クレジットカードの支払いを待ってもらうことはできるか?
クレジットカードは手元に現金がなくても決済できる便利品です。その一方で、当月に総額いくら使ったのかを把握しにくかったり、リボ払いが原因で残債が増えつづけたりというリスクがあるのも事実。結果として、利用額の支払いが難しい状況に追いこまれる債務者は少なくありません。
しかし、(後述する債務整理を利用しない限りは)クレジットカードの利用額はかならず支払う必要があります。なぜなら、契約通りにカード加盟店における決済額をカード会社が立て替え払いしてくれている以上、カード会社に対する支払い義務から逃れられないからです。
そこで、クレジットカードの支払いができない債務者が検討すべきことは、「クレジットカードの支払いを待ってもらうことができるか」という点。すでに支払い期日が経過しているか否かによって対策が変わるので、状況別に詳しく見ていきましょう。
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期限前ならクレジットカードの支払いを待ってもらいやすい
支払い期日が到来する前なら、クレジットカードの支払いを待ってもらいやすいです。なぜなら、まだ滞納状態にはおちいっておらず、債権者であるカード会社からの心証も悪くはなっていないからです。
ただし、「支払いを待ってもらいやすい」というだけで、「かならず支払いを待ってもらえる」というわけではない点には注意が必要です。原則として、支払い期限が到来した以上は債務を履行しなければいけません。支払いを待ってもらえるかどうかは、債権者側からの合意を引き出せるかにかかっているというわけです。
そこで、期限前にクレジットカードの支払いを待ってもらうためには、「債権者から合意を得やすい」形で交渉を進めるのがポイントとなります。たとえば、次の方法を参考にしてください。
- 分割払いの希望回数はできるだけ少なくする。
- ボーナス一括払いを提案する。
- 支払いが遅れる理由・毎月の家計状況・今後の返済見込みに具体性をもたせて説得する
支払い期日前は、「まだ滞納していない」という強みがあります。これに具体的な説得材料を添えることができれば、カード会社側も分割払いなどに応じてくれる可能性は高くなるでしょう。
ただし、たとえば過去に何度も滞納履歴がある状況などでは、すでにカード会社側から目をつけられている場合があります。この場合には、たとえ支払い期日前だとしても、支払いを待ってもらえないリスクがある点はご了承ください。
支払い期限が到来する前なら、
カード会社HPの会員ページなどから分割払いに支払い方法を変更できるケースがあります(たとえば、「
あとから分割(三井住友カード)」)。カード会社ごとに多様な支払い方法サービスを提供しているので、お手元のカード会員規約等をご確認ください。
クレジットカードの分割払いに変更するときには手数料に注意しよう
当月のカード決済額が増えすぎてしまった場合には、決済時に分割払いを指定したり、あとから分割払いに変更したりする方法で滞納を回避することができます。
もっとも、分割払いを行うときには手数料が発生する点に注意が必要です。一括払いでは決済額だけの支払いが求められるだけですが、分割払いはローンの返済と似た性質を持ちます。そのため、分割回数に応じて一定の手数料が発生します。
カード決済の分割払い手数料には次の特徴があります。
- 分割回数が多いほど手数料(の実質年率)が高くなる
- 分割払いの手数料は消費者金融からの借り入れ並みに高利率で計算される
たとえば、三井住友カード(SMBC)の分割払い手数料について見てみましょう。
分割回数 |
分割手数料の実質年利率 |
100円あたりの分割手数料額 |
3回 |
12.00% |
2.01円 |
5回 |
13.25% |
3.35円 |
6回 |
13.75% |
4.02円 |
10回 |
14.25% |
6.70円 |
12回 |
14.50% |
8.04円 |
15回 |
14.75% |
10.05円 |
参照:分割払い・あとから分割(SMBC)
たとえば、50,000円のクレジットカード利用額を10回払いに変更した場合、毎月の支払い額は5,335円、最終的に利用者が負担する手数料総額は3,350円(総支払い額53,350円)です。一括払いができない家計状況の債務者にとって高額な手数料は家計の負担にしかなりません。
