借金500万円はやばい?返済にかかる年数と自力返済のためにできること

生活が苦しいときに少しずつ借金をしていたら、いつの間にか500万円になってしまいました。これほどの金額を、自力で返済するにはどうしたらいいのでしょうか?


借金500万円は決して安い金額ではありませんね。しかし、自力での返済が不可能なわけではありません。利息が低い場合や収入が安定している場合は、しっかり返済計画を立てることで完済することも可能です。
いろんなカードローン会社から、無担保で借り入れをしているので、利息がかなり高いんです。債務整理も、そろそろ検討しなければならないのでしょうか。


500万円を完済するまでには長期間かかるため、既に返済が厳しいと感じていたり、滞納があったりするなら債務整理を検討するタイミングかもしれません。ただ、債務整理は早く始める程利息の負担が軽くなります。まだ決心がつかなくても、弁護士に一度相談してみるといいでしょう。
「足りないときに追加で借り入れることを続けてしまい、気づいたら借金が500万円になってしまった」
「自力で返すには、毎月いくらずつ、何年返済を続けたらいいんだろう・・・」
借金が500万円にもなると、返済に不安を感じる方も多いでしょう。500万円は決して簡単に返済できる額ではありません。仮に利息が15%なら、毎月10万円を返済に回しても完済まで約7年もかかります。
この記事では、まずは500万円を返済するイメージを掴めるよう、返済金額ごとにシミュレーションをしてみます。
シミュレーションの内容で返済が厳しいと感じてしまった方には、まずは自力返済のコツについて解説します。
そのうえで、債務整理を検討する具体的なタイミングについても解説いたします。債務整理方法の1つである任意整理をすれば、今の返済負担を大幅に軽減することも可能です。
なんとか自力で返済したいという方も、そろそろ返済が厳しいと感じ始めている方も、ぜひ参考にしてみてください。

- 借金500万円を返済するには毎月いくら、どのくらいの期間返済しなければならないかのイメージがつかめる
- 借金500万円を自力で返済するためには何をしたらよいかわかる
- 借金500万円を任意整理するとどのくらい減額できるのかわかる
- 任意整理を検討するタイミングがわかる
借金500万円はやばい?自力返済シミュレーション
借金500万円は決して簡単に返済できる金額ではありません。毎月いくら返済し、それがどのくらいの期間続くのか、まずはイメージを掴んでおきましょう。
借金500万円に必要な月々の返済額と返済期間シミュレーション
以下は、借金500万円を自力で返済する場合に必要な返済額と返済期間をシミュレーションした表です。イメージを掴みやすいよう、利息制限法上限利率である15%の場合と、10%の場合に分け、毎月の負担額ごとに比較しています。
毎月6万5,000円返済する場合
毎月6万5,000円ずつ返済する場合、完済まで利息15%なら約24年半、10%なら約10年半かかります。毎月の返済額を増やさなければ、現実的な返済計画とは言えないでしょう。利息制限法上限の15%の取引の場合、利息が膨らんで最終的には4倍近い金額を支払うことになります。
また、借金額が500万円と多額であるため、5%の違いは大きくなります。15%と10%を比較すると、返済期間も返済総額も倍以上になっているのがわかるでしょう。
利息 | 返済回数 | 返済年数 | 返済総額 | うち利息額 |
---|---|---|---|---|
15% | 295回 | 24年7ヵ月 | 1900万5,195円 | 1400万5,195円 |
10% | 127回 | 10年7ヶ月 | 814万1,686円 | 314万1,686円 |
毎月8万円返済する場合
毎月8万円ずつ返済できる場合、6万5,000円のときより返済総額はだいぶ抑えられます。それでも利息が15%の場合、返済総額のうち半額以上が利息になります。
利息 | 返済回数 | 返済年数 | 返済総額 | うち利息額 |
---|---|---|---|---|
15% | 128回 | 10年8ヶ月 | 1008万1,362円 | 508万1,362円 |
10% | 92回 | 7年8ヶ月 | 717万9,835円 | 217万9,835円 |
毎月の返済額8万円は決して安い金額ではありません。特にこの他に住宅ローンや家賃の負担がある家計では、住居費に加えて8万円を10年滞りなく返済していくのは厳しいかもしれません。
毎月10万円返済する場合
