自営業で借金まみれ!事業継続と借金解決を両立する方法について

自営業を営んでいますが、借金が膨らんでしまい返済できる見込みがありません。何かよい解決策はないでしょうか?


まずは売上・経費・生活費・返済を整理して、現状を把握することが大切です。もし売上から経費+生活費を引いてマイナスになる状況なら、廃業して別の仕事に就くことも検討した方がよいかもしれません。
計算したところ、僅かですが売上が経費+生活費を上回っています。この場合も、廃業しなければならないでしょうか?


売上が経費+生活費を上回っているなら、借金の負担を軽減できれば事業を続けられる可能性があります。弁護士・司法書士事務所へ依頼して債務整理をすると、借金の負担を大幅に減らせるので、ぜひ相談してみてください。
自営業を営んでいると、運転資金として借金をしている人もいます。
毎月無理なく返済できていて、残債が確実に減っているなら問題ありませんが、なかには事業の利益だけでは返済が追いつかず、際限なく借金を繰り返している人も珍しくありません。
もし、あなたが借金返済のために新たな借金を繰り返し、借金まみれの状況に陥っているなら、まずは売上・経費・生活費・返済を整理しましょう。
そのうえで弁護士・司法書士事務所へ相談し「今後、事業を継続するのか?廃業するのか?」自分の希望を伝えたうえで、専門家である弁護士や司法書士にアドバイスをもらうのがおすすめです。
借金の返済負担が減れば事業を続けていけるケースも多いので、諦めずまずは弁護士・司法書士事務所へ相談してください。
当サイトでは、全国対応&24時間無料相談できる弁護士・司法書士事務所を紹介しているので、ぜひ気軽に利用してください。

