カードローンの一括請求が来た!今どんな状態なのか?
カードローンの一括請求は、訴訟の一歩手前です。
既に何度も督促を受けても支払わなかったため、カードローン会社からの最終通告を受けたということです。
どこから一括請求を受けているかによって深刻度は異なります。以下で今のあなたがどんな状態にいるのかを確認しましょう。
カードローン会社からの一括請求は「期限の利益の喪失」
カードローン会社から一括請求の通知が届いたら、あなたは既に「期限の利益」を喪失しています。
「期限の利益」とは、分割で債務を支払うことができるという、債務者側の利益です。期限の利益を喪失すると分割払いができなくなり、一括で支払わなければなりません。
通常は2回支払い義務を怠ると期限の利益を失い、一括請求を受けてしまいます。最初の借入時に結んだ契約書には、必ず期限の利益喪失条項があるはずです。
期限の利益を喪失すると、今まで支払い日の猶予を受けていた将来の支払い分がまとめて請求されてしまいます。
サービサーからの一括請求は「裁判手続きの予告」
カードローン会社からではなく、サービサー(債権回収会社)から一括払いの請求が来た場合、訴訟手続きが迫っていると考えていいでしょう。
カードローン会社は、債務の支払いが見込めない、または長期化すると、サービサーに回収業務を委託したり、債権を譲渡したりします。
サービサーは債権回収のプロフェッショナルです。債権回収を業とする会社なので、債権回収のために訴訟手続きや差し押さえをすることに抵抗はありません。
サービサーに債権譲渡されると、裁判手続きが近いといっていいでしょう。
裁判所からの一括請求は既に債権者から訴訟提起されている状態
債権者から訴訟を提起されると、裁判所から通知が届きます。
債権者が訴訟提起すると、裁判所が訴状をチェックして問題がなければ、被告として指名されたあなたに訴状を送ってきます。
訴状ではなく、支払督促の申立書が届くこともありますが、どちらも訴えられたという事実に変わりはありません。支払督促は訴状より簡便な手続きで、小口を回収したい貸金業者によく利用される方法です。
既に裁判手続きに移行している場合は、任意の交渉が難しくなります。この時点で弁護士に相談すれば、差し押さえだけは避けられるかもしれません。
ワンポイント解説
一括請求を受けた時点でブラックリスト入りしている
ブラックリストに載りたくないから債務整理はしたくない、という方もいるでしょう。
しかし、一括請求を受けた時にはすでに信用情報機関に事故情報が報告されています。つまり、ブラックリスト入りして信用情報にキズがついている状態です。
信用情報にキズがつくと、他のカードも更新や途上与信の際に金融事故が発覚し、順番に利用停止になります。
そのため、どこかの貸金業者から借りた金額で一括請求に対応しようとしても、どこからも借りられない可能性があります。
以上のように、一括請求を受けたということは、既に期限の利益を失って訴訟手続きの直前か、もしくは既に訴訟提起された後だということがわかりました。
分割でも支払えないのに、一括払いなどできるわけないと思うかもしれません。
しかし、払えないからといってカードローンの一括請求を無視してしまうことには、大きなリスクがあります。
次章で、一括請求を無視した場合にあなたに起こりうるリスクについて解説します。
カードローンの一括請求を無視するリスク
カードローンの一括請求を払えないからといって無視すると、以下のリスクが発生します。
- ペナルティとして遅延損害金が加算され
- 加算された金額を支払うよう訴訟提起を受け
- 自分の財産を差し押えられる
この流れは避けにくいでしょう。
①遅延損害金が加算され続ける
カードローンを滞納すると、翌日から利息の代わりに遅延損害金が加算されます。
遅延損害金は滞納に対するペナルティの意味があるため、通常の利息より高く設定されています。
そのため、遅延損害金が発生し始めると、借金額は膨らみやすくなってしまいます。
②訴訟を起こされる
一括請求が来ても払えないからといって無視すると、訴訟を提起されたり支払督促を申し立てられたりする可能性が高くなります。
カードローン会社としては、任意で何度請求しても応じないため、訴訟提起をするしかないからです。
一括請求を受けるまでには、カードローン会社から何度も請求や督促があったはずです。カードローン会社は電話や郵便など、費用と労力をかけて請求を続けてきています。
訴訟提起されたら、勝てる要素はありません。滞納していることに間違いはないからです。
元本に遅延損害金が全額加算されて大きく膨らんだ額を、全額認める判決が出るでしょう。
③給料や銀行口座を差し押さえられる
判決が出たら、それにもとづいて債権者から強制執行を申し立てられる可能性が高いでしょう。
