債務整理なら借金負担を大幅に減額できる
借金を大幅に減額する方法としては「債務整理」が挙げられます。
債務整理とは、借金問題を解決するための手続きです。近年インターネットの広告などでは「国が認めた借金救済制度」「借金減額措置」などと呼ばれる場合もあります。
簡単に借金を減額できるような内容の広告もみられるため、債務整理は怪しい方法ではないのかと考える人もいるかもしれません。
しかし債務整理は弁護士や司法書士、場合によっては裁判所を介した手続きであり、借金問題を解決するための正当な方法です。
債務整理は弁護士や司法書士に依頼をするのが一般的で「任意整理」「個人再生」「自己破産」の手続きがあります。
手続き
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概要
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任意整理
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返済条件を見直してもらうために債権者と交渉をする手続き
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個人再生
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借金自体を1/5〜1/10程度に減額するための手続き
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自己破産
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借金を帳消しにするための手続き
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債務整理のいずれの手続きも、借金の返済が苦しい状況を改善できる手続きです。そのため、借金の負担が大きく「借金を減らしたい」と考えているのであれば、債務整理を視野に入れてみてください。
ここからは、債務整理の各手続きについて、概要やメリット・デメリットを詳しく解説します。
任意整理なら利息をカットしたうえで元本のみの返済になるのが一般的
任意整理とは、弁護士や司法書士が裁判所を介さず、返済条件を見直してもらえるように債権者と直接交渉をする手続きです。返済条件がどのように変更されるかは交渉次第ですが、将来利息や遅延損害金をカットしたうえで、3〜5年で元金を完済するように見直されるのが一般的です。
借金自体が減ることはありませんが、利息のカットが認められれば返済総額を減らせます。たとえば、以下の条件で任意整理をした場合、返済総額は次のようになります。
◯返済シミュレーションの条件
- 借入額:100万円
- 毎月の返済額:5万円
- 適用されている金利:年15.0%
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任意整理後
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任意整理前
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完済までの年数
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20か月
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24か月
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総額
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100万円
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1,157,936円
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このように将来利息をカットしつつ元本のみを返済していくのが一般的なため、任意整理は「借金の元本だけなら返済できる」という場合に向いています。
ここからは、任意整理のメリットとデメリットを解説するので、利用を検討している場合は参考にしてください。
任意整理のメリット
任意整理の主なメリットは、以下のとおりです。
- 元本のみの返済に見直されるのが一般的
- 利息がカットされれば毎月の支払額を抑えられる
- 返済期間を再調整してもらえる
- 任意整理する借金を自分で好きに選べる
- ほかの債務整理手続きよりも家族や会社などに知られるリスクが少ない
前述したように、任意整理をすれば、元本のみの返済に見直されるのが一般的です。その場合、利息を抑えられるので返済総額も減り、結果的に月々の返済額を減らせるメリットがあります。
また「複数社のうち最も金利が高い借入先のみ任意整理をしたい」というように、対象とする借金を自分で選べるのも任意整理のメリットです。
