婚条件が決定しても、後から「契約した覚えはない」と言われてしまうと、契約を交わしたことを裁判所で証明することが必要になります。
公正証書は公証人という公的の前で作成する証明書なので、後から契約について反論することがほぼ不可能となります。
また、慰謝料が支払われないとなった場合は、公正証書の内容に基づいて強制執行できるようになります。
夫婦関係を再構築する場合でも離婚する場合でも、公正証書を残しておくことをおすすめします。
旦那の浮気による離婚で後悔しないためには?
旦那の浮気による離婚で後悔しないために、感情のままに離婚してしまう前に、以下のことを踏まえて「本当に離婚したいのか」「離婚するならどのような手順を踏むべきか」「自分がしておくべき準備は何か」ということを考えるようにしましょう。
- 希望する離婚条件をしっかり考えて弁護士に相談する
- 子供がいる場合は一人で育てる覚悟を決めておく
- 経済的に余裕がなくなる可能性を考慮しておく
- 自分の悩み・本心を話せる相談相手を作っておく
- 少しでも愛情が残っている場合は冷静に旦那と話し合いをする
それぞれのポイントについて解説します。
希望する離婚条件をしっかり考えて弁護士に相談する
旦那の浮気によって離婚を決めたら、希望する離婚条件をしっかり考えて、弁護士に相談するのがおすすめです。
慰謝料請求や離婚手続き自体は、自分だけでも行うことができます。
しかし、あなた一人だけで旦那に離婚意思を伝えたり、離婚のための条件を伝えても、本気にしてもらえなかったり交渉に応じてもらえない可能性も…。
弁護士に依頼することで、相手に離婚の意思がしっかり伝わり、自分の主張もしっかり相手に伝えることができます。
特に、慰謝料や親権が欲しい場合は、弁護士に依頼して、できるだけ有利に離婚を進められるようにアドバイスをもらいましょう。
子供がいる場合は一人で育てる覚悟を決めておく
子供がいる場合、離婚後は基本的に一人で育てる覚悟は決めておきましょう。
父親がいないことで、子供に寂しい思いをさせる問い雨天で罪悪感や後悔の気持ちが募ることもあります。
自分の心を守るためにも、あらかじめ、離婚によって子供にどのような影響があるのか…ということを考えておくことが大切です。
実家との関係が良好な場合は、実家に頼ることを考えても良いでしょう。
一人で育てる覚悟をするといっても、「誰にも頼ってはいけない」というわけではありません。
ひとり親の支援や相談窓口も利用して、子供と自分の幸せを守りましょう。
経済的に余裕がなくなる可能性を考慮しておく
特に専業主婦だったり、パートタイムで働いていたりする場合は、離婚によって経済的な余裕がなくなる可能性があります。
経済的に余裕がなくなると、精神的に追い詰められてしまうことも…。
そのため、特に旦那の浮気を理由に離婚をしたい場合は、しっかり慰謝料をもらうことはもちろん、離婚前に安定した収入源を見つけておくことも大切です。
自分の悩み・本心を話せる相談相手を作っておく
旦那の浮気による離婚で、しっかり慰謝料や親権などを得られたとしても、精神的には磨耗しています。
一人で抱え続けると、精神的に追い詰められてしまうので、自分の悩みや本心を話せる相談相手を作っておくのも大切です。
信頼できる家族や友人がいる場合は、その人たちに頼っても良いですし、カウンセラーやネットの掲示板・SNSなどを活用するのもおすすめです。
ストレスはできるだけ溜め込まずに、適切に発散することで、自分の心を守れるでしょう。
少しでも愛情が残っている場合は冷静に旦那と話し合いをする
浮気されたとしても、少しでも旦那に愛情が残っている状態で離婚をしてしまうと、後悔する原因になります。
少しでも「夫婦関係を改善したい」という気持ちがあったり、旦那が真摯に謝罪をしていて「許そう」という気持ちがあったりした場合は、冷静に旦那と今後のことについて話し合ってみましょう。
自分たちだけで話し合うことに不安を感じる場合は夫婦カウンセラーに見守ってもらいながら、お互いの気持ちを話し合うのがおすすめです。
まとめ
旦那の浮気が発覚した場合、感情的な行動を取って後悔しないように、判断ポイントをもとに冷静に考える必要があります。
子供がいる場合は離婚後の経済的不安が大きいですが、養育費、慰謝料、財産分与を理解し、手続きを進めることで、安定した生活を子供と過ごすことができます。
アンケート結果によると、「離婚をして満足した」という人は90%近くを占めます。
弁護士と相談したり体験談を参考にしながら、後悔しない選択をしましょう。
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