したがって、分割払いに変更して完済を目指す場合でも、できるだけ分割回数は少なくする・家計に余裕が生まれたタイミングで残債を一括で払ってしまうことをおすすめします。
期限後はクレジットカードの支払いを待ってもらうために相談できる
すでにクレジットカードの請求額を滞納している場合、期限前よりも支払いにかんする交渉は難しくなります。なぜなら、滞納状況にある債務者に対する心証が悪くなってしまっているからです。
もっとも、すでに滞納しているからといって支払いを待ってもらうのが不可能というわけではありません。支払いについて交渉すること自体は可能ですし、次のポイントを押さえて交渉を進めれば支払いを待ってもらえる可能性もゼロではありません。
- 滞納後繰り返されるカード会社からの連絡を決して無視せず返済意思を明確に示す
- 滞納日数が浅い段階で分割交渉などを行う
- 滞納状態にあることを詫びて真摯に反省の態度を示す
- 今後の返済スケジュールや収入能力を具体的にアピールする
このように、クレジットカード利用額を滞納している債務者が支払い条件について交渉するときに重要なことは、返済意思を示して今後の分割払いの見込みについて具体性をもって説得することです。
滞納している以上は、カード会社側からの心証は悪くなっています。マイナスの状態からのスタートであることをしっかりと理解して、誠実な態度で交渉を進めましょう。
ただし、滞納状況や今までの支払い履歴を総合的に考慮した結果、支払いを待ってもらえないことも少なくありません。家計管理を工夫しても支払えない場合にはペナルティが大きくなるのを早期に防ぐ必要があるので、すみやかに弁護士に債務整理などを相談しましょう。
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パンデミックが理由でもクレジットカードの支払いを免除してもらうのは難しい
クレジットカードの支払いが難しい債務者のなかには、怪我・病気・新型コロナウイルスによる不況などが原因で収入が減少したことが原因だという人もいるでしょう。
ギャンブル依存症や浪費癖などが原因なら債務者に過失があるといえます。この場合に、カード利用額を滞納してペナルティが課されるのは当然です。
これに対して、怪我・病気などは仕方のない理由です。「債務者が悪いとはいえない事情が原因で支払いができないのだから、クレジットカードの支払いを待ってもらう・免除してもらうのも当然では?」と思われるかもしれません。
しかし、怪我・病気などの事情は、カード会社との契約には一切影響しないものです。つまり、どれだけ債務者にとって避けられない事情が原因で支払いが難しくなったとしても、カード会社が利用額の支払いを免除する材料にはなりにくいということです。
したがって、どうしてもクレジットカードの支払いができないのなら速やかに弁護士に相談をして債務整理に踏み出す、また、日々の生活費にさえ困る状況なら行政の福祉支援制度などを頼ることをご検討ください。
クレジットカードの支払いを延滞すると6つのペナルティが科される
クレジットカードの支払いを待ってもらうために交渉することは可能ですが、かならずしも支払いを待ってもらえるとは限りません。そのまま契約通りの支払い期日にお金を用意できないと、滞納状態におちいってしまいます。
滞納状態が深刻になるにつれて、債務者には次の6つのペナルティが発生します。
- クレジットカードが利用停止になる
- カード会社から督促が行われる
- 高利率の遅延損害金が発生する
- ブラックリストに登録される
- 残債を一括請求される
- 財産・給与などを差し押さえられる
それでは、クレジットカードの滞納によってどのようなデメリットが発生するのかについてそれぞれ見ていきましょう。
クレジットカードが利用停止になる
クレジットカードの支払いを待ってもらえないと、滞納翌日~数日以内にカードが利用停止になります。どのタイミングで利用停止になるかはカード会社によって異なるので、利用規約を確認しましょう。
たとえば、公共料金の支払い方法として指定している場合には、クレカの利用停止によってその他決済などもできなくなるので、デメリットが波及するリスクも。滞納を解消すればふたたびクレジットカードを使えるようになるので、できるだけ早期に未払い分を振り込むようにしてください。
