弁護士なしでも自分で不倫慰謝料を請求できるがあまりおすすめしない
結論から言うと、弁護士なしでの慰謝料請求は大きなリスクを伴います。自分だけでも慰謝料請求はできますが、弁護士を雇わずに行動することで発生するリスクは、決して軽視できるものではありません。
弁護士を雇わない慰謝料請求のリスクは以下の通りです。
- 相手が弁護士を立ててきた場合、対応が困難になる
- 合意しても書面化しにくい
- 相手側から請求を受けた場合の対応が難しい
それぞれ順を追って解説していきます。
相手が弁護士を立ててきた場合、対応が困難になる
慰謝料請求を行う場合、相手方が弁護士を立ててくる場合があります。そうなると、こちら側の主張通り、慰謝料請求するのは非常に困難になるでしょう。
前提として、法律のプロである弁護士と、一般人が対等に議論するのはまず不可能です。弁護士は請求内容の正当性や、不貞行為が立証可能かなど、様々な視点から意見してきます。法的知識がなければ、それらの意見に対して真っ向から反論することはできません。その結果、相場より低い金額の慰謝料しか請求できなかったり、最悪請求を諦めることになります。
また、話し合いではなく、訴訟を起こした際にも、相手だけ弁護士がついているとかなり不利になるでしょう。訴訟には多くの書類の提出が必要になり、時間的にも精神的にも疲弊します。しかし、相手方はそれらの複雑な手続きを、全て弁護士に任せることができるのです。また、法律のプロが用意する主張や証拠と同レベルの証拠を、法廷で提出するのは至難の業です。
以上の理由から、相手方が弁護士を雇った場合は、こちら側も弁護士に依頼するのが賢明です。
合意しても書面化しにくい
仮に話し合いで合意したとしても、内容を書面化しておかなければ、後に新たな争いの種になる可能性があります。しかし、話し合いでまとまった内容を書面に起こすのは、慣れていない方には難しいでしょう。
また、相手方が署名の段階で、「そんな内容は納得していない」と署名を拒否してくる可能性も否定できません。書面した内容が不十分だと、相手に言い逃れする隙を作ることにもなります。
その点、話し合いの段階から弁護士に介入してもらえば、まとまった内容を不備なく書面に起こしてもらえるでしょう。また、公正証書など法的効力を持つ書面の作成も容易になります。書面の内容を反故にされる心配がある方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。
相手側から請求を受けた場合の対応が難しい
不倫相手に対して慰謝料を請求した場合、逆に相手から請求を受ける可能性もあります。
例えば、不倫相手にも配偶者がいる場合です。当然ですが、相手の配偶者にとって、自分の夫(妻)は不貞行為の相手に当たります。そのため、自分の配偶者に対して慰謝料を請求するのは、不思議なことではありません。
また、相手に配偶者がいなかったとしても、相手が慰謝料を全額払ったことを理由に、自分の配偶者へ求償請求する可能性があります。
求償権を簡単に説明すると、不倫関係にあった2人のどちらかが慰謝料を多めに支払った際に、もう一方へ超過分の金額の返還を請求できる権利です。本来、不貞行為は「共同不法行為」とされる行為で、不倫した配偶者と不倫相手それぞれに、慰謝料の負担すべき割合があります。そのため、一方が相手の分も含め慰謝料を払った場合には、後に負担分の金額を請求できるのです。
求償権を行使されると、請求金額の減額交渉など含め、配偶者側で対応しなければいけなくなります。こういったトラブルに事前に対処できるよう、弁護士に依頼しておくのが得策です。
時間や労力がかかり疲弊する
自分で慰謝料を請求した場合、かなりの時間と労力がかかるため、体力的にも精神的にも疲労してしまいます。
仮に子供がいる状態で離婚すれば、慰謝料だけでなく、親権問題、養育費、面会交流と、交渉すべき条件が多くあるでしょう。特に、養育費は慰謝料と同じく、事案によって相場が変わるので、請求する際には下調べが必要になります。
その上、裁判や調停を起こすとなれば、訴状など作成しなければいけない書類が山積みです。不倫を理由に慰謝料を請求するには、相手の不倫を裏付ける証拠集めと、証拠説明書の作成が必要になります。
法律に詳しくない方が、1人で引き受けるには余りにも膨大な作業です。これらの作業をこなしながら、仕事や家事をこなすのは、はっきり言って難しいでしょう。最悪、離婚裁判の準備が原因で、体を壊してしまうかもしれません。
そのため、多少費用がかかったとしても、弁護士に依頼する方が結果的に得られるメリットは大きいでしょう。
慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼せずとも慰謝料請求を行うことはできます。しかし、当事者間だけのやり取りでは、どうしても法律面で分からないことや、確実な請求ができないなど問題も多く発生するでしょう。
その点、弁護士に相談すれば、主に以下の5つのメリットがあります。
- 事案ごとに助言してくれる
- 相手にプレッシャーをかけて任意での支払いが期待できる
- 慰謝料請求に関する手続きを代行してくれる
- 問題の拡大を防げる
- 慰謝料以外の条件についても相談できる
それぞれ順を追って解説していきます。
事案ごとに助言してくれる
