奨学金の一括請求が払えない場合のリスクと適切な対処方法について

奨学金 一括請求

奨学金の滞納を続けていたら、一括請求がきてしまいました。今すぐ払えない場合、どうなってしまうのでしょうか?

一括請求を支払えない場合、最終的には強制執行が行われ、給与や財産を差し押さえられてしまう恐れがあります。もしくは連帯保証人に同じく一括請求がいくことになるでしょう。

もし差し押さえを止めたければ、至急弁護士に相談して債務整理を手続きしてください。強制執行を止められますし、借金が減額できる(もしくはゼロにできる)可能性があります。

奨学金の一括請求でお困りではありませんか?

奨学金の一括請求に応じない場合、強制執行によって、給与や財産の差押えを受ける恐れがあります。

給与や財産の差押えを避けたい場合、弁護士に依頼すれば督促をすぐに止められる上、債務整理によって月々の返済額も減額できます。

一括請求を滞納し続けると、強制執行や連帯保証人への請求まで行われてしまうので、早急に弁護士と今後の対応を相談しましょう。

なお、債務整理で月々の返済額をどれだけ減額できるかは「借金診断減額チェッカー」で簡単に確認できるので、奨学金の一括請求でお困りの方はお気軽にご利用ください。

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この記事でわかること
  • 奨学金の一括請求を無視していると、裁判所からの最終通告「支払督促」が届く。仮執行宣言付きの支払督促が届いたあとは、2週間以内に異議申し立てをしなければ差し押さえが可能となるので要注意
  • 差し押さえを回避するためには、奨学金を一括で返済する。もしくは弁護士に債務整理を依頼して、差し押さえを止めるしか方法はない。早め早めに相談しなければ債務整理の選択肢が少なくなるので要注意
  • 日本学生支援機構は脅しではなく、本当に強制執行を開始する。甘く見ていると自分が苦しい思いをするので、とにかく早めに対応することが大切

奨学金の一括請求がきた!もう分割での返済はできないのか?

原則一括での返済しか認められない

奨学金の一括請求が来た場合、結論から言うと分割での返済は大変厳しい状況に陥っています。

一括請求がきたということは、「期限の利益」を喪失している状態であり、契約書上でも一括返済が義務付けられているはずです。

ちなみに「期限の利益」とは、簡単に言うと借金を一括でなく分割での返済が認められている状態のようなものです。

この期限の利益は、問題なく返済を続けていれば守られることになりますが、契約書で禁じられている返済遅延などを行うことで喪失してしまいます。

そのため、期限の利益を喪失してしまうと、債務者は一括請求に応じなければならないのです。

債務整理を行うことで分割払いに戻せる可能性は残されている

どうしても分割払いに戻したければ、債務整理手続きを行うことが有効な選択肢となります。

例えば債権者と交渉を行い今後の返済計画を見直す「任意整理」であれば、今後3〜5年で返済する計画で分割払いに戻せます。

債務整理には、信用情報に傷がつくデメリットもありますが、一括請求が届いた時点で既に信用情報が傷ついているので、実質的なデメリットはないためご安心ください。

むしろ、そのまま何もせずに強制執行を受けるほうが危険なので、至急弁護士に相談して債務整理を手続きしましょう。

奨学金の一括請求を放置するリスク3つ

奨学金の一括請求がきてもなお、無視したり放置したりし続けていると、下記のことが起こります。

  • 連帯保証人にも一括請求がされる
  • プロの債権回収会社に債権を譲渡され、厳しい取り立てを受ける
  • 財産や給与を差し押さえられる

①連帯保証人にも一括請求される

主債務者(奨学金を借りた本人)である本人が奨学金の一括請求を支払わないでいると、連帯保証人にも一括請求されてしまいます。

奨学金を借りるときには必ず連帯保証人を設定しなければいけませんが、多くの方が両親のどちらかを選ばれているのではないでしょうか。

つまり、両親にも奨学金の返済を求める取り立てや一括請求をされてしまうということです。

ワンポイント解説
連帯保証人は主債務者と同じく抗弁権がない

連帯保証人はただの「保証人」とは異なり、債務不履行後に日本学生支援機構から請求があった場合、基本的に無条件で全額の支払義務を負うことになります。返済を断ることもできなければ「主債務者に請求してください」と言うこともできません。

機関保証のときは「日本国際支援協会」が代位弁済を行う

保証人を立てずに機関保証で奨学金を借りた場合、3か月以上連続で延滞した時点で日本国際支援協会が日本学生支援機構に代位弁済主債務者(奨学金を借りた本人)に代わって、日本学生支援機構へ返済を行うことを言います。を行います。