また、滞納が一定期間継続すると、カード会員資格をはく奪されて強制解約されます。強制解約の時期についても規約に定めがあるのでかならずご確認ください。強制解約されると、当該カード会社でふたたびクレカを発行するのは不可能に近いと考えられます。
なお、クレジットカードの支払いを数日遅れただけでは信用情報機関に情報が登録されることはありません(延滞を理由に異動情報が記録されるのは滞納3ヶ月が目安)が、カード会社が自社内で集めている情報として蓄積される点に注意が必要です。1回の滞納・1日の滞納でも滞納であることに変わりないので、今後ふたたび滞納状況におちいった場合に不利な情報として働くことになります。
※クレジットカードが利用停止になった場合のデメリットついては、「任意整理後もクレジットカードは使える?利用停止になった場合の対策と支払いに関する注意点を解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。
カード会社から督促が行われる
クレジットカードの支払いを待ってもらえずに滞納状態になると、カード会社から電話・督促状の送付という形で取り立てが行われます。
お金を用意できないときに債権者から支払いを請求されるのはストレス要因になるものです。気力が削がれると生活の活力まで失われることになりかねません。
もっとも、カード会社からの連絡が怖いからといって、着信拒否したり留守番電話を無視したり不誠実な対応をするのはやめましょう。なぜなら、連絡のつかない債務者は支払い意思がないと判断されて法的措置に切り替えられるタイミングがはやくなるおそれがあるからです。
したがって、カード会社からの督促にはかならず対応しつつ、家計の安定や債務整理などの方法をすみやかにご検討ください。
※カード会社から督促状が届いたときの対処法については、「クレジットカードの督促状が届いたときの対処法!督促状を放置するリスクも詳しく解説します」で詳しく解説しているのでご参考ください。
クレカ滞納翌日から高利率の遅延損害金が発生する
クレジットカードの支払いを待ってもらえずに期日を落としてしまうと、滞納翌日から高利率の遅延損害金が発生します。
遅延損害金は【カード利用総額 × 遅延損害金年利率 ÷ 365日 × 延滞日数】によって計算される滞納ペナルティのこと。毎月の支払い額に加えて遅延損害金分もあわせて支払わなければ完済とは認められません。
そして、遅延損害金の問題点は、クレジットカード未払いの場合、各社の利用規約において厳しい遅延損害金年利率が設定されているという点です。たとえば、代表的なカード会社ごとの遅延損害金年利率は次の通りです。
たとえば、クレジットカードの請求額が30万円の場合、滞納日数に応じて次の遅延損害金が発生することになります(遅延損害金年利率は14.6%とする)。
- 滞納1日:30万円 × 14.6% ÷ 365日 × 1日 = 120円
- 滞納1週間:30万円 × 14.6% ÷ 365日 × 7日 = 840円
- 滞納10日:30万円 × 14.6% ÷ 365日 × 10日 = 1,200円
- 滞納1ヶ月:30万円 × 14.6% ÷ 365日 × 30日 = 3,600円
- 滞納2ヶ月:30万円 × 14.6% ÷ 365日 × 60日 = 7,200円
1日遅延損害金の負担を軽減するためには、1日でもはやく滞納分を支払うか弁護士に債務整理を依頼するしかありません。問題を先送りにすると日ごとに経済的負担が重くなるので、早期に解決に向けて動き出しましょう。
※遅延損害金については、「遅延損害金は借金延滞のペナルティ!請求されたら一刻も早く返済に向けて対処しよう」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
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クレカの滞納が続くとブラックリストに登録される
クレジットカードの支払いを待ってもらえずに滞納が2ヶ月~3ヶ月程度つづくと、信用情報機関に事故情報が登録されてブラックリストとして取り扱われることになります。
信用情報機関とは、各人の信用情報(収入・勤続年数・各種ローン状況・返済履歴など)を管理する組織団体のこと。全国銀行個人信用情報センター(KSC)・日本信用情報機構(JICC)・株式会社シー・アイ・シー(CIC)の3社です。