なお、ほかの債務整理手続きは裁判所を介す必要があるため、家族や勤務先に借金問題を知られてしまうリスクがあります。一方、任意整理は裁判所を介さない手続きのため、周囲の人に借金問題を知られるリスクが低いといえます。
任意整理のデメリット
任意整理には以下のようなデメリットがあります。
- 元金を完済する必要があるため、安定した収入が必要
- 必ず和解できるとは限らない
任意整理をしても元金がなくなることはありません。そのため「安定した収入がある」など、完済できる状況であることが手続きの条件となります。
また、任意整理は債権者と交渉をする手続きのため、交渉が成立しなければ返済条件が見直されることはありません。必ず和解できるわけではないことも、任意整理のデメリットの1つといえます。
個人再生なら借金自体を1/5〜1/10程度に減らせる
個人再生とは、裁判所を介して手続きを行い、借金自体を1/5〜1/10程度に減額するための手続きです。任意整理とは異なり、個人再生は借金の元金を減らすことが可能です。
たとえば、借金が100万円ある場合に個人再生をすると、基本的には10万〜20万円程度まで減額できます。
ここからは、個人再生のメリットとデメリットを解説するため、利用を検討している場合は参考にしてください。
個人再生のメリット
個人再生の主なメリットは、以下のとおりです。
- 借金自体を減らせる
- 借金の理由に制限がない
- 住宅ローン特則が認められれば住宅を残せる
個人再生のメリットには、前述したように借金自体を1/5〜1/10程度に減らせることが挙げられます。
また、自己破産の場合、借金の原因が「免責不許可事由」に該当すると返済の免除が認められません。一方、個人再生であれば借金の理由に関わらず、原則手続きを行えるメリットがあります。
なお個人再生をする場合、住宅ローン特則が適用されれば、抵当権がついている住居を手放さずに手続き可能です。
個人再生のデメリット
個人再生には以下のようなデメリットがあります。
- 個人再生をした後も借金を返済しなければならない
- 連帯保証人を立てている場合はその人に返済義務が生じる
- 裁判所を介した手続きであるため、手間や時間がかかりやすい
- 官報に自分の情報が掲載される
個人再生は借金を減額するための手続きのため、借金がすべてなくなるわけではありません。そのため個人再生をした後も借金返済をする必要があります。また連帯保証人を立てている場合は、その人に返済義務が生じます。
さらに個人再生は、裁判所を介した手続きであるため、手間や時間がかかりやすいデメリットもあります。
自己破産なら借金を帳消しにできる
自己破産とは、抱えている借金を帳消しにできる手続きです。金融機関だけでなく、個人間での借金や奨学金も自己破産の対象になります。
借金が帳消しになるため、自己破産をすれば今後返済の必要はありません。返済負担をなくせるため「借金が減ったとしても返せる見込みがない」という場合に検討するとよいでしょう。
ここからは、自己破産のメリットとデメリットを解説するため、利用を検討している場合は参考にしてください。
自己破産のメリット
任意整理の主なメリットは以下のとおりです。
- 借金の返済が原則なくなる
- 任意整理や個人再生ができない場合でも手続きできる
自己破産の最大のメリットは、借金が帳消しになることです。手続きをすれば、原則借金の返済をする必要がありません。
また任意整理や個人再生は、手続き後も返済が必要なため、安定した収入がなければ手続きできないケースがあります。一方、自己破産であれば今後の返済が免除されるため、収入にかかわらず手続きが可能です。
自己破産のデメリット
自己破産には以下のようなデメリットかあります。
- 自動車や持ち家などの財産を処分しなければならない
- ギャンブルや浪費などが理由の場合は、免責不許可事由に該当する場合がある
- 士業の場合は一時的に資格が制限される
- 保証人を立てている場合はその人に返済義務が生じる
- 官報に自分の情報が掲載される
- 裁判所を介した手続きであるため手間や時間がかかりやすい
自己破産のデメリットには、財産が差し押さえられることが挙げられます。具体的には「価値がある不動産や動産」「20万円以上の資産」「99万円を超える現金」などの財産が対象になります。
持ち家や自動車なども差し押さえ対象になるため、手続き後は自分だけでなく家族にも影響が生じる方法ともいえるのです。
また借金の理由がギャンブルや浪費などの場合は、免責不許可事由に該当し、自己破産ができない場合があります。
なお宅地建物取引士や司法書士などの場合は、資格制限があるため、仕事ができなくなる可能性もあるでしょう。
さらに自己破産後は、内閣府発行の「官報」に自身の名前や住所などの情報が掲載されます。一般の人が官報を確認しているケースは稀ですが、確認された場合は自己破産したことを知られてしまうのもデメリットの1つです。
このように債務整理のうち、自己破産は最もデメリットが多い手続きといえます。そのため、自己破産をする際には、より慎重な判断が必要です。
