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性格の不一致で離婚する方法は?離婚の切り出し方や離婚時のお金について詳しく解説

性格の不一致 離婚

夫婦が離婚したい理由の筆頭として挙げられるのが、「性格の不一致」です。日々の生活のなかで、相手に対して不満や苛立ちを感じることも多いのではないでしょうか。

協議離婚か調停離婚でお互いが合意できれば、性格の不一致を理由に離婚できます。ただし裁判に発展した場合、性格の不一致という理由だけで離婚を認めてもらうことは難しいのが実情です。

性格の不一致に該当する代表例は以下の通りです。

価値観の違い
友人・親族といった人間関係、食事の好み、休日の過ごし方、時間に対して律儀なのかルーズなのか、生活習慣の違い(家事全般など)

金銭感覚の違い
貯蓄や資産運用に対する考え方、借金の有無、日々のお金の使い方

子供の教育方針
習い事、進路方針(公立か私立かなど)、教育熱心あるいは無関心

宗教観
夫婦間での信仰の違い、宗教活動の頻度や内容、配偶者や子供に対する宗教観の強要

キャリア観
夫婦間でのキャリア観の不一致(夫は妻に対して専業主婦を望んでいるが、妻は正社員で勤務を続けたい)など

性格の不一致で離婚を考えているなら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。具体的な理由は以下の通りです。

  • 離婚するのに必要な条件を教えてくれる
  • 離婚時のお金や親権について詳しく相談できる
  • 相手との交渉を円滑に進めてくれる

自分だけでは対処し切れない問題だと感じられるなら、夫婦の現状を弁護士に相談することもおすすめです。離婚問題に知見を持つ弁護士が、あなたを解決に導くアドバイスや、代理人として離婚に向けた話し合いを行います。

当記事では性格の不一致で離婚できるケース・離婚できないケースを中心に解説します。ぜひ参考にしてください。

男女ともに離婚原因の第一位!「性格の不一致」の具体例とは?

性格の不一致とは、物事に対する考え方や価値観の違いを指します。生育環境や性格面が大きく影響しており、些細な日常生活の習慣、金銭感覚、子供の教育方針などが性格の不一致の原因として挙げられます。

実際に当社で実施したアンケートでは、男女ともに離婚を決めた理由の第1位が性格の不一致でした。

順位 男性 女性
第1位 性格が合わない(59.6%) 性格が合わない(37.5%)
第2位 その他の理由(20.4%) 生活費を渡さない(30.4%)
第3位 精神的に虐待する(20.3%) 精神的に虐待する(25.1%)
第4位 異性関係(13.7%) 暴力を振るう(19.7%)
第5位 家族親族と折り合いが悪い(12.6%) 異性関係(14.9%)

※複数回答可

夫婦であっても異なる人間同士なので、性格や考え方に違いがあるのは当然です。しかし話し合いでも解決せず、精神的にもストレスを抱えてしまう日々が続けば、離婚を決意するのもやむを得ないといえます。

また性格の不一致にも様々な種類が存在します。代表的な例を挙げていきます。

・価値観の違い:友人・親族といった人間関係、食事の好み、休日の過ごし方、時間に対して律儀なのかルーズなのか、生活習慣の違い(家事全般など)

・金銭感覚の違い:貯蓄や資産運用に対する考え方、借金の有無、日々のお金の使い方

・子供の教育方針:習い事、進路方針(公立か私立かなど)、教育熱心あるいは無関心

・宗教観:夫婦間での信仰の違い、宗教活動の頻度や内容、配偶者や子供に対する宗教観の強要

・キャリア観:夫婦間でのキャリア観の不一致(夫は妻に対して専業主婦を望んでいるが、妻は正社員で勤務を続けたい)など

「性格の不一致」が理由で離婚する方法

性格の不一致を理由に離婚する基本的な流れは、他の離婚理由と同じです。協議離婚と調停離婚では夫婦の話し合いで離婚成立を目指し、合意できなければ裁判離婚にて決着をつけます。

  • 協議離婚:夫婦で話し合いを行い、離婚を成立させること
  • 調停離婚:家庭裁判所に離婚の調停を申し立てて、調停の場で離婚に合意すること
  • 裁判離婚:調停で夫婦間で合意ができないときに、裁判の判決によって離婚の判断を求めること