強制執行ではあなたの給料や銀行口座が差し押さえ財産として狙われます。カードローン契約時に記載した勤務先に今も引き続き勤務している場合は、すぐに差し押さえられてしまうでしょう。
ワンポイント解説
<差し押さえから逃げにくい理由>
差し押さえをおこなうには、債権者側が債務者の財産を指定して強制執行を申し立てます。そのためには、相手の給料や銀行口座、自宅やその他の財産のありかを調べなければなりません。
しかし、カードローン会社は最初の契約の際、契約者の勤務先を記載させたうえで審査します。そのため、契約者が転職をしていない限り、簡単に給料差し押さえをすることができます。
また、2020年の民事執行法改正により、財産開示請求の手続きが見直されました。
1度目の給料差し押さえが転職や失業などを理由に空振りに終わった場合、債権者は裁判所に「財産開示請求」を申し立てることができます。
財産開示請求が申し立てられると債務者は出頭して自分の財産状況を開示しなければなりません。正当な理由なく拒むと、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。(民事執行法第213条1項5号及び6号)
民事執行法の改正により、債務者の「逃げ得」が通用しにくくなっています。
カードローンの一括請求を受けたときの対処方法
一括請求をされたけれど到底支払えず、かといって訴訟提起や差し押さえは避けたい、このような場合、とるべき手段は2つあります。
自分で債権者と交渉するか、専門家に依頼して交渉してもらうかです。
①カードローン会社に連絡して分割払いの交渉をする
まずはカードローン会社に連絡し、分割払いにしてもらえないか交渉してみましょう。
期限を決めての一括請求は、債権者の最終通告です。誠実に対応しなかった場合、裁判手続きに移行することは避けられないでしょう。
交渉するなら、なるべく早く連絡することが大切です。できれば訴訟提起される前には交渉を開始しましょう。
遅くなればなるほどカードローン会社との交渉は困難になります。
②弁護士などに債務整理を依頼する
カードローン会社から一括請求を受けたら、なるべく早く弁護士や司法書士に債務整理の相談をしましょう。
訴訟手続きになれば、反論の理由がないため、弁護士でも相手の主張を覆すことは難しくなるからです。
特にサービサーから通知が届いている場合は、裁判手続きまで猶予がありません。
訴訟提起前に債務整理を依頼しよう
カードローン会社から一括請求を受け、期限までに全額支払えない場合には、できるだけ早く弁護士や司法書士に相談しましょう。
訴訟を提起されてからだと選択肢が限られてしまいます。
訴訟提起前なら訴訟や強制執行を回避できる
訴訟提起前に弁護士などに債務整理を依頼すれば、訴訟提起や強制執行を回避できるでしょう。
弁護士などが、分割弁済和解を再締結できるよう、任意でカードローン会社と交渉するからです。
弁護士は、今まで発生した遅延損害金やこれから発生する利息を免除した内容で分割弁済できるよう、債権者と交渉します。
カードローン会社も、以下のような理由から任意整理には柔軟に応じてくれます。
- 弁護士が間に入って和解を締結していること
- 債務者が既に全額一括払いが難しい状況であること
- 破産されてしまうよりは少しでも回収できる方が会社側の利益になること
ただし、訴訟提起などの裁判手続きに移行してからでは弁護士でも交渉が難しくなります。債権者側も、訴訟提起をしてしまえば判決をとって給与などから強制的に回収できるからです。
訴訟提起前に弁護士に債務整理を依頼すれば、強制執行を免れ、返済負担の少ない分割和解を締結することができるでしょう。
弁護士が交渉や対応を全て代わりに行ってくれる
債務整理では、専門家である弁護士や司法書士があなたを代理して債権者と交渉します。
弁護士などが代理人に選任されると、債権者は代理人を介さない債務者への直接連絡が禁止されます。当然、督促状も届かなくなり、督促電話もかかって来なくなります。
債権者からの連絡がないだけでも、精神的な負担は大きく減るでしょう。
和解交渉も全て、弁護士があなたの代わりにおこないます。弁護士は交渉のプロフェッショナルなので、安心して任せることができるでしょう。
債務整理の3つの種類とその減額効果
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産という3つの手段があります。
任意整理
任意整理は弁護士が任意に債権者と交渉して遅延損害金や将来利息をカットして分割弁済和解を目指す方法です。
任意整理ができる方の条件は、以下の2点です。
- 安定した定期収入があり、返済が持続できる
- 債務総額が3~5年程度の分割払いで支払える金額か
ただし、任意整理では基本的に元本部分はカットできません。
