新婚(1年半未満)で離婚する理由
離婚に至る理由にはさまざまなものがありますが、1年半未満の新婚で離婚する場合は、主に以下のような理由が挙げられます。
- DV(モラハラ)・不倫などの問題がある
- 性格が合わない、一緒にいるとストレスを多く抱える
- 借金がある・金銭感覚に違いがある
- 子育て方針に大きな違いがある
- セックスレスが長期間にわたる
- 配偶者の親との関係が悪く、配偶者も親の味方になっている
それぞれの問題点を詳しく見ていきましょう。
DV(モラハラ)・不倫などの問題がある
身体的や肉体的なDV、または不倫などの不貞行為がある場合、いくら新婚とはいえ離婚を考える大きな原因となるでしょう。「新婚だから」と最初は我慢していても、いずれその関係は破綻します。とくにDVを受けたままでいると、身の危険が生じるため早目に警察や行政などの専門機関へ相談することをおすすめします。
また、DVや不倫が理由の離婚の場合は、相手への慰謝料請求が可能です。DVなら日記をつけたり医師の診断書や受診歴を取っておく、不倫の場合はLINEのトーク履歴やレシート・カード明細など証拠となるものを残しておきましょう。
性格が合わない、一緒にいるとストレスを多く抱える
交際中は相手の好ましい面しか見えていなかったが、いざ結婚してみるとこれまで気づかなかった部分がお互いに明らかになるケースがあります。この傾向は特に、同棲を経ず結婚してから初めて同居したカップルに多く見られるかもしれません。
生活習慣の違いや交際中には知らなかった性格上の一面などが明らかになった際に、話し合いやすり合わせを行って解決できれば大きな問題にはなりません。しかし、違和感が一時的なものでは済まず、日々ストレスが溜まっていくのであれば離婚を選択するのも1つの手段です。ストレスが原因で心身に不調をきたす可能性もあるため、違和感を覚えたら溜め込まずに解決法を探りましょう。
借金がある・金銭感覚に違いがある
結婚後に借金が発覚するのも、離婚の理由として多くあります。結婚前に借金がわかっていれば我慢して乗り越えられる可能性もありますが、結婚後の発覚は相手への信用度が下がります。金銭的な問題だけでなく、借金という重大な事由を隠されていたとの不信感から相手を信用できなくなるでしょう。
また、借金が無くても金銭感覚の違いで離婚に至るケースもあります。育ってきた環境が違えば金銭感覚も異なる可能性はありますが、あまりに感覚の差が大きいと共に生活していくのは困難です。
子育て方針に大きな違いがある
子供がいる場合やいずれ子供を望んでいる場合、子育て方針に大きな違いがあると円満な婚姻生活を送るのは難しいでしょう。金銭感覚と同じく、育ってきた環境で子育てに関する思いや方針が異なることはありますが、結婚生活を送るうえでお互いに歩み寄り共通認識を持てるようになるのが理想です。
しかし歩み寄りができない場合、それぞれが子供のためを思うからこそ夫婦の溝が大きくなる可能性があります。育て方の違いから教育方針まで、さまざまな面で衝突が起こるような状況なら、離婚を選択肢の1つに入れる方が良いでしょう。
セックスレスが長期間にわたる
交際中は仲睦まじかったカップルも、結婚生活に変わりしばらくするとセックスレスになる場合があります。セックスレスになる原因はさまざまですが、主に以下のようなものが挙げられます。
- 寝室で(1人で)テレビや映画などを楽しんでしまう
- 会話量が少ない
- 夫の清潔感がない(風呂に入らない、着替えない、加齢臭がするなど)
- 妻が出産後体重が増えた・身の回りに構わなくなった
リビングで夫婦でテレビや映画を楽しまず、寝室で1人で楽しんでしまった結果、そのまま寝落ちすることが多くなりセックスの機会が失われます。夫婦それぞれで夜の時間を楽しむようになった挙げ句、会話が少なくなるケースもあるでしょう。他にも、夫や妻に対して異性を感じられない、性的興味が湧かなくなったなどの理由も挙げられます。
セックスレスになれば出産も叶いません。そのため、子供が欲しいにもかかわらず長期間にわたってセックスレスに陥っている場合、離婚を考えるのも仕方がないと言えるでしょう。ちなみに、夫婦のどちらかが一方的にセックスを拒絶している場合、セックスレスによる離婚で慰謝資料を請求できる可能性があります。