具体的な流れは以下の通りです。

①夫婦での話し合い(協議離婚):離婚したい旨を相手に伝えて、夫婦同士で離婚条件について話し合いを行います。お互いが合意すれば、離婚届の提出をもって離婚が成立します。

②調停離婚:夫婦間の話し合いで解決できなければ、家庭裁判所を交えた調停の場にて、離婚の成立を目指します。裁判所が介入するとはいえ、調停は話し合いによって離婚の成立を目指すことが目的です。

③裁判離婚:調停でも離婚が成立しなければ、裁判にて離婚の可否と離婚条件を争うことになります。裁判離婚では「法定離婚事由」に該当することを証明して、判決にて離婚を認めてもらえるかが焦点となります。

「性格の不一致」による離婚は協議・調停なら可能

性格の不一致のみが離婚の原因であれば、協議離婚か調停離婚で夫婦の話し合いによる離婚成立を目指すことになります。

離婚を定める法律である民法には「契約自由の原則」が定められています。夫婦間の話し合いであれば、離婚したい理由はどのような内容であっても離婚が可能です。

【契約自由の原則とは】
契約は当事者の自由な意思に基づいて結ぶことができます。当事者間で結ばれた契約に対しては、国家は干渉せずその内容を尊重しなければなりません。これを契約自由の原則といいます。

「契約を結ぶかどうか」、「誰と契約を結ぶのか」、「どのような契約内容にするか」について、当事者は自由に決めることができます。

離婚は私人同士の契約となるため、原則として法律の縛りを受けません。そのため、協議離婚及び調停離婚の場合、法定離婚事由は必要とされないのです。

裁判では「性格の不一致」だけでは離婚できない可能性が高い

裁判離婚の場合は、裁判にて「法定離婚事由」に該当することを証明しないと、離婚は成立しません。言い方を変えれば、法定離婚事由となる証拠を示すことで、裁判で勝訴できる見込みが立つこととなります。

法定離婚事由は次の5つとなります。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由

「性格の不一致」は法定離婚事由には該当しないことから、単に性格の不一致を理由に裁判を行っても、離婚は認められにくいでしょう。ただし性格の不一致が「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当すると認められた場合、裁判で離婚が認められる場合があります。

「性格の不一致」で離婚できる例とは

離婚したい理由が「性格の不一致」である場合、どのような例であれば離婚が成立するのでしょうか。

協議離婚・調停離婚では夫婦の話し合いによって離婚を目指します。お互いが合意できれば、離婚理由は性格の不一致でも構いません。

裁判離婚では、「性格の不一致」以外に原因が存在しない場合、双方の合意が無ければ離婚は認められません。

ただし不貞行為やDVなどの「性格の不一致」以外の離婚理由がある場合、裁判でも離婚が認められる可能性があります。

協議離婚・調停離婚などの話し合いで離婚する場合

協議離婚・調停離婚は、夫婦間の話し合いによって離婚の成立を目指します。そのため夫婦で合意できる場合には、性格の不一致のみが理由でも離婚が可能です。

協議離婚・調停離婚によって「性格の不一致」で離婚が成立する例は、以下のようなものが挙げられます。

長年の夫婦生活によって価値観の違いを感じたため、お互いの人生にとって離婚することが最適だと判断した。
正直、特に離婚したいと思える決定的な理由は無かった。しかし一緒にいても面白みを感じられず、相手も同様の考えだったので離婚した。

夫婦間で合意ができれば、離婚理由そのものは問題になりません。

離婚したくないという相手に「解決金」を支払って双方合意した場合

協議離婚や調停離婚において離婚条件を話し合う中で、一方から「解決金」を支払うことを条件として提示されることがあります。

解決金とは離婚を成立させるための交渉材料となる金銭です。離婚を希望する側が相手に対して解決金を支払うことで、離婚の同意を求めることになります。
具体例としては、夫が妻に対して離婚を要求しているものの、妻が婚姻や出産をきっかけで直ちに経済的自立が困難というケースが考えられます。そこで解決金を支払ってもらうことで、妻は経済的に不安な面を解消することができます。