弁護士に依頼することで、事案に合わせた適切な助言を受けられるでしょう。
一口に不倫問題といっても、自分の置かれている状況によって、請求できる慰謝料も異なってきます。そのため、ネット上で見られる対処法や請求金額が、自分にも当てはまるとは限りません。不倫の慰謝料請求の相場は10万から300万円程度と言われていますが、事案によっては相場以上の金額を請求できる場合もあります。
また、弁護士に依頼することで解決の糸口が見つかり、法的措置などの手段を取らずに済む可能性もあるでしょう。そのため、まず弁護士に相談し、自分の事案について話すことが重要です。
相手にプレッシャーをかけて任意での支払いが期待できる
前述した通り、相手方にだけ弁護士がつくと、一気に不利な状況に追い込まれるでしょう。法律のプロを相手にするのは、精神的にもかなりの負担になります。逆にいえば、こちら側だけ弁護士を立てられれば、相手に相当なプレッシャーを与えられるということです。
夫婦の関係次第では、相手が慰謝料の支払いを怠る可能性もあります。しかし、相手が弁護士となれば、請求を拒否するのは難しくなるはずです。また、こちらが弁護士を立てた時点で、相手方には法的措置を取られると懸念するでしょう。そうなれば、相手が裁判に持ち込まれるのを嫌って、任意で請求に応じる可能性も出てきます。
このように、弁護士に依頼するだけで、相手へ大きなプレッシャーを与えられるかもしれません。結果的に、法的措置など面倒な手続きや手数料が必要なくなる可能性もあります。
慰謝料請求に関する手続きを代行してくれる
弁護士に依頼すれば、慰謝料請求に関する手続きを全て代行してくれます。
慰謝料問題を進める中で、苦痛となるのが不倫相手とのやり取りでしょう。相手が素直に謝ってくれるような人物ならいいですが、そう上手くはいきません。前述した通り、不倫相手と顔を合わせて、感情を抑えられなくなるケースもあります。そのため、話し合いが長引くほど、精神的にも身体的にも疲労が溜まってしまうでしょう。
その点、相手とのやり取りを全て弁護士に任せれば、嫌な相手と顔を合わせずに済みます。また、弁護士であれば感情に流されず、証拠を元に客観的かつ冷静に慰謝料の交渉を進めてくれるでしょう。相手とのやり取りを避けたいと考えている方は、1度弁護士に相談するのがおすすめです。
問題の拡大を防げる
不倫問題を大きくせず、なるべく穏便に済ませたい方もいるはずです。しかし、相手が請求に応じず、訴訟するしかなくなることもあります。そうなれば、近所や周りの人間に、不倫問題がバレてしまう可能性があるでしょう。
また、不倫に関するトラブルは、慰謝料請求には留まりません。例えば、不倫に関する噂が広がったことで職場から退職を求められたり、離婚をきっかけに引っ越しを余儀なくされるなどの問題が発生する可能性があります。
それらのトラブルを適切に対処し、拡大を予防するには、不倫問題のさまざまな事案に詳しい、弁護士の協力があると確実です。弁護士に依頼することで、慰謝料請求だけでなく、付随する問題にも対処できるようになります。
慰謝料以外の条件についても相談できる
不倫問題は、慰謝料請求以外にも話し合っておくべきことがあります。例えば、子供がいる状態で離婚する際は親権や、養育費、面会交流に関する合意が必要になるでしょう。後の生活を考えれば、不倫相手と接触禁止事項や、公害禁止事項など合意できると望ましいです。
これらの合意に法的効力があるなしに関わらず、結んでおくことで相手方への牽制にもなり得ます。弁護士に相談すれば、慰謝料請求以外にも、相手へ要求できる条件や、法的効力の有無についてアドバイスを受けられるでしょう。
不倫問題を解決した先の生活に不安がある方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。
慰謝料請求を弁護士に依頼すべきケース
弁護士に依頼するメリットがわかっても、実際に弁護士に依頼していいのか不安に思う方もいるでしょう。そこで、慰謝料請求について弁護士に相談すべきケースを4つほどピックアップしました。
以下の項目のどれかに当てはまっている方は、すぐにでも弁護士に依頼するのが望ましいです。
- 不倫が始まった時や、夫婦関係がすでに崩壊していた時
- 不倫慰謝料請求権の時効が成立している
- 不倫相手に故意・過失がない
- 慰謝料を請求した相手が自己破産した
それぞれの事例について詳しく解説していきます。
不倫が始まった時や、夫婦関係がすでに崩壊していた時
不倫が始まった時に、夫婦関係が崩壊していると、特段の事情がない限り慰謝料の請求はできません。なぜなら、不貞行為が婚姻関係を侵害、または破壊した場合のみ「保護される利益」として請求できるのが慰謝料だからです。
例えば、お互いに離婚に向けて協議中だったり、別居状態が続いていた場合は、婚姻関係の修復は不可能と見做されます。
なお、夫婦関係が崩壊していたか判断する目安としては、主に以下の項目が重視されるケースが多いです。
- 同居しながら食事を共にしているか
- 親族との交流があるか
- 子供の行事などに家族で参加しているか
- 性交渉があるか
- 離婚の合意の有無
- 別居期間の長さ
- 婚姻関係継続の意志など
夫婦関係の崩壊に関しては、上記の項目以外にも様々な事情が考慮されます。そのため、上記項目に当てはまっているからといって、夫婦関係が崩壊していないとはいえません。