カード会社・消費者金融・銀行などの金融機関はいずれかの信用情報機関に加盟しており、各信用情報機関はそれぞれブラックリスト情報を登録していることから、クレジットカード利用額の未払いが原因でブラックリストに登録されると次のデメリットが生じることになります。
- すべてのクレジットカードを使えなくなる(新規発行も不可)
- ETCカードを使えなくなる
- 新たな借り入れ・ローン契約を締結できない
- 携帯電話・スマートフォン端末代金の分割払いができない
- 賃貸物件の入居審査に通りにくくなる
- 子どもの奨学金の保証人になれない
たとえば、クレジットカード利用額を1社だけ滞納したとしても、所有しているすべてのクレジットカードを使えなくなります。各カード会社が行う与信審査のタイミングに左右されるので強制退会させられる時期に違いはありますが、将来的にすべてのカードが使えなくなることには変わりません。
このように、延滞期間が長期化するとブラックリストとしてのデメリットが債務者の日常・将来に影響を及ぼすことになります。これらのデメリットを回避したいのであれば、ブラックリストに登録される前に滞納を解消しましょう。
ただし、どの時期に信用情報機関に事故情報が登録されるかについて画一的な基準はなく、2ヶ月~3ヶ月というのはあくまでも目安に過ぎないという点にご注意ください。過去にも滞納履歴があったり、債権者であるカード会社からの連絡を無視しつづけると早いタイミングでブラックリスト入りする場合もあります。
※ブラックリストに登録された場合のデメリットの詳細や対処法については、「債務整理と信用情報機関の関係は?ブラックリストに載った場合のデメリットと対処法を解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
クレカの滞納が続くと残債を一括請求される
クレジットカードの支払いを待ってもらえずに滞納が2ヶ月~3ヶ月程度つづくと、カード会社から残債を一括請求されます。
たとえば、リボ払い・分割払いを指定している場合、本来なら毎月の支払い期日が到来するまでは残債を支払う義務は発生しません。なぜなら、カード利用者側には期限の利益があるからです。
しかし、クレジットカード利用額の未納の場合、各カード会社の利用規約において定める「期限の利益喪失条項」に抵触することになります。その結果、毎月の支払い日まで待ってもらえずに残債の一括請求に応じる義務が発生します。
もっとも、月々の支払いさえ難しいのに残債の一括請求に応じられる債務者はほとんどいないはず。残債の一括請求を放置したままでは、つづく財産差し押さえの強制執行手続きに移行してしまうので、残債の一括請求を告げる内容証明郵便が送付されたらすみやかに弁護士に債務整理を相談しましょう。
※クレジットカードの残債を一括請求されたときの対処法については、「【無視厳禁】クレジットカードの一括請求が払えないときの対処法!裁判や差し押さえを債務整理で回避しよう」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
クレカの一括請求も払えないと財産・給与などを差し押さえられる
クレジットカードの支払いを待ってもらえずに残債の一括請求にも応じることができないままだと、最終的に債務者の財産・給与などが強制執行によって差し押さえられて未払い利用額の回収が行われます。
どの財産が差し押さえられるかは債権者であるカード会社次第ですが、一般的に差し押さえの対象になるのは次の財産等です。
差し押さえ対象 |
特記事項 |
給与 |
給与全額が差し押さえられるわけではない。債務者の生活維持のために、次の差し押さえ上限額が定められている。
・手取り額44万円以下の債務者:給与額の1/4までが差し押さえ対象
・手取り額44万円を超える債務者:33万円を超える部分が全額差し押さえ対象 |
債務者名義の預金口座 |
口座を開設している銀行との間でローン契約を締結していると、当該ローン残債も一括請求される。金額に不足があると口座が凍結される。 |
債務者名義の動産・不動産 |
家族名義の財産、年金や生活必需品などの差し押さえ禁止財産(民事執行法第131条)は対象外 |
つまり、強制執行によって「明日からいきなり生活ができなくなる」ということにはなりませんが、会社・家族に借金の事実がバレる・生活基盤が失われかねないなどのデメリットを避けることもできません。