配偶者の親との関係が悪く、配偶者も親の味方になっている
配偶者の親との折り合いが悪い場合、婚姻生活を送るのが苦痛になるケースもあります。代表的なものが、昔からよく言われる「嫁姑問題」です。親と同居の場合はもちろん、別居でも相手の親との関係が理由で離婚に至る場合もあります。
配偶者が親との間に立ってくれたり、こちらの味方になってくれれば乗り越えられる可能性がありますが、親の味方になるケースでは関係は悪化するばかりです。そうなると義親との関係改善は難しくなるため、結婚生活を終わらせるのも選択肢に上がります。
新婚(1年半未満)離婚に至る夫婦の特徴
では、新婚で離婚に至る夫婦には何か特徴があるのでしょうか。一概に「離婚するのはこんな人」とは括れませんが、新婚で離婚をしたカップルには以下のような傾向があります。
- スピード婚をした
- 自分の都合を優先させている
- 夫婦で共有する時間が少ない
- 隠し事がある
- 一人暮らしの経験が少ない
- 結婚式を挙げていない
- 真面目な性格・上昇志向が高い
- 親や兄妹が離婚を経験している
これらの人がなぜ結婚後1年半未満で離婚に至る傾向にあるのかを、詳しく解説します。
スピード婚をした
出会ってすぐに結婚するいわゆる「スピード婚」をした場合です。スピード婚の場合、お互いのことを深く知らないまま感覚的に結婚する場合があります。そのため「(結婚生活に対して)こんなはずじゃなかった」「相手がこんな性格だと思わなかった」のように、実は価値観が合わなかったなどの理由で新婚ながら離婚に至るケースです。
また、「出会ってすぐに感覚的に結婚する=熱しやすく冷めやすい性格」の人が多いと思われるのも、新婚期間中の離婚の一因と考えられます。
自分の都合を優先させている
結婚してからも自分の都合や感情ばかりを優先させる人も、新婚期間に離婚に陥りやすいです。たとえば独身時代と同じ様に飲み会や遊びに出かけたり、家事を一方に押し付けている人などが挙げられます。お互い納得の上でその様に振る舞っているのなら問題ありませんが、片方が我慢している状態ではいずれ上手くいかなくなるでしょう。
一人暮らしや実家暮らしとは違うことを理解し、相手のことも考えた行動や言動ができると夫婦関係が改善する可能性があります。
夫婦で共有する時間が少ない
夫婦の時間が少なくなる原因には、仕事が忙しいや生活リズムが異なるなどが挙げられます。夫婦で共有する時間が少なくなれば、会話もほとんどできずお互いへの気持ちが薄れたり、結婚している意味を見いだせなくなる場合があるでしょう。
しかし、仕事や生活リズムの違いは中々改善が難しいことでもあります。直接会話ができなくても、まめに連絡を取るなどの対策で夫婦関係が改善できるかもしれません。
隠し事がある
結婚生活は信頼関係が重要です。信頼できない人とは、長い結婚生活を送れないと思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、借金や浮気、離婚歴などの隠し事があり、それらが発覚した時点で「嘘がつける人」とのレッテルが貼られるのは避けられません。相手を信用できなくなった時点で、離婚が頭をよぎる人も多いでしょう。
一人暮らしの経験が少ない
一人暮らしの経験がない、もしくは少ない場合、料理や掃除、洗濯など家事のやり方が身についていないケースがあります。そのため家事の経験がある方に負担が偏り、不満が溜まりがちです。
また、これまで身の回りのことを親がすべてしてくれていた場合、家事をしてもらうことの有り難みをあまり感じない人も中にはいます。日頃からの感謝を配偶者に伝えられず、相手の不満がいつか爆発する可能性があります。
結婚式を挙げていない
離婚を考えた時に、結婚式に参列してくれた人の顔を思い浮かべて離婚を思いとどまるケースがあります。多くの人に直接祝福してもらった経験があるため、安易に離婚はできないとストッパーがかかるのでしょう。
しかし、結婚式を挙げていなければそのようなストッパーはありません。相対的に、結婚式を挙げていない方が離婚しやすくなると言えます。
真面目な性格・上昇志向が高い