また、不倫関係が破綻していると認められなくても、崩壊寸前にあった場合などは慰謝料に大きく影響してきます。このように夫婦関係の崩壊は、一般人では判断が難しいので、事前に弁護士に相談するのがいいでしょう。
不倫慰謝料請求権の時効が成立している
実は不倫慰謝料請求権には、時効が存在しているのです。
主に、不貞行為を知ってから、または離婚から3年経過すると時効が成立します。また、不倫相手への慰謝料請求の時効は、不倫相手を特定してから3年です。なお、不貞行為から20年経過すると、請求権が消滅するため、慰謝料の請求ができなくなります。
そのため、時効が完成する前に、なるべく早く慰謝料の請求を行う必要があるのです。ちなみに、時効完成前に、時効の進行をストップ、またはリセットする手段があります。
時効の進行を止める手段と、効果については以下の通りです。
方法
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効果
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裁判による請求
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裁判中は時効が完成しない
裁判後は新たに10年間時効が更新
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内容証明郵便
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相手が受領してから6ヶ月、時効の進行がストップ
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債務承認
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債務承認させると時効はリセット
承認から3年は時効が完成しない
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仮差押・仮処分・差押
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手続き終了から6ヶ月は時効が完成しない
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なお、時効後であっても、慰謝料の請求は不可能ではありません。例えば、相手が時効の存在を知らずに、支払いに応じれば請求が可能です。その後に、相手が時効に気づいても、慰謝料の支払いを拒むことはできません。
しかし、基本的には慰謝料の時効後に、請求するのは難しいと覚えておいてください。不倫が発覚したのなら、すぐに弁護士に相談し、時効前か、慰謝料請求は可能かを確認しましょう。
不倫相手に故意・過失がない
不倫相手に故意・過失がなかった場合も、慰謝料は請求できません。つまり、既婚者であることを知らなかった、気づかなかったことが原因で不倫に及んだ場合は、不法行為が成立しないということです。
しかし、相手が「知らなかった」と主張しているからといって、請求を諦める必要はありません。なぜなら、不倫相手側が「既婚者だと知り得なかった」と判断されるのは非常に難しいからです。
例えば、独身といいながら、土日しか会えない、住所も教えてくれないなど、不審な点が多く見られた場合は「既婚者と気づく可能性があった」と判断されます。そのため、不倫相手側が故意・過失がないと認められるには、交際相手が独身であると積極的に偽っていた証拠を提示しなければいけません。
不倫相手が「既婚者と知らなかった」と主張している場合は、弁護士へ相談し、相手側に故意・過失が本当にないのか調べることをおすすめします。
慰謝料を請求した相手が自己破産した
慰謝料を請求できたとしても、請求した相手が自己破産していると慰謝料を受け取れない可能性があります。なぜなら、自己破産をすると、基本的に全ての債務の支払い義務がなくなるからです。そして、免責される債務の中には、慰謝料も含まれています。
一応、慰謝料が免責されないケースとして、免責不許可事由があります。簡単にいうと、ギャンブルなど著しい浪費癖があると、免責不許可事由に該当し免責が認められません。他には、破産者の悪意に基づく行為による損害賠償請求権などは、非免責債権に該当し支払い義務が残ります。
しかし、不貞行為に基づく慰謝料は、基本的に非免責債権と認められません。そのため、相手が自己破産すると、慰謝料請求できる可能性は限りなく低くなっているのが現状です。
ただ、相手側が配偶者を積極的に苦しめようとした場合、DVなどの身体に対する不法行為がある場合は、損害賠償請求権に当てはまり、慰謝料の支払い義務が残る可能性があります。そのため、相手が自己破産した場合は、1度弁護士に相談し、自身の事案が損害賠償請求権に当てはまるかどうか確認しましょう。
不倫の慰謝料相場は100万円から500万円
不倫の慰謝料相場は、離婚に至った場合で100〜500万円、離婚に至らない場合は50〜150万円です。基本的に、不倫による精神的苦痛の度合いが、慰謝料の相場に大きく関係しています。そのため、不倫が原因で離婚した場合の方が、離婚しないケースより慰謝料の請求額が高くなるということです。