毎月10万円を返済に充てられれば、返済年数はだいぶ短縮できます。しかし、それでも利息が15%なら完済までに約7年かかり、利息として300万円以上支払わなければなりません。
利息 | 返済回数 | 返済年数 | 返済総額 | うち利息額 |
---|---|---|---|---|
15% | 83回 | 6年11ヶ月 | 806万5,059円 | 306万5,059円 |
10% | 68回 | 5年8ヶ月 | 656万6,834円 | 156万6,834円 |
【結論】借金500万円返済するには長期間の支払いが必要
結論、借金500万円を完済するためには長期の支払いが必要です。利息が15%だった場合、以下のような返済を続けなければなりません。
- 毎月6万5,000円の返済を24年7ヵ月
- 毎月8万円の返済を10年8ヵ月
- 毎月10万円の返済を約7年
返済期間が長期化することには、以下のようなリスクが伴います。
支払いが長期化することで利息分も膨らみやすい
上記のシミュレーションでわかるように、返済が長期化するほど返済総額は増えていきます。
返済の負担が厳しいからといって返済月額を減らすと返済期間が延び、延びた返済期間の分だけ利息が増えてしまうのです。
上記のシミュレーションによると、利息が15%で毎月65,000円返済すると、利息は1400万円にも上ります。毎月10万円でも300万円以上の利息を元金にプラスして支払わなければなりません。
そもそも元金が大きいので、長期間安くない返済に縛られる
元金が500万円と大きいので、長期間決して安くない返済額に縛られることになります。
利息15%で借り入れをしてしまうと、毎月10万円返済しても7年かかるのです。7年は決して短い期間とはいえません。7年のうちに収入状況や家族構成が変われば、当初の予定額で返済を続けることが難しくなることもあるでしょう。
無理な借金は滞納リスクと隣り合わせの状態
以上のように、借金500万円を自力で返済するためには、ある程度の金額を長期間返済し続けなければなりません。
しかし、無理な返済計画を組むと、滞納してしまうリスクが伴います。返済すべき金額を滞納してしまうと、どのようなリスクやデメリットが発生するのでしょうか。
遅延損害金の負担が重い
支払いが滞ると、翌日から遅延損害金がつき始めます。
遅延損害金は滞納へのペナルティの意味があるため、通常の利息よりも高く設定されています。消費者金融からの借り入れの場合、借入金額に関係なく、遅延損害金は20%までです。
借金が500万円あると、少しの遅延損害金でも負担が重くなるでしょう。
500万円×20%×1日÷365日=2739円
2,739円×30日=8万2,170円
仮に30日間滞納すると遅延損害金だけで8万円以上かかってしまいます。
信用情報にキズが付く
2ヵ月程度返済が滞ると、債権者から加盟する信用情報機関に滞納が報告されてしまいます。これにより滞納が信用情報機関に記録され、他の貸金業者に情報共有されてしまいます。
信用情報にキズがつくと、返済能力の低い顧客とみなされ、新たな借り入れができなくなります。また、現在利用しているクレジットカードも、更新や途上与信がおこなわれたタイミングで使えなくなるでしょう。
そのため、足りない時に他から借り入れて滞納を免れることができなくなります。
一括返済を求められる
2回以上滞納すると、期限の利益を喪失して一括返済を求められる可能性があります。
「期限の利益」とは、借りた金額を分割払いで返済できる、債務者側の権利です。期限の利益を喪失すると、分割弁済ができなくなり、遅延損害金を付した残額を一括請求されてしまいます。
多くの取引で期限の利益喪失は2回滞納した場合と定められていますが、何回で期限の利益を喪失するかは契約によって違います。当初の契約書を確認してみましょう。
訴訟提起され財産の差し押さえを受ける
滞納が続くと、債権者に訴訟や支払督促などを申し立てられる可能性があります。
裁判手続きになった場合、債権者ではなく管轄の裁判所から「訴状」や「支払督促申立書」が届きます。訴訟手続きになると、反論して判決を覆すのは難しいでしょう。
結果的に遅延損害金を付した金額の支払いを命じる判決が出ることは避けられません。
判決が出ても支払えなければ、債権者から給料や銀行口座などの財産を差し押さえられてしまいます。
借金500万円を自力で返済するためにできること
借金500万円を自力で返済するためには、まずは現在の収支状況と返済計画を見直しましょう。
返済のコツは、「支払う利息の額をなるべく減らすこと」です。
おまとめローンや借り換えを検討する
おまとめローンや借り換えを比較して利息を下げられないか検討してみましょう。