- 借金まみれの自営業者はまず「売上・経費・生活費・返済を整理する」とよい。
- 自営業を続けたまま債務整理するなら任意整理か個人再生を選ぶとよい。
- 自営業を辞めて廃業するなら自己破産を選ぶとよい。
借金まみれの自営業者がまずやるべきこと
自営業を営んでいる人で、金融機関から運転資金を借りて事業をしながら返済している人は少なくありません。
このように借金をしていても、順調に返済できていて残債が減っているなら何の問題もないでしょう。
しかし、事業の利益だけでは返済が追いつかず、借金返済のために新たな借金を繰り返し「借金まみれ」になっているなら、既に事業の継続が難しい状況に陥っているかもしれません。
まずは現状を整理し「このまま自営業を続けていくのか?廃業するのか?」を決断する必要があります。
次の項目から、自営業者が借金まみれになっていると気づいた時、まず初めにやるべきことについてお伝えしますので、参考にしてください。
売上・経費・生活費・返済を整理する
自営業を営んでいて、自分が借金まみれになっていると気づいたら、まずは現状を整理することが大切です。
具体的には、以下の4つの項目について月ごとに整理するとよいでしょう。
- 売上
- 経費
- 生活費
- 返済
まずは自営業でいくら利益を上げているかを調べるために、経費や生活費などを引く前の「売上」がいくらあるか計算しましょう。
次に経費ですが、整理する際は同業者以外が見ても「何にいくら使っているか」が分かるように、できるだけ具体的な項目に分けておくことが重要です。
例:美容室を経営している場合
シャンプー・カラー剤 | ●●円 |
---|---|
内装工事費 | ●●円 |
シャンプー台購入 | ●●円 |
例:ライター業を営んでいる場合
交通費(ガソリン代) | ●●円 |
---|---|
紙・インク代 | ●●円 |
電話取材時の通信費 | ●●円 |
生活費には、事業に必要な経費以外の私生活で必要な費用が入ります。
こちらも「何にいくら使っているか」が分かりやすいように、できるだけ細かい項目に分けておくとよいでしょう。
家賃・住宅ローン | ●●円 |
---|---|
食費 | ●●円 |
光熱費 | 電気●●円 ガス●●円 水道●●円 |
通信費 | 携帯●●円 ネット代●●円 |
もし、経費と生活費で被っている部分があるなら、どちらかに含めれば問題ありません。
最後に今現在、金融機関へ月いくら返済しているのか計算しましょう。
整理する際は、借入先の金融機関やローンの名称ごとに、残債や月返済額を計算してください。
ここまで説明した内容について、エクセルなどで表を作り直近3ヶ月程の金額を記載すると、事業や借金の現状についてかなり明確に把握できます。
売上から経費・生活費を引いてプラスになるなら債務整理を検討する
売上・経費・生活費・返済を整理し現状を把握できたら「今現在、事業でいくら利益を上げられているのか」計算しましょう。
利益を計算するには、ひとまず返済のことは置いておいて、売上から経費・生活費を引いた金額を計算します。
利益を計算した結果、売上が経費+生活費を上回りプラスになっているなら、借金の負担さえ軽くなれば今後も自営業を続けていける可能性があります。
よって、利益がプラスになる場合は、債務整理を検討しましょう。
債務整理とは国が認めた借金救済制度で、利息をカットしたり借金総額を大幅に減らせるなど、合法的に借金の負担を減らす手続きの総称です。
債務整理にはいくつか種類があり、特に自営業者の債務整理は、借入状況や資産状況などによって最適な方法が大きく変わるため、弁護士・司法書士事務所へ直接相談するのがおすすめです。
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売上から経費・生活費を引いてマイナスになるなら廃業を検討する
もし、利益を計算した結果、売上が経費+生活費を下回りマイナスになっているなら、借金がなくなったとしても自営業を続けていくのが難しい可能性が高いです。
そのような場合は、廃業して別の仕事で収入を得ながら生活することを考えた方がよいかもしれません。
廃業する場合、機材や在庫商品などを売却して残った借金を返済するのが一般的ですが、そのような資産を売却しても借金を完済できないケースは珍しくありません。
そのため、廃業する場合もやはり弁護士・司法書士事務所へ債務整理の相談をするとよいでしょう。
債務整理の中には、借金の返済義務を全額免除してもらえる方法もあるので、条件を満たせば借金をゼロにすることも可能です。
自営業を続けたまま債務整理するなら任意整理か個人再生
今後も自営業を続けていくなら、借金返済のために新たな借金を繰り返すのはやめて、債務整理で借金の負担を軽減しましょう。
無理なく返済できるレベルまで借金の負担を減らせれば、借金まみれの現状から抜け出せます。
なお、自営業を続けたままできる債務整理の方法は、以下の2つです。
- 任意整理
- 個人再生
どちらの方法が適しているかは、借入状況や資産状況などにより異なるので、次の項目から紹介する各方法の特徴を参考に、検討してみてください。
任意整理なら整理する債権者を選べる
任意整理とは、弁護士や司法書士が各債権者と交渉して、今後支払うはずの利息をカットや減額し、元金を3~5年で分割返済する方法です。
任意整理の最大の特徴は、整理の対象とする債権者を1社ごとに選べるところです。
そのため、例えばどうしても迷惑をかけたくない取引先などが債権者に含まれてしまう場合などは、任意整理を選び取引先を対象から外すことで、迷惑をかけず手続きできるのです。
また、一部の借金に自宅や店舗などを担保として設定している場合は、担保を設定している借金を対象から外すことで、担保になっている建物などを手放さずに済みます。
ただし、任意整理の対象から外した借金については、今までどおり返済していく必要があるので、月々の返済額の合計を計算して無理なく返済できるかどうかよく検討してください。