個人再生
借金の額が多く、利息のカットだけでは返済しきれない場合は、個人再生という方法が選択できます。
個人再生とは、裁判所に申し立てることで、元本を5分の1程度までカットする方法です。債務額によって減額率が異なり、500万円の場合は、100万円まで減額できます。
この手続きを利用するためには以下のような条件があります。
- 継続、安定した収入があること
- 債務総額が5,000万円以下であること
この条件を満たしたうえで裁判所に申し立て、債権者の賛成を得ることで、元本を5分の1程度までカットすることができます。
自己破産
自己破産は自分の財産と引き換えに、債務を免除してもらう手続きです。払いきれない額の債務を負ってしまった場合に、裁判所に申し立てることで債務免除の許可を得られます。
弁護士などに相談し、あなたの債務状況や収入状況にあった方法を選びましょう。
債務整理のデメリット
債務整理には以下のようなデメリットもあります。
- 信用情報にキズがつき、5年から10年程度新規の借り入れ、カードの発行、使用などができない(申し込んでも審査が通らない)
- 任意整理、個人再生は確実に分割払いができるだけの継続・安定した収入が必要
- 誰かに知られてしまう可能性は否定できない
- 自己破産では自分の財産を手放す必要がある
- 自己破産には一定の職業制限がある
「こんなはずではなかった」とならないよう、弁護士から詳しく話を聞きましょう。
訴訟提起されてしまったら請求を退けるのは困難
既に訴訟提起をされてしまっている場合、相手の請求を退けることは難しいでしょう。
支払っていない事実に変わりはなく、反論の余地がないからです。これは弁護士が途中から代理人として訴訟に参加しても同じです。
ただし、弁護士が代理人につくことで、訴訟外で債権者と交渉して和解を締結し、債権者に訴訟を取り下げてもらえる可能性もあります。
しかし、判決が出たら、債権者は不利な条件を飲んでまで債務整理に協力する必要がなくなります。給料や預貯金などを差し押さえてそこから回収すればいいからです。
訴訟手続きに入ってしまったら債権者の勝訴判決を覆すことは難しいため、債務整理はできれば訴訟提起前、遅くとも判決が確定する前に依頼しましょう。
まとめ
カードローンの一括請求を受けたら、すぐに弁護士や司法書士に相談して債務整理手続きを始めることをおすすめします。
カードローンの一括請求を受けても無視した場合、訴訟を提起され、給料や銀行口座などの財産差し押さえを受ける可能性があるからです。
訴訟提起されると、反論することは弁護士でも難しいでしょう。
自分でカードローン会社に分割弁済にしてもらうよう交渉することもできます。しかし、弁護士などの専門家が代理で交渉すれば、遅延損害金や利息をカットした有利な条件で和解できる可能性があります。
一括請求を受けた時点で、既に信用情報にキズがついている状態です。ブラックリストに載りたくないからという理由で債務整理を避けるのは意味がありません。
カードローンの一括請求を受けたら、訴訟提起までそう時間がありません。なるべく早く債務整理手続きを開始しましょう。
カードローンの一括請求を受けたら|よくある質問
滞納からどのくらいで一括請求を受けますか?
カードローン会社に連絡をせずに滞納を続けると、2~3ヵ月程度で一括請求を受けることが多いでしょう。
期限の利益を喪失すると、一括請求を受けます。期限の利益喪失条項は最初の契約に定められているので一度確認をしてみてください。
カードローン契約の場合、2ヵ月以上滞納すると期限の利益を喪失するという内容になっていることが多いでしょう。
一括請求を受けたら、自分で交渉して分割弁済にしてもらうことは難しいでしょうか?
事情によっては分割弁済に応じてもらえる可能性もあります。分割払いに応じてもらえたとしても、リボ払いになる可能性が高く、15%程度の利息がかかります。
ただし、既に滞納をして時間が経過しており、その間ずっと請求を無視し続けていた場合には、信頼できない顧客だと思われている可能性が高く、交渉は難航する可能性があります。
一括請求を受けて支払えないと、どのくらいで訴訟提起されますか?
いつ訴訟提起するかは債権者次第なので、はっきりしたことはわかりません。債権者によっては手続きに時間がかかる可能性もあるからです。
ただし、不誠実な顧客だと任意での話し合いが難しいとみなされ、訴訟提起が早くなる可能性もあります。
債務の額はあまり関係ありません。今は債務が少額でもネット上から簡単に支払督促を申し立てられるからです。
また、サービサーに債権が移っている場合は訴訟提起が早くなるので注意が必要です。
最短即日取立STOP!
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