また性格の不一致を理由に離婚したいと思っている側が、離婚することに割り切れない気持ちを持つ相手に対して、解決金を提示することで納得させるというケースもあります。

なお解決金は法律上に明記されている名目や条件ではなく、離婚条件の中でも曖昧な性質のものです。養育費や財産分与のように法律上で明記されておらず、相場なども存在しないことから、夫婦間次第で決まるものだと押さえておきましょう。

性格の不一致が原因で夫婦関係が破綻状態・別居状態にある場合

性格の不一致が原因で夫婦関係が破綻状態・別居状態にある場合にも、離婚が成立するケースが考えられます。

夫婦関係が破綻して家庭内別居となり「夫婦で一切口も聞かないし、顔を合わせることもない」という状態であれば、夫婦関係の破綻が認められる可能性もあります。ただし数年以上の期間が条件となるだけでなく、家庭内の詳細な事情や背景を証明しなければなりません。

また別居期間が長期間継続すると、裁判でも離婚が認められやすくなります。裁判所の判断にもよりますが、3年から5年間の別居期間があれば、夫婦関係が破綻していると判断される傾向にあります。

そのため性格の不一致以外に決定的な離婚理由が無く、裁判をしても主張が通らないと考えている場合は、戦略的に数年間の別居期間の実績を作るという戦略も有効です。

不貞行為やDVなどの「性格の不一致」以外の離婚理由がある場合

「性格の不一致」以外にも、不倫行為やDVによって離婚理由が生じた場合、離婚が成立するケースが存在します。

性格の不一致が原因となり、総合的な事情を考慮したうえで、裁判で離婚が認められるケースがあります。具体的には以下の通りです。

・性格の不一致から日々喧嘩が絶えず、相手が家出をして自宅に戻って来ない
・夫婦喧嘩をきっかけに、DVやモラハラを受けるようになった
・性格や価値観の違いから、長期間の別居期間(3~5年程度)が経過した
・夫婦仲が険悪となり、夫が専業主婦である妻に生活費を渡さなくなった
・性的嗜好が不一致となり、相手が浮気相手と不貞行為を繰り返している
・過度な宗教活動が原因で、金銭面の価値観が一致しなくなり、家計に影響が出ている

上記のケースに該当するからといって、裁判で離婚が認められるとは限りません。当事者の背景や生活状況など様々な要素が考慮されたうえで、離婚が成立するか判断されます。

「性格の不一致」での離婚が認められた判例

裁判にて「性格の不一致」での離婚が認められた判例について紹介します。

夫婦の知的水準の隔たりによる価値観の不一致の判例

世俗的な事物を極端に嫌い、高度な水準の知的生活を望む夫と平凡な妻との間に大きな生活観・人生観の隔たりが生じてしまった。上記が原因となり、夫婦関係が修復不可能な状態まで陥ったと認められた事例(東京高裁判決昭和54年6月21日)

人生や生活に何を望むかは人それぞれですが、知的能力が人生観や価値観に影響を及ぼすことは否定できません。妻の側からすれば、些細な日常生活の出来事を話すことすら神経質になるため、夫婦生活を継続することは苦痛だといえるでしょう。

夫も自らの生き方を貫いた結果であり、妻に対して悪意を持って接していたとは限りません。価値観の不一致は交際期間中だけで互いに見抜けるわけではなく、夫婦生活の中で浮かび上がってしまうものです。

妻の浪費癖によって家計が崩壊した判例

生活費や子供の学費に手を出すほど妻の浪費癖が激しく、何度も夫婦で話し合い修復を図ろうと試みたが、改善しなかった事例(東京家審判決昭和41年4月26日)

家計を維持することが夫婦生活の維持に直結することから、夫婦間において浪費癖は極めて重大な問題です。生活費だけでなく子供の学費にも影響が及んでしまえば、子供の人生に大きな影響を及ぼします。

何度も夫婦で話し合いを行ったが改善が見込めなかった点も、離婚が認められた一因だと推測できます。

夫の犯罪行為や服役により家族に弊害が及んだ判例

夫が犯罪行為や服役を繰り返した結果、妻や子供が社会的・経済的に窮地に追い込まれた事例(新潟地裁判決昭和42年8月30日)