くわえて、任意整理は3~5年という長い期間をかけて返済する手続きなので、滞納せずに返済できるかどうかしっかりとシミュレーションすることも大切です。
個人再生なら借金を大幅に減らせる
個人再生とは、住宅やローン完済済みの車など大きな資産を手元に残したまま、借金総額を概ね以下のように圧縮して3~5年で分割返済する方法です。
借金総額 | 最低弁済額 |
---|---|
100万円未満 | 借金総額 |
100万円以上~500万円以下 | 100万円 |
500万円超~1,500万円以下 | 借金総額の1/5 |
1,500万円超~3,000万円以下 | 300万円 |
3,000万円超~5,000万円以下 | 借金総額の1/10 |
利息しか減らせない任意整理とは違い、個人再生は元金も大幅に減らせるため、借金の負担を軽減する効果は高いといえます。
一方で、個人再生は裁判所を介しておこなう手続きであり、任意整理より手順が複雑で膨大な必要書類を集めなければなりません。
よって、個人再生は任意整理をしただけでは返済が苦しいままで、自営業を続けていくのが難しい場合に、次の手段として検討するとよいでしょう。
債務整理後は融資を受けず事業を継続できることが条件
任意整理と個人再生という2つの方法を紹介しましたが、どちらを選ぶにしても、債務整理後は融資を受けずに事業を継続できることが条件になります。
任意整理や個人再生をすると、その情報が事故情報として信用情報に掲載されます。
金融機関は融資の際に必ず信用情報を確認し、事故情報が載っている人に融資することはありません。
そのため、事故情報が削除されるまでの間、つまり債務整理後5~10年間は、融資を受けず自営業を続けていく必要があるのです。
以下の記事では、フリーランスとして働いている場合に債務整理が事業に与える影響などについて詳しく解説しているので、併せて参考にするとよいでしょう。
返済が終わるまでは副業収入で補填することも検討する
自営業を続けたまま任意整理や個人再生などの債務整理をする場合、返済期間中はどうしても資金繰りが苦しいという人もいるでしょう。
しかし、前述したとおり債務整理後はしばらく融資を受けられないので、足りない分は副業をして補填するのがおすすめです。
会社員と違い、自営業者の場合は勤務先に副業を禁止される心配もありませんし、比較的時間の融通がきく人も多いでしょう。
例えば、平日のみの仕事をしているなら、土日のみ勤務できる引越業者のアルバイトなどがあります。
また、自宅で空いた時間を利用してアルバイトするのであれば、データ入力やシール貼りなどの在宅でこなせる仕事も選択肢の一つです。
労働時間が短い仕事をしている場合は、1日3~4時間程度だけ勤務できるコンビニのアルバイトなどとの掛け持ちを検討してもよいでしょう。
自営業を辞めて廃業するなら自己破産
現状、売上が経費+生活費を下回り、今後も売上が伸びる見込みがないのなら、正直にいって今おこなっている事業自体が借金の原因となっている可能性が高いです。
その場合、廃業して残った借金を債務整理で解決することが、借金まみれの現状から抜け出すうえで有効な方法といえます。
前述したとおり、債務整理にはいくつか種類がありますが、廃業する場合は最も借金の負担が軽くなる自己破産がおすすめです。
自己破産とは、20万以上の価値ある資産を手放す代わりに、借金の返済義務を全額免除してもらえる方法です。
なお、自己破産で解決できるのは個人事業主のみで、法人経営者の場合は法人破産となる可能性もあります。
法人破産の場合、手続費用が自己破産よりも高額になることが多いので、依頼前に弁護士・司法書士事務所によく確認することが大切です。
自己破産するなら先に次の就職先を確保しておこう
もし、廃業して自己破産で借金をゼロにしたいと考えているなら、自己破産の手続きを開始する前に、次の就職先を確保しましょう。
自己破産をすれば借金はゼロになりますが、自己破産の手続費用を分割で支払わなければなりませんし、自己破産後に生活を立て直すためにも廃業後すぐ仕事に就く必要があるのです。
なかには「自己破産したら仕事に就けなくなるのでは」と考える人もいるかもしれませんが、自己破産によって制限を受ける職業は限られており、多くの場合問題なく就職できます。
気になる人は、以下の記事で自己破産の資格制限について詳しく解説しているので、参考にしてください。
まとめ
自営業者が借金まみれの現状から抜け出すには、まず売上・経費・生活費・返済を整理することが大切です。
そのうえで、債務整理で借金の負担を軽減し事業を継続するのか、廃業して自己破産で借金をゼロにするのか検討してください。
会社員などと比べて、自営業者の借入状況や資産状況は複雑なことが多く、自力で整理するのが難しいなら弁護士・司法書士事務所へ一度相談するとよいでしょう。
借金問題の専門家である弁護士や司法書士から、アドバイスをもらえます。
当サイトでは、全国対応&24時間無料相談できる弁護士・司法書士事務所を紹介しているので、ぜひ気軽に相談してください。
自営業者の借金でよくある質問
まずは売上・経費・生活費・返済を整理し、現状を把握しましょう。そして借金の金額などに応じて任意整理・個人再生・自己破産の中から最適な方法を選択するとよいでしょう。自力での判断が難しい場合は、法律事務所へ相談するのがおすすめです。
まずは任意整理や個人再生で借金の負担を減らし、事業を継続できないか検討しましょう。もしそれらの方法でも借金返済が困難なら、自営業を辞め自己破産することも視野に入れるとよいでしょう。
廃業を考えているなら、残った借金は自己破産でゼロにすることも可能です。自己破産を利用するための詳しい要件については、個々の状況により変わることもあるので、法律事務所へ直接相談するとよいでしょう。
本当です。債務整理後5~10年は融資が受けられなくなると考えてください。
自己破産によって制限を受ける職業はごく一部です。資格制限のある仕事以外なら、問題なく就くことができます。

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