性格が真面目や上昇志向が高い人は、自分がストイックな分、相手に対してもストイックに接してしまう場合があります。家事の仕方や生活態度、仕事への向き合い方など、自分と同じレベルを求めるあまりに細かなことでも指摘してしまい、お互いのストレスを溜める元となる可能性があります。
相手も同じような考え方の場合は問題ありませんが、価値観や考え方が異なる場合はこじれた末に離婚へ至る可能性が高まります。
親や兄弟が離婚を経験している
身近に離婚を経験している人がいる場合、離婚に対する抵抗が少ない傾向にあります。とくに親や兄妹など、親族に離婚経験者がいればハードルはさらに下がるでしょう。「結婚を続けなければ」といった周囲からのプレッシャーが少ないため、離婚の決断も早くなるかもしれません。
新婚(1年半未満)離婚をするメリット
新婚夫婦が離婚をするメリットについて実際に新婚期間に離婚をした人からの意見を聞いた結果、以下のような回答結果となりました。
新婚のうちに離婚してよかった理由 |
全体実数 |
全体% |
時間を無駄にせずに済んだ |
83 |
34 |
精神的な負担が少なくて済んだ |
54 |
22 |
再婚の可能性が広がった |
43 |
18 |
生活環境を戻しやすかった |
31 |
13 |
離婚時に決めること(財産分与や慰謝料など)が少なくて済んだ |
19 |
8 |
再就職の可能性が広がった |
8 |
3 |
その他 |
3 |
1 |
合計 |
241 |
100 |
なお、男女に傾向の差は見られませんでした。
時間を無駄にせずに済む
結婚当初から違和感を感じている場合、ダラダラと婚姻関係を続けているよりも早目に離婚に踏み切った方が無駄な時間を過ごさずに済みます。また、相手の浮気や借金など許せない気持ちを抱えたまま結婚生活を続け、いつか離婚に至るのなら新婚だからと躊躇せずに離婚した方が良い場合もあるでしょう。
精神的な負担が少なくて済む
新婚期間に離婚することには、結婚生活のストレスや精神的負担にさらされる期間が短く済むといったメリットがあります。また、婚姻期間が短いため離婚に関する精神的負担も少ない傾向があるでしょう。精神的に引っ張ることなく、スムーズに新たな生活へ踏み出せます。
再婚の可能性が広がる
不満のある相手と結婚生活を続けるよりも、離婚して新たな出会いを探す方が人生の充実につながる場合もあります。離婚をすれば配偶者の世話をする時間や、結婚のしがらみから開放され自分の時間が持てるようになるでしょう。その結果、出会いの場が広がり再婚の可能性も高まります。
離婚時に決めることが少なくて済む
婚姻期間が短ければ、共有財産が少なかったり、まだマイホームを購入していなかったりと財産分与の取り決めがシンプルになる可能性があります。また、子供がいない夫婦なら親権や養育費などの取り決めもないため、離婚手続きが比較的簡単にできるでしょう。
生活環境を戻しやすい
長年慣れ親しんだ生活習慣や環境を変えるのは大変です。しかし新婚で離婚する場合は婚姻期間が短いため、以前の生活環境に戻すのも容易と考えられます。女性で子供がいない場合、結婚前から継続して同じ会社に勤めている可能性が高いため、離婚しても結婚前に戻るだけといった点もメリットです。
新婚(1年半未満)離婚をするデメリット
新婚期間中の離婚にはメリットもあればデメリットもあります。「新婚のうちに離婚して後悔した理由」を聞いたところ、以下の表の回答が得られました。デメリットについても、メリットと同じく男女の傾向の差はありません。
新婚のうちに離婚して後悔した理由 |
全体実数 |
全体% |
後悔していない |
79 |
56 |
親族や周囲に非難された |
16 |
11 |
経済的に厳しくなった |
16 |
11 |
婚活・再婚しづらかった |
9 |
6 |
ご祝儀泥棒よばわりされた |
5 |
4 |
誤解したまま離婚してしまった |
3 |
2 |
その他 |
12 |
9 |
合計 |
140 |
100 |
親族や周囲に非難されやすい
自分に非があって離婚に至った場合、相手の親や親族、自分の身内からも非難される可能性があります。また、周囲にお祝いしてもらったにもかかわらずスポード離婚になれば、理由はどうあれ「ご祝儀泥棒」「世間体が悪い」などと揶揄される場合もあるでしょう。忍耐力がないと思われ、顔を合わせるたびに心無い言葉をかけられるかもしれません。
経済的に厳しくなりやすい