たとえば、債務者名義のマイホームが競売手続きで処分されると住む場所を奪われることになります。また、銀行口座が凍結されると公共料金の引き落としができなくなるでしょう。さらに、給与が差し押さえられると会社に迷惑がかかるので、上司・同僚からの厳しい目を向けられるリスクもあります。
このように、滞納が原因で財産等が差し押さえられると、デメリットがない状態に戻すのが難しくなります。したがって、クレジットカードの支払いを待ってもらえないとしても、強制執行手続きに移行する前に債務整理に踏み出して借金問題を解決することを強くおすすめします。
※財産・給与等の差し押さえについては、「借金を放置して裁判所も無視するリスクとは?財産が差し押さえられる前に早期に弁護士を頼ろう」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
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クレジットカードの支払いが難しいときには実践可能な対策をとろう
クレジットカードの支払いを待ってもらうことができず、結果としてカード会社からの請求に応じられないときには、すみやかに現実的な対応策をとる必要があります。なぜなら、滞納がつづくと将来的には財産などが差し押さえられるリスクがあるからです。
クレジットカード利用額の請求に応じるために検討すべき対策は次の5つです。
- 家計を正しく管理する
- 家族・知人の力を頼る
- 家計安定のために行政の福祉支援制度を活用する
- 生命保険の契約者貸付制度を活用する
- 余裕のあるときに繰り上げ返済・一括返済を実践する
それでは、それぞれの方法について具体的に見ていきましょう。
※借金返済のために家計を整えるコツについては、「借金返済のコツを10個紹介!効率的な返済計画を立てて借金返済を終わらせよう!」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
毎月のお金の使い方を見直して家計を正しく管理する
クレジットカード利用額の支払いをするために、日々のお金の使い方に注意をすることからはじめてください。
毎月適切に家計を管理することができれば、カード会社からの請求に毎月頭を悩ませることはなくなるはずです。
それでは、家計管理を適切に行うために特に押さえるべきポイントを見ていきましょう。
家計簿をつけて節約をする
まずは、家計簿・家計簿アプリを利用して毎月の支出を見える化してください。使ったお金を書き出す癖をつければお金に対する管理意識を高めることができるでしょう。
まずは、家賃・光熱費・食費・被服費・保険料・教育費・通信費など、細かく項目分けをしてください。レシート・領収書も保管して毎月漏れのないように整理するのがポイントです。
次に、書き出した項目のなかから節約できそうなものを見つけましょう。たとえば、携帯プランや無駄な保険の解約などをすれば、毎月一定額の余裕を作れるはずです。
なお、支出を減らすのも大切なことですが、同時に「収入を増やす」ことも考えてください。副業や資格取得なども視野に入れながら、家計の安定を目指しましょう。
クレジットカードの利用をやめて現金決済をメインにする
家計を適切に管理する方法として、クレジットカードの利用をやめて現金決済をメインにすることが考えられます。
実は、クレジットカードは家計管理には不向きな決済方法です。なぜなら、商品等の購入時と支払日に1ヶ月程度のタイムラグが生じるために、「1ヶ月で総額いくら使ったのか」を把握しにくいからです。
これに対して、現金決済なら、手元にお金がなければ買い物をすることができませんし、手元に残っている金額の範囲内で生活をする癖が身に付きやすいはず。浪費癖への対処法にもなります。
リボ払いをやめて一括払いにする
クレジットカードの支払いで困っている人のなかには、普段からリボ払いを多用してリボ地獄におちいっているという人も少なくはないでしょう。
家計が安定するまでは現金決済がおすすめの方法ですが、もしカード決済をするとしてもリボ払いではなく一括払いを指定してください。なぜなら、一括払いなら手数料は発生しませんし、リボ払いのデメリットを回避できるからです。
リボ払いとは、利用額にかかわらず毎月の支払い額が一定になるカード決済方法のこと。毎月の支払いを固定できるので家計管理しやすいというメリットがある反面、次の3つのデメリットがあるために完済不可能なリボ地獄におちいるリスクのある取引方法です。
