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離婚調停の陳述書の書き方を例文付きで解説!必要性やデメリットも紹介

離婚調停 陳述書
南陽輔 弁護士
監修者
南 陽輔
大阪市出身。大阪大学法学部、関西大学法科大学院卒業。2008年に弁護士登録(大阪弁護士会所属)。大阪市の法律事務所に勤務し、離婚問題や債務整理などの一般民事事件のほか、刑事事件など幅広い法律業務を担当。2021年に一歩法律事務所を設立し、契約書のチェックや文書作成の支援、起業時の法的なアドバイスなどの予防法務を中心に業務提供をしております。皆さんが利用しやすく、かつ自由で発展的なビジネスが可能となるサービスを提供いたします。

離婚調停における陳述書とは、自分の経験したことや主張などをまとめた書面のことです。

陳述書は離婚調停で必ず用意しなければならない書類ではありません。

しかし、陳述書を事前に提出しておけば調停委員に自分の主張を把握してもらえるため、限られた時間を有効活用でき、有利な展開が望めます。

離婚調停に際して陳述書を提出しようと考えているものの、書き方が分からない方も多いのではないでしょうか。

陳述書に決まった書き方はありませんが、調停委員が読みやすい内容であることが重要です。読みやすい陳述書を作成するためは、次のようなコツを押さえておく必要があります。

  • 客観的事実を書く
  • 時系列を間違えないようにする
  • 1文が長くなり過ぎないようにする
  • 相手への悪口や事実と異なる内容は書かない

本記事では、陳述書の書き方をサンプルや例文とともに解説していきます。

財産分与や養育費の請求など、ケース別の効果的な書き方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

【サンプル例文付き】離婚調停の陳述書に書く内容・書き方

離婚調停の陳述書に書くべき内容は、大きく分けて以下の4つです。

  • 自分と相手の情報
  • 申し立ての経緯
  • 現在の状況
  • 離婚条件の希望

まずは自分と相手、そして子どもの基本情報を記載し、その後に調停委員に伝わるように離婚調停に至った経緯を説明しましょう。

さらに現在の生活状況も具体的に書き記し、財産分与や親権などの離婚条件の希望についても記載します。

次の項目から、離婚調停の陳述書に書く内容について詳しく見ていきましょう。

自分と相手の情報

まずは自分と相手の情報を記載します。具体的な項目は次の通りです。

  • 氏名
  • 年齢
  • 現住所
  • 職業
  • 勤務先
  • 年収

自分と相手、それぞれの上記の情報を記載した後、子どもがいる場合は子どもの名前、年齢、性別、学校、職業なども記載しましょう。

申し立ての経緯

自分と相手、さらに子どもの情報を記載した後は、申し立てに至った経緯を説明しましょう。

調停委員に共感してもらい、離婚を成立させるためには申し立ての経緯が重要です。

相手との交際から記載をスタートし、婚姻生活を説明したうえで、なぜ離婚調停の申し立てに至ったのかを説明しましょう。時系列に沿って経緯をしっかり記載することで、離婚の正当性を主張できます。

法定離婚事由に基づいて相手の問題点(具体的な事実)を洗い出しておくと書きやすくなります。

法定離婚事由は、離婚の訴訟を提起できると法律で定められている原因のことです。
「不貞行為」「悪意の遺棄」「3年以上の生死不明」「回復の見込みがない強度の精神病」「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」の5つがあります。

「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」の例は以下のとおりです。

  • 性格の不一致
  • DVやモラハラ
  • 家事や育児に協力しない
  • 両親や親族間の不和・嫁姑の不仲
  • ギャンブルなどによる浪費や怠惰が続いている
  • 性的な欲求不満、性的異常
  • 犯罪により服役している

上記の事由を確認しながら、夫婦関係が悪化した経緯や離婚を決意したきっかけを思い出し、それぞれの段階で感じたことなどを記載していくと読みやすい陳述書となります。

【性格の不一致】何が原因かを明確にする

性格の不一致が理由の場合、どのような点で不一致が起きたのかを明確に示しましょう。

性格の不一致を理由に申し立てする場合は具体的な説明がないと調停委員に伝わりにくく、離婚が不成立になる恐れがあるため、客観的に夫婦関係が破綻している状況や証拠が必要です。