なお、不倫以外にもDVやモラハラ、セックスレスなどさまざまな理由で、離婚の慰謝料を請求する場合があるでしょう。ケース別の離婚時に請求できる慰謝料の相場は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
不倫による離婚の慰謝料額が決まるポイント
不倫による慰謝料額を決定するには、主に以下の項目がポイントになります。
- 婚姻期間
- 不貞行為の長さ・頻度
- 離婚したかどうか
- 不貞行為が夫婦関係に影響したか
- 子供へどの程度影響したか
- 誓約書など反故にしたか
- 支払能力
- 配偶者が受けた精神的苦痛
- 配偶者の落ち度の有無など
例えば、婚姻年数が短かったり、不倫が原因で離婚に至らない場合は慰謝料が相場より低くなる可能性があります。また、不倫相手側がこちら側が既婚者だと知らなかった場合や、謝罪してきている場合も減額されるでしょう。
一方で、不貞行為によって長く続いた婚姻関係が破綻したり、養育する子供に悪影響を与えた場合は、高額の慰謝料を請求できる可能性が高いです。また、不倫相手側が婚姻関係を知っていたり、故意に夫婦関係を破綻させようとしていた場合は、相場以上の慰謝料が請求できる可能性があります。
不倫の慰謝料を請求する方法
不倫の慰謝料を請求する方法としては、主に以下の4点が挙げられます。
- 話し合いで慰謝料を請求する
- 内容証明郵便で慰謝料を請求する
- 調停で慰謝料を請求する
- 裁判で慰謝料を請求する
それぞれ詳しく解説していきます。
話し合いで慰謝料を請求する
最も簡単な手段としては、相手方との話し合いで慰謝料を請求する方法です。特別な手続きを必要とせず、相手と対面で話し合ったり、メールや書面で慰謝料の支払いについてやり取りするだけです。
そして、話し合いの末にまとまった条件に相手が合意したら、話し合いの内容を示談書に明記し双方で署名・印鑑をします。示談書は法的効力を持っているため、相手が支払いを拒んだ際などに、裁判で証拠書類として有効です。
ただし、示談書は公的立場にない私人が作成した文書であるため、強制執行を行う力はありません。そのため、確実な支払いを望む場合は、公証役場などで話し合いの内容を公正証書として作成しましょう。公正証書であれば、支払いが行われなかった際に強制執行を行えます。
話し合いのデメリットは、相手が合意しない限り、平行線のまま長引く可能性があることです。そのため、慰謝料問題に想像以上に時間を取られ、精神的に疲労していく可能性が高いでしょう。また、話し合いは、相手が話し合いの席についてくれることが前提条件です。そのため、相手方の出方によっては、一向に慰謝料問題が進まない可能性もあるでしょう。
内容証明郵便で慰謝料を請求する
話し合いをして条件がまとまった末に、相手へ慰謝料を請求する際に内容証明郵便を利用するのも1つの手です。内容証明郵便なら、送付した郵便物に記載された内容を、郵便局が公的に証明してくれます。そのため、後に相手方と「言った言ってない」の争いへ発展した際に効果的です。
ただし、内容証明郵便には法的効力や強制力等はありません。また、請求した慰謝料の請求額の正当性を証明するものでもなく、あくまで、話し合いの内容を記録するための手段だと覚えておいてください。
調停で慰謝料を請求する
当事者間だけの話し合いで解決しない場合は、調停で慰謝料を請求するのが良いでしょう。調停は話し合いの末に、問題の解決・和解を目指す裁判所の手続きです。裁判官・民間人から選ばれた調停委員会が間に入ってくれるため、スムーズに話し合いが進む可能性が高いです。
そして、双方が納得できる条件に合意したら、裁判所が調停証書を作成してくれます。調停証書は裁判所の確定判決と同じ効力を持っているため、相手が慰謝料の支払いを行わない場合は、訴訟手続きを省いて財産の差し押さえが可能です。
また、調停は非公開の調停室で行われるため、訴訟と異なり外部にやり取りが漏れることはありません。また、訴訟よりも費用が安く、手続きも複雑ではないため、比較的利用しやすい手段となっています。
ただし、調停は問題を必ず解決できる手段ではありません。調停の末に条件がまとまらない、双方が話し合いの内容に合意しないなど、解決の糸口が見えないと判断されると調停は打ち切られてしまうので注意が必要です。
また、裁判と違って、調停に出頭しなかった場合のデメリットはありません。相手方が現れなければ調停は不成立、または取り下げとなるだけです。そのため、相手方が調停の場に現れなかった場合は、折角の労力と時間が無駄になってしまう可能性があると覚えておいてください。
以下で、慰謝料請求調停に必要な書類、費用について詳しく解説していきます。
慰謝料請求調停に必要な書類
まず、慰謝料請求調停には、以下の5点の書類が必要になります。
- 申立書
- 事情説明書
- 進行連絡メモ
- 送達場所の届出書
- 本件紛争に関する書類2部(裁判所分と相手分)
調停を申し立てるための申立書は、裁判所の窓口でも入手できる他、裁判所のホームページからダウンロードすることができます。その他の書類も、全てホームページから確認できるので1度確認してみてください。作成も調停委員から説明を受けながら進められるので、専門的な知識等は必要ありません。