- リボ払いの手数料は消費者金融からの借り入れ並みに高い
- 長期的な取引になるのでリボ残債の完済までにかなりの手数料が発生する
- 毎月の支払い額が定額なので、残債が増え続けるおそれがある
毎月の支払いがしやすいので分かりにくいですが、リボ払いはユーザーにとって損する取引でしかありません。毎月の家計を安定させて長い人生でお金に困らないようにするためにはリボ払いをやめることが最優先事項です。
※リボ払いのデメリット・リスクについては、「リボ払いをやめたい人必見!リボ払いを出来るだけ早く辞める方法と継続する危険性について解説」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
どうしてもキャッシュレス決済を利用したいならデビットカードやプリペイドカードを活用する
家計のためにはクレジットカードを使わない方が良いとはいっても、キャッシュレス決済が普及した現代においてはカード決済の利便性を無視することができません。たとえば、ネットショッピングなどでも現金払いを指定すると何かと手間がかかるものです。
そこで、「家計管理を適切に行いたい」「キャッシュレス決済の恩恵をあずかりたい」という2つのニーズを同時に満たしたい場合には、デビットカード・プリペイドカード・家族カードを利用しましょう。
- デビットカード:登録した口座の残高を上限にカード決済できる。即時引き落とし。
- プリペイドカード:事前にチャージした金額を上限にカード決済できる。使い過ぎる心配なし。
- 家族カード:家族名義で発行しているクレジットカードの付帯サービス。
各カードにメリット・デメリットはありますが、特にデビットカードならほとんどクレジットカードと変わらない形で普段からカード決済を行うことができます。
口座残高が不十分なときには決済できない仕組みになっているので浪費癖対策にもなるでしょう。
※デビットカードについては、「債務整理でブラックリスト登録されても利用可能なデビットカードとは?決済方法のメリット・デメリットを解説」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
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家族・知人にクレジットカード利用額を立て替えてもらう
クレジットカードの支払い日が迫っているとき・すでに滞納しているときには、家族・知人に立て替えてもらって滞納ペナルティを回避するのも選択肢の1つです。
家族・知人からの融資であれば、カード会社のように厳しい取り立てや法的措置をとられるリスクは低いはず。事情を丁寧に説明して借用書を用意して借り入れをしてください。
なお、なかには頼れる家族・知人が居なかったり、どうしても家族などにはお金の話ができないという人もいるでしょう。しかし、そのような場合でも消費者金融などの貸金業者から借金をしてはいけません。なぜなら、借金返済のために借金をしても債務者が負担している借り入れ総額は一切減らないからです。
また、近年ではSNSを利用した個人間融資・ひととき融資・給料ファクタリング・各種現金化などが社会問題化しています。手軽に資金を調達できるので魅力的に見えるかもしれませんが、闇金とかかわるリスクが高いので絶対に利用しないでください。
※借金返済のために借金してはいけない理由については、「借金返済のために借金はやってはいけない!自力完済のコツと債務整理の道のりを解説」でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
生命保険の契約者貸付制度を活用する
現在、解約返戻金付きの生命保険に加入している人は、付帯サービスとして提供される契約者貸付制度を利用して当面の生活資金やクレジットカードの支払い額を調達する方法が考えられます。
契約者貸付制度とは、生命保険の解約返戻金を担保にして一定の借り入れができる制度のこと。消費者金融などからの借り入れよりも低利率(一般的には年利率2%~6%程度)で融資を受けられるので、家計の大きな負担にもなりません。
ただし、返済しないと保険が失効するリスクや、融資額が保険金と相殺されるので保険金の受取額が目減りする可能性がある点に注意が必要です。