たとえば金銭感覚の違いや子育てを巡る対立、セックスレスなど、性格の不一致の原因を具体的に記載しましょう。

年月日が分かるのであれば、記載したほうがより説得力のある陳述書になります。

(例)
結婚当初から、相手は衣服や趣味に毎月20万円もつぎ込んでいます。子どもの将来ためにできる限り多く貯金していこうと考え、毎日節約している自分とは金銭感覚がずれています。

〇年〇月〇日、子育ての方針、金銭感覚の違いをめぐって意見が対立しました。以降、だんだんと言い争いが増え、普段の会話が減るにつれて、夫婦関係が冷え込みました。現在は関係修復が難しい状況になっています。

【DV・モラハラ】期間と被害の内容を記載する

相手からDVを受けている場合、どれくらいの期間、どれほどの被害を受けたのか記載しましょう。

DVは身体的だけでなく、精神的(モラハラ)・経済的なものも含まれます。

精神的・経済的DVを継続して受けたことで夫婦関係が破綻していたことを具体的に記載することが重要です。

DVが原因で病院の診断を受けた、警察に通報・相談したという事実があれば、日付や内容を含めて陳述書に記載しましょう。

(例)DV
〇年〇月〇日、些細な喧嘩が原因で暴力を振るわれました。最初のうちはすぐに謝ってきたので我慢しようと思いましたが、その後、〇年〇月~〇月にわたり、毎日のように暴力を振るわれるようになりました。

〇年〇月〇日には、顔を殴られたことで鼻骨骨折の傷害を負い、全治一カ月の診断を受けました。同日、警察に行きDVの相談をしました。

(例)モラハラ
結婚して同居し、1年ほど経ってから「料理も洗濯もまともにできないなんて、妻失格だ」などと言われ始めたことを皮切りに、次第に、日常的な家事にまで文句を言われるようになりました。

〇年〇月〇日、夫は、私が友人と出かけると不機嫌になり、「メールには5分以内に返信するように」と指示されました。それ以来、私は友人と遊びにくくなりました。

〇年〇月〇日、私が体調不良で家の掃除ができずにいたら、夫に「誰のおかげで生活できていると思っているんだ」と暴言を吐かれました。

【不貞行為】気付いたきっかけと日付を記載する

相手の不貞行為が理由の場合、なぜ不貞行為に気づいたのか、配偶者と浮気相手の関係、不貞行為の内容や経緯を具体的な日付を挙げて説明しましょう。

証拠を掴んでいると、曖昧な説明にならず、自分が有利な陳述書が作成できます。

不貞行為が発覚した結果、夫婦関係にどのような影響があったのかまで記載しましょう。

(例)
夫と〇〇は会社の上司と部下の関係にあたります。

〇年〇月頃から〇年〇月頃まで、夫と〇〇は不貞関係にあり、月に1~2回程度、〇〇の自宅やラブホテルに宿泊し、不貞行為を行っていました。

具体的には〇年〇月〇日に〇〇のラブホテルに入室し、性行為に及びました。二人のLINEメッセージを見ると、定期的に自宅やラブホテルに宿泊していたことがわかります。

〇年〇月〇日、私が夫のLINEアプリの通知内容を確認したことで、不貞関係を知りました。〇年〇月〇日の〇〇時頃、自宅にて、私が不貞行為について夫に問い詰めたところ、夫は逆上し、持っていたいスマートフォンを投げつけました。夫婦で話し合いをした結果、〇年〇月〇日から別居を開始することにしました。

現在の状況

現在の生活状況についての説明も入れましょう。調停委員は現在の状況と婚姻中の状況を比較し、慰謝料や養育費などの離婚条件を検討する可能性があるためです。

別居しているか、子どもと住んでいるのか、生活費はどれくらいかかっているのかなど、事実に基づいて時系列順で具体的に記載すると伝わりやすくなります。

また、離婚を申し入れたことや、話し合いを行ったことなど、これまでに行ってきた協議の経過なども含めて状況を記載しましょう。

離婚条件の希望

離婚する際に希望する条件を記載します。記載する条件は具体的には次のようなものが挙げられます。

  • 親権
  • 財産分与
  • 養育費
  • 慰謝料
  • 面会交流

記載した内容をもとに調整委員が相手との調整を図るため、離婚条件の希望がある場合は具体的な数字を記載しましょう。

(例)
暴力と不貞関係があるため、私はすぐにでも離婚したいと考えており、次の離婚条件を希望します。

・子どもの親権・監護権は私が持ち、面会交流は月1回行う
・不貞の慰謝料200万円、財産分与400万円をすぐに支払う
・養育費は月7万円とする

離婚調停における陳述書とは?