代位弁済が行われた後は、日本国際支援協会から奨学金の一括返済を求める請求を受けることになります。

この場合であれば、連帯保証人や保証人が存在しないので、他人に一括請求がいく心配はありません。

しかし、債務者本人に対する督促等はとても厳しいため、奨学金を支払うことが困難な場合、早めに弁護士の無料相談を受けたほうが良いでしょう。

参考:日本国際支援協会「代位弁済された方へ」

②債権回収会社に債権を譲渡され、厳しい取り立てを受ける

日本学生支援機構は再三の督促に応じない債務者(奨学金を借りている人)に対する債務(借金)を譲渡することがあります。譲渡先は「アルファ債権回収」や「三菱HCキャピタル債権回収株式会社」です。

上記はいずれも債権回収を目的とした会社であるため、日本学生支援機構以上に厳しい取り立てを受ける可能性があるでしょう。とくに、債権回収会社に債権を譲渡されてしまうと、自宅への取り立ては避けられません。

もちろん、闇金のように法外な取り立てを受けることはないですし、自宅に来て金銭を徴収することもありませんが、対面で支払いを求められれば、高圧的に感じてしまう方もいるでしょう。近所の目もあるため、あまり歓迎されることではありません。

③財産や給与の差し押さえが可能となる「強制執行」が行われる

奨学金の一括請求が来てもなお、無視を続けていると、最終的に「強制執行」が行われます。実際、平成26年度で320件、平成27年度で498件の強制執行を実行されています。参考:日本学生支援機構「返還業務の状況(平成27年度)P5」

一括請求から強制執行までの流れは下記の通り。

  1. 奨学金の一括請求が来る
  2. 裁判所から「支払督促」が送られてくる(特別送達)
  3. 支払督促に対して2週間以内に異議申立てをしなければ、「仮執行宣言付きの支払督促」が送られてくる
  4. 仮執行宣言付きの支払督促に対して、2週間以内に異議申し立てをしなければ「強制執行」が可能になる
ワンポイント解説
特別送達とは

特別送達とは、支払督促を受け取ったことを証明するための送達方法です。仮に、書類を確認せずに処分してしまったとしても、あなたが支払督促を受け取ったものとみなして手続きが進められます。

支払督促・仮執行宣言付きの支払督促を受け取ったあと「2週間以内」であれば異議申し立てをできます。仮執行宣言付きの支払督促すらも無視してしまうと、日本学生支援機構はあなたの財産を差し押さえられるようになるでしょう。

強制執行が始まって真っ先に差し押さえられるのは「預貯金」です。その次にあなたの「給与」が差し押さえられるでしょう。とくに、換金性の高いものから順番に差し押さえられると思っておいてください。

また、預貯金を差し押さえられることによって、銀行口座が一時的に凍結します。公共料金の引き落としができない、給料を受け取ることができないといった事態に陥る恐れもあるでしょう。差し押さえの解消があるまでは、口座を利用できなくなる恐れがあるので注意してください。

なお、差し押さえの最中であっても銀行口座の開設は可能です。改めて開設した口座を引き落とし先に変更するなど、煩わしい手続きは増えますが、各種支払いが滞ればさらに最悪の事態に陥るので、かならず行いましょう。

そして、強制執行によって「給与」が差し押さえられてしまうと、会社に奨学金を延滞していた事実がかならずバレます。自分自身が惨めな思いをするだけなので、差し押さえに至る前、遅くても奨学金の一括請求がきた時点で債務整理を検討してください。

ワンポイント解説
給与のうち差し押さえられる金額について

給与の差し押さえは、1か月あたり手取り額の1/4までと定められています。たとえば、手取り額20万円であれば5万円を上限に差し押さえが可能。また、手取り給料が44万円を超えているときは、33万円を超えた額すべてを差し押さえ可能です。

奨学金の一括請求による差し押さえ回避方法は?

一括請求が来た場合の対処法は、

  • ①資金を工面し残債を一括で支払う
  • ②債務整理を行う

の2つです。当然ながら①は残債が少ない場合のみしか現実的な選択肢にはならないでしょう。具体的には自宅にある不用品などを処分して資金工面できるかどうかが分かれ道となります。

①資金を工面して一括で支払う

請求期限まで残債を一括で返済できれば強制執行は回避できます。

例えば、自宅にある不用品などを処分(売却)して資金を工面することなどが有効な資金確保の方法となります。

絶対に行ってはならないのが、消費者金融や闇金などからの新たな借入です。現在返済が滞っている状況で新たな借金を行うと、新たな借金トラブルを招くだけでなく、最終的には自己破産しか選択肢が残されていない、といった状況に陥ることも考えられます。

もし残債の一括請求が難しい場合は、至急弁護士に相談し、債務整理を行うようにしてください。

②債務整理を行う

もし残債の一括返済が難しい場合は、債務整理を行うことが有効な選択肢です。

債務整理を行うことで、以下のメリットが得られます。

  • 強制執行(給与や財産の差し押さえ)を回避できること
  • 分割での返済が認められること
  • 残債の減額ができること(もしくはゼロにできること)
  • 取立てや返済を一時的にストップできること