家計が整ったら繰り上げ返済・一括返済で未払い分を完済する
リボ残債がふくれあがっていたり、長期の分割払いをしていたりする人は、家計収支がある程度落ち着いたタイミングで次の方法を実践してください。カード決済の手数料の負担を軽減することができます。
- ①繰り上げ返済
- ②一括返済
- ③毎月の支払い額の増額
金融機関とのお金のやり取りで覚えておくべきことは、「取引期間が短いほど発生する利息・手数料が少額で済む」ということ。返済が長期化するほどトータルで見た負担額はかならず重くなるので、いかにして短期間で支払いを終わらせるかが重要です。
①②③のいずれの方法を実践しても、残債元本を積極的に減らせます。ボーナス月や家計に余裕が生まれたタイミングでこれらの方法を実践し、利息・手数料の負担から逃れましょう。
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どうしてもクレジットカードの支払いを続けられないなら弁護士に債務整理を依頼しよう
クレジットカードの支払いを待ってもらえず、その結果請求額を支払うことができない場合には、すみやかに債務整理に踏み出す必要があります。なぜなら、滞納という現状を放置したままでは財産などが差し押さえられて取り返しのない事態におちいるからです。
そして、債務整理を利用する際にはかならず弁護士に相談をすることを強くおすすめします。なぜなら、弁護士に債務整理を依頼すれば次の4つのメリットが得られるからです。
- 弁護士に債務整理を依頼すればすべての借金問題を解決できる
- 弁護士に債務整理を依頼すればカード会社からの取り立てがストップする
- 弁護士に債務整理を依頼すれば手続きが終了するまで返済が停止する
- 借金問題解決に必要な費用面への配慮も期待できる
それでは、弁護士に債務整理を依頼するメリットについてそれぞれ見ていきましょう。
弁護士に債務整理を依頼すればすべての借金問題を解決できる
弁護士に債務整理を依頼すれば、クレジットカードの支払いだけではなく、債務者が抱えているすべての借金問題を解決することができます。
そもそも、債務整理とは国が認めた合法の借金減免制度のこと。どのような債務状況を抱えていたとしても、債務整理を利用すればかならず借金問題解決に向けた糸口をつかむことができます。
もっとも、債務整理には自己破産・個人再生・任意整理の3種類の手続きが用意されているので、どの手続きを利用して生活再建を目指すのかを事前に判断しなければいけません。法律の素人である債務者にはこの判断は簡単ではないでしょう。
債務整理に強い弁護士に相談すれば、債務者の借金状況・生活レベル・希望する生活再建方法などを総合的に考慮して、適切な債務整理手続きを選択してくれます。各債務整理手続きのメリット・デメリットは次の通りなので、手続き選択のためにお役立てください。
|
自己破産 |
個人再生 |
任意整理 |
メリット |
・借金が帳消しになる
・無職、フリーターでも利用できる
・借金の原因が問題視されることがある |
・借金減額効果が大きい
・住宅ローン返済中のマイホームを手元に残せる |
利息や遅延損害金をカットできる
・連帯保証人への迷惑を回避できる
・当事者同士で交渉できるので手続きが楽 |
デメリット |
・自由財産以外の財産が処分される
・職業制限を受ける仕事あり |
・安定的、継続的な収入が必要
・債権者による決議が必要 |
・(比較的)減額効果が弱い
・債権者の同意が必要 |
弁護士に債務整理を依頼すればカード会社からの取り立てがストップする
弁護士に債務整理を依頼すれば、カード会社を含めたすべての債権者からの取り立てがすぐにストップします。
債務整理の依頼を受けた弁護士が最初にする仕事は、債権者への受任通知の送付です。そして、受任通知を受け取った金融機関は一切の取り立てが禁止されるので、その結果として、「督促から解放される」というメリットが生じることになります。
そもそも、債務整理は弁護士に依頼をせずに本人だけでも手続きを進めることができます。しかし、本人だけで手続きを進めると受任通知という概念が手続きに登場しないので、債務整理の準備期間は債権者からの取り立てが止まりません。
したがって、債権者からのストレスがない状態で債務整理・生活再建に集中するためには、弁護士に依頼をして各種手続きの準備を行うのがおすすめです。