陳述書とは、離婚調停の申立人が自身の言い分を効果的に伝えるために用いる書面のことです。

離婚調停に必須の書類ではありませんが、陳述書を提出しておくことであらかじめ調停委員に具体的な内容を伝えられるので、当日の話し合いをスムーズに進められます。

ここでは陳述書を提出するタイミングや提出方法、必要性について詳しく解説します。

陳述書を提出するタイミング

離婚調停の陳述書を提出するタイミングに決まりはありません。

しかし、調停委員にあらかじめ内容を読んでもらう必要があるため、調停の当日ではなく事前に提出するようにしましょう。

たとえば調停を申し立てたタイミングや、第1回期日の前までに陳述書を提出すれば、当日までに内容を読んでもらえます。

2回目以降のときも、基本的に調停期日の前までに陳述書を提出すれば問題ありません。

陳述書の提出方法

離婚調停の陳述書は、裁判所の窓口または郵送で提出します。

調停を申し立てる際に陳述書を提出する場合、他の書類とあわせて窓口か郵送で提出するようにしましょう。

もしも調停期日までに提出するのを忘れてしまった場合は、調停委員と面会する際に直接渡してください。

なお、離婚調停の陳述書は自分用・相手用・裁判所用で計3通が必要になります。提出する際は原本をコピーし、計3通の陳述書を用意しておきましょう。

陳述書を出した方がいい人

離婚調停の陳述書を出した方がいい人は、緊張して上手く話ができない人や自分の言い分を伝えることが苦手な人です。

なぜなら、離婚調停で調停委員と話せる時間は1時間程度と限られており、緊張して話をまとめられないと言いたいことがすべて伝えられない可能性があるからです。

陳述書を事前に提出して調停委員に読んでもらえば、限られた時間の中で自分の言い分を有効に伝えられます。

また、陳述書を作成すれば自分の気持ちを整理することができ、「重要なことを言いそびれる」といったことを防ぎ、言い分をしっかり伝えられます。

調停委員に上手く説明する自信がない場合や、限られた時間を有効活用したい場合は、陳述書を事前に提出しておきましょう。

離婚調停の陳述書を書くときのコツ

陳述書を書く時のコツは次の4つです。

  • 客観的事実を書く
  • 時系列を間違えないようにする
  • 1文が長くなりすぎないようにする
  • 相手への悪口や事実と異なる内容は書かない

陳述書は調停委員に伝わることが最も重要です。そのために必要なコツをひとつずつ見ていきましょう。

客観的事実を書く

実際に起きた事実を、客観的に記載するようにしましょう。

客観的事実ではなく、「傷ついた」「許せない」などの感情的なことばかり書いてしまうと、調停委員から理解されにくくなってしまいます。

感情的なことよりも「なぜそう思うようになったのか」というきっかけの出来事を記載することが重要です。

また、なるべく具体的な情報を記載してみてください。たとえば「長期間不倫していた」よりも「令和〇年から〇年間不貞行為の事実がある」の方が客観性が増し、伝わりやすくなります。