慰謝料請求調停
注意点として、裁判所に提出される書類は、相手方が裁判所へ許可を取れば閲覧・コピーが可能です。そのため、相手方に知られたくない情報等は、事前に黒塗りにして隠すなどして提出してください。また、マイナンバーが記載された書類は受け取ってくれないので、確定申告書等のマイナンバーが記載された部分も黒く塗り潰しておきましょう。
慰謝料請求調停を申し立てる方へ
慰謝料請求調停に必要な費用
慰謝料請求調停に必要な費用は以下の2点です。
- 請求金額に応じた収入印紙
- 書類を相手に送る速達代金
まず、収入印紙です。調停を申し立てるには、請求金額に応じた手数料を収入印紙で裁判所に収める必要があります。請求金額別の手数料は以下の表の通りです。
請求金額
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10万まで
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〜20万まで
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〜30万まで
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〜40万まで
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〜50万まで
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〜60万まで
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〜70万まで
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〜80万まで
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〜90万まで
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〜100万まで
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手数料
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500円
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1,000円
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1,500円
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2,000円
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2,500円
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3,000円
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3,500円
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4,000円
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4,500円
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5,000円
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表では請求金額100万円までの手数料しか記載していませんが、裁判所のホームページには請求金額1億円まで手数料が記載されています。ぜひ1度ご確認ください。
裁判手続き 手数料額早見表
連絡用の郵便切手の費用は、申し立てる裁判所によって異なります。各裁判所のサイト内の「裁判手続を利用する方へ」に記載されている可能性もあるので、事前にそちらを確認するのが良いでしょう。記載されていない場合は、裁判所へ問い合わせてください。
裁判で慰謝料を請求する
調停でも決着がつかない場合は、慰謝料を請求するために訴訟提起する必要があるでしょう。調停と違って、相手方が裁判に出頭しなければ、訴えた側の主張が全て認められることになります。そのため、ほぼ強制的に相手を話し合いの場へ立たせることが可能です。
なお、申し立てる裁判所は、請求する慰謝料の金額によって異なります。申し立てる裁判所と請求金額は以下の表の通りです。
140万円以下の慰謝料請求
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簡易裁判所
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140万円を超える慰謝料請求
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地方裁判所