債務整理をするといわゆる「ブラックリスト入り」になる
ここまでで解説したように、債務整理の各手続きには、さまざまなデメリットがあります。さらに、債務整理の各手続きに共通するデメリットとして、いわゆる「ブラックリスト入り」になる点についても覚えておいてください。
前提として、クレジットカードやローンを扱う会社では、申込者の返済能力を調査する目的で信用情報を確認しています。
信用情報とは、クレジットカードやローンなどの利用履歴のことです。クレジットカードやローンを扱う会社は、信用情報に登録されている情報などから返済能力の有無を判断しています。
債務整理をすると、その履歴が事故情報として信用情報に登録されます。債務整理の履歴が残っている間はいわゆる「ブラックリスト入り」となり、返済能力を疑われやすく、クレジットカードやローンなどの審査に通りにくくなってしまうのです。
ブラックリスト入りの状態になると、以下のようなリスクがあります。
- クレジットカードやローンの審査に通りにくくなる
- 携帯電話本体などの分割払いができない可能性がある
- 保証会社を経由した賃貸契約の審査に通らない可能性がある
債務整理の履歴は5〜7年ほど事故情報として残ります。時間経過以外に履歴を抹消する方法は原則ないため「借金を減らしたい」と考えて債務整理した場合、その期間はブラックリスト入りの状態になります。
借金を減らす方法として債務整理を検討している場合、ブラックリスト入りのリスクを把握したうえで、手続きをするべきか慎重に検討してください。
実際に債務整理をして借金を減らせた人の体験談
当サイトでは「借金を減らしたい」と考えて実際に債務整理をした人にインターネットでアンケートを実施しました。ここでは、当サイトが独自に取ったアンケートから、債務整理によって借金を減らした人の体験談を紹介します。
※調査方法…インターネットアンケート
※調査期間…2024年9月
任意整理で350万円の借金を減らせた人の体験談
- 借金総額:350万円
- 借入件数:2社
- 月々の返済額:10万円(任意整理前)→4万円(任意整理後)
- 借金完済にかかった期間:7年8か月
任意整理で350万円の借金を減らせた人に体験談を伺いました。
元々は金遣いは荒いほうではなかったようですが、知人から夜のお店に誘われた際、それまで我慢してきた欲求が爆発してしまったそうです。その後お金がかかる遊びにのめり込んでしまい、350万円ほどの借金を抱えてしまったようです。
任意整理をして「楽になったこと」と「つらかったこと」をお聞きしたところ、以下の回答が得られました。
【任意整理で楽になったこと】
返しても返済しても全く減らない借入残高。なくなったら借り、お金が入ったら返すの繰り返しで、先の見えない借金地獄。
もう、本当に生きた心地がしませんでした。ですが任意整理をしたおかげでこれからの人生の道標がハッキリとし
て、それだけでも長い暗闇のトンネルに光が射したような感じがして楽になりました。
【任意整理でつらかったこと】
私的には任意整理中はキツイかったというよりは、今後の道標が見えたような感じになったのでポジティブに捉えることができました。
ただ、やはり、全ては自分の責任なんで自責の念に駆られますし、なによりとっても後ろめたい気持ちにもなりました。
現在は任意整理によって借金を完済しており、「背中に背負った重い十字架から解放された感じで、日常がとっても穏やかになりました」とのコメントをいただきました。
この方の場合、任意整理をした結果、月々の返済額を10万円から4万円に減らせたようです。毎月の返済負担を減らしつつ完済を目指せるため「月々の返済額が多い」という場合は、任意整理を検討してみてもよいでしょう。
個人再生で380万円の借金を減らせた人の体験談
- 借金総額:380万円
- 借入件数:2社
- 月々の返済額:20万円(個人再生前)→5.3万円(個人再生後)
- 借金完済にかかった期間:現在返済中
個人再生で380万円の借金を減らせた人に個人再生をした体験談を伺いました。
この方は、プロのバレエダンサーを目指していた方です。レッスン代として月に最低でも5万~10万円、発表会の出演に毎年20万~40万円がかかるなか、アルバイトの給料だけでは限界があり借入をして、数年で300万円まで膨れ上がってしまったそうです。
プロのバレエダンサーになれて独り立ちしてからも借金返済が苦しい状態が続いていたため、個人再生をしようと思ったとのことです。
「個人再生中、楽になったことや厳しかったことは何ですか?」という問いについては、以下のように語ってくれています。
【個人再生で楽になったこと】
毎月の支払いが減り、家計管理がきちんとできるようになったことです。
以前までは、支払いにいっぱいいっぱいだったので、ちゃんと家計管理ができていることが凄く嬉しいです。将来的なことも考えられるようになったのは凄くでかいです。
【個人再生で厳しかったこと】
カード類が使えないことです。どうしても「今月出費が多い…」や「給料前までちょっとお金が厳しい」など、いろいろあると思います。