時系列を間違えないようにする

時系列の順番、日時を間違えないよう注意しましょう。

陳述書は時系列順に説明した方が調停委員に伝わりやすいです。

このとき、日付や時系列の順番などを間違えてしまうと書類の信頼性が失われ、調停委員から嘘を疑われてしまう可能性があります。

日付や時系列の順番に間違いがないか、必ず確認しましょう。

1文が長くなりすぎないようにする

調停委員が読みやすい文章となるように、1文は長くなりすぎないように注意しましょう。

気持ちが入り過ぎてしまうと、1文が長くなってしまい読みづらくなってしまいます。

読み手の気持ちを考え、なるべく1文を短く区切るようにしましょう。目安としては1文1行、長くても2行以内にまとめると読みやすい文章になります。

読みやすくするために、箇条書きを活用するのもおすすめです。端的に自分の言い分を記載することが重要です。

相手への悪口や事実と異なる内容は書かない

陳述書は相手も見ることができるため、相手を刺激することは書かないようにしましょう。

主観的な悪口や嘘は書かずに、客観的事実のみを記載するようにしてください。

相手への悪口や事実とは異なる内容を書くと、調停委員からの自分に対する印象が悪くなり、陳述書の信憑性を落としてしまう可能性があります。

陳述書に記載する内容は事実と異ならないように、なるべく証拠を押さえることが重要です。

【ケース別】効果的な陳述書の書き方

離婚調停では、離婚の可否だけでなく離婚条件についても争うことがあります。離婚条件が争点になる場合、陳述書への記載が必要です。

ここでは、以下のケース別に効果的な陳述書の書き方を紹介します。

  • 財産分与を争う場合
  • 親権・面会交流を争う場合
  • 養育費や婚姻費用を請求する場合
  • 慰謝料を請求する場合
  • 年金分割を請求する場合

次の項目から、それぞれの陳述書の書き方について詳しく見ていきましょう。

財産分与を争う場合

婚姻期間中に築き上げた財産は夫婦の共有財産とみなされ、離婚の際は原則として2分の1ずつ分け合う決まりになっています。

仮に夫婦の一方が専業主婦(主夫)だったとしても、財産分与の割合に変更はありません。

相手が財産分与を拒否している場合は、離婚調停で財産分与を請求することになるため、陳述書への記載が必要です。

陳述書には、共有財産がいくらあるのか、どのように分けたいのかを具体的に記載しましょう。共有財産は預貯金だけでなく、不動産や証券なども該当するため、すべて記載するようにしてください。

なお、財産分与の割合は原則として2分の1ずつですが、夫婦の合意があれば割合を変更しても問題はありません。

2分の1以外の割合で財産分与を行いたい場合は、その理由もあわせて記載しましょう。

親権・面会交流を争う場合

子供がいる場合は、親権や面会交流についての取り決めが必要です。

親権を持つことを希望するのであれば、「○○(子供の名前)の親権は△△(自分の名前)が持つ」と明確に記載しましょう。

また、子供の監護実績や離婚後の子育ての環境などもあわせて記載し、自分が親権者として相応しいことを主張することも大切です。

反対に、親権を持たない場合は面会交流についての希望を陳述書に記載します。面会交流は非親権者と子供が持つ権利であるため、希望するのに特別な理由は必要ありません。

ただし、「面会交流を実施することで子供に悪影響がある」と判断されれば、面会交流が認められないケースがあります。

そのため、面会交流について記載する際は子供と接してきた実績を記載し、悪影響を与えることはない旨が調停委員に伝わるようにしましょう。

また、面会交流の頻度や交流方法の希望を記載する際も、常識的な範囲内に留めることが重要です。

養育費や婚姻費用を請求する場合

親権者となる場合は養育費、離婚が成立するまで別居する場合は婚姻費用の請求が可能です。

養育費は、子供が社会的に自立するまでに必要とされる教育費や生活費のことを指します。収入を問わず、親には養育費の支払い義務があります。
婚姻費用は、別居期間中の生活費全般のことです。夫婦のうち収入の低い方が、収入の高い方に対して請求できます。

養育費や婚姻費用は生活費を確保するうえで重要なものであるため、請求する場合は必ず陳述書にも記載するようにしましょう。

養育費と婚姻費用の請求額を記載の上、自分と相手の経済状況や子供の人数などから請求額の根拠もあわせて記載してください。

なお、請求額を決める際には、裁判所が公開している「養育費・婚姻費用算定表」が参考になります。

慰謝料を請求する場合

相手の不法行為によって離婚を余儀なくされた場合は、精神的苦痛に対して慰謝料の請求が可能です。

慰謝料を請求する際には、主に以下の内容を陳述書に記載してください。

  • 不法行為が行われる前の婚姻生活
  • 不法行為が発覚した経緯やきっかけなど
  • 不法行為が行われた後の婚姻生活の変化
  • 精神的苦痛の内容
  • 慰謝料の請求金額