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裁判を通して下された判決には法的な強制力が生じるため、相手が判決に応じない場合は強制執行を行えます。そのため、訴訟という手段であれば、出頭しない、慰謝料を払わないといった逃げ道を防ぐ効果が期待できるでしょう。
一方で、慰謝料請求訴訟には、時間がかかりすぎるというデメリットがあります。訴訟手続きは基本的に半年、または1年以上時間がかかるため、問題をすぐ解決するには不向きな手段です。また、訴訟は双方が納得した内容ではなく、双方が提出した証拠を元に裁判官が公平に判決を下します。そのため、請求そのものが認められない、望んでいた金額よりも低い請求額が認定される可能性があるので注意してください。
以下で慰謝料請求訴訟に必要な書類、費用について詳しく解説していきます。
慰謝料請求訴訟の申し立てに必要な書類
慰謝料請求訴訟に必要な書類は以下の2点です。
まず、慰謝料請求訴訟の訴状は、訴えの提起のために裁判所へ提出する書類です。裁判所へは、正本、副本の2部用意して提出してください。また、請求内容を裏付けるための証拠のコピー、また証拠内容を説明する書類も合わせて提出する必要があります。
訴状を始め、提出書類に決まった書式はありません。ですが、裁判所のホームページには、民事訴訟関係の各種書式が用意されているので確認してみてください。以下に添付したサイトには、水戸地方裁判所、及び茨城県内の簡易裁判所で案内されている各種書式や記載例が用意されています。
地方裁判所の民事訴訟関係の各種書式
慰謝料請求に必要な費用
慰謝料請求に必要な費用として以下の2点が挙げられます。
- 請求金額に応じた収入印紙
- 書類を相手に送る速達代金
まず、調停と同じく、裁判手続きを利用するには、請求金額に合わせた手数料を収入印紙で納める必要があります。訴訟の場合は調停の2倍以上手数料がかかるので、事前に確認しておくのが良いでしょう。
訴訟の際に必要な、請求金額に合わせた手数料は以下の通りです。
請求金額
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〜10万
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〜20万
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〜30万
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〜40万
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〜50万
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〜60万
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〜70万
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〜80万
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〜90万
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〜100万
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手数料
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1,000円
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2,000円
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3,000円
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4,000円
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5,000円
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6,000円
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7,000円
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8,000円
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9,000円
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10,000円
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表には請求金額100万円までしか記載していませんが、裁判所のホームページにある早見表には請求金額1億円分まで手数料が記載されています。また、印紙の他には、書類の郵送の際に使用する予納郵券代も必要です。