婚姻期間が短いと、共有の財産もそれほど貯まっていない場合があります。そのため財産分与もほとんどなく、離婚後に経済的に苦しくなる人もいます。子供を相手が引き取っていれば、養育費の支払いが重くのしかかる人もいるでしょう。逆に、貯金があまりないまま離婚し、さらに取り決めた養育費をきちんと払ってもらえず経済的に困窮するケースもあります。
婚活・再婚しづらかった
「新婚(1年半未満)離婚をするメリット」では、「再婚の可能性が広がる」をメリットに挙げました。たしかに、早目に離婚をすることで婚期を逃しにくいといった面はあります。しかし、「新婚なのに離婚をした」という事実は残るため、相手からの信頼を得るのが大変になりやすいといったデメリットを考える必要があるでしょう。
新婚(1年半未満)離婚するための準備
新婚の期間に離婚を決意したら、実際に離婚をする前にするべき準備があります。離婚後に新しい生活を始めるための住まいや仕事を探すのも準備の1つです。相手に非がある場合は証拠を集めて、慰謝料請求の準備をすることも忘れないようにしましょう。
離婚後の住まいを探す
離婚後に今住んでいる家を出る場合は、新たな住まいが必要です。子供がいる場合は、学校に通いやすい立地や安全性、周辺環境などを考慮して探しましょう。
また、家を出るにあたっての注意点もあります。夫婦でローンを組んで購入した住宅に住んでいる場合、残債の支払いや名義変更の手続きなどで揉める可能性を考慮しなくてはいけません。離婚後に何度も相手とやり取りをする手間を省くためにも、手続きは離婚前に済ませておくと良いでしょう。また、賃貸物件の場合は、入居したばかりだと違約金が発生する可能性があります。賃貸借契約書及び重要事項説明書に記載があるかどうかの確認が必要です。
離婚後の仕事を探す
結婚して専業主婦(夫)になったりパート勤務をしていた場合、離婚後の生活の基盤として新たな仕事を探さなくてはいけません。「新婚(1年半未満)離婚をするデメリット」で解説した通り、離婚後に経済的に厳しくなったと後悔する人は一定数います。離婚後の生活を安定させるためにも、なるべく早く仕事を探すのがおすすめです。
相手に非がある場合は証拠収集を行う
離婚理由が相手の不倫やDV、モラハラなどの場合、慰謝料を請求できる可能性があります。ただし、慰謝料請求には証拠が必要なため、離婚前に証拠を集めておきましょう。
- 不倫やDV、モラハラがあったことを示す証拠写真
- 不倫やDV、モラハラの最中の証拠映像や音声
- DVやモラハラで受けた心身の傷のため医療機関を受診した記録
- 警察への相談記録
- 第三者の証言
- 不倫やDV、モラハラによる精神的・肉体的被害を綴った日記やメモ
DVやモラハラに関する証拠集めは基本的に自分で行います。しかし、命の危険や子供への悪影響を感じた場合は証拠集めに躍起にならず、いち早く身の安全を確保し離れる選択も必要です。また、不倫の証拠は自分で集める以外に、探偵に依頼することも可能です。
新婚(1年半未満)離婚する際に決めておくべき離婚条件
離婚をする際には、金銭面や条件など決めるべきことがあります。婚姻期間が長い場合と比べて、新婚期間の離婚では決めておく条件も少ない傾向にありますが、決めるべきことはしっかりと取り決めておきましょう。具体的には、以下についての取り決めを行います。
それぞれについて詳しく解説します。
慰謝料
慰謝料は離婚したからといって必ず発生するわけではありません。どちらか一方に非があり、それが理由で離婚に至った場合に被害者の精神的損害の賠償金として請求されます。離婚で慰謝料を請求できるのは主に以下のケースです。
離婚理由 |
内容 |
慰謝料相場 |
不貞行為 |
性交渉及び性行為類似行為(手淫や口淫などの性行為に準ずる行為)を伴う不倫 |
50~300万円 |
悪意の遺棄 |
正当な理由なく、同居や協力、扶助の義務を違反すること |
50~200万円 |
セックスレス |
長期間にわたる一方的な性交渉の拒否 |
100~300万円 |
DV・モラハラ |
身体的及び精神的な暴力 |
50~300万円 |
どのような理由でも、婚姻期間や離婚事由に該当する行為の継続期間によって、慰謝料は異なります。期間が長ければ長いほど、高額な慰謝料を請求できる可能性は高くなります。また、行為の悪質性によっても高額になる場合があるため、しっかりと証拠を揃えておくのが重要です。