身内が犯罪者として悪名高いという事実は、家族の人生に大きな弊害を及ぼします。例えば進学先や就職先が実質的に制限されてしまったり、友人関係の構築が難しくなってしまったり、社会生活が困難になるケースです。

犯罪行為や服役を繰り返している人間と婚姻状態であることは、配偶者や身内の信用問題にも関わります。「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するのは妥当といえるでしょう。

妻の過度な宗教活動により、子の養育に支障が生じた判例

妻の度を超す宗教活動が原因となり、日常生活や子供の養育にも支障が生じた事例(大阪高裁判決平成2年12月14日)

信教の自由は、日本国憲法によって保証されている正当な権利です。そのため、夫もしくは妻が宗教活動を行っていること自体を理由に離婚が認められることはありません。

一方で夫婦には協力・扶助の義務があり、過度な宗教活動が原因で義務を果たさない場合には、離婚が認められる可能性があります。一例としては、宗教活動による多額の浪費、子供を通学させずに布教活動に強制的に参加させるなどが挙げられます。

宗教活動を理由に離婚が認められるか否かは、宗教活動の具体的な中身や、夫婦生活にどのような支障を及ぼしているかなど、総合的に判断されます。

正当な理由が無い性行為拒否が長期間継続した判例

正当な理由のない夫からの性行為の拒否が長期間にわたり、夫に対する妻の愛情が喪失した事例(福岡高裁判決平成5年3月18日)

いわゆるセックスレスが長期間継続したことによって、離婚が認められた事例です。セックスレスが「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかが焦点となります。

セックスレスによって離婚が認められた判例は以下の通りです。

結婚してから1年半の同居期間中に一度も性交渉がなく、妻は婚姻前に性交不能だと知らなかった事案(最高裁昭和37年2月6日判決)
結婚してから3年半の同居期間中に一度も性交渉がなく、夫が性交不能である事実を婚姻前に告知していなかった事案(京都地方裁判所昭和62年5月12日判決)
結婚した当初は2~3回の性交渉を行い子供も誕生したが、その後はセックスレスとなり、一方で夫はAVで自慰をしていた事案(福岡高等裁判所平成5年3月18日判決)

セックスレスが「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかは一概に判断できるものではなく、過去の判例などを参考にするべき事例といえます。

性格の不一致で離婚する前にチェックすること

性格の不一致で離婚する前にチェックすることを解説します。具体的なチェックポイントは以下の通りです。

  • 本当に離婚しても後悔が無いと言い切れるか
  • 性格の不一致を認めたうえでやり直せないか
  • 別居して様子を見ることはできないか
  • 相手が合意しない場合、長期戦となる覚悟を持てるか
  • 子供の将来にどのような影響が及ぶのか

本当に離婚しても後悔が無いと言い切れるか

夫婦で共に生活を続けるうちに、気が合わない点や不満点は出てしまうものです。

相手に対して愛想を尽かすこともあるかもしれませんが、本当に離婚しても後悔が無いと言い切れるか、改めて考え直してみましょう。

離婚した直後は気持ちがスッキリするかもしれませんが、後から寂しさが込み上げてくるかもしれません。しかしその時になっても、もう夫婦の関係には戻れないのです。

性格の不一致を認めたうえでやり直せないか

性格の不一致を認めた上で、価値観の違いとして受け入れて生活できないかという視点も、時には必要かもしれません。

「元々こういう人なんだ」と割り切れれば、自然と感覚が慣れてくる可能性もあります。相手に適度にストレスを感じている状態であれば、むしろストレス発散のために新しい趣味に取り組んでみる原動力にもつながるかもしれません。