家計管理をしてから、デビットカードの支出管理などもできるようになったので、クレジットカード類を使っても借金になることはありませんが、やはり使えないのはこういう時に不便です。
この方の場合、個人再生をしたことで月々の返済額を20万円から5.3万円に減らせたようです。
借金自体を減らせる手続きであるため、個人再生をすれば月々の返済額が大幅に減額されることにも期待できます。任意整理をしても借金返済が苦しい場合には、個人再生を検討してみてください。
自己破産で250万円の借金を減らせた人の体験談
- 借金総額:250万円
- 借入件数:5社
- 月々の返済額:6.8万円(自己破産前)→0円(自己破産後)
- 借金完済にかかった期間:約10か月
自己破産をした40代男性の会社員の方に体験談を伺いました。
離婚による養育費や毎月の生活費の出費が苦しく、カードローンを利用して借金を抱えたようです。当初は必要最低限で収めていたようですが「気楽に借入できる」と感じたことで歯止めが効かなくなり、最終的には250万円の借金を抱えてしまったとのことです。
自己破産をして「楽になったこと」と「厳しかったこと」をお聞きしたところ、以下のような回答が得られました。
【自己破産で楽になったこと】
それまでは借金問題を一人で抱え込んでいて、精神的にとても辛かったです。
ただ、弁護士に依頼したことで、大きな味方を得た気分になりました。日常生活の中でも安心感を覚えるようになり、平穏な時間を過ごせるようになりました。
【自己破産で厳しかったこと】
弁護士がついているとはいえ、必ず自己破産できるとは限りません。安心感はありましたが、少しだけ不安もありました。
周囲には自己破産のことは、内緒にしていました。ただ、自分の中でバレているんじゃないかという気持ちがあって、落ち着かないこともありました。
現在は自己破産によって借金問題を解消でき、「それまでの閉塞感に包まれた生活から、解放された感覚でした。精神的に余裕ができて、すべてにおいて前向きになれました。」とのコメントをもらえています。
自己破産をすれば、抱えている借金の返済が原則免除になります。その代わり、ほかの債務整理手続きよりもデメリットが大きいため、自己破産をするべきかは慎重に判断することが大切です。
まずは弁護士や司法書士に相談したうえで、自己破産をするべきかを検討するようにしてください。
過払い金が発生していれば借金を減額できるケースがある
債務整理と同様に、弁護士や司法書士に依頼する借金減額方法として、過払い金返還請求が挙げられます。
過払い金返還請求とは、消費者金融やクレジットカード会社に払い過ぎている利息を返還してもらうための手続きです。
前提として、消費者金融などの貸金業者が提供するローンの金利は「出資法」「利息制限法」という法律によって上限が定められています。
現在はどちらの法律でも上限が年20.0%と定められていますが、2010年6月に法律が改正される前までは、これらの法律の上限に差がありました。
法律
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法改正前
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法改正後
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利息制限法
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年20.0%
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年20.0%
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出資法
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年29.2%
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年20.0%
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法改正前までは出資法では年29.2%、利息制限法では年20.0%と上限金利に差があり、この金利帯のことを一般的に「グレーゾーン金利」といいます。
このグレーゾーン金利が適用されていた場合、簡単にいえば「本来払わなくてもよい利息を払っていた」ことになり、過払い金返還請求によってその金額を取り戻せます。
払い過ぎていた利息が返還されれば、その金額を借金の返済に充てられ、結果的に借金減額が可能です。
グレーゾーン金利が撤廃された2010年6月よりも以前に貸金業者からの借入がある場合、過払金が発生している可能性があるため、手続きすることを検討してください。
借金を減らしたいときに相談できる窓口
借金問題は1人で抱え込みやすいものです。また、債務整理にはデメリットがあるため「手続きをするべきかがわからない」と悩む場合もあるでしょう。