一方、以下のような理由で離婚をする場合は慰謝料はもらえません。
- 性格の不一致、配偶者の家族との関係が悪い
- すでに夫婦関係が破綻している中での不貞行為
- すでに十分な慰謝料を受け取っている
慰謝料の請求が認められるのは、基本的に「離婚に至った原因が片方の配偶者の非にあること」が条件です。そのため、お互いに原因があると思われるような性格の不一致などは、慰謝料請求の対象にはなりません。また、夫婦がお互いに関係を修復する意思をなくしているなど「夫婦関係が破綻している」と判断されると、平穏な夫婦生活を送る意思がないとみなされ、その権利も保護されないため慰謝料の対象外です。3つ目の「すでに十分な慰謝料を受け取っている」というのは、たとえば以前に不貞行為で慰謝料をもらったが離婚せず、後になって当時の不貞が許せず離婚するような場合です。すでに不貞を理由として慰謝料を受け取っているので、離婚時に同じ理由でさらに慰謝料を請求することはできません。
財産分与
財産分与は、結婚している間に夫婦で築いた共同財産を離婚時にそれぞれへ分けることです。一般的には以下の財産が分与の対象になります。
- 預貯金や株式、生命保険
- 財形貯蓄、退職金
- 結婚後に購入した住宅(ローンを含む)
- 結婚後に購入した自動車
結婚している間に築いた財産が対象のため、結婚前に所有していた車などは対象とはなりません。また、婚姻中に築いた財産は名義が夫婦どちらのものであるかにかかわらず、財産分与の対象となります。
財産分与の割合は、原則1/2ずつです。また、十分な分与財産がなく、さらに妻が専業主婦で幼い子どもがいる場合など、離婚後に生活が困窮すると予測されるケースがあります。このような場合、離婚後数年間は夫から妻へ生活費を支払う「扶養的財産分与」という方法もあります。
親権
子どもがいる場合は、どちらが子どもの親権を取るか決めなくてはいけません。親権とは、子どもが成人するまで養育し、監護や教育、子の財産の管理を行う権利です。一般的には親権を取得した方の親が、子どもと一緒に暮らすことになります。
親権について、離婚時に揉めることはよくあります。また離婚後の面会交流などでも揉めるケースがあるため、親権の取り決めは離婚協議書にしっかりと記載しておきましょう。
養育費
離婚をすると夫婦は他人になりますが、親子の関係が無くなるわけではありません。親には子の扶養義務があるため、親権を持たない親から子へ、子どもが成人するまで養育費の支払い義務が生じます。
養育費の金額は、夫婦の話し合いで決まる場合はいくらでも構いません。ただし、話し合いで合意できない場合は、調停や家庭裁判所での審判及び裁判で決めることになります。審判や裁判の際は、養育費算定表を元に相場を算出します。
新婚(1年半未満)離婚をする流れ
新婚で離婚するための準備が終わったら、離婚について配偶者との話し合いが必要です。ただし、話し合いで離婚そのものや離婚条件に合意が得られない場合は、離婚裁判に発展する場合もあります。
協議離婚や調停離婚、離婚裁判についてのポイントを詳しく解説します。
離婚について配偶者と話し合う(協議離婚・調停離婚)
離婚後の住まいや仕事、希望する離婚条件が決まったら、配偶者と離婚について話し合いましょう。その際には、相手からの反論や質問にスムーズに答えられるよう、離婚に至った理由を準備しておきます。また、話し合いの中で感情的になってしまわないように、落ち着いて話せる環境を作るのも大切です。
話し合いで解決する離婚方法には「協議離婚」と「調停離婚」があります。協議離婚はお互いの話し合いと離婚届の提出のみで成立します。一方調停離婚は調停員を間に挟み、話し合いを経て離婚に至ります。協議離婚で合意が得られない場合に調停離婚へ進むことになりますが、調停離婚でも合意に至らなければ離婚裁判へ発展します。裁判となると時間もお金もかかるため、なるべく協議離婚や調停離婚での離婚成立を目指しましょう。
離婚裁判を提起する
調停で離婚や条件に合意が得られない場合は、離婚裁判を提起します。ちなみに、離婚裁判を提起するには原則的に離婚調停の手続きを経ている必要があるため、調停をせずにいきなり裁判へ進むことはできません。