別居して様子を見ることはできないか

本当に離婚すべきなのか冷静に判断するためにも、別居して気持ちを整理する方法も挙げられます。

別居して1人で生活することで、同居中とは異なる感情が芽生えてくるかもしれません。お互いの関係性を見つめ直す良いきっかけとなるはずです。

もしも別居を通して離婚がベストな選択肢だと判断すれば、その時に離婚に向けて行動を起こしましょう。

相手が合意しない場合、長期戦となる覚悟を持てるか

性格の不一致による離婚は、原則として法定離婚事由には該当しません。そのため、相手が離婚に合意しなければ裁判で離婚成立を認めてもらう必要があります。

裁判においては、法定離婚事由が最低1つでも存在しなければ、裁判で離婚を認めさせることはできません。つまり法定離婚事由が存在する証拠を示す必要があります。

一例としては長期間(3〜5年)の別居期間を続けるなど、長期戦となる覚悟を持てるかが問われます。

子供の将来にどのような影響が及ぶのか

親の離婚は、子供に大きな影響を与えます。両親は愛情を注いでくれる唯一無二の存在であり、母親や父親と会えないことで非常に寂しい思いをさせてしまいます。幼い子供であれば事情を理解できず、精神的に不安定な状態に陥ることも考えられます。

また経済面からも子供の進学先が制限されてしまうなど、1人の人生を左右する出来事にもなりかねません。

「性格の不一致」以外にも離婚原因がある場合は慰謝料請求できるケースもある

原則として性格の不一致による離婚の場合、慰謝料請求は認められません

慰謝料とは精神的苦痛の代償として請求できるお金です。性格の不一致は、夫婦のどちらかに一方的な原因があるわけではないため、慰謝料の請求原因が認められないのです。

ただし相手が婚姻関係を破綻させるような不法行為を行ったため、精神的苦痛の代償として慰謝料を請求できるケースもあります。具体的には以下のような例が挙げられます。

・性格の不一致がきっかけで、夫婦喧嘩が発生し、暴力を振るわれた(DV)
・性格の不一致によって、日常的に暴言や人格否定の発言を繰り返された(モラハラ)
・性格の不一致を解消しきれず、相手が不貞行為を行っていた(不倫)

慰謝料の金額相場は、個々の事案によって異なります。あくまで一般的な相場として50~300万円が大まかな目安です。

「性格の不一致」での離婚の財産分与でも、基本的に原則通りの「2分の1」

財産分与とは婚姻期間に形成した財産を貢献度に応じて分割することです。

性格の不一致によって離婚する場合、原則として財産分与は2分の1の割合となります。離婚理由によって財産分与の可否や割合が変化することはありません。

例えば夫婦の財産が700万円であれば、夫と妻で350万円ずつを分け合う形となります。

ただし夫婦の話し合いによって財産分与の割合を決めることは禁止されていないため、夫と妻で6対4、2対8のように財産分与の割合を決めることは可能です。夫婦で話し合っても財産分与の内容や分配の割合に折り合いがつかなければ、調停を申し立てるという選択肢もあります。

離婚原因が性格の不一致であっても、財産分与は原則として2分の1の割合となることを押さえておきましょう。

「性格の不一致」での離婚で親権・養育費はどうなる?

性格の不一致で離婚する場合、親権や養育費はどのように決めれば良いのでしょうか。

親権を決める流れは以下の通りです。

  1. 夫婦の話し合い(協議離婚)
  2. 調停離婚
  3. 審判離婚で親権を決定

まずは離婚と同様に、夫婦の話し合いによって親権の合意を目指します。合意に至らなければ、離婚調停の申し立てを行い、親権者をどちらにするのか話し合いを行います。調停離婚でも親権者が決まらなかった場合、裁判離婚や審判離婚に進みます。

養育費の支払いは法律上の義務ですが、いつまで養育費が受け取れるのかについては法律上の定めはありません。養育費の金額は、夫婦の話し合いによって決定します。目安となる金額として、近年では裁判所が公表している養育費算定表を利用するケースが多いです。

親権:通常通り「話し合い・調停・審判・裁判」で決める

夫婦に子供がいる場合には、離婚時に父か母のどちらかが親権者となります。子供の親権者を決める流れは以下の通りです。

  1. 夫婦の話し合い(協議離婚)
  2. 調停離婚
  3. 審判離婚で親権を決定

まずは離婚と同様に、夫婦の話し合いによって合意を目指します。合意に至らなければ、離婚調停の申し立てを行い、親権者をどちらにするのか話し合いを行います。

調停離婚でも親権者が決まらなかった場合、以下のいずれかの方法で親権者を決定します。

・離婚のみ調停を成立させて、親権は審判で決定する
・離婚調停を不成立として、調停に代わって審判離婚を行う
・離婚調停を不成立として、調停に代わって裁判離婚を行う

審判離婚とは、調停が不成立となった場合に、調停に代わって審判によって離婚を成立させる方法です。審判は家庭裁判所の裁判官が、職権のもとに必要な決定を下して離婚を成立させることを指します。