このように借金を減らしたくても悩みがある場合、第三者に相談することも重要です。相談することで悩みを解消できる可能性があるうえに、借金問題の改善にも期待できます。
借金を減らしたい時に相談できる窓口は以下のとおりです。
- 債務整理をしたい場合:弁護士や司法書士
- 借金問題全般について相談したい場合:役所や自治体
それぞれ解説します。
債務整理を依頼するなら弁護士や司法書士
実際に債務整理を依頼する場合、依頼先は弁護士や司法書士になるのが一般的です。そのため、債務整理をするのであれば、弁護士や司法書士に相談することを検討してください。
なお債務整理を弁護士や司法書士に依頼する場合、それぞれに異なるメリット・デメリットがあります。
メリット
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デメリット
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弁護士
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債務整理手続きのすべてを依頼できる
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司法書士よりも費用が高額になりやすい
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司法書士
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弁護士よりも費用を抑えられるのが一般的
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1社140万円までの借金のみ対応可能と制限がある
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弁護士の場合、司法書士よりも費用は高くなりやすいですが、債務整理手続きすべてを依頼できます。一方、司法書士は弁護士よりも費用が安くなりやすい代わりに、1社につき140万円までのみ対応が可能です。
無料で借金問題解決のアドバイスを受けるなら役所や自治体
市区町村によっては実施されていない場合もありますが、役所や自治体でも借金問題の相談が可能です。
役所や自治体に借金相談をするメリットには、以下が挙げられます。
- 比較的には相談するハードルが低い
- 無料で借金問題を相談できる
- 利用できる公的制度を紹介してもらえるケースがある
借金で悩んでいる人のなかには、借入だけではなく税金や生活基盤における資金で困っている人も数多くいます。債務整理では対応できない税金の問題も合わせて相談できるのが、大きなメリットです。
ただし、役所の借金相談は公的なサービスに部類されるので「弁護士を選べない」「相談可能な時間や回数が限られる」などのデメリットもあります。
債務整理をせずに借金を減額したい場合の3つの方法
債務整理にはデメリットがあるため「ほかの方法で借金を減らすことはできないか」と考えている人もいるでしょう。
債務整理をしない場合、基本的には自力返済をすることになります。借金自体を簡単に減らす方法はありませんが、効率よく返済を進めれば借金を現状のペースよりも早く減らせます。
債務整理をせずに借金を減額する方法は以下のとおりです。
- おまとめローンで複数社からの借入を1社にまとめる
- 低金利なローンに借り換えをする
- お金に余裕があるときだけでも繰上返済をする
ここからは、効率よく借金を返済するコツについて、それぞれ詳しく解説します。債務整理をせずに借金を減らしたい場合は、参考にしてください。
おまとめローンで複数社からの借入を1社にまとめる
おまとめローンとは、複数社からの借入を1社にまとめるためのローン商品です。おまとめローンを利用するメリットとしては、基本的に月々の返済額を抑えられる点が挙げられます。
複数社からの借入がある場合、毎月すべての借入先に返済が必要です。たとえば3社から借入があり、毎月3万円ずつ返済している場合、月々の返済総額は9万円です。
おまとめローンを利用して借入先が1社になれば、結果的に月々の返済総額を抑えられるケースが多く、一般的には数千円〜数万円程度を抑えられます。
たとえば「東京スター銀行」のおまとめローンでは、借入残高に応じて最少返済額が定められおり、金利12.5%で100万円を借りた場合は14,637円と設定されています。
おまとめローンによって月々の返済額が抑えられれば、その分の金額を追加で返済に回せます。この場合、元金の返済に充てられる金額は増やせるため、月々の返済額は変わらなくても返済ペースをさらに上げることが可能です。
債務整理をしなくても借金を減らしやすくなるため、複数社から借入がある場合は、おまとめローンを検討してみてください。
低金利のローンに借り換えをする
借り換えとは、ほかの金融機関から融資を受けて、現在利用している金融機関からの借金を清算することです。現在利用しているローンよりも低金利のローンに借り換えをすれば、発生する利息を抑えられるメリットがあります。