予納郵券代は裁判所によって異なりますが、基本的に10,000円以下と考えていいでしょう。例として、原告・被告が1名ずつの場合、東京地方裁判所への予納郵券代は6,000円、名古屋地方裁判所では7,670円となっています。
慰謝料請求を上手く進めるコツ
弁護士なしで慰謝料請求する場合には、心がけておくべきコツが以下の7点あります。
- 慰謝料請求の目的を明確にする
- 証拠を揃えておく
- 不倫相手の身元を判明させておく
- 相手との話し合いを冷静に行う
- 妥協点を決めて交渉する
- 合意内容を書面化する
それぞれ順番に解説していきます。
慰謝料請求の目的を明確にする
まず、「自分がなぜ慰謝料を請求するのか?」を明確にしましょう。不倫され相手に憤る気持ちは分かりますが、感情任せに慰謝料を請求していては、適切な問題解決はできません。慰謝料を請求する目的を決めれば、行動の指針にもなるはずです。
例えば、不倫を理由に離婚するなら、離婚した後の生活資金として慰謝料を請求します。生活資金を目的に請求するなら、話し合いではなく調停や裁判など、より確実に慰謝料を獲得できる方法を選ぶのがおすすめです。
また、離婚はしないが、2度と相手が不倫をしないよう、慰謝料を請求する場合もあるでしょう。その際は、確実な支払いではなく、相手へ釘を刺すのが目的になるはずです。ならば、法的な手続きよりも、話し合いだけで事を済ませる方が、後の夫婦関係にも影響は少ないと考えられます。
ただ怒りを発散するために感情をぶつけるのではなく、冷静に自分の状況を見つめ直し、適切な解決を目指しましょう。
証拠を揃えておく
慰謝料を請求する上で、最も重要な要素は不倫の証拠です。不倫の事実があったとしても、証拠がなければ調停や訴訟には持ち込めません。それどころか、相手方に事実を否定され、支払いに応じてもらえない可能性もあるでしょう。
そのため、相手方へ慰謝料を請求する前に、請求の根拠となる証拠を徹底的に集めておく必要があります。不倫の証拠としては、客観的に不貞行為があったと裏付ける証拠が有効です。例としては、メールやSNS状でのやり取り、不倫相手との肉体関係が推測できる写真や動画が特に効果があります。
また、モラハラを理由に慰謝料を請求する場合もあるでしょう。その際も、モラハラの現場を録音・録画したデータや、メールやSNS上での侮辱的な発言等、客観的な証拠が最も有効になります。
DVで慰謝料を請求する場合は、DVの証拠を記録した映像や録音以外に、医者による診断書なども非常に有効です。また、DV加害者の中には、DVを行った後に被害者へ謝罪する人物も一定数います。そういったDV行為に対する、謝罪の言葉が記録として残っている場合も証拠として有効です。警察や公的機関への相談記録も証拠として利用できるので、DVを受けたらすぐ警察へ相談しましょう。
なお、不倫行為を相手方が口頭で認めるだけでは、証拠としては成り立ちません。相手方の発言を証拠とするには、不倫行為を詳細に自白した録音などが必要になります。
不倫相手の身元を判明させておく
不倫相手への慰藉料請求を考えている場合は、相手の氏名・住所を判明させておきましょう。仮に相手のLINEやメールしか分からないといった場合は、内容証明郵便物の送付や裁判の提起ができません。
相手方の身元を特定する方法としては、配偶者のスマホをチェックするのが有効です。例えばメールや電話帳に相手のアドレスが残っていて、そこから身元を特定できるかもしれません。他にも、インスタやXなどのSNS上で、不倫相手と繋がっていて、そこから身元を特定できる可能性があります。
配偶者が不倫相手と会うタイミングがわかる際は、尾行するのもひとつの手段です。ただし、プロでない限り相手に悟られず尾行するのは困難でしょう。そのため、費用はかかりますが探偵など身元調査のプロに依頼し、証拠を集めてもらうのが最も確実な手段です。
相手との話し合いを冷静に行う
配偶者や不倫相手と話す際は、なるべく冷静に対応してください。弁護士でもない限り、冷静に不倫相手や配偶者と話し合い、慰謝料を請求するのは難しいでしょう。しかし、感情的に話せば話し合いが長引くだけでなく、相手が慰謝料請求に応じない可能性も上がります。
そして、感情に任せ、相手に暴力を振るう等、犯罪行為に手を染めてはいけません。相手方が被害届を出せば、こちらが刑事責任を問われる可能性があります。「手なんて出さない」と思うかもしれませんが、実際に相手を目の前にしない限り、どんな行動をするかわかりません。
相手との話し合いが上手くいくか不安に感じるのであれば、親族や友人など、第三者に同席してもらうのも良いでしょう。最も確実な手段としては、話し合いの段階から弁護士に介入してもらい、相手方と交渉する事です。弁護士が代わりに相手と交渉してくれるので、嫌な相手と顔を合わせる心配はなくなります。
妥協点を決めて交渉する
慰謝料を請求する際には、妥協点を決めて交渉するのが良いでしょう。不倫の慰謝料は一般的な相場で50〜300万円とされています。不倫された側の感情としては、これ以上の金額を請求したい方もいるでしょう。
しかし、相場を大きく上回る慰謝料請求で、相手方の同意を得るのは非常に難しいといえます。相場を超える金額に固執し過ぎれば、結局裁判で解決するしかなくなるかもしれません。ですが、裁判所も前例を超える金額を認定する可能性は、非常に低くなっています。そのため、一般的な相場の中で、自分と相手方の状況、両者の感情面などを擦り合わせ、妥協点を見つけるのが非常に重要です。