親権者を決める要素としては、主に以下のものが挙げられます。

  • 子供への愛情
  • 子供の年齢と意思
  • 親の健康状態
  • 離婚後の生活環境
  • 離婚後の生活状況

親権争いのポイントとして、母性優先の原則により、子供が幼ければ幼いほど母親に親権が認められやすくなります。

日本では母親の親権の獲得率が約90%を占めていて、父親は10%程度しか親権を獲得できません。そのため父親が親権を獲得することは相当難しいことを理解しておきましょう。

また親権者となれなかった側の親は、面会交流によって定期的に子供と会うことが認められます。面会交流とは、離婚によって一方の親と離れて暮らす子供が、親子として交流を持つことです。一緒に遊んだり、電話で話をしたり、手紙のやり取りをしたりする例が挙げられます。

面会交流の条件は、通常は夫婦の話し合いによって決定します。もしも合意に至らなければ、面会交流調停、面会交流審判によって決定されます。将来的に面会交流の条件で認識の相違を生まないためにも、離婚協議書などで合意内容を書面化することが望ましいでしょう。

養育費:「養育費算定表」を利用するのがおすすめ

養育費とは子供の権利であり、子供を養育しない側の親が支払うことになります。

原則として、養育費は子供が20歳(成人)になるまで支払われます。

養育費の支払いは法律上の義務ですが、いつまで養育費が受け取れるのかについては法律上の定めはありません。養育費は「未成熟子」の養育費用と考えられているため、一般的には未成年の子を指します。

養育費の金額は、夫婦の話し合いによって決定します。目安となる金額として、近年では裁判所が公表している養育費算定表を利用するケースが多いです。

養育費の平均相場は、母子家庭で平均月額50,485円、父子家庭で26,992円です。養育費の算定で考慮される要素は、子供の年齢や人数・両親の年収など様々です。

一例として、権利者の年収が400万円で14歳以下の子供が2人いるケースを確認してみましょう。養育費の相場は以下の通りとなります。

義務者の年収 相場(義務者が会社員) 相場(義務者が自営業者)
年収300万円 2~4万円 6~8万円
年収500万円 4~6万円 10~12万円

養育費はそれぞれの年収を考慮して算出されます。そのため権利者の年収が高いと、義務者の年収によっては養育費が少なくなる可能性も考えられます。

そのため、一例として権利者の年収が400万円で義務者の年収が300万円の場合、養育費の相場を下回る金額も想定しなければなりません。

参考:令和 3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要
参考:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所

養育費について当事者同士で話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てて、養育費の支払いを求めることができます。調停で解決できないときは、裁判官が審判で判断する流れとなります。

「性格の不一致」での離婚の切り出し方

性格の不一致による離婚の切り出し方は、明確な理由を伴わないケースもあるため、なかなか難しいと感じる方もいるかもしれません。

別居による婚姻関係の破綻・不倫・DVといった行為が離婚の原因であれば、離婚を切り出す前に証拠を集めておきましょう。慰謝料請求の証拠となるだけでなく、裁判に発展した場合でも、離婚を認められる可能性が高まります。

また離婚したい理由を明確に相手に伝えることも大切です。自分の気持ちを紙に書き出して論点を絞るなど、事前に理路整然とした内容にまとめておくことで、感情的な話し合いになることを防げます。

また子供の進学や自立、仕事の退職時などの節目の時期のほうが、夫婦にとっても尊重できる決断を導き出せるかもしれません。

別居などの婚姻関係の破綻や不倫・DVなどがある場合は切り出す前に証拠を集める

長期間の別居による婚姻関係の破綻や不倫といった不貞行為やDV(家庭内暴力)が離婚の原因である場合、離婚を切り出す前に証拠を集めておきましょう。

性格の不一致という理由だけでは、法定離婚事由に該当しないことから、裁判で離婚を認めてもらうことは難しいのが実情です。また性格の不一致による離婚は、原則として慰謝料を請求できません。