たとえば金利15.0%のA社から金利10.0%のB社に借り換えた場合を想定します。以下の条件で完済した場合、借り換え前後の利息総額と完済までの期間は次のとおりです。
◯返済シミュレーションの条件
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借り換えをした場合(年10.0%)
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借り換えをしない場合(年15.0%)
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利息総額
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98,476円
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157,936円
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完済までの期間
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22か月
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24か月
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※あくまでシミュレーションであるため、実際の金額や期間とは異なる場合があります。
このシミュレーションでは、借り換えで金利が年5.0%下がることで、約6万円の利息を抑えられる結果になりました。
利息を抑えられれば、その金額を借金の返済に回すことができ、返済負担が変わらなくても返済ペースを上げることが可能です。
毎月の返済負担を減らしつつ効率よく借金返済を進められるため、債務整理をせずに借金を減らしたい場合は、借り換えも検討してください。
お金に余裕があるときだけでも繰上返済をする
債務整理せずに借金を減らしたい場合、お金に余裕があるときだけでも繰上返済するようにしましょう。
繰上返済とは、好きな金額を任意のタイミングで返済することです。ローンやキャッシングを提供している金融機関であれば、基本的には繰上返済に対応しています。
繰上返済をすればするほど元金が減り、最低返済額だけを返済し続けるよりも借金を完済できるまでの期間を短縮できます。
たとえば、繰上返済をした場合と月々の返済だけを続けた場合、利息総額と完済までの期間は以下のように差が出ます。
◯シミュレーションの条件
- 借入金額:100万円
- 毎月の返済額:3万円
- 繰上返済の金額:月々1万円(返済1回目から支払った場合を想定)
- 適用されている金利:年15%
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繰上返済をした場合
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月々の返済だけの場合
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返済総額
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206,514円
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301,674円
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完済までの期間
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31か月(2年7か月)
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44か月(3年8か月)
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※あくまでシミュレーションであるため、実際の金額や期間とは異なる場合があります。
今回のシミュレーションでは、繰上返済をすると約10万円の利息を抑えられるうえ、完済までの期間を1年1ヵ月早められる結果となりました。
なお、請求されている金額だけで返済を続けるのは、借金の元金が減りにくくなる行為です。債務整理をせずに借金を減らしたい場合、ボーナスや臨時収入といったタイミングだけでも繰上返済をするように心がけてみてください。
借金を減らしたい場合にとってはいけないNG行動
借金を減らしたい場合、下記のような行為には手を出すべきではありません。
- 借金返済のために追加で借入をする
- クレジットカードの現金化をする
- 借金の返済に遅れる
- 闇バイトのような怪しい方法に手を出す