不法行為が行われる前後の婚姻生活の変化を記すことで、相手の不法行為が離婚の原因になったことを主張できます。

また、通院歴や治療の内容など、精神的苦痛の内容もあわせて記載しておけば、調停委員からの理解を得やすくなるでしょう。

年金分割を請求する場合

婚姻期間中に納付した厚生年金は、原則として離婚時に2分の1の割合で分割する決まりになっています。

年金分割を請求する側が専業主婦などで国民年金第3号被保険者である場合、相手の合意を得ず2分の1の割合での分割が可能です。このような分割方法を「3号分割」といいます。

そのため3号分割で年金分割を請求する際には、陳述書への記載は必要ありません。

一方、共働きで夫婦の両方が厚生年金を納めていた場合は、合意分割という方法で年金分割を行うことになります。合意分割は、夫婦間の合意によって年金分割を決める方法です。

合意分割を行う場合は、どのような割合で年金分割がしたいのかと、割合の根拠を陳述書に記載しましょう。

弁護士に陳述書の作成を依頼することも可能

陳述書は必ず本人が作成する必要はなく、弁護士に作成を依頼することもできます。

もしも陳述書の書き方が誤っていたり、知らず知らずのうちに不利な情報を書いてしまったりすると、調停委員の印象が悪くなってしまう可能性があります。

そのため、離婚調停を少しでも有利に進めたい場合は、弁護士に作成してもらうことをおすすめします。

弁護士に依頼すると、本人はチェック・修正・読み合わせを行うだけで、自分の主張が伝わりやすい陳述書を作成できます。

陳述書の書き方に悩んだときや、どうしても伝わりづらくなってしまうときは、弁護士への依頼を検討してみてください。

まとめ

離婚調停の陳述書は、調停委員に伝わりやすいよう「客観的事実を・時系列順に・簡潔に」記載することが重要です。

陳述書を作成することで自分の言い分を整理することができます。記載できる情報や証拠を集め、時系列順にまとめましょう。

もしも自分で陳述書を作成するのが難しい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に依頼すれば、事実に基づいた客観的な陳述書を作成してもらえます。

【Q&A】離婚調停の陳述書に関するよくある質問

陳述書の書式や体裁は決まっている?

陳述書に決まった様式などは特になく、内容も自由に書き込めます。

本文以外に陳述書で記載したほうがよい内容は、「作成日」「宛名」「自身の氏名」「署名捺印」です。

表題は「陳述書」に設定することをおすすめします。基本的には表題の下に作成日と宛名(〇〇家庭裁判所 御中)を書き、本文を書いてから氏名・捺印の順に記載します。

各裁判所のホームページに陳述書のサンプルが掲載されている場合があるので、確認してみてください。

用紙のサイズ・枚数は?

用紙のサイズはA4を使うのが一般的です。枚数は多くても5枚以内に留めましょう。

枚数が多すぎると、本当に主張したいことが調停委員にうまく伝わらない可能性があるためです。

陳述書は必要最低限の主張を記載し、なるべくコンパクトにまとめてください。ページが2ページを超える場合は、ページ番号を記載しましょう。

手書きとパソコン、どちらで作成すべき?

陳述書は手書きでもパソコンでも、どちらで作成しても問題ありませんが、パソコンでの作成をおすすめします。

パソコンの場合、修正も簡単にでき文字の見やすさに個人差が出にくいからです。文字サイズは12ポイントで作成すると見やすくまとめられます。

手書きの場合は誰でも読みやすいように丁寧に書く必要があります。手書きの場合はボールペンを用い、誤字脱字に注意しましょう。

陳述書を書く時の言葉づかいは?

一般的には「です・ます調」を用いることが多いです。

自身の表記は「私」、相手の表記は「相手方」「夫・妻」などです。なお、結婚期間が非常に短く、「夫・妻」と表記するのに違和感がある場合は「〇〇さん」と表記しても問題ありません。

陳述書を書くデメリットはある?

陳述書を書くデメリットは特にありませんが、作成する手間がかかってしまいます。また、弁護士に作成を依頼すると作成費用が発生する点には注意しておきましょう。