そこで離婚を切り出す前に証拠を集めておくことが重要となります。一例として、裁判で不倫の事実関係を証拠を通して立証できれば、離婚が認められる可能性が高まります。

理由も合わせて冷静に伝える

離婚を切り出すときは、離婚したいという明確な意思を、理由と合わせて冷静に伝えるようにしましょう。

大切な点は、決して感情的にならないようにすることです。感情に訴えて闇雲に話を続けても、相手はどうしてあなたが離婚したいのかを理解し切れないでしょう。自分の気持ちを紙に書き出して論点を絞るなど、理路整然とした内容にまとめることで、離婚を切り出しやすくなります。

離婚したい理由が性格の不一致である場合は、性格の不一致による双方の不利益を伝えることが望ましいです。離婚を決意するほどの性格の不一致となる理由や具体的なエピソードを伝えるようにしましょう。「日々の些細な言い争いに疲れてしまった」、「金銭感覚が合わず、互いの楽しみを共有できない」など、ポイントを整理することが大切です。

また話し合いの最中は、念の為に録音を取っておくことをおすすめします。話し合いで決まった内容を確認できるだけでなく、弁護士に相談する際に情報共有をしやすくなります。話し合いの最中に自白や暴言や暴力があった場合にも、証拠として有利に働きます。

子供の進学・自立や退職時などの節目の時期に伝える

離婚によって、お互いの人生に大きな変化が訪れることは間違いありません。また子供がいる場合には、子供の将来にも大きな影響を与えることになります。

もしも離婚を切り出すタイミングに悩んでいるなら、子供の進学や自立、仕事の退職時などの節目の時期こそ離婚を切り出しやすい時期といえるでしょう。

子供が幼い場合は、学校が変わるタイミングであれば通学や友人関係にも支障が出にくいです。気持ちを切り替えやすいことから、新しい環境にも馴染めるかもしれません。子供が成人や就職で自立するタイミングであれば、きっと夫婦の決断を尊重してくれるはずです。

仕事の退職はライフステージの変化をもたらすため、人生の転機として冷静に受け止めてもらえる可能性があります。ただし定年退職時に離婚を切り出すと、相手の性格次第では生活の変化を望まずに離婚を拒まれるケースも想定されます。その場合は、定年退職を迎える数年前のタイミングで離婚を切り出すことも視野に入れてみましょう。

「性格の不一致」で離婚を考えたら弁護士に相談するべき理由

性格の不一致で離婚を考えているなら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。具体的な理由は以下の通りです。

  • 離婚するのに必要な条件を教えてくれる
  • 離婚時のお金や親権について詳しく相談できる
  • 相手との交渉を円滑に進めてくれる

それぞれ解説していきます。

離婚するのに必要な条件を教えてくれる

性格の不一致が原因で離婚したいと思っても、相手の同意が得られるとは必ずしも限りません。また慰謝料請求できないケースも十分に考えられます。

弁護士に相談することで、協議離婚や調停離婚による話し合いで離婚を成立させるサポートを全面的に行ってくれます。弁護士が個別に状況を把握することで、慰謝料請求の可否や相場も具体的に提示してくれるでしょう。

離婚の際に決めた条件は、後から変更することが非常に困難です。あなたの置かれた状況を弁護士に相談することで、不利な立場に置かれることなく、離婚までの道筋を明確に示してくれます。

離婚時のお金や親権について詳しく相談できる

離婚を決意した場合、財産分与や親権獲得や離婚後の生活など、決めなければならない事項が多数存在します。絶対に譲れない部分から折り合いを付けるべき部分まで、弁護士が法的な観点から専門的にアドバイスを行ってくれます。

多くの方にとって離婚は初めての経験であり、どのように問題に対処すれば良いのか分からないはずです。弁護士が親身に相談に乗ることで、あなたの精神的な不安も解消されるでしょう。

相手との交渉を円滑に進めてくれる

協議離婚においては、弁護士があなたに代わって交渉を行ってくれるため、ストレスを感じることなく離婚に向けた話し合いを進めることができます。相手と直接やり取りした場合、相手の対応に感情的になってしまい、膠着状態に陥ることも十分に考えられます。