上記の行為に手をだすと、逆に借金が増えてしまったり、犯罪行為に加担してしまったりする可能性があります。
借金を減らしたい場合には上記の方法には手をださず、債務整理を視野に入れて弁護士・司法書士に相談をする、または返済ペースを上げて自力返済するための対策を講じることを検討しましょう。
借金返済のために追加で借入をする
「借金を減らしたい」と考えていても、経済的な問題から追加借入を検討する場面もあるでしょう。しかし、追加借入の理由が借金返済のためであれば、手をだすべき方法ではありません。
借金返済のために借金をしている状態は、いわゆる「自転車操業」と呼ばれます。自転車操業に陥ると返済した分の金額を借入するため、借金はなかなか減らないうえに利息がかさんでしまいます。
借金返済のために追加で借入をするのはその場しのぎでしかなく、いずれ返済に追われてしまうことになりかねません。
追加借入を検討するほど借金返済が苦しいのであれば、自転車操業に陥る前に債務整理を視野に入れつつ弁護士や司法書士に相談してください。
クレジットカードの現金化をする
借金を減らしたい場合でも、お金に困るときがあるでしょう。その際に、クレジットカードの現金化を検討するかもしれません。
しかし、クレジットカードの現金化は、カード会社が定める利用規約に違反する行為です。
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を得る方法のことです。現金化が発覚すれば、カードの利用停止や強制解約になる恐れもあります。その場合、利用残高を一括請求されると可能性が高いです。
なお、インターネットなどでは、クレジットカードの現金化に対して「合法」「安心」などと紹介されている場合もあります。しかし事態を悪化させるリスクがあるため、クレジットカードの現金化を検討するのは避けてください。
借金の返済に遅れる
借金を減らしたい場合、返済には遅れないように注意してください。借金の返済に遅れると、遅延損害金が発生してしまい、その分借金が減りにくくなってしまいます。
遅延損害金は、簡単にいえば返済に遅れた際にペナルティとして支払うお金です。返済に遅れた日から滞納が解消されるまで1日ごとに発生するため、返済に遅れれば遅れるほど支払う遅延損害金も増えてしまいます。
「借金を減らしたくても全然減らない」という状況に陥る可能性もあるため、借金の返済は期日どおりに行うようにしましょう。
闇バイトのような怪しい方法に手を出す
インターネット上では「簡単に稼げる」などとうたって働き手を募集している広告がみられます。このような広告には、いわゆる「闇バイト」と呼ばれるものも潜んでいるため、安易に手をださないでおきましょう。
闇バイトとは、犯罪行為に加担することで報酬を得られるバイトです。警視庁の公式サイトに記載されているように、闇バイトに手をだすと、そのつもりがなくても犯罪行為に加担してしまうリスクがあります。
借金を減らしたいときには「⚪︎万円稼げる」のような文言は魅力的にみえるかもしれませんが、怪しいと感じた場合には絶対に関わるのは避けましょう。
まとめ
借金自体を減らす方法には、債務整理があります。任意整理であれば返済条件を見直すための交渉、個人再生なら借金自体を1/5〜1/10まで減額、自己破産なら返済の免責ができます。返済が苦しく借金を減らしたい場合には検討してみてもよいでしょう。
ただし、債務整理にはさまざまなデメリットがあります。とくに「ブラックリスト入り」になる点は、今後の生活に悪影響を及ぼしかねません。
借金を減らしたいと考えて債務整理をするのであれば、弁護士や司法書士に相談したうえで、本当に手続きをするべきか検討するようにしてください。
なお、おまとめローンや繰上返済などをすれば、返済負担を変えずに借金が減りやすくなるケースもあります。債務整理をせずに借金を減らしたい場合は、上記を実践し、自力返済することも検討しましょう。
借金を減らす方法についてのQ&A
債務整理を検討していますが、借金はいくらからがやばいのでしょうか?
自身の収入などの状況によるため一概に言えませんが、総量規制に抵触しているかが1つの基準になります。「年収の3分の1を超える貸付の禁止」が総量規制で定められているため、この規制よりも多い借金があるとやばいとも言えます。
債務整理の広告を見ましたが、無料で借金減額ができるのでしょうか?
債務整理の広告でみられる「無料」については、「債務整理によって借金がどれだけ減るのか」を簡易的に診断できるシミュレーションなら0円で利用できるという意味合いで使われる傾向があります。実際に債務整理をする場合には、弁護士や司法書士への報酬などの費用がかかります。
借金を整理した後、再び借金体質にならないためにはどうしたらいいですか?
借金の大きな理由は利息です。利息の高いところからは借りないことを徹底しましょう。また、借金しなければ買えないものはお金がたまるまで買わないことや、節約は固定費から見直すことなども意識するといいでしょう。
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