信用情報に傷がつく点がデメリットといえますが、一括請求を受けた時点でほぼ確実に信用情報が傷ついているので、実質的にデメリットはないでしょう。

また、連帯保証人にも請求がいきますが、一括返済をできない場合も請求がいくのでこの点も同様です。

連帯保証人に移る債務の内容
債務整理 連帯保証人への負担
任意整理 連帯保証人に借金の返済義務が移る(一括請求が基本)
個人再生 減額分を連帯保証人が負担
自己破産 連帯保証人に借金の返済義務が移る(一括請求が基本)

また、機関保証で奨学金を借りている方は、債務整理をしても身内などに債務が移ることはありません。

支払いが厳しい、一括請求が来たあとの再分割等が認められない、などの事情があるときは今すぐ弁護士へ相談してください。

いつ裁判所からの支払督促が届くかわからないですし、もし届いているのであれば、わずか2週間しか期限はないので危機感を持って対応しましょう。

まとめ

今回は、奨学金の一括請求を無視したらどうなるのか?差し押さえを回避するためにはどうしたら良い?についてお伝えしました。奨学金の一括請求を無視し続けていると、そう遠くない時期に裁判所からの「支払督促」が届きます。

裁判所から届く支払督促は強制執行の一歩手前、かなり危険な状態です。万が一、一括請求や支払督促、差し押さえの開始、いずれかがあったときは直ちに弁護士へ相談してください。本当に手遅れになる前に対処しなければ、今後の人生を大きく狂わす原因になります。

奨学金の一括請求が来た時点で原則は一括返済のみです。今まで奨学金の返済ができていなかったのに、一括で返済できるわけがありません。「どうせ支払えないから」と言って放置していると、自分で自分の首を絞める結果になるでしょう。

一括請求まで来てしまったのであれば、自分での対処は難しいと思い、専門家(弁護士)に依頼して解決してもらうのが良いです。債務整理を含めた解決方法を提案してくれるでしょう。

奨学金一括請求に関するQ&A

奨学金の一括請求が来てしまいました。このまま無視していたらどうなってしまいますか?

今までよりもさらに厳しい取り立てを受ける可能性があります。また、最終的には強制執行が行われ、あなたの財産や給与を差し押さえられるようになるでしょう。

奨学金をどうしても返済できないときは電話をすれば待ってもらったり分割を認めてもらえたりしますか?

一括請求が来ている現在、電話をかけたところで相談に乗ってもらえる可能性は極めて低いです。しかし、誠心誠意対応することで支払猶予や再分割を認めてもらえる可能性も残っています。まずは、日本学生支援機構へ相談してください。

差し押さえを回避する方法はありますか?また、現在差し押さえが始まっているのですが、止める方法はありますか?

差し押さえを回避する方法は奨学金を一括で返済するか、弁護士に相談をして債務整理をするしか選択肢はありません。また、差し押さえが始まっていても債務整理で止められます。詳しくは本文でお伝えしているので参考にしてください。

奨学金は債務整理の対象になりますか?

奨学金は借金ですので、債務整理の対象になります。ただし個人再生の場合は残債が減額される代わりに減額分が連帯保証人へ請求されてしまいます。また、自己破産は残債が無くなる代わりに残債全額が連帯保証人へ請求されてしまいます。請求された残債または減額分を連帯保証人が一括返済できない場合は、連帯保証人も債務者同様に債務整理が必要です。

債務整理とはどのようなものですか?

債務整理は、利息や元金をカットし返済総額を大幅に減らせる国が認めた借金救済制度です。債務整理には複数の方法があり、どの方法が適しているかは個人によって異なるので、法律事務所へ直接相談して確認するとよいでしょう。

阿部 由羅
所属事務所
ゆら総合法律事務所
所属弁護士会
第二東京弁護士会
登録番号
54491
経歴

東京大学法学部卒業・同法科大学院修了
2016年12月 弁護士登録(69期)
2016年12月~2019年12月 西村あさひ法律事務所(不動産・金融・一般企業法務など)
2020年1月~2020年10月 外資系金融機関法務部
2020年11月 ゆら総合法律事務所 開設

弁護士登録後、西村あさひ法律事務所入所。不動産ファイナンス(流動化・REITなど)・証券化取引・金融規制等のファイナンス関連業務を専門的に取り扱う。民法改正・個人情報保護法関連・その他一般企業法務への対応多数。

同事務所退職後は、外資系金融機関法務部にて、プライベートバンキング・キャピタルマーケット・ファンド・デリバティブ取引などについてリーガル面からのサポートを担当。

弁護士業務と並行して、法律に関する解説記事を各種メディアに寄稿中。

重すぎる債務は、生活を大きく圧迫するだけでなく、精神的にも大きな負担となってしまいます。完済の見込みがつかない借金を返し続けるよりも、一度債務整理を行い、経済的にも心理的にも新たにスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
債務整理を行う際には、債務者の方のご状況やニーズに合わせた手続きの選択や対応が必要になります。困難な状況に陥ってしまった方でも、債務の問題を解決するための糸口はきっと見つかります。円滑な債務整理を実現するために、弁護士として親身になってサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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