第三者が介入することで、双方が合意できる妥協点を見つけやすくなることもメリットです。一例として、妻に対して高圧的な態度を取る夫でも、弁護士が相手となれば態度が軟化して話し合いに応じやすくなるケースがあります。

当事者同士での話し合いがそもそも進まないという状況であれば、弁護士に相談するだけでも事態は進展するかもしれません。

まとめ

性格の不一致を理由に離婚する場合、協議離婚か調停離婚による話し合いでお互いが合意できれば、どのような内容であっても離婚は可能です。ただし裁判に発展した場合は、性格の不一致という理由だけで離婚を認めてもらうことは難しいです。

性格の不一致を理由に離婚を考え始めたら、まずは相手に自分の気持ちを伝えながら、相手との協議(話し合い)を進めていきましょう。

自分だけでは対処し切れない問題だと感じられるなら、夫婦の現状を弁護士に相談することもおすすめです。離婚問題に知見を持つ弁護士が、あなたを解決に導くアドバイスや、代理人として離婚に向けた話し合いを行います。

「性格の不一致」での離婚についてよくある質問

性格の不一致で離婚した後に、相手が不倫していたことがわかった場合、慰謝料の請求はできますか?

相手の不倫が肉体関係を伴う不貞行為であり、時効が成立していなければ、離婚後でも慰謝料を請求できます

時効となる期間は不倫の事実を知ってから3年、除斥期間(権利を行使できる期間)は不倫があったタイミングから20年です。

不倫の慰謝料請求には時効と除斥期間が存在し、時効の起算点は専門的な法律の知識が無ければ正確に把握することは困難です。「既に3年が過ぎて時効だから慰謝料請求できない」と思っていても、弁護士が計算すると慰謝料請求が可能と判断されることは十分にあり得ます。

離婚後に不倫の慰謝料請求を行う場合、自分だけで判断せずに弁護士に相談してみましょう。

性格の不一致が理由で離婚したいのに、相手が合意してくれない場合はどうしたら良いですか?

性格の不一致を理由に離婚したいものの、話し合いによって相手が合意しない場合は、調停を申し立てる流れとなります。原則として話し合いのみで一方的に離婚を成立させることは難しいと認識しておきましょう。

調停離婚では裁判官や調停委員の第三者を交えての話し合いとなるため、調停委員が相手を説得したり、離婚条件の調整を行ってくれる場合があります。具体的な条件を詰めていくことで、相手の気持ちにも変化が生まれるかもしれません。

また弁護士に代理交渉を依頼することで、相手の態度が軟化し、協議の時点で離婚が成立することも十分に想定されます。離婚を決意した早期のタイミングから弁護士に依頼を行うことも有効な手段です。

性格の不一致を理由に離婚するために準備しておくべきことはなんですか?

性格の不一致という理由は、どちらかに一方的な非があるとは言い切れないため、相手から心情を理解してもらえないケースも十分に考えられます。

自分の気持ちを紙に書き出して論点を絞るなど、具体的な内容かつ時系列ごとに整理することで、あなたの考えや本気度が伝わるはずです。

協議離婚や調停離婚では、双方が合意すればどのような理由でも離婚は成立します。まずは離婚したい理由や背景を明確にして、相手との話し合いに臨む準備を行いましょう。

性格の不一致が理由の離婚で慰謝料請求をすることは可能ですか?

原則として性格の不一致による離婚の場合、慰謝料請求が認められることはありません

慰謝料とは精神的苦痛の代償として請求できるお金です。性格の不一致は、夫婦のどちらかに一方的な原因があるわけではないため、慰謝料の請求原因が認められないのです。

ただし相手が婚姻関係を破綻させるような不法行為を行ったため、精神的苦痛の代償として慰謝料を請求できるケースもあります。具体的には以下のような例が挙げられます。

・性格の不一致によって、夫婦喧嘩が発生し、暴力を振るわれた(DV)
・性格の不一致によって、日常的に暴言をや人格否定の発言をされた(モラハラ)
・性格の不一致によって、相手が不貞行為を繰り返し行っていた(不倫)

上記の例に該当するような場合は、慰謝料請求を行う前に十分な証拠を集めておく必要があります。