裁判で離婚をするには、民法上定められている「法定離婚事由」を証明する必要があります。法定離婚事由に定められているのは以下の5つです。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 配偶者の生死が3年以上不明
- 回復が見込めない重度の精神病患者
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由
上記の存在を示す証拠を用意しておきましょう。離婚事由に該当すると裁判所で認められると離婚が成立します。離婚の成否だけでなく財産分与や親権、慰謝料についての申立を合わせて行うのも可能です。
証拠に基づいた法的な判断のもと、勝訴すれば確実に離婚できるのが離婚裁判のメリットです。ただし、離婚裁判はすぐに結審することはなく、半年~1年ほどの期間がかかります。婚姻期間が短くても、離婚成立まではある程度の期間を要することに注意が必要です。
新婚(1年半未満)離婚を考え直すための方法
離婚が頭をよぎったものの、本当に新婚で離婚をしてもいいのか、一時の気の迷いかもしれないと悩む人もいるのではないでしょうか。離婚に関して少しでも悩むなら、考え直すために以下の行動を起こしてみましょう。
- 夫婦で話し合いの時間を設ける
- 第三者に話し合いに入ってもらう
- 別居生活をしてみる
夫婦で話し合いの時間を設ける
まずは夫婦で話し合いの時間を設けて、わだかまりや不満に感じていることなどについて話し合いましょう。夫婦と言っても元は他人です。育ってきた環境が違うため、価値観が異なるのは仕方ありません。暗黙の了解だけで円満な夫婦関係を築こうとするのではなく、話し合いでお互いの考え方や価値観をすり合わせていくと夫婦関係が改善に向かう可能性があります。
また、話し合いの中で自分の価値観を押し付けるのではなく、相手の意見や考え方を理解し、尊重するのも大切です。話し合いができる相手なら、一度で折り合いがつかなくても諦めず何度も話し合ってみましょう。ただし、感情的にならず冷静に話し合うことが重要です。
第三者に話し合いに入ってもらう
夫婦での話し合いが円滑に進まない場合は、第三者に入ってもらうことも検討しましょう。2人だけではつい感情的になってしまう場合も、第三者がいれば冷静に話せる可能性があります。また、第三者の客観的な意見を聞いて、考え方が変わるかもしれません。
話し合いに入ってもらう第三者は、双方の親族や共通の友人がおすすめです。もしこの段階で本格的に離婚を検討しているなら、弁護士への相談も検討しましょう。
別居生活してみる
一時の気の迷いや勢い、勘違いなどで離婚に進んでしまうのを避けるには、一度別居してみるのも1つの方法です。離れて暮らすことで冷静になり、結婚した理由や配偶者を好きになった理由などが見つかるかもしれません。お互いに離れて頭を冷やした状態で話し合いをすれば、問題解決の糸口が見つかる可能性もあるでしょう。
また、別居した後に離婚となった場合でも、別居期間が長ければ裁判で離婚が認められる可能性が高くなります。別居期間中の婚姻費用は相手へ請求できるため、生活費に関して過剰に心配する必要はありません。ただし、相手に無断で別居をすると慰謝料請求される恐れがあるため注意が必要です。
まとめ
新婚なのに離婚を選択しても良いのかと悩む人はいますが、結婚2年未満で離婚するのは決して珍しいことではありません。新婚期間中の離婚にはデメリットもありますが、時間を無駄にせずに済むなどのメリットもあるため、夫婦関係が修復不可能なら離婚を選択するのも1つの方法です。ただし、離婚準備や離婚に際しての取り決めなどはきちんと行いましょう。まだ離婚を悩んでいる段階なら夫婦で話し合いの時間を作ったり、別居をしたりなど離婚を考え直すための方法もおすすめです。
もし本気で離婚を考えるなら、ぜひ弁護士へ相談してみましょう。離婚へ向けての話し合いや離婚協議、離婚条件などの取り決めがスムーズに進みます。ツナグ離婚弁護士なら、離婚問題に強い弁護士が探せます。有利な条件で離婚をするために、ぜひ問い合わせてみましょう。
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