また、相手方が一括で慰謝料を支払えず、分割での支払いを望む場合もあるでしょう。なるべく一括で受け取りたい気持ちもわかりますが、無理のある支払い方法では相手が拒む可能性も考えられます。そのため、請求金額を下げないために、分割払いを容認するのが得策です。
合意内容を書面化する
話し合いを行って合意に至った場合は、欠かさず合意内容を書面に残しておきましょう。書面に残しておかなければ、後に相手と「言った言ってない」の争いに発展する可能性があります。折角話し合いをしても、話し合いの内容を反故にされては、問題の解決には至りません。
書面を作る際には、示談書など法的効力を持つ書面に残すのがおすすめです。後に慰謝料の支払いが行われず、訴訟を起こす必要が出てきた際に、証拠書類として有効となります。また、話し合いを公正証書で作成しておけば、余計な手続きを踏まずに強制執行が可能です。
請求内容を書類に残しておけば、相手方に大きな圧力となるので、任意での支払いに繋がる可能性が高まります。そのため、慰謝料請求を含め、夫婦間で決めた取り決めは必ず書面に残しましょう。
弁護士に慰謝料請求を依頼するまでの流れ
最後に、弁護士に慰謝料請求を依頼するまでの流れを、簡単に説明していきます。
弁護士に依頼する際の流れは、以下の通りです。
それぞれ順を追って説明していきます。
電話かメール等で連絡する
まず、電話かメールで依頼したいと考えている弁護士の事務所へ問い合わせます。そして、受付職員に自分の状況や、相談内容について詳しく話しましょう。多くの弁護士事務所では30分〜1時間ほどの無料相談を受けつけています。そのため、事前に受付職員へ相談内容を話しておけば、弁護士と対面した際に無料時間分を有効に使えるでしょう。
なお、相談する弁護士事務所を選ぶ際には、離婚・慰謝料問題に強い弁護士を探すのがおすすめです。弁護士といっても、ぞれぞれ得意な分野は異なるため、適切なアドバイスを受けるには、慰謝料問題に強い弁護士を選ぶ必要があります。
離婚・慰謝料問題に強い弁護士を見極めるには、事務所のホームページを確認するのがいいでしょう。ホームページ内に離婚・慰謝料問題に関するコラムが多く掲載されていれば、慰謝料問題に力を入れている事務所である可能性が高いです。
弁護士との面談
面談時点では、既に受付職員を通して自身の相談内容が、弁護士に伝わっています。そのため、面談当日はヒアリングした事実関係の確認をしてから、相談内容について深くアドバイスをしてくれるでしょう。
もちろん、相談した弁護士に依頼するかどうかは、無料相談後に決めても問題ありません。相談する中で、「人となりが合わない」と感じたのなら、依頼は避けたほうがいいでしょう。ただでさえ苦悩が多い慰謝料問題を、相性が合わない弁護士と戦っていくのは大きな負担になります。
契約
相談した上で「この弁護士に依頼したい」と感じたのなら、弁護士へ契約の意思を伝えましょう。契約上の注意事項や費用、契約に必要な書類について契約前に説明してくれます。説明事項に納得できたのなら、弁護士との間に委任契約書を締結してください。
委任契約書を締結した後は、弁護士に着手金の支払いを行います。着手金は依頼の成功・失敗に関わらず、契約締結後に支払う費用です。例え、依頼内容を完遂できなかったとしても、着手金は原則返還されないことは覚えておいてください。なお、事務所によっては、成功報酬のみを受け取っている場合もあるので、依頼前に確認しておきましょう。
不倫の慰謝料請求に強い弁護士の探し方は、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
慰謝料請求は弁護士に依頼せずとも行えますが、法的知識が求められる場合が多く、一般人が1人で対処するのは難しいといえるでしょう。また、当事者間の話し合いだけでは、後に支払いを拒まれる可能性もあります。
そのため、慰謝料問題は1人で立ち向かわず、なるべく弁護士に依頼するのが望ましいです。弁護士が代理人としてやり取りすることで、相手へプレッシャーを与えることもできます。弁護士事務所には無料相談を行なっているところも多くあるので、1人で抱え込まずに、弁護士へ相談してみてはいかがでしょうか?
慰謝料請求に関するよくある質問
夫婦間のDV・モラハラの慰謝料相場はどれくらい?
夫婦間の
DV・モラハラによる慰謝料の相場は、50万円から500万円ほどです。ただし、日常的にどの程度のDV・モラハラを受けているかを証明できる客観的証拠の有無で、請求できる慰謝料は大きく変わってきます。
DV・モラハラは、継続的に受けているかどうかが慰謝料請求の際に争点になるので、証拠を複数用意しましょう。
また、DV・モラハラは、被害者側が精神的・肉体的に多大なダメージを負うケースも多くあります。最悪の場合、怪我が障害として残る可能性もあるでしょう。後遺障害が残った際には、相場を大きく超える慰謝料と合わせて、交通事故における後遺障害と同じく、障害によって影響を受ける将来の収入を考慮した賠償請求が可能です。
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