※受任通知については、「債務整理をすると借金の督促が止まるって本当?受任通知の効力について解説」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。
弁護士に債務整理を依頼すれば手続きが終了するまで返済が停止する
弁護士に債務整理を依頼すれば、各種手続きが終了するまでは返済をする必要がなくなります。
なぜなら、債務整理を利用する以上は、公平な形で制度を運用して借金状況をルール通りに引き直す必要があるもの。債務整理手続き中に返済をつづけてしまうと一部債権者だけが恩恵を受けるなどの不公平が生まれるからです。
弁護士に債務整理を依頼すれば、手続きが終了するまでは毎月の返済額を用意しなくても大丈夫です。したがって、貯金や家計の立て直しにお金を回せるので、よりスムーズに生活再建を目指せるでしょう。
弁護士なら借金問題解決に必要な費用面への配慮も期待できる
弁護士に債務整理を依頼するとなると費用面が心配になる債務者も少なくはないでしょう。たしかに、債務整理を依頼するとなると、一般的に総額数万円~数十万円の費用が発生することになるので、一定の経済的な負担を避けられません。
もっとも、弁護士に債務整理を依頼する場合には、次のような形で債務者の家計への配慮を期待できます。
- 借金問題の相談無料
- 弁護士費用の分割払い
- 法テラスの民事法律制度の活用
これらの制度・サービスを活用すれば、経済的困窮者でも生活再建のきっかけをつかめます。早期の相談がスムーズな解決につながるので、まずは弁護士までご相談ください。
※債務整理の費用については、「債務整理にかかる費用と相場は?お金がなくても手続きはできます!」で詳しく解説しています。あわせてご参考ください。
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まとめ
クレジットカードの支払いが難しいときには、できるだけ早期にカード会社に分割払いの交渉などを行いましょう。真摯な態度で返済意思を示せば、カード会社に支払いを待ってもらうことができる場合があります。
もっとも、滞納状況が深刻な状態などでは、カード会社が交渉に応じてくれない場合も少なくはありません。
その場合には、家計を適切に管理して完済を目指す、どれだけ努力しても支払いが難しいのならすみやかに債務整理を検討するのがおすすめです。
クレジットカードの支払いを滞納したままでは最終的に財産が差し押さえられてしまいます。早期に対策に踏み出せばデメリットを回避・軽減できるので、まずは専門家などにご相談ください。
クレジットカードの支払いを待ってもらうためのQ&A
クレジットカードの支払い日までにお金を用意できません。カード会社に連絡をした方が良いですか?
滞納前ならカード会社に交渉しやすいです。もっとも、請求額全額を待ってもらえるケースはほとんどあり得ないので、分割払いの交渉をすることになります。丁寧に事情を伝えて、今後の返済可能性について具体性をもって話を進めましょう。また、会員ページなどから分割払い等に切り替えれば滞納ペナルティを回避できる可能性もあるので家計状況を鑑みてご検討ください。
クレジットカードの支払いに遅れています。今からでもカード会社に待ってもらうことはできますか?
すでにクレジットカードの支払いを滞納しているのなら、カード会社から電話・督促状による取り立てが行われているはずです。支払いにかんする交渉をするためはもちろんですが、返済意思を示すためにも早期に連絡対応をしてください。ただし、滞納状況がよほど深刻でなければ分割払い・ボーナス払いなどに切り替えてくれる可能性はありますが、原則として支払いを待ってもらうのは難しいとお考えください。
クレジットカードの支払いを待ってもらえなかったのですが、請求額を支払うだけの余裕がありません。どうすれば良いですか?
カード会社からの請求に応じられないままだと、日々遅延損害金の負担が発生するだけではなく、最終的には財産・給与などが差し押さえられてしまいます。つまり、状況を放置するほど事態は深刻になるだけだということ。したがって、カード会社からの請求額を用意できないのなら、すみやかに弁護士に債務整理を依頼してください。クレジットカードの滞納分だけではなく、他社からの借金問題もまとめて解決できるでしょう。
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