おまとめローンとは、利息の低い銀行ローンなどから借り入れた金額で今の債権者に対する債務を完済し、その後は利息の低いローンを返済していく方法です。
ただし、おまとめや借り換えのため、一度にたくさんの債権者に審査を申し込むと、「申し込みブラック」となる可能性があります。
同時にたくさんの申し込みをしたことは信用情報機関に照会をかけることでわかってしまいます。よほどお金に困っている顧客だとみなされて、どの債権者の審査も通らなくなる可能性があるので注意しましょう。
利息の高い取引から優先的に繰り上げ返済をする
余裕のある月やボーナスが出た月などは、積極的に繰り上げ返済をしていきましょう。
繰り上げ返済は、利息の高い取引から優先的にするのがポイントです。利息が高いと返済が長期にわたるとそれだけ支払総額が増えるため、優先的に完済までの期間を短縮することで支払総額を減らせるからです。
収入を増やして支出を減らす
可能なら副業や転職など収入を増やすことを検討しましょう。また、電気代やガス代、通信費などの固定費を削減すれば、ストレスなく支出を大きく減らすことができます。
浮いた金額を繰り上げ返済に回していくことで、完済までの期間を短縮し、支払総額を減額できます。
債務整理を行い、確実に返済できる金額に減額する
支払いが厳しいと感じたら、早めに債務整理を検討しましょう。
借金500万円を返済するには長い期間かかるため、途中で滞るリスクがあります。また、債務整理は早めに始めるほど高い利息を支払う期間が減り、返済が楽になります。
返済負担の軽減には任意整理がベター
任意整理とは、弁護士が債権者と交渉し、今まで発生した遅延損害金やこれからの分割弁済で発生する将来利息をカットした内容で和解することを目指す方法です。
債務額が500万円と大きいため、利息が0%になることで、毎月の返済額や返済総額の負担は非常に軽くなるでしょう。
利息 | 毎月の返済額 | 返済総額 | うち利息額 |
---|---|---|---|
15% | 17万9,471円 | 628万1,489円 | 128万1,489円 |
任意整理 | 13万9,000円 | 500万円 | 0円 |
利息 | 毎月の返済額 | 返済総額 | うち利息額 |
---|---|---|---|
15% | 12万1,811円 | 718万6,839円 | 218万6,839円 |
任意整理 | 8万3333円 | 500万円 | 0円 |
任意整理には、以下のようなメリット、デメリットがあります。
・任意の手続きなので、会社や親族に知られる可能性が低い
・遅延損害金や将来利息のカットも可能
・自分の財産を手元に残して手続きができる
<デメリット>
・元金部分の減額は基本的にはできない
・長期安定した収入が必要
・保証人がいる場合はそちらに請求が行く
3年で和解できるなら14万円程度、5年で和解できるなら8万4000円程度が毎月の見込み返済額です。この金額を返済できるようなら任意整理を検討しましょう。
任意整理が難しければ個人再生や自己破産も検討
任意整理が難しければ、個人再生や自己破産も検討する必要があります。
個人再生なら、裁判所に申し立てることで、元金を5分の1程度まで減額ができます。自己破産は、財産と引き換えに、裁判所の決定で債務の全額免除を受けるための手続きです。
借金500万円はやばい?|債務整理を検討するタイミング
借金500万円の返済が厳しくなるのには、以下のような理由があります。
- 毎月の返済が利息や遅延損害金により重くなること
- 返済が長期にわたるため、その間に収入状況が変わりやすいこと
債務整理は早く始めるほど返済負担が楽になりますが、弁護士に相談するとなると、なかなか決心がつかないかもしれません。ただし、以下のような状況に陥っているなら、なるべく早く債務整理を開始する必要があります。
利息が高い取引が多い
借金500万円を1社から借り入れている場合、利息制限法の上限利率は15%です。
500万円15%を毎月10万円、約7年間返済を続ければ、利息だけで300万円以上になります。この取引を、弁護士が債権者と交渉した場合、返済は4年2ヵ月程度、利息は全額カットできる可能性があります。
現在の利息が高ければ高いほど、任意整理をするメリットは大きくなるでしょう。
利息 | 返済額 | 返済回数 | 返済総額 | うち利息額 |
---|---|---|---|---|
15% | 10万円 | 83回 (6年11ヶ月) |
806万5,059円 | 306万5,059円 |
任意整理 | 10万円 | 50回 (4年2ヶ月) |
500万円 | 0円 |
収入が不安定
借金500万円は、利息が15%なら10万円ずつ返済しても7年間かかります。収入が不安定で7年以上一定額を返済できない可能性があるなら、債務整理を検討すべきでしょう。
無理な返済計画を続けようとすると滞納しやすくなります。前述したように、滞納には下記のリスクが発生します。
- 遅延損害金の加算により債務が増える
- 信用情報にキズがつき、他社からの借り入れができなくなる
- 残額を一括請求される
- 裁判手続きから最終的には財産の差押えを受ける
500万円は決して安い金額ではないため、返済負担は重く、長期に渡ります。現在すでに収入に不安がある場合は、債務整理を検討することをおすすめします。
返済のために借り入れをしている
毎月の収入だけでは返済が間に合わないときがあり、追加の借り入れをすることで返済に充てている場合はすぐに返済が滞る可能性があります。
貸金業法の「総量規制」に抵触し、どの債権者からも新たな借り入れが受けられなくなるからです。
貸金業法では、貸金業者に対し、債務者の借金合計が年収の3分の1の金額を超える貸付を行うことを禁止しています。これを「総量規制」といいます。
借金額が年収の3分の1を超えると、「総量規制」に引っかかり、どこの債権者からも新たな借り入れができなくなってしまいます。
返済額が足りずに追加で借り入れすることで補っている場合は、すぐに返済ができなくなるため、債務整理を検討すべきでしょう。
既に滞納を繰り返している
既に何度か滞納をしている場合は、今の返済計画に無理があります。返済につまずくと訴訟提起や差押えの可能性が高くなるため、債務整理を検討すべきタイミングだといえるでしょう。
金額も500万円と大きいため、滞納した場合の遅延損害金の負担も重くなります。早めに債務整理を開始することで、裁判手続きや利息・遅延損害金の負担を免れることができるでしょう。
まとめ
借金500万円になったら、弁護士などに債務整理の依頼を検討しましょう。
500万円は、多くの方にとって決して簡単に返済できる金額ではありません。毎月の返済額も多く、それが長期にわたります。返済が長期に渡れば、その間に家族構成や収入が変わることも十分に考えられます。
自力で返済するには、なるべく利息をカットすることを目指し、利息の高い取引から優先的に返済することや、おまとめローン・借り換えなども合わせて検討してみましょう。
現在高い利息で取引している場合や既に返済が滞っているなら、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。債務整理を依頼することで返済負担を大きく軽減できるでしょう。
無料で相談できたり、どのくらい返済できるかシミュレーションしたりすることもできますので、まずは気軽に相談してみましょう。
借金500万円返済する際のQ&A
借金500万円の場合、利息制限法の上限は15%です。仮に15%で500万円を借り入れている場合、毎月10万円ずつ返済すると、順調に返済しても7年程度かかります。この場合、利息だけで300万円以上支払わなければなりません。
利息が10%なら完済まで5年8ヶ月かかり、利息は156万円以上にのぼります。
借金500万円を返済するのには長期間かかるため、まずは実現可能な返済計画を立てましょう。
家計に余裕がある月やボーナスが入った月などは、積極的に繰り上げ返済をしましょう。
繰り上げ返済は、利息が高い取引から積極的に返済することが基本です。利息が高い取引ほど、完済を早めることで総支払額が減るからです。
利息が下がるなら借り換えやおまとめローンも検討しましょう。
節約は電気、ガス、通信費などの固定費を中心に見直すと、ストレスなく自動的に支出を減らすことができます。
債務整理を検討すべきなのは、以下のような場合です。
✔カードローンなど、利息の高い取引をしていること
✔収入が不安定
✔返済のための借り入れをしている
✔既に遅延が発生している
カードローンなど、利息が高い取引が多い場合は、任意整理で利息や遅延損害金をカットできるため、返済負担を大きく軽減できます。
自分の収入が不安定で返済のための借り入れをしている方、また既に滞納し始めている方は、すぐに返済不能になるリスクが高いといえます。このような場合はなるべく早く債務整理を検討すべきでしょう。
ただし、債務整理は早く開始するほど返済負担が軽くなるため、どのような状況でも一度相談してみることがおすすめです。

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